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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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好きな作曲家の音楽についての名言
仕事依頼・納品のサイクルが大分速いこの頃。
なんとかバースデーディナーの準備は・・・できるかな。家の掃除しないと(汗)

夜はブログ書いたり創作の書き物やったり、が基本なのですが昨日からさらに忙しくなるようなことをやり始めました。
それはQuotebook作り。詩だったり名言だったり迷言、歌詞だったり自分の好きなものをノートに書き写すコレクションで。これで3代目あたりになります。
数年に一回新しく作り直さないと、人というのは常に変化しているためQuotebookの内容が自分の心、思考、価値観などとずれてくるため・・・そろそろやろうかな、と思ってたので始めました。
内容は英語のquotesサイトなどで見つけてくるため中身はほとんど英語。英語・日本語のバランスだったりぱっと見た目、中身の作為的なランダムさなど考えて並べてます。

そんな中人名で検索することも多いため、好きな作曲家の名言も割と入れてます。
今日はそれらの中から「音楽」についてのお気に入り5つをちょっと紹介したいと思います。
英語で見つけたのが多いので英語で書いて、それで自分による和訳を載せます~

「Music is the space between notes.」
(音楽は音と音のあいだの間である。)
クロード・ドビュッシー

私にとっての座右の銘といえるかも知れない言葉です。せっかちな奏者である自分に対しての諫めの言葉でもありますが、音と音の間の時間、空間、そして響きを感じる音楽を本当に愛していて、そういう表現を目指しているので。同時にジャンルかまわず音楽を創る・聴く人に求めるというかもっと意識して欲しいな、と思ってることでも。
ドビュッシー自身の音楽だけでなく、メシアン、バルトーク、スクリャービン、クラムなど20世紀の音楽の魅力、そしてさらに本質を正確に突いていると思います。

「Music is enough for a lifetime, but a lifetime is not enough for music.」
(音楽は一生を満たすに十分だが一生は音楽を満たすには足りない。)
セルゲイ・ラフマニノフ

プロになる・ならないに関わらず音楽を愛せば一生愛せるもの、そして涸れることない幸せの泉を得た、という確信が得られるのですが、同時に一生の間全てを賭けて音楽を追いかけ愛してもその全部を知ることはないし、もっともっとと追い続けたい気持ちは募るばかり。
音楽を愛する人の幸せ、そして覚悟にもにた心得を教えてくれる言葉です。

「Perhaps of all the most basic elements of music, rhythm most directly affects our central nervous system.」
(あるいは音楽の最も基本な構成要素の中でリズムが最も直接的に我々の中枢神経系に影響を与えるのかも知れない。)
ジョージ・クラム

クラムの名言はいろいろあるのですが主に翻訳の腕の限界でこれをセレクトしました。
でもこの言葉を聞いて正直「よっしゃ!ありがとう!誰かがちゃんと説明してくれてる!」と喜びました。特にバルトーク、メシアンやクラムの音楽を聴いたりしてなんとなく感じてたことで密かに「違うのかな-」と思ってたことなので・・・
自転車の乗り方みたいな「身体の記憶」に近いんですよね、リズムって。
あとはその、神経学的な証明というか説明が欲しいところです。

「People who make music together cannot be enemies, at least while the music lasts.」
(音楽を共に奏でる者達は敵同士ではあり得ない・・・少なくとも音楽が鳴っている間は。)
パウル・ヒンデミット

これも自分にとって座右の銘的なポジションである言葉です。少なくともオケ関係でストーリーを書く際にこの言葉を意識してること結構あります。
そして自分が音楽って不思議だなあ、素晴らしいなあ、と思う事の一つです。なんだ自分はオケにいることがこんなに好きで、心地良く思えるんだろうと考えたとき少なくともその一部はこの言葉に表されているようなことがあるのも確かです。
音楽を共に奏でるとそこにユートピアというか「理想の社会」ができるんだ、もっと先に行くと世界の全ての人が音楽を共に奏でることを学ぶことで世界平和が訪れるんじゃないか、なんていうことまで思っちゃいます。

「It is cruel, you know, that music should be so beautiful. It has the beauty of loneliness and of pain: of strength and freedom. The beauty of disappointment and never-satisfied love. The cruel beauty of nature, and everlasting beauty of monotony.」
(音楽がこれまで美しいということはなんと残酷なことなのだろうか。音楽は孤独や痛みの美しさを持ち、そして力と自由の美しさを有していながら、落胆、そして叶わぬ恋の美しさも持ち合わせ、自然の残酷さに見られる美、そして不変が孕む永遠の美しさをも持っている。)
ベンジャミン・ブリテン

翻訳が難しかったですがちょっと無理しちゃいました。音楽はポジティブな事の美しさを表現するだけではなくネガティブな事の美しさも表現するという(以前読んだ論文に「どうして人間はネガティブな感情を孕んだ音楽を楽しむことができるのか?」というのがありましたが正にそれですね)。
ブリテンらしいなあ、というかイギリスの作曲家らしいな、と思いますね。切ない美しさ、心を刺すような痛みの快感というのの表現が本当に「美しい」んですよねー。
ネガティブなものも「美しさ」に変えてしまう音楽は素晴らしいものと同時にまた恐ろしいものでもある、というのが伝わってくる言葉です。

やっぱり自分で翻訳というのは(一応仕事は翻訳者ですが!)難しいですね。
また今度「音楽家じゃない人の音楽に関する名言」とか「芸術全般に関する名言」とかいろいろやってみたいと思ってます。その際はどうかお付き合いください~


今日の一曲: グスタフ・ホルスト 「惑星」より「金星」



どうやらコンサートまであと1ヶ月のようです。
今回のquoteではホルストは登場しませんでしたが、上に紹介しましたもののうちドビュッシーとブリテンの言葉に通じるものがありますね。

金星は「平和をもたらす者」。(天文学的に正反対なのはいいっこなしで。)
ホルンのソロから始まり、とても柔らかい、のびのびした・・・純粋に「美しい」音楽です。
不思議な浮遊感が特徴的ですが、これは変ホ長調で書かれていながらその主和音がほとんど現れない、ということにあります。
主和音(ハ長調でいうドミソ)はその調にとってホームベースなので、主和音に戻ってくると「ああ戻ってきた」という安定感があるのですが「金星」では主和音に落ち着くことなく浮遊した状態で進んでいくばかりか移調しちゃったりします。
でも後半で主和音にしばし帰って来た時は本当に落ち着きます。(聴いてきっとわかる・・・かな)

実は曲の終わりも主和音で終わった感がないのですが、それはチェレスタが主和音でない音を最後の最後で弾いてるから。(見せ場っていったらそうなのかなあ・・・トゥーランガリラの時もそうでしたが一人で最後の音弾くって結構テンパります)
人間らしい感情は持ってるんだけどこういうエンディングの存在でどこか天国的な、そんな性質があります。

あと途中のバイオリンソロが物凄く好きで。
(結構難しいはず、あれ。ちょこちょこあるチェロソロも難しかったりするんですよー)
飾らないところが魅力でちょうどよい切なさ、というか。他の部分とちょっと違う色で、もちょっと儚く。

それから私としてはハープの音に耳を傾けて欲しいです。
ハープと言えば割と高い音のソロばかりが知られていますが低音の深みは他のどんな楽器にも真似できず。
金星以外でもホルストはハープの低音を(聞こえるときもそうでないときも)ユニークなサポートとして使っているのがなんだか嬉しいです。

止まってるような流れているような、満たされたような浮遊しているような、ただただ美しい曲です。

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