忍者ブログ
~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Las Seis Cuerdas
前回のエントリーに拍手どうもです!
今日は仕事が一旦途切れたり、ピアノの先生に電話したら「イースターまで全然あいていない」と言われだいぶショックだったり、エアコンの操作が分からないとやってきた近所に住んでる方にピアノを褒められたり、となんだか色々ありまして。
昨日から背中から頭まで痛くて困ってるなかに一転も二転もなんだか忙しいです。

日本にいる両親と数日に一回はネットでテレビ電話で話すのが習慣で。
いつもは私は母と話し込むことが多いのですが昨日は父とクラシカルギターのレパートリーについて長いこと盛り上がりました。
父はトランペットとギターを若い頃からやっていて、特に家の中だとトランペットはあんまり吹けないので夜ギターを弾いたりしているのを聴いた記憶がいろいろあります。
主にアコースティックで、クラシックだったりあとボサノバなんかも。昨日確認したらこないだ今日の一曲で紹介したバーデン・パウエルの「宇宙飛行士」は父も弾いてたそうで(そうじゃないかな、と思ったんですが記憶があやふやでした)。
これもあやふやな記憶ですが友達と家でビートルズ弾いてたこともあったはず。

なかなかでも音楽畑の友達とはあんまりギターのレパートリーの話は盛り上がれないんですよね。
ギター奏者以外はみんなあんまりしらないみたいで。(作曲科の方にギター弾きの知り合いが居て、初めて会ったときにアランフェス協奏曲やヴィラ=ロボスの協奏曲について話せることにテンションがあがっちゃいましたね)
そんな中で去年トゥーランガリラの彼が「ヴィラ=ロボスのギターのための前奏曲が好き」と言ったときは本当に驚きましたし(作曲畑ながらもピアニストが知ってる、というのとやっぱり好みが似てる、というのでダブル)、本当に嬉しかったのです。

クラシックギターもいろいろあります。
元々ギターのために書かれた曲だとスペイン・ラテン系文化周りがやっぱりメジャーですが、バロック時代のギター曲、リュートや一部鍵盤楽器のための曲、さらにはバイオリン・チェロなどの曲のアレンジもありますし。他にもオケ曲のアレンジだったり編曲レパートリーはかなり大きいものと思われます。
アレンジ曲は面白いです。例えばバッハのバイオリンのための無伴奏パルティータやチェロのための無伴奏組曲をギターで聞くとまた別の世界があって。和音を弾くのに労力が少なくて済むのと響きの長さによる音色の溶け合いはオリジナルでは味わえないですね。(オリジナルもまた素晴らしい曲たちではあるのですが)
別世界、といえばオケ曲であるフォーレの「ドリー」組曲のギターデュエット版(以前紹介しましたね)はオケの色彩とは違うとってもintimateな響きが魅力的です。
父はバッハのシャコンヌ(バイオリンのための無伴奏パルティータニ短調)のギター版を老後に習得したいらしいですが、うちにはCDがないのでどんな風なアレンジになってるかは分からないのが残念・・・

うちは父がスペイン音楽、ブラジル音楽が好きなので親しみが深いのもそちらの方面。
グラナドスの「ゴヤの美女」とか、「Orientale」、「詩的なワルツ集」などだったり。
あと一時帰国のとき父からいただいていったギター音楽を改めて聞いてみて「いいな」と思ったのはファリャの「ドビュッシーの墓に捧げる賛歌」。ギターの深い暗い方の音色がいいんですよねー。
そしてヴィラ=ロボスのギター音楽は自分の中で特別な領域になりつつあります。
ギター協奏曲(特に第2楽章が美しい!)と5つの前奏曲。
「アランフェス協奏曲」で有名なロドリーゴだったら「3つのスペイン風小品」の「パッサカリア」がお気に入り。

そういえば父とは「ギターはフーガを弾けるのか」という話もしましたね。
フーガとはメロディー+伴奏ではなく複数のメロディーが独立して絡み合うタイプの曲。大体3~5声部から成り立っていて、メロディーは特徴的な「テーマ」で始まるようになってて、それが現れたりする様があたかもメロディーがお互いから「逃げている」ように見えるためフーガ=遁走曲、と呼ばれるのです。
フーガを弾くにはとっても複雑な、少なくとも複数のメロディーを同時進行することができる楽器が必要で、通常は鍵盤楽器で弾くものなのですがたまーにハープやバイオリンでも(鍵盤楽器のものよりは単純になりますが)ありますし。
結論としてはギターもごく単純な物(ハープと同じレベルかな)ならフーガも弾けないことはない、ということになりました。

そして最近はボサノバギター周りも改めて意識して(子供の時はぼんやりとですが)聴く様になりました。
以前書きましたがバーデン・パウエルのCD二枚分を一時帰国の時にもらって帰ってきたのでまずそれから。
結構小さいから聴いた記憶があるもの何曲かありますね~やっぱりCDや父が弾いてるのを繰り返し聴いて知らないうちに染みついてたみたいです。
バーデン・パウエルで今まで聴いたうちだとこないだ紹介しました「宇宙飛行士」、それから「Samba Triste」、「Canto de Xango」も良いですし「Candomble」と「Deixa」が特にかっこいいです。最近はまってます。
(ピアノでなんか弾けないかなーそういうのは)

やっぱアコースティックギターは良いですね。もちろん小さい頃から聴いていた記憶と感覚、というのはありますが音が優しいですし音量は小さくとも響きは豊かで音の溶け合いから生じる色彩の曖昧さがまたたまらない。
生で聴くとまた今書いたような特徴がもっと細部まで味わえて。本当に親密なスペースが愛しくなる音楽ですね。
自分で弾きたいかといったらこれ以上弾きたい楽器を増やしても(苦笑)と思うのですが身近でもっと聴きたいなあ、と日頃から思ってます。

(ちなみにギターの奏者、というとまだ勉強不足で、今のところ自分の手元にあるジョン・ウィリアムズ、ジュリアン・ブリーム、バーデン・パウエル、あとオーストラリアが誇るスラヴァ・グリゴリアン(CDは持ってないけど)くらいしか知らないのです。でも4人とも聴いた限りではものすごーく演奏は好きです。これからもっと広げてかないと。)

さて、今日の一曲はこれまた父と話題になった一曲から。


今日の一曲: ニキータ・コシュキン 「アッシャー・ワルツ」



先ほどクラシックにおいてのギターのレパートリーはスペイン・ラテン系とバロック系がメジャーどころ(あくまでも私の知識の範囲からの見解ですが)、と書きましたがこれはどっちでもないジャンルです。
作曲家の名前から想像がつくかもしれませんがロシアの作曲家・ギタリストによる作品だそうで。
ロシアとギターというのは父も私もあんまりぴんとこないつながりだったのですが聴いてみたらなるほど、と思えます。

曲はエドガー・アラン・ポーの短編小説「アッシャー家の崩壊」を元に書かれたそうです(去年頑張って読んだやつだ!思いがけないところに縁があってよかった!)。
あらすじはこちらにあるようにものすごーく暗い、狂気を孕んだポーらしい雰囲気のストーリーですが曲もまたそんな色彩ですね。
曲のスタイルとしてはプロコフィエフ、特に「シンデレラ」あたりに似てますね(調べてみると影響の一つに入ってます。他にはストラヴィンスキーとかショスタコとかロックミュージックとか)。少し暗めの調の上にハーモニー・和音でさらなる暗さを乗っけていく感じが素敵♪この曲調やハーモニーがギターならではの暗さ、深さを出してて良い味してます。

手持ちCD(リンクしました、ジョン・ウィリアムズです!試聴もあります)も大学の図書館のカタログにあるのもどっちも「ギター音楽コレクション」みたいなのでコシュキンの音楽はこれしか入ってない、というのが多いので是非父に彼の他の曲を探して欲しいところです(笑)なんか曲によってはなんらかの特殊奏法を使ってるとか・・・?物凄く興味が湧きます。
ロシアギター、結構ツボかもしれないですわ。

拍手[1回]

PR
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Comment:
Pass:
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック