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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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惑星:昨日、今日、明日!
前のエントリーに拍手どうもです!はーるよ来い!

まずは最終お知らせから。

<メルボルン・ユースオーケストラ コンサート3>
ゲスト指揮者: Kristian Winther

[プログラム]
ヴォーン=ウィリアムス 「トマス・タリスの主題による幻想曲」
ヴォーン=ウィリアムス 「揚げひばり」(ソリスト:Kristian Winther)
(休憩)
ホルスト 「惑星」

会場: Australian National Academy of Music (ANAM、国立音楽アカデミー(サウス・メルボルン))
8月28日 午後2:30開演
チケット: 大人$25、Concession(学生・高齢者など)$20、6歳未満の子供は無料。

(今回のコンサートはAustralian Broadcasting Corporation (ABC)が録音するそうなので放送の時はまたお知らせします!楽しみ♪)


昨日は前回演奏しましたトゥーランガリラの放送が3MBSでありました。(結局日曜午後の演奏の録音だったようです)第3楽章の最初がちょんぎれてたり、第6楽章のバランスが???なことになってたり、演奏の方もちょこちょこ弱いところがありましたがものすごく光るところもいっぱいあり(第5楽章もそうですし、ピアノソロはほとんど常に光ってました!)。いい演奏でしたね!(チェレスタはほとんど聞こえなかったけど!)そしてちゃんと録音しました~

昨日、今日とリハーサル、そして明日の朝リハーサルで午後に本番です。
今回は公演が一回しかないのが残念ですがなんとか持てる力出し切ってのびのび弾きたいです。

昨日は夜にリハーサル。学校なり仕事なりあった人も少なくないとはいえ大分いろいろまとまった、大きく進歩した夜でもありました。
リハーサルでは6人そろったホルンの布陣の後ろに座ってました(笑)直接来ます。しかもリハーサルの部屋の出口に向いてるもんですから廊下の向こうのトイレ(10m+先?)に行くとホルンばっかり聞こえる(笑)音量では他のブラスにはかなわないとはいえさすがです。
そんなホルン奏者の一人にはいつも裏方でオケを支えてる大学時代からの友達がいます。昨日は彼の誕生日、ということでオーケストラでHappy birthdayを演奏しました。・・・ただし、みんなめいめい違うキーで(笑)でもアンサンブルとしては(指揮者も振ってますし)ぴったりですがね!
その後にリハーサルしたのが土星「老いをもたらす者」だったのは意図せぬ皮肉でした(汗)

今日はまたロルカでブランチしたあとコンサート会場であるアカデミーでのリハーサルへ。
今回初めてキーボードでオルガンパートをリハーサル、ということでリハーサル前、中、後、全部の間に調整しっぱなし(明日火星やるよね・・・)。ペダルの位置が、とかサウンドが、とか音量が、チェレスタとの間を移動するタイミングが、とかいろいろ地味ーに大変です。

キーボードに移ることで火星と天王星でハープの低音が聞こえなくなったのはちょっと残念です。チェレスタ弾きの特権だと思ってたので(笑)耳に聞こえる音、共感して手に感じる感覚、そして床を伝って感じる振動、ハープの低音に関する全てが愛しいので・・・

水星で昨日・今日と弦楽器のアンサンブルを詰める作業がやっぱり大変でしたね。チェロで惑星を弾いたときも本当に難しかった!ぴたっとそろえるのは本当に至難の業で。でも「第2バイオリン、最初の3プルトなしで」と言われた時の残りの第2バイオリン(後ろ半分)は結構しっかりしててちょっと安心しました。リーダー達の働きも素晴らしいですしきっと明日も良い仕事をしてくれるでしょう。

今日のリハーサルで全曲通してわりと自信はつきましたね。音響への慣れによる調整もまだ必要な感じですが。
オケ全体もまだちょっと堅さがあるのですが(火星と木星と天王星は大分キャラがいい感じで立ってますが)、私もまだちょっと(ホールの音響にびびって)チェレスタパートのソロがあんまりのびのび弾けてなくてチェレスタの音が上手く響いてないところがあるのが心配。もちょっとリラックスしていけたら。

でも(今回初対面だった1歳年上のイケメンバイオリニストの)指揮者さんとの演奏においての目と目で通じ合う信頼関係は大分かたまってきた気がします。
同時に他の奏者(主にハープ2人)との耳と耳で通じ合う信頼関係も。(前回はピアノと鉄琴の耳と耳で通じ合う信頼関係が大事でした)
指揮者や他のメンバーと言葉を交わさず一瞬で意思疎通したり、音楽を共に感じ取ったりする感覚が好きで好きで、だからこそやっぱりオケはやめられないな、と思います。

そしてTwitterの方にもつぶやいたのですが「惑星」のスコア・オケパートはリハーサル番号が少なくて意外と不便なところありますね。「○番の○小節前」とかいう頻度が多いんですよ。大体実際に楽譜に書いてある2倍は必要じゃないかなあ・・・セクションを分ける、という目的なら十分なんですがその間にいくつか主要な楽器のエントリーがあったりするのでリハーサルの運びにはちょっと少ない、という印象。

明日は朝最後のリハーサルでやっと海王星の女声合唱団と合わせることに。きっと大丈夫だと思いますし、なんといっても海王星にそこそこ時間を割いてくれるのがby-productとしてありがたい(笑)
あとは音楽の性格が生きれば最高の演奏になると思います。

他のみんなとくらべたら比較的楽なパートではありますが、最近の不調もありちょっと参ってます。
明日は朝からリハーサルなのでゆっくり休めれば、と願ってます。
それにしても楽しみ!明日はうまくいきますように♪感想はまたこちらで~


今日の一曲: グスタフ・ホルスト 「惑星」より「土星」



私が特別好きな「惑星」の楽章は2つあって、一つは海王星、そしてもう一つはこの土星です。
(土星ではチェレスタは弾いてないということを考えるとその「特別」は弾くこととちょっと違うところにあることがうかがえます)
そして作曲者ホルスト自身のお気に入りもこの土星だったそうです。
にもかかわらずこの曲がマイナーなのはなぜか。

要因としては 1)曲の最初が無調風でとっつきにくい 2)テンポが遅い+方向性が明確に示されていないの組み合わせ 3)長い 4)全体というよりは個々の楽器に集中することが必要 ・・・あたりだと思います。

土星のなかで一番最初にわかりやすい魅力、というのは最初の無調風のセクションが終わって、低音弦のピチカートに乗っかって始まるトロンボーンの暗いコラールだと思います。(ホルストはトロンボーンを吹いてたそうですよ)この暗い音色だったり、和音でトロンボーンが共に奏でる美しさだったり。私がトロンボーンに惚れた(2回目)きっかけでもあります。

2番目はそこから一旦音楽が盛り上がって静まった後のフルート&バスフルートのアンサンブル。必ずしもフルートが輝く音域ではありませんが、少し不安定な和音が他の楽器の思い足取りに支えられ絶妙な色彩を奏でます。

3番目はその後の焦燥の鐘(と私が勝手に呼んでいる)があって、そこから静まった後キーが変わって弦の静かな和音にハープのハーモニクスだけが聞こえるところです。ここらへんはハープの楽器のメカニズム的に大変難しい箇所。でもこの音は誰にもまね出来ない!

そしてこの後のセクションは全体的な美しさに加えてそれぞれのパートの美しさも際立ちます。滝のように流れるフルート+ハープの音だったり、波のように互いにうねるホルンだったり、どこをとっても非の打ち所がないというか。本当にため息が出ます。

私がでもやっぱりこの楽章でプッシュしたいのはハープ2人。
ハープはこの曲を通じて時にはバックグラウンドで、そして時には少し前にでて流れる時を表し、刻んで(パートはめちゃくちゃ難しいながらも)大活躍しているのです。是非耳を傾けてください♪

「土星」を聴くと思い出すものが私は2つあります。
1つはミヒャエル・エンデの「モモ」のマイスター・ホラの数々の時計の部屋、そして「自分の時間」を表す花と振り子の空間。
そしてもう一つはこの土星の副題が「老いをもたらす者」であることと関係があるのですが、こないだ紹介しましたGordon Livingstonのどっちかの本で高齢における孤独や苦々しさを最小限にとどめるには社会における「老いに対する恐怖」をとっぱらうこと、そしてそのためにできる一つのこととして「老いることは恥じることではない、怖いことではない」と若い世代(特に自分の子供に対して)歳を重ねることに対するポジティブさを見せるような生き様を見せること、という話がありました。
(本当はこの曲はもっとたくさんのことを表現していると思いますがあえて単純化して)この楽章の前半が容赦なく流れていく時、奪われていく体力などを表すなら、後半は時の流れを受け入れ、自分がこれまで積み重ねたこと、達成したことを抱きながら、そしてこれからまだ出来ることに対して希望を持つことを表しているのかもしれない、と思います。

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