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ここ数日大いに盛り上がっておりましたABCの「Classic 100 20th Century Countdown」、アデレード交響楽団による演奏で昨夜無事完了いたしました。
最終的な順位のまとめはこちらに。
昨日演奏されたトップ5位をこちらにものせます。
5位 ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番
4位 ヴォーン=ウィリアムス 揚げひばり
3位 ガーシュイン ラプソディー・イン・ブルー
2位 ホルスト 惑星
1位 エルガー チェロ協奏曲
5曲中4曲(そして6位も)がソリストを伴った協奏曲タイプの曲、という結果に。
やっぱり20位周りからだんだんポピュラー路線に傾いてきて、音楽友達の間では大分物足りないor納得いかないという声が上がっていましたが、確かにでも「一般に広く愛されている曲」が集まった感じですね。
それにしてもヴォーン=ウィリアムス。
「グリーンスリーブス」が84位、そして大分飛んで「タリス幻想曲」が12位、そして「揚げひばり」が4位、というのはものすごく意外でした。「揚げひばり」ってそんなにポピュラーなの!?という。あとグリーンスリーブスの順位の低さも意外っちゃあ意外ですね。
順位が「本当?」といえばレスピーギの「古風なアリアと舞曲」(53位)が「ローマの松」(64位)よりも上だったことも。
他に意外なことといえばアランフェス協奏曲が6位に来たことがまずあります。日本みたいに学校の授業で扱うわけでもないですし、演奏頻度・メディアで取り上げられる頻度ともに高くないですし。
20位以内にペルトの「Spiegel Im Spiegel」、グレツキの「悲歌のシンフォニー」と東欧ミニマルミュージックが食い込んだのは大健闘だと思います。これらもどっちかというと「ポピュラー系統」ではありますが。
以前書きましたがオーストラリアの曲に票が入ったのは素晴らしいことだと思います。100曲中オーストラリアの作曲家によるものは8曲。最高位はWestlakeの「南極組曲」で29位でした。(聞き逃した!)
オリンピックみたいに国別でまとめてくださった方がいたのですが、最終結果はこーんな感じ:
イギリス19、ロシア17、アメリカ13、フランス10、オーストラリア8、オーストリア7、イタリア6、フィンランド5、ドイツ5,エストニア2,そしてアルゼンチン・ブラジル・カナダ・チェコ/ハンガリー・ポーランド・スロヴァキア(かな?)・スペインが各1曲ずつだそうです。
フィンランドなんかは全部シベリウスで持ってますからね、ちなみに。
作曲家別にまとめた人は居ないみたいですが上記シベリウス、マーラー、ブリテン、ラフマニノフ、プロコフィエフ、エルガーあたりは登場頻度が多かったかな。
ちなみにストラヴィンスキーは所謂3大バレエしかランクインしなかった様子。順位は下からペトルーシカ(47位)、火の鳥(35位)、春の祭典(9位)でした。兵士の物語とかプルチネッラ、バイオリン協奏曲などが入らないとはまた厳しい世界です(笑)
マーラーは1900年以降の曲はほとんど出尽くしましたね。交響曲4,5,6,8,9番、そして大地の歌。20世紀の音楽となるとちょっと(特に音楽畑の人は)躊躇するかな、と思ったのですがしっかり票を集めております。
その反面バルトークは一番メジャーな「管弦楽のための協奏曲」だけがランクインという、これもちょっと意外な結果に。他の曲では票が割れてしまったのか・・・
あとラフマニノフは所謂「ハリウッド系」(=アメリカでヒットした曲。そうでない曲はどっちかというと無名なんですよね)の曲ばっかりがランクイン。仕方がないけど残念だなー。
私が投票した10曲のうち、エントリーしたのは3曲。トゥーランガリラ(81位)、マーラー6番(73位)、そしてブリテンの戦争レクイエム(59位)でした。
あと色々な「セレクト5」を以下に箇条書きします。
ランキングに入ったけど特にもっと上位に入って欲しかった曲: ラヴェル「ダフニスとクロエ」(83位)、メシアン「トゥーランガリラ交響曲」(81位)、ラフマニノフ交響曲第2番(44位)、ショスタコーヴィチ交響曲第5番(31位)、ストラヴィンスキー「春の祭典」(9位)
ランキングに入ったけどもっと頻出して欲しかった作曲家: バルトーク、ラヴェル、ドビュッシー、プロコフィエフ(ごっそりピアノ協奏曲とか抜けてたので)、シェーンベルク
今回のカウントダウンで出会って良かった曲: ヴィラ=ロボス「ブラジルのバッハ第5番」(84位)、グラス「アクエンアテン」(82位)、ブリテン「キャロルの祭典」(79位)、スカルソープ「カカドゥ」(51位)、エドワーズ「Dawn Mantras」(49位)
正直もっと下でも良かったんじゃないか、という曲: ガーシュイン「ラプソディー・イン・ブルー」(2位)、プッチーニ「蝶々夫人」(17位)、プッチーニ「トスカ」(28位)、コープランド「Fanfare for the Common Man」(32位)、マーラー4番(61位)。
CD買うぞ!(または借りるぞ!)と思った曲(6曲): エルガーバイオリン協奏曲(93位)、バーバーバイオリン協奏曲(79位)、ブリテン「キャロルの祭典」(79位)、スカルソープ「カカドゥ」(51位)、ラヴェル弦楽四重奏曲(37位)、シベリウスバイオリン協奏曲(23位)
カウントダウン的にはエルガーのチェロ協奏曲が1位、というのは盛り下がるところがありますねえ、やっぱり。多くの人から深く愛されているのは確かにそうなんですが。
友達調べだとこのカウントダウンにランクインした100曲の内1950年以降に作曲されたのはわずか20曲のみ。一般投票だということを考えると比較的ましな割合ではあるかもしれませんが。
社会歴史的にも音楽史的にも本当に物事がめまぐるしく変わり、進化したり失われたり迷走したりした「激動の100年間」(from「20世紀狂詩曲」by聖飢魔II)で、この世紀の世相だったり、性質を反映するような曲があんまり選ばれなかったのは確かに残念なことだと思います。
前も書いてますがそういう時代とのつながりも含めて私は20世紀の音楽、というものが好きなので・・・
このカウントダウンを振り返って、20世紀に活躍した(が今回1曲もランクインしなかった)作曲家、エドガール・ヴァレーズのこの言葉がどんなに正しいか、というのを痛感しました。
「芸術家は時代を先取りしているという風に言われるが、実際は大多数の人間が自分が住んでいる時代に大きく遅れている。」
結果はまあ議論を呼ぶようなものですが、カウントダウン企画だったり投票だったりは本当に楽しかったしわくわくしたのでまた来年も年末にやって欲しいですね~
できたらクラムの音楽と出会えるようなランキングを・・・・?(笑)
今日の一曲: エドワード・エルガー チェロ協奏曲 第1楽章
第1位に輝いたこの曲。
イギリス語圏ではよく知られ、そして愛され。チェロを弾く人が(少なくとも一時期は)愛し、そして避けて通ることができないといってもいいほど高校生辺りでよく弾かれる曲です。
おそらく世界で初めて大々的に有名になった女流チェリストであるジャクリーヌ・デュ・プレの演奏が有名ですね。彼女(とそのお姉さん)を題材にした映画「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」(原題:Hilary and Jackie)でも有名ですね。
(ちなみに今回19位にランクインしたラフマニノフのピアノ協奏曲第3番もオーストラリアのピアニスト、デイヴィド・ヘルフゴットを題材にしたオーストラリア映画「シャイン」の効果もきっとあるんじゃないかな)
イギリス音楽のいいところがやっぱり詰まってると思います、この曲は。
ノスタルジーだったり、不思議な暗さだったり、美しいメロディーだったり。
それをチェロで聞くこの贅沢さ!チェロは本当に心の底から、腹の底から、大地の力を受けて歌い上げますね。
切なさと芯の強さが同居した素晴らしく感情的で(ちょっぴりセンチメンタルな)この川の流れな様なメロディーがとにかく美しい。
オープニングもまたインパクトがあります。
チェロの4つの弦をフルに使った4音の和音の連なり。パワフルで、弓が弦をとらえるがつっという音が快感で、楽器の響きが豊かで。
先ほど「少なくとも一時期は」と書いた通り、バイオリニストにとってブルッフの協奏曲がそうであるようにこの曲もまたチェリストに愛され、そして卒業されてしまう傾向にあります。
でもそれでもたまに戻ってくると素晴らしい曲ですし、高校で初めて弾いた後何年も経って改めて大人になって戻ってくるとまた別の魅力が出てくる、違う見方ができる、そういう人の人生につながる深みもまたあったりで。
是非是非ジャクリーヌ・デュ・プレの演奏で。カップリングされている(同じ英国の)ディーリアスの協奏曲も素敵な曲ですよ。
最終的な順位のまとめはこちらに。
昨日演奏されたトップ5位をこちらにものせます。
5位 ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番
4位 ヴォーン=ウィリアムス 揚げひばり
3位 ガーシュイン ラプソディー・イン・ブルー
2位 ホルスト 惑星
1位 エルガー チェロ協奏曲
5曲中4曲(そして6位も)がソリストを伴った協奏曲タイプの曲、という結果に。
やっぱり20位周りからだんだんポピュラー路線に傾いてきて、音楽友達の間では大分物足りないor納得いかないという声が上がっていましたが、確かにでも「一般に広く愛されている曲」が集まった感じですね。
それにしてもヴォーン=ウィリアムス。
「グリーンスリーブス」が84位、そして大分飛んで「タリス幻想曲」が12位、そして「揚げひばり」が4位、というのはものすごく意外でした。「揚げひばり」ってそんなにポピュラーなの!?という。あとグリーンスリーブスの順位の低さも意外っちゃあ意外ですね。
順位が「本当?」といえばレスピーギの「古風なアリアと舞曲」(53位)が「ローマの松」(64位)よりも上だったことも。
他に意外なことといえばアランフェス協奏曲が6位に来たことがまずあります。日本みたいに学校の授業で扱うわけでもないですし、演奏頻度・メディアで取り上げられる頻度ともに高くないですし。
20位以内にペルトの「Spiegel Im Spiegel」、グレツキの「悲歌のシンフォニー」と東欧ミニマルミュージックが食い込んだのは大健闘だと思います。これらもどっちかというと「ポピュラー系統」ではありますが。
以前書きましたがオーストラリアの曲に票が入ったのは素晴らしいことだと思います。100曲中オーストラリアの作曲家によるものは8曲。最高位はWestlakeの「南極組曲」で29位でした。(聞き逃した!)
オリンピックみたいに国別でまとめてくださった方がいたのですが、最終結果はこーんな感じ:
イギリス19、ロシア17、アメリカ13、フランス10、オーストラリア8、オーストリア7、イタリア6、フィンランド5、ドイツ5,エストニア2,そしてアルゼンチン・ブラジル・カナダ・チェコ/ハンガリー・ポーランド・スロヴァキア(かな?)・スペインが各1曲ずつだそうです。
フィンランドなんかは全部シベリウスで持ってますからね、ちなみに。
作曲家別にまとめた人は居ないみたいですが上記シベリウス、マーラー、ブリテン、ラフマニノフ、プロコフィエフ、エルガーあたりは登場頻度が多かったかな。
ちなみにストラヴィンスキーは所謂3大バレエしかランクインしなかった様子。順位は下からペトルーシカ(47位)、火の鳥(35位)、春の祭典(9位)でした。兵士の物語とかプルチネッラ、バイオリン協奏曲などが入らないとはまた厳しい世界です(笑)
マーラーは1900年以降の曲はほとんど出尽くしましたね。交響曲4,5,6,8,9番、そして大地の歌。20世紀の音楽となるとちょっと(特に音楽畑の人は)躊躇するかな、と思ったのですがしっかり票を集めております。
その反面バルトークは一番メジャーな「管弦楽のための協奏曲」だけがランクインという、これもちょっと意外な結果に。他の曲では票が割れてしまったのか・・・
あとラフマニノフは所謂「ハリウッド系」(=アメリカでヒットした曲。そうでない曲はどっちかというと無名なんですよね)の曲ばっかりがランクイン。仕方がないけど残念だなー。
私が投票した10曲のうち、エントリーしたのは3曲。トゥーランガリラ(81位)、マーラー6番(73位)、そしてブリテンの戦争レクイエム(59位)でした。
あと色々な「セレクト5」を以下に箇条書きします。
ランキングに入ったけど特にもっと上位に入って欲しかった曲: ラヴェル「ダフニスとクロエ」(83位)、メシアン「トゥーランガリラ交響曲」(81位)、ラフマニノフ交響曲第2番(44位)、ショスタコーヴィチ交響曲第5番(31位)、ストラヴィンスキー「春の祭典」(9位)
ランキングに入ったけどもっと頻出して欲しかった作曲家: バルトーク、ラヴェル、ドビュッシー、プロコフィエフ(ごっそりピアノ協奏曲とか抜けてたので)、シェーンベルク
今回のカウントダウンで出会って良かった曲: ヴィラ=ロボス「ブラジルのバッハ第5番」(84位)、グラス「アクエンアテン」(82位)、ブリテン「キャロルの祭典」(79位)、スカルソープ「カカドゥ」(51位)、エドワーズ「Dawn Mantras」(49位)
正直もっと下でも良かったんじゃないか、という曲: ガーシュイン「ラプソディー・イン・ブルー」(2位)、プッチーニ「蝶々夫人」(17位)、プッチーニ「トスカ」(28位)、コープランド「Fanfare for the Common Man」(32位)、マーラー4番(61位)。
CD買うぞ!(または借りるぞ!)と思った曲(6曲): エルガーバイオリン協奏曲(93位)、バーバーバイオリン協奏曲(79位)、ブリテン「キャロルの祭典」(79位)、スカルソープ「カカドゥ」(51位)、ラヴェル弦楽四重奏曲(37位)、シベリウスバイオリン協奏曲(23位)
カウントダウン的にはエルガーのチェロ協奏曲が1位、というのは盛り下がるところがありますねえ、やっぱり。多くの人から深く愛されているのは確かにそうなんですが。
友達調べだとこのカウントダウンにランクインした100曲の内1950年以降に作曲されたのはわずか20曲のみ。一般投票だということを考えると比較的ましな割合ではあるかもしれませんが。
社会歴史的にも音楽史的にも本当に物事がめまぐるしく変わり、進化したり失われたり迷走したりした「激動の100年間」(from「20世紀狂詩曲」by聖飢魔II)で、この世紀の世相だったり、性質を反映するような曲があんまり選ばれなかったのは確かに残念なことだと思います。
前も書いてますがそういう時代とのつながりも含めて私は20世紀の音楽、というものが好きなので・・・
このカウントダウンを振り返って、20世紀に活躍した(が今回1曲もランクインしなかった)作曲家、エドガール・ヴァレーズのこの言葉がどんなに正しいか、というのを痛感しました。
「芸術家は時代を先取りしているという風に言われるが、実際は大多数の人間が自分が住んでいる時代に大きく遅れている。」
結果はまあ議論を呼ぶようなものですが、カウントダウン企画だったり投票だったりは本当に楽しかったしわくわくしたのでまた来年も年末にやって欲しいですね~
できたらクラムの音楽と出会えるようなランキングを・・・・?(笑)
今日の一曲: エドワード・エルガー チェロ協奏曲 第1楽章
第1位に輝いたこの曲。
イギリス語圏ではよく知られ、そして愛され。チェロを弾く人が(少なくとも一時期は)愛し、そして避けて通ることができないといってもいいほど高校生辺りでよく弾かれる曲です。
おそらく世界で初めて大々的に有名になった女流チェリストであるジャクリーヌ・デュ・プレの演奏が有名ですね。彼女(とそのお姉さん)を題材にした映画「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」(原題:Hilary and Jackie)でも有名ですね。
(ちなみに今回19位にランクインしたラフマニノフのピアノ協奏曲第3番もオーストラリアのピアニスト、デイヴィド・ヘルフゴットを題材にしたオーストラリア映画「シャイン」の効果もきっとあるんじゃないかな)
イギリス音楽のいいところがやっぱり詰まってると思います、この曲は。
ノスタルジーだったり、不思議な暗さだったり、美しいメロディーだったり。
それをチェロで聞くこの贅沢さ!チェロは本当に心の底から、腹の底から、大地の力を受けて歌い上げますね。
切なさと芯の強さが同居した素晴らしく感情的で(ちょっぴりセンチメンタルな)この川の流れな様なメロディーがとにかく美しい。
オープニングもまたインパクトがあります。
チェロの4つの弦をフルに使った4音の和音の連なり。パワフルで、弓が弦をとらえるがつっという音が快感で、楽器の響きが豊かで。
先ほど「少なくとも一時期は」と書いた通り、バイオリニストにとってブルッフの協奏曲がそうであるようにこの曲もまたチェリストに愛され、そして卒業されてしまう傾向にあります。
でもそれでもたまに戻ってくると素晴らしい曲ですし、高校で初めて弾いた後何年も経って改めて大人になって戻ってくるとまた別の魅力が出てくる、違う見方ができる、そういう人の人生につながる深みもまたあったりで。
是非是非ジャクリーヌ・デュ・プレの演奏で。カップリングされている(同じ英国の)ディーリアスの協奏曲も素敵な曲ですよ。
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