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前回のエントリーに拍手ありがとうございます♪最近ちょっとのろけてますすみませぬ(汗)
そしてカウンターも2500を回って大変ありがたいです!
これからもこんな調子で、続き物もまた扱ったりして続けていきたいと思います、今後もどうかよろしくお願いします♪
近づいてきてるのでお知らせから。
<メルボルン・ユースオーケストラ コンサート4>
指揮者: Fabian Russell
[プログラム]
ベルリオーズ 序曲「ローマの謝肉祭」
トマジ トランペット協奏曲 (トランペット:Josh Rogan)
(休憩)
ラヴェル 「ダフニスとクロエ」バレエ全曲
会場: Australian National Academy of Music (ANAM、国立音楽アカデミー(サウス・メルボルン))
10月16日 午後2:30開演
チケット: 大人$25、Concession(学生・高齢者など)$20、6歳未満の子供は無料。
(コンサートの詳細はMelbourne Youth Music公式サイトとFacebookにも)
ダフニスとクロエ以前にラヴェルの音楽について熱く語ることって少なかったと自覚していますが、普段からラヴェルの音楽は多く弾いていますしものすごく好きです。
ただ自分にとってものすごく自然な、いろんな方面に申し訳ないとは思いながら自分の一部のような音楽で。
あと熱く語るような感じの音楽ではないかな、という感じもありますが・・・
ちょっとこれを機に書いてみようかなーという趣向で今日は。
フランスの作曲家、モーリス・ラヴェル。20世紀初頭においていわゆる印象派、そして新古典派などと呼ばれるスタイルの音楽を書いた作曲家。ピアノ音楽も有名ですが室内楽、さらにオーケストラの作品も書いています。
特にオーケストラの楽器使いは天才的で、自分で曲を書く、自分の曲をオケ編曲するだけでなく他の作曲家の曲の編曲でも素晴らしい作品を遺しています。その筆頭がムソルグスキーの「展覧会の絵」のオーケストラ版ですね。
フランスの作曲家と書きましたがラヴェルはなかなか面白いバックグラウンドを持っています。
彼の母はフランスの中でもスペイン文化が強いバスク地方の出身、そして父はスイス人でメカニック関係の仕事をする人だったそうで。
スペインの文化を独特の方法でとりいれたスタイル、それからストラヴィンスキーをして「スイスの時計職人」と言わしめた緻密で完璧な音の書き方がこのバックグラウンドですでに察することができると思います。
ラヴェルの音楽は全て計算されている様子がとても科学的、幾何学的で、まるでこの世界の全てを作っているミクロ・マクロのメカニズムそのものを手にしているようで。
やはり自身完璧主義なところもあったのでしょうか、書いた曲の数もかなり少なめです。
そういうところも全てひっくるめて本当に魅力あふれた作曲家だと思います。
ラヴェルの音楽は小さいときから聴いています。母が「死せる王女のためのパヴァーヌ」が好きで(もちろんというべきか、ホルンのソロで始まるオケ版です)。
実際に初めてピアノで弾いたのは11年生、VCEのリサイタルプログラムに「クープランの墓」の「フォルラーヌ」を入れて。
最初は苦戦しました。割と「不協和音的」な和音のタッチやバランスが分からなくて「こんな音じゃない!」と、それはまるで音が間違ってるかのように当時は聞こえてたのですが、徐々に耳と手が慣れたようで、以来ピアノを弾いている時はほとんどラヴェルを弾かないときはない、くらいに弾いてきました。
私がラヴェルの音楽を自然に感じるのはその音楽の性質、親しみだけではなくラヴェル自身の手の大きさが大分小さかったことも貢献してると思います。
ピアノ曲を弾くとすぐ分かるんですが、二つの手が重なりあうような、絡み合うような弾き方をさせられることが多くて。こういうのは手が大きいと自分の手や指が邪魔になるので、手が小さい方が有利。
ラヴェルというのはほとんど常にといっていいほど完璧な、非の打ち所のない音楽を書いて、あらゆる意味で器用な作曲家です。
だからダフニスとクロエでちょっとある下品さだったり、ボレロでみられるSleazyな感じだったり、そういうものもそつなくこなしてしまうんですが、それは眉をひそめるような下品さやエロじゃないんですよね。
そういうクールな感じがちょっと一部の人には物足りない、というか合わないという側面もあるかと思われます。
私が思うラヴェルの音楽の凄いところは一言で言うと「コロンブスの卵」だと思います。
誰もが思いつかなかったことをそれが当たり前のようにやってみせたり、今まであった物に新鮮で見たことのないような世界を与えたり。
そしてその「やってみせる」やり方が完璧で、華麗で。本当に創り出す、生み出す音楽家の最高峰にいると思います。
ラヴェルの音楽のすばらしさの最高峰はやっぱり「ダフニスとクロエ」だと思いますが、私は「マ・メール・ロワ」(オケ版・ピアノ連弾版)、ピアノのための「鏡」、そして完璧でないラヴェルとして「古風なメヌエット」なんかも特にプッシュしたいと思っています。
先ほど書きましたようにラヴェルの音楽は少数精鋭タイプで、どれをとっても間違いはないので・・・普段からあんまり個人的にプッシュしてはいませんがどんどん躊躇わずラヴェルの音楽を聴いて欲しいと真に思います。
今日の一曲: モーリス・ラヴェル 「ダフニスとクロエ」バレエ全曲 第2部
前回の続き。あらすじは再びこちらを。
第2部の主な舞台はクロエをさらった海賊達の本拠地。
海賊たちの力強い踊り、逃げようとするクロエの優しい踊り、そして彼女を助けようと表れるパンの神。
海賊の踊りが本当にかっこいい!
(しかもあんま関係ないですが動画サイトで見たプロダクションで海賊の娘たちの衣装がめちゃくちゃかわいかった!)
不協和音の使い方で緊張と力強さを生み出すのも見事ですが、なんといっても強弱の変化が身震いするほど(誇張無し)素晴らしいんです。盛り上げるクレッシェンドからすっと引くディミヌエンド、緊張を保つppなどなど。
そして海賊の踊りで格好いいのはなんといっても木管のソロ。シェヘラザードにも似たような、狂おしい速いソロの踊りが迫力満点。ピッコロやクラリネット、オーボエの高音の勇ましさだったり、アルトフルートの低音の暗さだったり、魅力たくさんのセクションです。
クロエの嘆願の踊りの部分ではコール・アングレのソロが格好いいのもありますが、弦やハープの「ふわっ」としたエフェクトも凄い(これが「コロンブスの卵」の良い例ではないかと)。
あと聞いて欲しいのがウィンドマシーンの音。まんま風の音なんですぐ分かると思います。特に第2部の終わりでオーケストラ全体がこの風の巻き起こる音を描写する、エフェクトのみながら肌で感じるような、まるで映像があるようなリアルさ。
このバレエ全体一人の人間が書いたとはなかなか思えないんですよね-・・・
ちなみに私がダフニスとクロエのなかで一番好きなセクションはまだ第3部です。こうご期待を(?)
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そしてカウンターも2500を回って大変ありがたいです!
これからもこんな調子で、続き物もまた扱ったりして続けていきたいと思います、今後もどうかよろしくお願いします♪
近づいてきてるのでお知らせから。
<メルボルン・ユースオーケストラ コンサート4>
指揮者: Fabian Russell
[プログラム]
ベルリオーズ 序曲「ローマの謝肉祭」
トマジ トランペット協奏曲 (トランペット:Josh Rogan)
(休憩)
ラヴェル 「ダフニスとクロエ」バレエ全曲
会場: Australian National Academy of Music (ANAM、国立音楽アカデミー(サウス・メルボルン))
10月16日 午後2:30開演
チケット: 大人$25、Concession(学生・高齢者など)$20、6歳未満の子供は無料。
(コンサートの詳細はMelbourne Youth Music公式サイトとFacebookにも)
ダフニスとクロエ以前にラヴェルの音楽について熱く語ることって少なかったと自覚していますが、普段からラヴェルの音楽は多く弾いていますしものすごく好きです。
ただ自分にとってものすごく自然な、いろんな方面に申し訳ないとは思いながら自分の一部のような音楽で。
あと熱く語るような感じの音楽ではないかな、という感じもありますが・・・
ちょっとこれを機に書いてみようかなーという趣向で今日は。
フランスの作曲家、モーリス・ラヴェル。20世紀初頭においていわゆる印象派、そして新古典派などと呼ばれるスタイルの音楽を書いた作曲家。ピアノ音楽も有名ですが室内楽、さらにオーケストラの作品も書いています。
特にオーケストラの楽器使いは天才的で、自分で曲を書く、自分の曲をオケ編曲するだけでなく他の作曲家の曲の編曲でも素晴らしい作品を遺しています。その筆頭がムソルグスキーの「展覧会の絵」のオーケストラ版ですね。
フランスの作曲家と書きましたがラヴェルはなかなか面白いバックグラウンドを持っています。
彼の母はフランスの中でもスペイン文化が強いバスク地方の出身、そして父はスイス人でメカニック関係の仕事をする人だったそうで。
スペインの文化を独特の方法でとりいれたスタイル、それからストラヴィンスキーをして「スイスの時計職人」と言わしめた緻密で完璧な音の書き方がこのバックグラウンドですでに察することができると思います。
ラヴェルの音楽は全て計算されている様子がとても科学的、幾何学的で、まるでこの世界の全てを作っているミクロ・マクロのメカニズムそのものを手にしているようで。
やはり自身完璧主義なところもあったのでしょうか、書いた曲の数もかなり少なめです。
そういうところも全てひっくるめて本当に魅力あふれた作曲家だと思います。
ラヴェルの音楽は小さいときから聴いています。母が「死せる王女のためのパヴァーヌ」が好きで(もちろんというべきか、ホルンのソロで始まるオケ版です)。
実際に初めてピアノで弾いたのは11年生、VCEのリサイタルプログラムに「クープランの墓」の「フォルラーヌ」を入れて。
最初は苦戦しました。割と「不協和音的」な和音のタッチやバランスが分からなくて「こんな音じゃない!」と、それはまるで音が間違ってるかのように当時は聞こえてたのですが、徐々に耳と手が慣れたようで、以来ピアノを弾いている時はほとんどラヴェルを弾かないときはない、くらいに弾いてきました。
私がラヴェルの音楽を自然に感じるのはその音楽の性質、親しみだけではなくラヴェル自身の手の大きさが大分小さかったことも貢献してると思います。
ピアノ曲を弾くとすぐ分かるんですが、二つの手が重なりあうような、絡み合うような弾き方をさせられることが多くて。こういうのは手が大きいと自分の手や指が邪魔になるので、手が小さい方が有利。
ラヴェルというのはほとんど常にといっていいほど完璧な、非の打ち所のない音楽を書いて、あらゆる意味で器用な作曲家です。
だからダフニスとクロエでちょっとある下品さだったり、ボレロでみられるSleazyな感じだったり、そういうものもそつなくこなしてしまうんですが、それは眉をひそめるような下品さやエロじゃないんですよね。
そういうクールな感じがちょっと一部の人には物足りない、というか合わないという側面もあるかと思われます。
私が思うラヴェルの音楽の凄いところは一言で言うと「コロンブスの卵」だと思います。
誰もが思いつかなかったことをそれが当たり前のようにやってみせたり、今まであった物に新鮮で見たことのないような世界を与えたり。
そしてその「やってみせる」やり方が完璧で、華麗で。本当に創り出す、生み出す音楽家の最高峰にいると思います。
ラヴェルの音楽のすばらしさの最高峰はやっぱり「ダフニスとクロエ」だと思いますが、私は「マ・メール・ロワ」(オケ版・ピアノ連弾版)、ピアノのための「鏡」、そして完璧でないラヴェルとして「古風なメヌエット」なんかも特にプッシュしたいと思っています。
先ほど書きましたようにラヴェルの音楽は少数精鋭タイプで、どれをとっても間違いはないので・・・普段からあんまり個人的にプッシュしてはいませんがどんどん躊躇わずラヴェルの音楽を聴いて欲しいと真に思います。
今日の一曲: モーリス・ラヴェル 「ダフニスとクロエ」バレエ全曲 第2部
前回の続き。あらすじは再びこちらを。
第2部の主な舞台はクロエをさらった海賊達の本拠地。
海賊たちの力強い踊り、逃げようとするクロエの優しい踊り、そして彼女を助けようと表れるパンの神。
海賊の踊りが本当にかっこいい!
(しかもあんま関係ないですが動画サイトで見たプロダクションで海賊の娘たちの衣装がめちゃくちゃかわいかった!)
不協和音の使い方で緊張と力強さを生み出すのも見事ですが、なんといっても強弱の変化が身震いするほど(誇張無し)素晴らしいんです。盛り上げるクレッシェンドからすっと引くディミヌエンド、緊張を保つppなどなど。
そして海賊の踊りで格好いいのはなんといっても木管のソロ。シェヘラザードにも似たような、狂おしい速いソロの踊りが迫力満点。ピッコロやクラリネット、オーボエの高音の勇ましさだったり、アルトフルートの低音の暗さだったり、魅力たくさんのセクションです。
クロエの嘆願の踊りの部分ではコール・アングレのソロが格好いいのもありますが、弦やハープの「ふわっ」としたエフェクトも凄い(これが「コロンブスの卵」の良い例ではないかと)。
あと聞いて欲しいのがウィンドマシーンの音。まんま風の音なんですぐ分かると思います。特に第2部の終わりでオーケストラ全体がこの風の巻き起こる音を描写する、エフェクトのみながら肌で感じるような、まるで映像があるようなリアルさ。
このバレエ全体一人の人間が書いたとはなかなか思えないんですよね-・・・
ちなみに私がダフニスとクロエのなかで一番好きなセクションはまだ第3部です。こうご期待を(?)