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前回のエントリーに拍手どうもです!
最初のリハーサルは日曜日、ちょうど今日仕事が終わったので明日は休んで備えないと。
まだまだくたくたのままなので。
ピアニストは基本ステージの上では一人きり、ですがそうでないときもあります。
例えば室内楽だったりオケだったり、のときも複数人数いるなかでピアニストは1人という場合が多いですが、複数のピアニストが一緒に演奏する場合ももちろんあって。
そのくくりでメジャーなのがピアノデュオ・ピアノデュエットです。
以前も書いたと思いますが、ピアノデュエット=一台のピアノで2人で連弾、ピアノデュオ=2台のピアノに1人ずつ奏者、という区別になってます。
デュオの方はやっぱりピアノ(通常グランドピアノ)が2台要るのでリハーサルするにも演奏するにもちょっとハードルが高くなっちゃうところがあります。
デュエットに関しては先生と生徒で連弾、というのは日本でもこちらでもありますが、コンサートの他にちょっとした集まりのなかで家族同士、兄弟、夫婦、友達同士でちょっと、というようなシチュエーションもあったり。
(あとは昔は諸々の事情からオケレパートリーを連弾で聴く、という演奏形態もよくあったそうですよ)
この2つのアンサンブル形態では必要とされるスキルはちょっと違ってきます。難易度で言うとデュオの方が難しいです。ピアノを挟んで向き合って弾くため、距離がありますし、お互いの手の動きが見えないですし、カバーする音ももちろん多い。レパートリーもさらに複雑(オケ曲とかも弾きますしね)。
ただデュエットだとお互いの腕や手が邪魔にならないような工夫をしなくちゃいけないですし、パートがデュオほど独立していなかったりするためある程度親しかったり気を許したり、信頼がないとなかなか難しい対人距離です。
そんなピアノデュエット、ピアノデュオの名曲を3つセレクトして紹介、さらにちょっとあぶれてしまった番外編も紹介します。
<ピアノデュエットの部>
(1) シューベルト 幻想曲 D. 940/op. 103
20世紀音楽好きな私ですが、連弾の名曲、といったら真っ先にこれをあげたいです。いつだって。
私も学校時代のピアノの先生、学校のピアノの先生、そして親友(曲の一部)と一緒に3回弾いています(私はどの場合も第1パート弾いてましたね)。音楽の美しさもそうですが、連弾においてあまり奏者が手を交差したり小難しいことをあまりせずごく自然に弾ける、楽しめるのもいいです。特に速いダンスの部分が「シューベルト!」という感じで好き♪
(2) ラヴェル 「マ・メール・ロワ」
このブログでも何度か話が出ていますこの曲(ちょこちょこっとですがね、毎回・・・)。私は大学時代に弾きました。子供のためにかかれたおとぎ話の曲だからといってなめてはいけませんよ。ガチのラヴェルですからね!(笑)ラヴェルの繊細さと色彩の透明さ、豊かさは一つも妥協されてませんよ。第2楽章での奏者2人の手の近さとかデュエットのタッグを試されるところもあって。あと弾いてて、そして聴いてて無邪気な心を取り戻せる(?)のもいいですよね。大人の技巧と子供の心で弾きたい曲です。
(3) クラム マクロコスモス第4巻 「天体の力学」
この曲も良く話に出ますね。最後の最後で3人目の奏者(ページめくりの人)が入るので番外編、としたほうがよかったのですが押し切りました(笑)やっぱり求められるアンサンブルの正確さ、綿密さではこの曲に敵う物は少ないと思います。結構近代に来るにつれてものすごくフォーマルな(=コンサート用の)連弾曲ってなんだか減ってるような中でこれを「1つのピアノで」表現しようとしたクラムの心は曲をもっと深く分析してみないとなんともいえませんが、レパートリーとして大変貴重だと思います。そしてタイトルが曲をここまで正確に表すか!というほどの天体力学っぷりはいつも心にぐっと来ます。
<ピアノデュオの部>
(1) ラフマニノフ 交響的舞曲
オケ版も好きですが、ピアノデュオ版がやっぱり良い。私にとっての「ピアノデュオ最高峰」の曲ですし、ラフマニノフの後期の作品の中でも最高峰だと思います。やっぱりラフマニノフはピアノのことを知り尽くしている、という感じもありながら、まるでピアノをオーケストラのように色彩豊かに、2台一体としてピアノ以上の存在に高めて使うのがすごいですし。特に第1楽章なんかオケ版では実現できないような、鍵盤だからこそのサウンドが味わえます。
(2) メシアン 「アーメンの幻影」
メシアンが後に妻となるマダム・ロリオと一緒に弾くために書いた、彼の信仰・神への愛の結晶でもあり、音楽における愛の結晶でもあり。7楽章ある中のどれもがメシアンらしく(この曲が書かれたあたりでスタイルが確立しつつあったはず)、そしてピアノが表現できる全てを引き出した音楽です。他のピアノデュオ作品と比べて大きく違うのは、第1パートと第2パートの役割が常にきっぱり分かれていること。(第1は色彩担当、第2は音楽的なテーマなど担当)これはやっぱり元々の目的が濃く現れてるのでしょうね。あと第2楽章などにおける2台ならではのパワフルさは笑っちゃいます(笑)
(3) ラヴェル 「ラ・ヴァルス」
実はラヴェルの作品の中でそんなに好き、というわけでもないのですが、ピアノデュオのレパートリーではかなり強力な一曲なことに変わりはありません。これもオケ版があるのですが、ピアノ2台の方が(弾く人が2人、ということもあり)アンサンブルがタイトで躍動感もありますし、響きがびしっと決まりますね。それでいてラヴェルのあの鮮やかな色彩もピアノでだって遜色ない。今度友達のデュオが弾くそうですが(大学ですでに一回弾いてるらしいです)ものすごい楽しみ。
<番外編>
(1) ブラームス ピアノ五重奏のピアノデュオ編曲
もともとピアノ五重奏ってピアノ+弦楽四重奏という編成で、まさにそこで分かれてるようなところがあって(ピアノvs弦楽四重奏、ってほどじゃないですが)。だからというかなんというか、弦楽四重奏のパートをピアノ1台にまとめて、ブラームス自身ピアノ2台のために編曲したものです。これがまあうまくいきますね。なじみます。同じピアノ同士だから、って以上にうまくいくのはなぜなんだろう。原曲とは別の魅力。
(2) クラム マクロコスモス第3番 「夏の夜の音楽」
これはピアノ2台+打楽器諸々2人という編成なので番外編に。(バルトークが最初に使った楽器編成ですね)
「天体の力学」の方でもちょっとそうですが、クラムのピアノデュオ・デュエットというのはピアノが数人居ることを利用してエコー・繰り返し・ミラーエフェクトを活用するのが特徴的。お互いをまねたり、時間差で同じパッセージを弾いたり、あるようで実はなかなかない複数ピアノの使い方。だからこそこのトピックから完全に外すわけにはいかなかったのですよ~
もちろんピアノが1人の諸々と比べて聴ける機会は比較的少ないですが、今日紹介した曲以外にもピアノデュエット・デュオのレパートリーはたんとありますので触れあう機会があれば是非!聴いてみてください。(もちろん録音もたくさん出てますしね)
私も弾きたいですわ、心許せる相手と一緒に連弾でもデュオでも(デュオ経験はちなみに皆無)。上に書いた曲みんな弾いてみたいですねー♪
そしてまた思い出したのですが「アーメンの幻影」や「夏の夜の音楽」、「天体の力学」についてあんまり話してないので機会を作って語りたいと思います。いつか。きっと。
今日の一曲はお休みです。
最初のリハーサルは日曜日、ちょうど今日仕事が終わったので明日は休んで備えないと。
まだまだくたくたのままなので。
ピアニストは基本ステージの上では一人きり、ですがそうでないときもあります。
例えば室内楽だったりオケだったり、のときも複数人数いるなかでピアニストは1人という場合が多いですが、複数のピアニストが一緒に演奏する場合ももちろんあって。
そのくくりでメジャーなのがピアノデュオ・ピアノデュエットです。
以前も書いたと思いますが、ピアノデュエット=一台のピアノで2人で連弾、ピアノデュオ=2台のピアノに1人ずつ奏者、という区別になってます。
デュオの方はやっぱりピアノ(通常グランドピアノ)が2台要るのでリハーサルするにも演奏するにもちょっとハードルが高くなっちゃうところがあります。
デュエットに関しては先生と生徒で連弾、というのは日本でもこちらでもありますが、コンサートの他にちょっとした集まりのなかで家族同士、兄弟、夫婦、友達同士でちょっと、というようなシチュエーションもあったり。
(あとは昔は諸々の事情からオケレパートリーを連弾で聴く、という演奏形態もよくあったそうですよ)
この2つのアンサンブル形態では必要とされるスキルはちょっと違ってきます。難易度で言うとデュオの方が難しいです。ピアノを挟んで向き合って弾くため、距離がありますし、お互いの手の動きが見えないですし、カバーする音ももちろん多い。レパートリーもさらに複雑(オケ曲とかも弾きますしね)。
ただデュエットだとお互いの腕や手が邪魔にならないような工夫をしなくちゃいけないですし、パートがデュオほど独立していなかったりするためある程度親しかったり気を許したり、信頼がないとなかなか難しい対人距離です。
そんなピアノデュエット、ピアノデュオの名曲を3つセレクトして紹介、さらにちょっとあぶれてしまった番外編も紹介します。
<ピアノデュエットの部>
(1) シューベルト 幻想曲 D. 940/op. 103
20世紀音楽好きな私ですが、連弾の名曲、といったら真っ先にこれをあげたいです。いつだって。
私も学校時代のピアノの先生、学校のピアノの先生、そして親友(曲の一部)と一緒に3回弾いています(私はどの場合も第1パート弾いてましたね)。音楽の美しさもそうですが、連弾においてあまり奏者が手を交差したり小難しいことをあまりせずごく自然に弾ける、楽しめるのもいいです。特に速いダンスの部分が「シューベルト!」という感じで好き♪
(2) ラヴェル 「マ・メール・ロワ」
このブログでも何度か話が出ていますこの曲(ちょこちょこっとですがね、毎回・・・)。私は大学時代に弾きました。子供のためにかかれたおとぎ話の曲だからといってなめてはいけませんよ。ガチのラヴェルですからね!(笑)ラヴェルの繊細さと色彩の透明さ、豊かさは一つも妥協されてませんよ。第2楽章での奏者2人の手の近さとかデュエットのタッグを試されるところもあって。あと弾いてて、そして聴いてて無邪気な心を取り戻せる(?)のもいいですよね。大人の技巧と子供の心で弾きたい曲です。
(3) クラム マクロコスモス第4巻 「天体の力学」
この曲も良く話に出ますね。最後の最後で3人目の奏者(ページめくりの人)が入るので番外編、としたほうがよかったのですが押し切りました(笑)やっぱり求められるアンサンブルの正確さ、綿密さではこの曲に敵う物は少ないと思います。結構近代に来るにつれてものすごくフォーマルな(=コンサート用の)連弾曲ってなんだか減ってるような中でこれを「1つのピアノで」表現しようとしたクラムの心は曲をもっと深く分析してみないとなんともいえませんが、レパートリーとして大変貴重だと思います。そしてタイトルが曲をここまで正確に表すか!というほどの天体力学っぷりはいつも心にぐっと来ます。
<ピアノデュオの部>
(1) ラフマニノフ 交響的舞曲
オケ版も好きですが、ピアノデュオ版がやっぱり良い。私にとっての「ピアノデュオ最高峰」の曲ですし、ラフマニノフの後期の作品の中でも最高峰だと思います。やっぱりラフマニノフはピアノのことを知り尽くしている、という感じもありながら、まるでピアノをオーケストラのように色彩豊かに、2台一体としてピアノ以上の存在に高めて使うのがすごいですし。特に第1楽章なんかオケ版では実現できないような、鍵盤だからこそのサウンドが味わえます。
(2) メシアン 「アーメンの幻影」
メシアンが後に妻となるマダム・ロリオと一緒に弾くために書いた、彼の信仰・神への愛の結晶でもあり、音楽における愛の結晶でもあり。7楽章ある中のどれもがメシアンらしく(この曲が書かれたあたりでスタイルが確立しつつあったはず)、そしてピアノが表現できる全てを引き出した音楽です。他のピアノデュオ作品と比べて大きく違うのは、第1パートと第2パートの役割が常にきっぱり分かれていること。(第1は色彩担当、第2は音楽的なテーマなど担当)これはやっぱり元々の目的が濃く現れてるのでしょうね。あと第2楽章などにおける2台ならではのパワフルさは笑っちゃいます(笑)
(3) ラヴェル 「ラ・ヴァルス」
実はラヴェルの作品の中でそんなに好き、というわけでもないのですが、ピアノデュオのレパートリーではかなり強力な一曲なことに変わりはありません。これもオケ版があるのですが、ピアノ2台の方が(弾く人が2人、ということもあり)アンサンブルがタイトで躍動感もありますし、響きがびしっと決まりますね。それでいてラヴェルのあの鮮やかな色彩もピアノでだって遜色ない。今度友達のデュオが弾くそうですが(大学ですでに一回弾いてるらしいです)ものすごい楽しみ。
<番外編>
(1) ブラームス ピアノ五重奏のピアノデュオ編曲
もともとピアノ五重奏ってピアノ+弦楽四重奏という編成で、まさにそこで分かれてるようなところがあって(ピアノvs弦楽四重奏、ってほどじゃないですが)。だからというかなんというか、弦楽四重奏のパートをピアノ1台にまとめて、ブラームス自身ピアノ2台のために編曲したものです。これがまあうまくいきますね。なじみます。同じピアノ同士だから、って以上にうまくいくのはなぜなんだろう。原曲とは別の魅力。
(2) クラム マクロコスモス第3番 「夏の夜の音楽」
これはピアノ2台+打楽器諸々2人という編成なので番外編に。(バルトークが最初に使った楽器編成ですね)
「天体の力学」の方でもちょっとそうですが、クラムのピアノデュオ・デュエットというのはピアノが数人居ることを利用してエコー・繰り返し・ミラーエフェクトを活用するのが特徴的。お互いをまねたり、時間差で同じパッセージを弾いたり、あるようで実はなかなかない複数ピアノの使い方。だからこそこのトピックから完全に外すわけにはいかなかったのですよ~
もちろんピアノが1人の諸々と比べて聴ける機会は比較的少ないですが、今日紹介した曲以外にもピアノデュエット・デュオのレパートリーはたんとありますので触れあう機会があれば是非!聴いてみてください。(もちろん録音もたくさん出てますしね)
私も弾きたいですわ、心許せる相手と一緒に連弾でもデュオでも(デュオ経験はちなみに皆無)。上に書いた曲みんな弾いてみたいですねー♪
そしてまた思い出したのですが「アーメンの幻影」や「夏の夜の音楽」、「天体の力学」についてあんまり話してないので機会を作って語りたいと思います。いつか。きっと。
今日の一曲はお休みです。
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