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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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Music to Wind Down to
前回のエントリーに拍手ありがとうございます♪続報に期待です!
今回はまた「いくつも曲を紹介していく系」のエントリーです~

心を落ち着けたり奮い立たせたり、音楽で心の動きをいろんな風に制御したり変えたりできる、という話はこのブログで何度もしてきましたし、実際に自分もそれを実践していましたし。(一番最近の例としてはここんところの疲労にやられながらも働かなくちゃいけないためがんがん聖飢魔II(テンポとかビートががつがつ前に行くやつを選んで)流しながら働いたり、というケースも)

他人のために、そして自分のために(主に後者ですね、機会の数は)いろんな目的で音楽を選ぶことは習慣であり、楽しみであり。そして自分のために選ぶときは自分の心のケアという役割もあったり、でもそこまで重大な感じじゃない目的もいろいろありますし、そういうときでも手抜き無しで曲を選んでます。

そのなかでも割と自分が大切にしている、という目的?というかシチュエーション?がありまして。
それは例えば一日働いて(ピアノもはさんで)夕方になってきたとき、もうひとがんばりだと自分を励ましたり一日の疲れをいたわり始めたりするときであったり。
または友達と飲みに行ったり(コンサートの後とか)した後に興奮が冷めないまま帰りの電車にのって、ちょっと寂しさを覚えながら「良い時間を過ごした」と回想する時であったり。
そういう、心と頭がアクティブな状態から穏やかになる、「winding down」のプロセスを助けるための音楽に関して大事にしているものがありまして。

Winding downは別に音楽がなくても容易にできるものではあるんです。アクティブになったあとは自然と心は落ち着いていくものですから、本来は。(もちろん周りからの刺激が激しいとうまくいかなかったりしますがね)
ただ、そのプロセスがもっと心地良くなるように、というか・・・仕事の終わりにかけて、の場合だったら一日働いた自分をいたわることだったり、友達と別れて帰宅中にはみんなと一緒にいた心地良い時間の余韻がより長く続いて、より深くその感覚に浸れるように、とにかくより自然に、より穏やかに(急な気分の変化をたくさん経験するとそれがどんなに大切なことか痛感します)・・・という目的でふさわしい音楽を聴く、体験を創る、ということなんです。
必需品ではなく贅沢品ではありますが、大切なことだと思います。

今回はクラシックに限らずジャンル様々から10曲選んでみました。それではどうぞ。

1) Andy Statman 「Flatbush Waltz」
いきなりクレズマーのCDから一曲。クレズマーっていうと一般的にバイオリンが暴れたりクラリネットが叫んだり、陽気と陰気が入り交じった踊りだったり歌だったり、独特の民族音楽風味が強かったりするのですが、これはわりと癖が弱い(でも良い感じであるんですね、これが!)、穏やかなナンバー。ピアノが入ってるのが特徴的だったり。盛り上がりもあるながらも、上に行くときも下におろすときも心地良くて。メロディーとハーモニーのシンプルさもまた優しいです。

2) レスピーギ 「リュートのための古風なアリアと舞曲」第2組曲より 「パリの鐘」
Wind downに使う曲はある程度長さがあるとうまく浸れる、穏やかな状態に導きやすいんですが、この曲は比較的短いながらもしっかり優しく心を着地させてくれます。チェレスタの音が効きますね!一日の終わりを告げる鐘のようで。ものすごーくやさしい、夢がすぐそこにあるような、眠りを思わせるような、まるで子供を優しく眠りにつかせるような音楽です。

3) The Beatles 「The Long and Winding Road」
この曲が仕事時間の終わりにくるとものすごく嬉しいです!もともとこの曲はCDの終わりに来ることに慣れてる、というのもありますが、踏みしめていくような、どこかに向かいながらもうすぐたどり着くような感覚があって好きです。曲が盛り上がるところの弦のパートが特に。あとエンディングがものすごく充実するのもいいですね~

4) ラヴェル 「2つのヘブライの歌曲」より「カディッシュ」(バイオリン版)
Wind downに使う音楽は一つ一つの音が美しい!大切!と思える曲が良いような気がします。だから自然とシンプルで、どちらかというとスローなテンポの音楽が好ましい、という傾向で。シンプルな美しさ、という意味では本当にこの曲は素晴らしいですね。少しユダヤ風の旋律だったり、ピアノの伴奏だったり、ノスタルジックな音楽は疲れを改めて感じ始めている心にしみいります。

5) たま 「満月小唄」
柳原さんが作曲した(&メインボーカル担当した)曲です。歌詞もメロディーもハーモニーも各々の楽器のパートも何もかもが美しくて、柳原さんの音楽にある独特な揺れる心地よさがまた気持ちよくて、ちょっと長めの歌ですが身と心を任せてずっと聴いていられるようで。弾き語りなツインギターの音色がやっぱり主なのですが、パーカッションも随所随所でいいアクセントになってたり。

6) ホルスト 「吹奏楽のための組曲」第1組曲より「シャコンヌ」
繰り返されるベースラインに輝く、穏やかな管楽器の音色。実は夕方にはこういう「穏やかな金管」系統の音楽にある包み込むような暖かさが本当にありがたかったり。面白いのは、この曲は(実はキーも一緒ですが)先ほどのビートルズみたいなものすごい充実した終わり方をする、これだけでお腹いっぱいというか満ち足りた感じになれるのに組曲では第1楽章だということ(笑)

7) メシアン 前奏曲第6番 「苦悩の鐘と別れの涙」
メシアンはなんといっても「永遠」の使い手ですからね。「この一瞬をずっと味わっていたい」という思いを実現させてくれる音楽を書く作曲家で。この曲の後半の下降してくる和音だったり、息の長い、終わりが見えないメロディーだったり、本当に幸せとそれに伴う切なさをくみ取ってくれて、じっくり感じさせてくれるのです。だから曲が終わった時は満足して手放せる、そんな感じ。

8) ヴォーン=ウィリアムス 「富める人とラザロ」の5つの異版
ヴォーン=ウィリアムスはたまに心をちょっとした旅に連れてってくれます。この曲もそうで、あのノスタルジックな、ちょっとセンチメンタルなスタイルの音楽であんなこともあった、こんなこともあった、と思い出の中を手を引いて回想散歩させてくれて。弦とハープの音の繊細さ、そして力強さでちょっとだけ、一時だけ感傷的に浸るのを、後ろを向いて思い出を大切にするのを許してくれるようです。

9) 聖飢魔II 「嵐の予感」
これもまたEpic、というか聴いてるだけで旅をするような曲で。全体的に穏やかな感じで耳も心も傾けたくなるのもあり、そして間奏での盛り上がりもあり。特に間奏の終わりの方のギターのソロのあの美しいのを聴くと「本当に良かった」とものすごく思えるんですよね。心が落ち着く準備に入れる、というか。そのまま閣下の歌が入るのに浸りながら・・・という。夜帰宅中の電車で聴くとどうしても弱い曲です(笑)

10) シューベルト 交響曲第7番「未完成」 第2楽章
この曲を夕方に聴くことは自分にとって最高の贅沢のうちの1つだと思います。これが自分へのご褒美というか、自分をいたわるのに使えるのは本当に特別な時ではないかと(笑)とにかく美しいですし、なにかとっても黄昏を思わせるような色彩で。途中のクラリネットのソロの息の長いのなんか素晴らしいですし。本当に良い仕事をしたら全体重と心重(?)を預けて味わいたくなる、そんな曲です。


Wind downに使う音楽、というのはただ穏やかなだけじゃだめな気がします。聞き流せる音楽よりは、ぐっと心を掴んで、身も心も任せたくなるくらいしっかりしていて。あと上記の曲ほとんどに共通しているのが「穏やかながらもしっかり盛り上がりがある」曲だということ、そして盛り上がったところから曲の終わりまでの音楽(そして心)を着地に導く方法がものすごく上手い、ということではないかと。

先ほども書きましたが決して自分はwind downするのが下手というわけでもないのですが、それでも仕事なり友達との経験なりで体験した良いことを音楽を通じてもっと味わうため(記憶は音楽と結びつきますしね)、そしてそういう体験したことを通じてより深く音楽を感じるため、色々こうやって試したり探ったりして大切なものを見つけようとしたりしています。
あと実際友達と遊びに行って体験する感情だとか、そういうものと同じくらいwinding downのプロセスで得られる感覚も好きだったりするので。
こういう体験だったりこうやって思考をめぐらすことが自分の糧になると信じているのもありますが、全部ひっくるめてwinding downのプロセスが好きで、本当に興味深いと思っています。


今日は「今日の一曲」はまたお休みですが、こないだと同じく今回紹介した曲から1つ選んで改めて次回の「今日の一曲」で取り扱おうと思ってます。

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