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前回のエントリーに拍手ありがとうございます~
日本のことで書きたいこともあるのですがまずは一時帰国中に読んだ論文3つがどれも面白かったので今回紹介&感想を書きたいと思います。
英語の2つは大学の電子データベース経由なのでパブリックでは見つけてないのですが日本語の1つはCiNiiのオープンアクセスであったので是非読んでみてください♪「水のイメージ」でCiNiiを検索すると結構面白いもの出てきますね(どんなキーワードで検索しても面白い物見つかりますが)
1) 「水のイメージについて」 (千野 美和子)(日本語)
「水」に関する創世神話や神話的象徴、そしてユングの心理分析における「水」のイメージについての論文。地球の歴史なんかにも言及がありますし、実際に存在する水のイメージ、そして心の中に存在するイメージどちらも探っていく感じで。
自分に一番近い(と思う)エレメントとして、心が自然に求めてやまないエレメントとして、そしてなによりもクラムのマクロコスモスにつなげるアイディアを求めてこの論文を見つけたのですが、自分が求めてるようなアイディアがそろってましたね。
そういえば新神話主義の話でもユングのことはたくさん出てきましたし、心理学周りを勉強するにもユングは避けて通れませんし、いろいろ読んでると音楽にも通じること多々あるような気がしますし、ユングの著書はいろいろ改めて原文で読んでみたいものです。
2) "Quotation and Framing: Re-contextualization and Intertextuality as Newness in George Crumb's Black Angels" (Nils Holger Petersen)(英語)
長いタイトルですがクラムの弦楽四重奏曲「Black Angels」の構成要素や引用を通じてこの曲の時代や空間などにおける立ち位置みたいなものを探る論文です(・・・でいいのかな?うまく説明できてない)。
クラムの音楽についての論文は大抵以前紹介しました新神話主義の本(Victoria Adamenko)やクラムのインタビュー記録を参考文献として用いていますが、だから大体論議されてるところは似てるんですよね。もう何回も読んだようなことが書いてあるのは確かなんですが、でもBlack Angelsにフォーカスして時代(ベトナム戦争やグローバル化のさきがけなど)を語るケーススタディみたいになってるのはやっぱりありがたい。
Black Angelsは使いやすいんですよね。13の楽章の構築され方だったり、数字の使い方だったり、時代、宗教、神話に関する引用だったり。
それから文中に引用されているシュトックハウゼンの作曲に関する文が何よりも面白かったです。作曲家は自分の音楽を作り出しているようで実はもっと大きな音楽の「流れ」をくみ取って形にして奏者にそれをまた繋げている、本当に作曲がうまくいくときは「自分」は音楽に存在しない、というような話でした。(これも新神話主義に書いてあったユングの「芸術家」の話にも似てますね-)心にぐっと来ましたね。
3) "Literature Review: Cognitive-Behavioural Therapy and Psychodynamic Psychotherapy: Techniques, Efficacy and Indications" (Falk Leichsenring, Woflgang Hiller, Michael Weissberg, Eric Leibing)(英語)
認知行動療法と力動的心理療法に関する説明、比較、それからそれらの治療を用いた研究の文献レビュー。
普通の論文は一つのトピックにフォーカスするた比較はある程度あっても分野のうちの一つの側面しか見れないことが多いのですが文献レビューだと最初にトピック全体のまとめをやってくれるので基本的な情報がまとめて読めますし(今回もそれぞれの治療のテクニックの種類が表でまとめられてわかりやすかったり)、全体を見渡すような情報が得られるのもまた良いです。(たとえばこれらの療法がどんな精神疾患、そして身体の疾患に対して効果が得られるかどんな研究がされてるか、など)
結局のところこれらの治療に関してはまだ研究が不十分、研究のやり方がイマイチ、治療のやり方、バリエーションなどを研究においてコントロールすることがまだまだ、研究と臨床の条件が必ずしもお互いに当てはまるとは限らない、とかざっくり言えばネガティブな結果がでるんですが、それも知って良かった、と思います。
患者さん一人一人違う病気の現れ方でちょっとずつ違う治療を行う精神医学において医学・薬学における研究と同じスタンダードを当てはめるのは難しい、ということだったり、研究・臨床どっちにおいてもまだまだ改善すべき事はたくさんある、という事は知って良かったな、と本当に思っています。
どちらの治療法も今使われている疾患に対してより良く深く、そしてさらにまだ応用されていないエリアにも広く用いられることを願っています。
3つとも自分の求める物が得られる、興味深い読み物でした。ちょうど音楽・創作関連、音楽(クラム)関連、そしてメンタルヘルスと興味のいろんな分野をカバーしてますがこれからも色々探して読んで想像・勉強、そして自分の心の糧としていきたいです。
今日の一曲: たま「健さん」
日本でAmazonで頼んでおいてピックアップして持ち帰ってきたCDのうちの一つにたまの「いなくていい人」がありまして。(ちょくちょく買ってもっとそろえたい!)
それを今日改めて最初から最後まで聴いてちょっとツボったこの曲をチョイス。
石川さんの歌だと「学校に間に合わない」とか「かにばる」とか、ちょっとダークなエレメントがぐっとくる曲が好きなんですがこの「健さん」のシュールながらもほほえましい情景にやられました(笑)
おおまかなあらすじとしては鳶職の「健さん」が男性なのに妊娠してしまった、という話で。ディテールや悩みや情景がどこかリアルで、不思議な繊細さがあって。
石川さんの歌は聴いたとたん「打楽器の人だなー」と分かる何か独特な雰囲気があるのも面白いですね。どこがどう、とは言わないのですがきっとリズムのキャラクターみたいなものなのかなあ、と。
他にもクラムのCDも買ってますし、妹から聖飢魔IIのCDだったり父からボサノバ、金管、アジアの民族音楽関連もかりたりしてるのでこれからもさらに守備範囲を広げていろいろ紹介していきたいです~
日本のことで書きたいこともあるのですがまずは一時帰国中に読んだ論文3つがどれも面白かったので今回紹介&感想を書きたいと思います。
英語の2つは大学の電子データベース経由なのでパブリックでは見つけてないのですが日本語の1つはCiNiiのオープンアクセスであったので是非読んでみてください♪「水のイメージ」でCiNiiを検索すると結構面白いもの出てきますね(どんなキーワードで検索しても面白い物見つかりますが)
1) 「水のイメージについて」 (千野 美和子)(日本語)
「水」に関する創世神話や神話的象徴、そしてユングの心理分析における「水」のイメージについての論文。地球の歴史なんかにも言及がありますし、実際に存在する水のイメージ、そして心の中に存在するイメージどちらも探っていく感じで。
自分に一番近い(と思う)エレメントとして、心が自然に求めてやまないエレメントとして、そしてなによりもクラムのマクロコスモスにつなげるアイディアを求めてこの論文を見つけたのですが、自分が求めてるようなアイディアがそろってましたね。
そういえば新神話主義の話でもユングのことはたくさん出てきましたし、心理学周りを勉強するにもユングは避けて通れませんし、いろいろ読んでると音楽にも通じること多々あるような気がしますし、ユングの著書はいろいろ改めて原文で読んでみたいものです。
2) "Quotation and Framing: Re-contextualization and Intertextuality as Newness in George Crumb's Black Angels" (Nils Holger Petersen)(英語)
長いタイトルですがクラムの弦楽四重奏曲「Black Angels」の構成要素や引用を通じてこの曲の時代や空間などにおける立ち位置みたいなものを探る論文です(・・・でいいのかな?うまく説明できてない)。
クラムの音楽についての論文は大抵以前紹介しました新神話主義の本(Victoria Adamenko)やクラムのインタビュー記録を参考文献として用いていますが、だから大体論議されてるところは似てるんですよね。もう何回も読んだようなことが書いてあるのは確かなんですが、でもBlack Angelsにフォーカスして時代(ベトナム戦争やグローバル化のさきがけなど)を語るケーススタディみたいになってるのはやっぱりありがたい。
Black Angelsは使いやすいんですよね。13の楽章の構築され方だったり、数字の使い方だったり、時代、宗教、神話に関する引用だったり。
それから文中に引用されているシュトックハウゼンの作曲に関する文が何よりも面白かったです。作曲家は自分の音楽を作り出しているようで実はもっと大きな音楽の「流れ」をくみ取って形にして奏者にそれをまた繋げている、本当に作曲がうまくいくときは「自分」は音楽に存在しない、というような話でした。(これも新神話主義に書いてあったユングの「芸術家」の話にも似てますね-)心にぐっと来ましたね。
3) "Literature Review: Cognitive-Behavioural Therapy and Psychodynamic Psychotherapy: Techniques, Efficacy and Indications" (Falk Leichsenring, Woflgang Hiller, Michael Weissberg, Eric Leibing)(英語)
認知行動療法と力動的心理療法に関する説明、比較、それからそれらの治療を用いた研究の文献レビュー。
普通の論文は一つのトピックにフォーカスするた比較はある程度あっても分野のうちの一つの側面しか見れないことが多いのですが文献レビューだと最初にトピック全体のまとめをやってくれるので基本的な情報がまとめて読めますし(今回もそれぞれの治療のテクニックの種類が表でまとめられてわかりやすかったり)、全体を見渡すような情報が得られるのもまた良いです。(たとえばこれらの療法がどんな精神疾患、そして身体の疾患に対して効果が得られるかどんな研究がされてるか、など)
結局のところこれらの治療に関してはまだ研究が不十分、研究のやり方がイマイチ、治療のやり方、バリエーションなどを研究においてコントロールすることがまだまだ、研究と臨床の条件が必ずしもお互いに当てはまるとは限らない、とかざっくり言えばネガティブな結果がでるんですが、それも知って良かった、と思います。
患者さん一人一人違う病気の現れ方でちょっとずつ違う治療を行う精神医学において医学・薬学における研究と同じスタンダードを当てはめるのは難しい、ということだったり、研究・臨床どっちにおいてもまだまだ改善すべき事はたくさんある、という事は知って良かったな、と本当に思っています。
どちらの治療法も今使われている疾患に対してより良く深く、そしてさらにまだ応用されていないエリアにも広く用いられることを願っています。
3つとも自分の求める物が得られる、興味深い読み物でした。ちょうど音楽・創作関連、音楽(クラム)関連、そしてメンタルヘルスと興味のいろんな分野をカバーしてますがこれからも色々探して読んで想像・勉強、そして自分の心の糧としていきたいです。
今日の一曲: たま「健さん」
日本でAmazonで頼んでおいてピックアップして持ち帰ってきたCDのうちの一つにたまの「いなくていい人」がありまして。(ちょくちょく買ってもっとそろえたい!)
それを今日改めて最初から最後まで聴いてちょっとツボったこの曲をチョイス。
石川さんの歌だと「学校に間に合わない」とか「かにばる」とか、ちょっとダークなエレメントがぐっとくる曲が好きなんですがこの「健さん」のシュールながらもほほえましい情景にやられました(笑)
おおまかなあらすじとしては鳶職の「健さん」が男性なのに妊娠してしまった、という話で。ディテールや悩みや情景がどこかリアルで、不思議な繊細さがあって。
石川さんの歌は聴いたとたん「打楽器の人だなー」と分かる何か独特な雰囲気があるのも面白いですね。どこがどう、とは言わないのですがきっとリズムのキャラクターみたいなものなのかなあ、と。
他にもクラムのCDも買ってますし、妹から聖飢魔IIのCDだったり父からボサノバ、金管、アジアの民族音楽関連もかりたりしてるのでこれからもさらに守備範囲を広げていろいろ紹介していきたいです~
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