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前回のエントリーに拍手ありがとうございます。
まだまだ回復しません。スクリャービン×不安定な調子のコンビネーションはいろんな意味で笑える・・・ようで笑えません(汗)ただし音楽に関しては(本当に身を削るという形ですが)なにか掴むものがあったようなところも。
昨日は大雨で調子がさらに悪い中コンサートにいってきました。
なんといってもジョージ・クラムの音楽を大々的にフィーチャーするコンサートと言われたら黙ってられないです(笑)
今回のコンサートはSyzygy Ensembleというアンサンブルのコンサートでしたが、ゲストアーティストには2人も知り合いが居たり。
ちなみにプログラムはこんな感じ。
クラム Vox Balaenae(鯨の声)
クラム Apparition(幽霊)
グレツキ 弦楽四重奏第1番「Already it is dusk」
(休憩)
クラム Black Angels
最高の俺得プログラムで今見てもにやにやしちゃいます。
場所はこないだも訪れたMelbourne Recital Centreの小さい方のホール(Salon)だったのですが、壁の波のような、泡のような模様がVox Balaenaeにぴったり!青い照明(作曲家指定)に映えて、まるで切り取った海の底で音楽を聴いているようでした。
Vox Balaenaeはフルート奏者のfluttertongueなどのパルスが力強くてものすごくワイルドなところも、繊細なところも全て「クラムらしい」、というかクラムがきっと意図したような音楽を感じました。
そしてApparition。いやあこれが歌えるソプラノ歌手ってすごいですね!かっこよかったです!(ちなみに服装がパンツスタイルなのは意図があったのかな)
クラムはアメリカの作曲家ですし、歌詞の詩を書いたWalt Whitmanもアメリカの人ですがそことなくイギリス歌曲みたいな雰囲気があるのが好きです。そして全体的にある暗い夜の闇や毒の草花のような雰囲気も好きですし。弾きたいねえ弾きたいねえ!(実はVox Balaenaeを将来的に昨日一緒だったフルートの友達と弾くかもしれないのですが、弾きたい!という気持ちはこっちのほうが強い)
ソプラノのパートでのこの曲特有の難しさとすばらしさはやっぱり弱音スペクトルにありますね。今回の様な小さなホールの方が向いてますが、どんな場所でもいかにして繊細さを残したままささやきや弱音をはっきりと聞かせ、さらに暗さを出すか、というのがあります。
今回のソプラノの方は声の表情、そして顔の表情においてもものすごくこの曲にぴったりな表現で、音楽以外においても素晴らしい演奏でした。
そして今回初めましてのグレツキ。
繊細な部分とワイルドな部分のコントラストが素晴らしい、どこかヤナーチェクの四重奏曲を思わせるような曲でした。
この曲と次の曲では「惑星」を指揮した彼が第1バイオリンを弾いてたのですが、この2曲は本当にその指揮の経験が生かされるような曲でよかったです。スタンダードな四重奏曲のレパートリーよりもはるかに強いリーダーシップが生かされる、という。
そしてBlack Angels。
途中でチェロの弦が切れる、というアクシデントもありながらものすごくタイトにまとまった、パワフルで独特の雰囲気をひしひしと感じるものすごい演奏でした。
銅鑼を叩いたりガラスの棒を使ったり、水を入れたグラスを弾いたり等スコアや録音でよくしる特殊効果も目の前で見るとやっぱり違いますね。
この曲は胴体がない形の電子楽器を使うのですが(なんとヤマハがこのコンサートのためにそろえてくれたそうで。持つ者は良きパートナーですね!)、それで弾くと最初の部分でまるで戦闘用のヘリコプターが旋回するような音(ノイズ)が聞こえて、それもまたびっくり。はっきりいって怖いです。でもそれが素晴らしい。
まるで長い旅のようなコンサートの後にはちょっといろんな人に挨拶しました。
「惑星」を指揮した彼からは今回のコンサートの事だったり、あとオーケストラプロジェクトにまつわるさらなる事実(オフレコ!)だったり。今回弾いてらしたピアニストの方(先ほどのフルート友達の伴奏を今してるそうです)とはクラムの音楽について盛り上がったり。
さらに四重奏曲2つで第2バイオリンを弾いた人とは5年ぶりの再会。彼が大学のオケでバルトークのバイオリン協奏曲第2番を弾いた時私はチェレスタ弾いてて、覚えててくれたみたいです。なんとこのコンサートには代打として参加してて2日前からしかリハーサルしてないらしく・・・それであの演奏とは本当にたまげました。
Vox Balaenaeを一緒に弾こう、といってる友達(でも口笛がまだ吹けないとのこと(笑))は実はブラジルの音楽にもものすごく興味があって、こんどヴィラ=ロボスのブラジルのバッハ4番練習してみるんだ、といったら演奏するときは呼んでね!と言われまして(笑)私がピアノを弾くのを楽しみにしてくれている人がまた一人増えました。
ただ(特に今の状態では)演奏のことはまだまだ考えることはできないし、やったとしてもヴィラ=ロボスという他の作曲家から大分かけはなれている人の音楽をどうやってプログラムに組もうか、ものすごーく悩むところです。逃避じゃなくて純粋にこれはno idea。
コンサートもものすごく良かったですし、いろんな人と話せて楽しかったですが全体的に言えば自分の調子にはあんまり良いことしてないな、と後から思います。
あんまり今はできることが少ないですしポジティブなoutlookというものは無いに等しいのですがとりあえずしばらく少しでも療養に向けられたらと思います。
今日の一曲: ヘンリク・グレツキ 弦楽四重奏第1番 「Already it is dusk」
グレツキは去年の今頃亡くなったポーランドの作曲家で、そのことを当時ブログに書いたのですが、「もっと彼の音楽を知りたい」という思いがやっと1年経って少し叶うことになるとは。
Already it is dusk=「もう日は暮れて」、という意味です。元になっているのは子供が眠る前に唱える祈りだそうで、訳するとだいたいこういう祈りの言葉になります:
もう日は暮れて、夜は近づく
さあ、私たちに助けの手を賜るよう主に祈りを捧げましょう
私たちを悪からお守りになるよう
そして闇を悪事に用いる者たちから私たちをお守りになるように。
この祈りのメロディーがこの曲のベースにすこしなっている、という訳です。
といっても結構不協和音的で、闇と力に満ちたこの曲。以前紹介した「悲歌のシンフォニー」とはかなり違うスタイルであることを覚悟してください(汗)
でも私を含めて音楽家仲間にはかなりウケがよかったですねー。弦楽四重奏のフルパワー、キャパシティをあまねく使ってるということもありますし、弦楽四重奏だなあ!という音が本当に素晴らしかったのもありますし。
たまに四重奏と言うよりはもう弦楽オーケストラくらいの勢いのときもあって圧巻でした。
ちなみにこれはグレツキが1988年に作曲した曲。結構遅い時期なんです。
それでやっと弦楽四重奏第1番、というのは(他の曲をあんまり知らないながら)もったいない気もしますね。こんなに素晴らしいもの書けるんならもっと早くに始めたらよかったのに!というおせっかいをどうしても考えてしまいます(笑)
心をぐっとわしづかみにするところもあり、同時に心の深いところまでじわじわ、すーっと入ってくるようなところもあり。ものすごく不思議な闇と不思議な音をたたえた音楽です。
ちなみに今回のコンサートでも弾かれたBlack Angelsで有名な、20世紀音楽を多く演奏するKronos Quartetでこの曲の録音があったのでリンクしておきます。(弦楽四重奏第1,第2番が入ってますが第3番も別にあるそうで)好きそうだな、というかさすがやっぱりカバーしてるな、という感じですね(笑)彼らのBlack Angelsも激しくおすすめですよ!
まだまだ回復しません。スクリャービン×不安定な調子のコンビネーションはいろんな意味で笑える・・・ようで笑えません(汗)ただし音楽に関しては(本当に身を削るという形ですが)なにか掴むものがあったようなところも。
昨日は大雨で調子がさらに悪い中コンサートにいってきました。
なんといってもジョージ・クラムの音楽を大々的にフィーチャーするコンサートと言われたら黙ってられないです(笑)
今回のコンサートはSyzygy Ensembleというアンサンブルのコンサートでしたが、ゲストアーティストには2人も知り合いが居たり。
ちなみにプログラムはこんな感じ。
クラム Vox Balaenae(鯨の声)
クラム Apparition(幽霊)
グレツキ 弦楽四重奏第1番「Already it is dusk」
(休憩)
クラム Black Angels
最高の俺得プログラムで今見てもにやにやしちゃいます。
場所はこないだも訪れたMelbourne Recital Centreの小さい方のホール(Salon)だったのですが、壁の波のような、泡のような模様がVox Balaenaeにぴったり!青い照明(作曲家指定)に映えて、まるで切り取った海の底で音楽を聴いているようでした。
Vox Balaenaeはフルート奏者のfluttertongueなどのパルスが力強くてものすごくワイルドなところも、繊細なところも全て「クラムらしい」、というかクラムがきっと意図したような音楽を感じました。
そしてApparition。いやあこれが歌えるソプラノ歌手ってすごいですね!かっこよかったです!(ちなみに服装がパンツスタイルなのは意図があったのかな)
クラムはアメリカの作曲家ですし、歌詞の詩を書いたWalt Whitmanもアメリカの人ですがそことなくイギリス歌曲みたいな雰囲気があるのが好きです。そして全体的にある暗い夜の闇や毒の草花のような雰囲気も好きですし。弾きたいねえ弾きたいねえ!(実はVox Balaenaeを将来的に昨日一緒だったフルートの友達と弾くかもしれないのですが、弾きたい!という気持ちはこっちのほうが強い)
ソプラノのパートでのこの曲特有の難しさとすばらしさはやっぱり弱音スペクトルにありますね。今回の様な小さなホールの方が向いてますが、どんな場所でもいかにして繊細さを残したままささやきや弱音をはっきりと聞かせ、さらに暗さを出すか、というのがあります。
今回のソプラノの方は声の表情、そして顔の表情においてもものすごくこの曲にぴったりな表現で、音楽以外においても素晴らしい演奏でした。
そして今回初めましてのグレツキ。
繊細な部分とワイルドな部分のコントラストが素晴らしい、どこかヤナーチェクの四重奏曲を思わせるような曲でした。
この曲と次の曲では「惑星」を指揮した彼が第1バイオリンを弾いてたのですが、この2曲は本当にその指揮の経験が生かされるような曲でよかったです。スタンダードな四重奏曲のレパートリーよりもはるかに強いリーダーシップが生かされる、という。
そしてBlack Angels。
途中でチェロの弦が切れる、というアクシデントもありながらものすごくタイトにまとまった、パワフルで独特の雰囲気をひしひしと感じるものすごい演奏でした。
銅鑼を叩いたりガラスの棒を使ったり、水を入れたグラスを弾いたり等スコアや録音でよくしる特殊効果も目の前で見るとやっぱり違いますね。
この曲は胴体がない形の電子楽器を使うのですが(なんとヤマハがこのコンサートのためにそろえてくれたそうで。持つ者は良きパートナーですね!)、それで弾くと最初の部分でまるで戦闘用のヘリコプターが旋回するような音(ノイズ)が聞こえて、それもまたびっくり。はっきりいって怖いです。でもそれが素晴らしい。
まるで長い旅のようなコンサートの後にはちょっといろんな人に挨拶しました。
「惑星」を指揮した彼からは今回のコンサートの事だったり、あとオーケストラプロジェクトにまつわるさらなる事実(オフレコ!)だったり。今回弾いてらしたピアニストの方(先ほどのフルート友達の伴奏を今してるそうです)とはクラムの音楽について盛り上がったり。
さらに四重奏曲2つで第2バイオリンを弾いた人とは5年ぶりの再会。彼が大学のオケでバルトークのバイオリン協奏曲第2番を弾いた時私はチェレスタ弾いてて、覚えててくれたみたいです。なんとこのコンサートには代打として参加してて2日前からしかリハーサルしてないらしく・・・それであの演奏とは本当にたまげました。
Vox Balaenaeを一緒に弾こう、といってる友達(でも口笛がまだ吹けないとのこと(笑))は実はブラジルの音楽にもものすごく興味があって、こんどヴィラ=ロボスのブラジルのバッハ4番練習してみるんだ、といったら演奏するときは呼んでね!と言われまして(笑)私がピアノを弾くのを楽しみにしてくれている人がまた一人増えました。
ただ(特に今の状態では)演奏のことはまだまだ考えることはできないし、やったとしてもヴィラ=ロボスという他の作曲家から大分かけはなれている人の音楽をどうやってプログラムに組もうか、ものすごーく悩むところです。逃避じゃなくて純粋にこれはno idea。
コンサートもものすごく良かったですし、いろんな人と話せて楽しかったですが全体的に言えば自分の調子にはあんまり良いことしてないな、と後から思います。
あんまり今はできることが少ないですしポジティブなoutlookというものは無いに等しいのですがとりあえずしばらく少しでも療養に向けられたらと思います。
今日の一曲: ヘンリク・グレツキ 弦楽四重奏第1番 「Already it is dusk」
グレツキは去年の今頃亡くなったポーランドの作曲家で、そのことを当時ブログに書いたのですが、「もっと彼の音楽を知りたい」という思いがやっと1年経って少し叶うことになるとは。
Already it is dusk=「もう日は暮れて」、という意味です。元になっているのは子供が眠る前に唱える祈りだそうで、訳するとだいたいこういう祈りの言葉になります:
もう日は暮れて、夜は近づく
さあ、私たちに助けの手を賜るよう主に祈りを捧げましょう
私たちを悪からお守りになるよう
そして闇を悪事に用いる者たちから私たちをお守りになるように。
この祈りのメロディーがこの曲のベースにすこしなっている、という訳です。
といっても結構不協和音的で、闇と力に満ちたこの曲。以前紹介した「悲歌のシンフォニー」とはかなり違うスタイルであることを覚悟してください(汗)
でも私を含めて音楽家仲間にはかなりウケがよかったですねー。弦楽四重奏のフルパワー、キャパシティをあまねく使ってるということもありますし、弦楽四重奏だなあ!という音が本当に素晴らしかったのもありますし。
たまに四重奏と言うよりはもう弦楽オーケストラくらいの勢いのときもあって圧巻でした。
ちなみにこれはグレツキが1988年に作曲した曲。結構遅い時期なんです。
それでやっと弦楽四重奏第1番、というのは(他の曲をあんまり知らないながら)もったいない気もしますね。こんなに素晴らしいもの書けるんならもっと早くに始めたらよかったのに!というおせっかいをどうしても考えてしまいます(笑)
心をぐっとわしづかみにするところもあり、同時に心の深いところまでじわじわ、すーっと入ってくるようなところもあり。ものすごく不思議な闇と不思議な音をたたえた音楽です。
ちなみに今回のコンサートでも弾かれたBlack Angelsで有名な、20世紀音楽を多く演奏するKronos Quartetでこの曲の録音があったのでリンクしておきます。(弦楽四重奏第1,第2番が入ってますが第3番も別にあるそうで)好きそうだな、というかさすがやっぱりカバーしてるな、という感じですね(笑)彼らのBlack Angelsも激しくおすすめですよ!
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