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前回のエントリーに拍手ありがとうございます♪
興奮的なものは大分治まってきたようですが薬の副作用としての眠気に朝悩まされております。
薬への慣れもありますし、あんまり長くは飲まなくて良いはずなのでもうちょっとこのまま様子見となりそうです。
こないだの週末に友達のところに泊まりで遊びに行きまして、その時にちょっと頼み事をされまして。
その友達の赤ちゃんが眠る時に眠る合図みたいな、ルーチン作りみたいなものとしていくつか曲を選んで欲しい、ということで。
何回かここでも「様々な用途に合った音楽を人とふれ合って人の気持ちと音楽について考えながら選んでみたい」ということを書いていますが、その第一歩が叶った、ということで大変嬉しく思っています。色々最近ありますが楽しんで悩みながら考えさせていただいています。
基本的な要望としては聞き流せる位の、強弱のアップダウンが激しくないもの、ということでした。
週末赤ちゃん(とお母さん)の暮らしを間近で見ていましたが、風邪を引いている時以外は寝付くのもあんまり問題なかったようで。しかも夜もずっと9~10時くらいから朝まで一晩寝てくれるようで。
音楽を選ぶ側としてはあんまり神経質にならなくて良さそうで一安心。
大きな音や突然音が大きくなったりなどは赤ちゃんがびっくりするのでアウト、というのは当たり前で。
あと以前行った音楽と発達心理学に関するレクチャーで乳児はメロディーや調、拍子やリズムなどほとんどの音楽的要素の「相対的な変化」が分かるそうなんですよ。一見赤ちゃんには難しいだろうと思われるような物でもちゃんと脳は分かって学ぼうとしている。
だから乳児が学ぶに当たっては本当に様々な音楽を聞かせることで興味を広げることができますし、それを今回は逆に利用して「変化を制限する」ことで刺激を少なくする、ということもできます。
とりあえず私が今回曲を選ぶにあたって考慮したのは以下の点です。
1) 強弱のアップダウンが激しくないものを選ぶ
2) 楽器編成は比較的小さめ
3) CDを通して楽器編成やテンポなどをあんまり変えすぎない
4) 感情的なcontentを抑える
5) 音域も小さく抑える
6) 短すぎる曲は変化を起こすのでなるべく避ける(今回一応3分くらいを目安としました)
・・・などなど。つまりは小さいスケールで穏やか、または感情がフラット気味な曲を選んで、それぞれの曲の間に大きな変化がないようにする、ということになります。
それから人間の声(しかも知らない人間の声)がない方がいいかな、と思ったのと、お母さんの声を聞いたほうがいいぞ、という思いから器楽曲にしぼってあります。ついでながら(自分の感覚ですが)安定感を重視して伴奏ありの器楽曲をなるべく選ぶようにしてみました。
必ずしも、というわけではないですが楽器編成を絞るに当たって弦楽器周りが多くなったのでそっちに制限してみました。音域についても同じような経緯で高音域寄りに。
実際に選んだ曲は以下のとおり。今回CD一枚分、としたことで若干「時間稼ぎ」っぽいチョイスもありますが、全体的にもこれで最終調整としています。
赤ちゃんもまた人それぞれでみんながみんなこのチョイス、となる訳ではありませんが一般的に赤ちゃん(そして大人)が眠るときに特におすすめできる曲は*でマークしますね~
1) アルヴォ・ペルト 「鏡の中の鏡」(Spiegel Im Spiegel)*
2) モーリス・ラヴェル 「マ・メール・ロワ」より第1楽章、第2楽章(オーケストラ版)*
3) フランソワ・プーランク フランス組曲より「パヴァーヌ」(チェロ+ピアノ版)*
4) オットリーノ・レスピーギ 「鳥たち」(Gli Uccelli)より「はと」、「ナイチンゲール」*
5) エリック・サティ ジムノペディ 第2番*
6) アレクサンドル・スクリャービン ピアノのための練習曲 op. 8-8
7) オリヴィエ・メシアン 「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」より 第1楽章「父のまなざし」*
8) モーリス・ラヴェル 「鏡」より「鐘の谷」*
9) Peggy Granville Hicks ハープのためのソナタより「パストラール」
10) レイフ・ヴォーン=ウィリアムス 幻想五重奏(Phantasy Quintet) 第3楽章*
11) モーリス・ラヴェル カディッシュ(バイオリン+ピアノ版)*
12) フェデリコ・モンポウ 「内なる印象」(Impresion Intimas)より「悲しい鳥」*
13) フランソワ・プーランク ギターのためのサラバンド
14) エンリケ・グラナドス スペインの踊りより「オリエンタール」*
15) ドミトリ・ショスタコーヴィチ 24の前奏曲とフーガより フーガ第13番(嬰ヘ長調)*
基本的に最初は楽器と作曲家で絞りました。
ラヴェルやモンポウ、サティ、メシアンのスローな曲は真っ先にみるところです。あとは小編成といえばレスピーギやプーランク、ヴォーン=ウィリアムスあたりも目の付け所。
楽器で言えばまずピアノ。それからバイオリン、ハープ、ギターあたり。それから弦楽オーケストラもちょこちょこ。弦楽四重奏やビオラは音的にフィットするものが意外と手持ちにはなかったです。
ギターに関してはもっと自分がぱっと取り出せるような知識を持ってたらもっと入れてたかもしれません。バロック時代の曲のギター版とか、いろいろあるような気がするんですよねえ・・・
あとは記憶内に検索をかけて曲単位で「こんなのもあったぞ」というものを一つずつチェック。
ショスタコーヴィチやグラナドスなんかは作曲家から入ると適してないイメージがあり除外されがちですが、曲単位で考えると結構あったりするんですよね。特にショスタコ。前奏曲とフーガだったり弦楽四重奏だったり、たまーに単独で用途に合う物があるんです。
あとは演奏のチョイスまでこだわりたいところ。一番顕著な例がメシアンの「父のまなざし」なのですが、これは演奏する人によってかなりテンポが変わるわけです(それこそ2~3倍の速さとかいう単位で)。手持ちので一番ゆっくりだったのはマイケルの録音で、勿論それを選んだわけですがこの用途の場合もっと遅くてもいいですし、なるべく遅い方がいい。
派手な演奏、感情的な演奏はやっぱり除外。あとグレン・グールドはスタイル的にいいながらも鼻歌歌うんでちょっと除外したい気持ちが(笑)
あと録音の状態がよい(=一般的に新しい)ものを選ぶのも基本ですね。ノイズは極力避けること。
で、あんまり偏りがないようにいろいろ並べて。眠りにつくまでどれくらいの時間がかかるか分からないのですがとりあえず第1曲目、第2曲目には長い(つまりなるべく変化しない)ものを配置。
似たような作曲家やスタイルの曲ばっかり集めるとどっかでリミットにたどり着いて落差が生じるかな、と思ったのでちょこちょこっとバラエティに富ませて見ました。
なんせ赤ちゃんの好みはわからないですし、あとは音楽がある方向に偏ってると気に入らなかった時にちょっと精神状態が違ったときに全部だめーってことになるような気もちょっとするので、そこのところのバランス難しいんですが実験的にある程度幅を持たせてみました。
まあ赤ちゃんも成長速いですし(需要は見えないレベルで変わる可能性大)、今の時点で暫定として、というところもありますし。
もうちょっと微調整したら連絡して送りたいな、と思います。
最後に今回のこれと直接関係あることではないのですが赤ちゃんと音楽について一つ。
赤ちゃんにとってお母さんの歌声を聞くことは本当に大切です。「赤ちゃん言葉」にもみられるとおりメロディーを伴う言葉は赤ちゃんにとって感情が(普通の言葉より)伝わりやすいもので、お母さん自身の声と音楽のコンビネーションは大切なコミュニケーションでもあります。
さらに、子供が成長するにあたって歌を歌うことを恥ずかしく思って躊躇うようになってしまう昨今の傾向に関しても母親が子供に、そして子供と歌ってあげる、ということがキーになる、という話もありました。
上手でなくてもいいからお母さん自身の声を聞かせてあげる、歌うところを見せるのが大切だそうですよ。
今回選んだ曲が友達と赤ちゃんの助けになってくれるよう願っています。
(そしてまたこういう依頼がどこかからくることを願っています♪)
今日の一曲: ドミトリ・ショスタコーヴィチ 24の前奏曲とフーガ 第13番
24の前奏曲とフーガはショスタコーヴィチがいろんなスタイルでいろいろ書いてみたためショスタコーヴィチ「らしくない」曲もいっぱい混じってます。
そんななかで「24の前奏曲とフーガ」の本家であるバッハに一番似ているスタイルのものを一つ私が選ぶとしたらこの第13番、嬰ヘ長調になると思います。
前奏曲はむしろ他のショスタコーヴィチの「牧歌的」な前奏曲ににています。どこか即興的な、蝶が舞うようなあでやかさと気まぐれさと繊細さがあり。
そして今回のセレクションに入れたフーガがまた見事なのです。
ショスタコーヴィチの「24の前奏曲とフーガ」の中で唯一の5声のフーガ。楽譜も堂々の3段です(といっても特にあれですが)。
かなり長く、ゆったりとした、あまり飾らないし毒も少ない、悠々と流れる音楽です。
どこがバッハに似ているか、と言われると難しいのですが、実際こういう主題で始まるバッハのフーガがあること、そしてなんといってもたたずまいがバッハ風だと私は思います。
先ほど「悠々」という言葉を使いましたし、「たたずまい」という言葉も使いましたし。なんかこうゆったりと構えている、悟ったような、でも超越はしていなくて現実的に冷静に見つめる感じ。
人であり、神であり・・・というのは言い過ぎでしょうか。
本来(というのも変ですが)♯を読むのがものすごく苦手で、♯6つの嬰ヘ長調なんか見てもやるものか、と思ってたんですがクラムのお気に入りだったというバッハの平均律の第2巻嬰ニ短調も♯6つですし、これもなかなか心に呼びかけるものがありますし・・・
そのうちどちらも弾きたいと思います。いつか。
興奮的なものは大分治まってきたようですが薬の副作用としての眠気に朝悩まされております。
薬への慣れもありますし、あんまり長くは飲まなくて良いはずなのでもうちょっとこのまま様子見となりそうです。
こないだの週末に友達のところに泊まりで遊びに行きまして、その時にちょっと頼み事をされまして。
その友達の赤ちゃんが眠る時に眠る合図みたいな、ルーチン作りみたいなものとしていくつか曲を選んで欲しい、ということで。
何回かここでも「様々な用途に合った音楽を人とふれ合って人の気持ちと音楽について考えながら選んでみたい」ということを書いていますが、その第一歩が叶った、ということで大変嬉しく思っています。色々最近ありますが楽しんで悩みながら考えさせていただいています。
基本的な要望としては聞き流せる位の、強弱のアップダウンが激しくないもの、ということでした。
週末赤ちゃん(とお母さん)の暮らしを間近で見ていましたが、風邪を引いている時以外は寝付くのもあんまり問題なかったようで。しかも夜もずっと9~10時くらいから朝まで一晩寝てくれるようで。
音楽を選ぶ側としてはあんまり神経質にならなくて良さそうで一安心。
大きな音や突然音が大きくなったりなどは赤ちゃんがびっくりするのでアウト、というのは当たり前で。
あと以前行った音楽と発達心理学に関するレクチャーで乳児はメロディーや調、拍子やリズムなどほとんどの音楽的要素の「相対的な変化」が分かるそうなんですよ。一見赤ちゃんには難しいだろうと思われるような物でもちゃんと脳は分かって学ぼうとしている。
だから乳児が学ぶに当たっては本当に様々な音楽を聞かせることで興味を広げることができますし、それを今回は逆に利用して「変化を制限する」ことで刺激を少なくする、ということもできます。
とりあえず私が今回曲を選ぶにあたって考慮したのは以下の点です。
1) 強弱のアップダウンが激しくないものを選ぶ
2) 楽器編成は比較的小さめ
3) CDを通して楽器編成やテンポなどをあんまり変えすぎない
4) 感情的なcontentを抑える
5) 音域も小さく抑える
6) 短すぎる曲は変化を起こすのでなるべく避ける(今回一応3分くらいを目安としました)
・・・などなど。つまりは小さいスケールで穏やか、または感情がフラット気味な曲を選んで、それぞれの曲の間に大きな変化がないようにする、ということになります。
それから人間の声(しかも知らない人間の声)がない方がいいかな、と思ったのと、お母さんの声を聞いたほうがいいぞ、という思いから器楽曲にしぼってあります。ついでながら(自分の感覚ですが)安定感を重視して伴奏ありの器楽曲をなるべく選ぶようにしてみました。
必ずしも、というわけではないですが楽器編成を絞るに当たって弦楽器周りが多くなったのでそっちに制限してみました。音域についても同じような経緯で高音域寄りに。
実際に選んだ曲は以下のとおり。今回CD一枚分、としたことで若干「時間稼ぎ」っぽいチョイスもありますが、全体的にもこれで最終調整としています。
赤ちゃんもまた人それぞれでみんながみんなこのチョイス、となる訳ではありませんが一般的に赤ちゃん(そして大人)が眠るときに特におすすめできる曲は*でマークしますね~
1) アルヴォ・ペルト 「鏡の中の鏡」(Spiegel Im Spiegel)*
2) モーリス・ラヴェル 「マ・メール・ロワ」より第1楽章、第2楽章(オーケストラ版)*
3) フランソワ・プーランク フランス組曲より「パヴァーヌ」(チェロ+ピアノ版)*
4) オットリーノ・レスピーギ 「鳥たち」(Gli Uccelli)より「はと」、「ナイチンゲール」*
5) エリック・サティ ジムノペディ 第2番*
6) アレクサンドル・スクリャービン ピアノのための練習曲 op. 8-8
7) オリヴィエ・メシアン 「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」より 第1楽章「父のまなざし」*
8) モーリス・ラヴェル 「鏡」より「鐘の谷」*
9) Peggy Granville Hicks ハープのためのソナタより「パストラール」
10) レイフ・ヴォーン=ウィリアムス 幻想五重奏(Phantasy Quintet) 第3楽章*
11) モーリス・ラヴェル カディッシュ(バイオリン+ピアノ版)*
12) フェデリコ・モンポウ 「内なる印象」(Impresion Intimas)より「悲しい鳥」*
13) フランソワ・プーランク ギターのためのサラバンド
14) エンリケ・グラナドス スペインの踊りより「オリエンタール」*
15) ドミトリ・ショスタコーヴィチ 24の前奏曲とフーガより フーガ第13番(嬰ヘ長調)*
基本的に最初は楽器と作曲家で絞りました。
ラヴェルやモンポウ、サティ、メシアンのスローな曲は真っ先にみるところです。あとは小編成といえばレスピーギやプーランク、ヴォーン=ウィリアムスあたりも目の付け所。
楽器で言えばまずピアノ。それからバイオリン、ハープ、ギターあたり。それから弦楽オーケストラもちょこちょこ。弦楽四重奏やビオラは音的にフィットするものが意外と手持ちにはなかったです。
ギターに関してはもっと自分がぱっと取り出せるような知識を持ってたらもっと入れてたかもしれません。バロック時代の曲のギター版とか、いろいろあるような気がするんですよねえ・・・
あとは記憶内に検索をかけて曲単位で「こんなのもあったぞ」というものを一つずつチェック。
ショスタコーヴィチやグラナドスなんかは作曲家から入ると適してないイメージがあり除外されがちですが、曲単位で考えると結構あったりするんですよね。特にショスタコ。前奏曲とフーガだったり弦楽四重奏だったり、たまーに単独で用途に合う物があるんです。
あとは演奏のチョイスまでこだわりたいところ。一番顕著な例がメシアンの「父のまなざし」なのですが、これは演奏する人によってかなりテンポが変わるわけです(それこそ2~3倍の速さとかいう単位で)。手持ちので一番ゆっくりだったのはマイケルの録音で、勿論それを選んだわけですがこの用途の場合もっと遅くてもいいですし、なるべく遅い方がいい。
派手な演奏、感情的な演奏はやっぱり除外。あとグレン・グールドはスタイル的にいいながらも鼻歌歌うんでちょっと除外したい気持ちが(笑)
あと録音の状態がよい(=一般的に新しい)ものを選ぶのも基本ですね。ノイズは極力避けること。
で、あんまり偏りがないようにいろいろ並べて。眠りにつくまでどれくらいの時間がかかるか分からないのですがとりあえず第1曲目、第2曲目には長い(つまりなるべく変化しない)ものを配置。
似たような作曲家やスタイルの曲ばっかり集めるとどっかでリミットにたどり着いて落差が生じるかな、と思ったのでちょこちょこっとバラエティに富ませて見ました。
なんせ赤ちゃんの好みはわからないですし、あとは音楽がある方向に偏ってると気に入らなかった時にちょっと精神状態が違ったときに全部だめーってことになるような気もちょっとするので、そこのところのバランス難しいんですが実験的にある程度幅を持たせてみました。
まあ赤ちゃんも成長速いですし(需要は見えないレベルで変わる可能性大)、今の時点で暫定として、というところもありますし。
もうちょっと微調整したら連絡して送りたいな、と思います。
最後に今回のこれと直接関係あることではないのですが赤ちゃんと音楽について一つ。
赤ちゃんにとってお母さんの歌声を聞くことは本当に大切です。「赤ちゃん言葉」にもみられるとおりメロディーを伴う言葉は赤ちゃんにとって感情が(普通の言葉より)伝わりやすいもので、お母さん自身の声と音楽のコンビネーションは大切なコミュニケーションでもあります。
さらに、子供が成長するにあたって歌を歌うことを恥ずかしく思って躊躇うようになってしまう昨今の傾向に関しても母親が子供に、そして子供と歌ってあげる、ということがキーになる、という話もありました。
上手でなくてもいいからお母さん自身の声を聞かせてあげる、歌うところを見せるのが大切だそうですよ。
今回選んだ曲が友達と赤ちゃんの助けになってくれるよう願っています。
(そしてまたこういう依頼がどこかからくることを願っています♪)
今日の一曲: ドミトリ・ショスタコーヴィチ 24の前奏曲とフーガ 第13番
24の前奏曲とフーガはショスタコーヴィチがいろんなスタイルでいろいろ書いてみたためショスタコーヴィチ「らしくない」曲もいっぱい混じってます。
そんななかで「24の前奏曲とフーガ」の本家であるバッハに一番似ているスタイルのものを一つ私が選ぶとしたらこの第13番、嬰ヘ長調になると思います。
前奏曲はむしろ他のショスタコーヴィチの「牧歌的」な前奏曲ににています。どこか即興的な、蝶が舞うようなあでやかさと気まぐれさと繊細さがあり。
そして今回のセレクションに入れたフーガがまた見事なのです。
ショスタコーヴィチの「24の前奏曲とフーガ」の中で唯一の5声のフーガ。楽譜も堂々の3段です(といっても特にあれですが)。
かなり長く、ゆったりとした、あまり飾らないし毒も少ない、悠々と流れる音楽です。
どこがバッハに似ているか、と言われると難しいのですが、実際こういう主題で始まるバッハのフーガがあること、そしてなんといってもたたずまいがバッハ風だと私は思います。
先ほど「悠々」という言葉を使いましたし、「たたずまい」という言葉も使いましたし。なんかこうゆったりと構えている、悟ったような、でも超越はしていなくて現実的に冷静に見つめる感じ。
人であり、神であり・・・というのは言い過ぎでしょうか。
本来(というのも変ですが)♯を読むのがものすごく苦手で、♯6つの嬰ヘ長調なんか見てもやるものか、と思ってたんですがクラムのお気に入りだったというバッハの平均律の第2巻嬰ニ短調も♯6つですし、これもなかなか心に呼びかけるものがありますし・・・
そのうちどちらも弾きたいと思います。いつか。
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