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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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すっかり秋です。
ちょっとだけご無沙汰していました。
500エントリーになったとたんに失速とはこれまた。
先週末はメルボルンが本格的に秋になったようで、だいぶ体にしんどい数日でした。
あれやこれやあって家にいるときは休んでることが多く、やっと慣れてきた・・・かもしれないしそうでないかもしれないし。
あんまり夏服着てないような気がしますがそろそろ衣替えか・・・最近のニュースで世界的に気温が上がってるって書いてあったのにメルボルンは私が高校生の頃と比べてそんなに夏らしい日が少ない気がするここ数年。

そういえば本来ならそろそろピアノのレパートリーも衣替えの季節。
ヴィラ=ロボス、ブラジルのバッハ第4番はなんとか秋深くなるまでに制覇(?)しまして、プーランクの即興曲も予定の5曲の内やっと最後のに。エディット・ピアフへのオマージュである第15番、他のよりもちょっとだけ長めだったりという要素もあって単品で演奏するのにも向いてる一曲。
こうやって5つ即興曲弾いてきましたがプーランクの音楽って聴いてた時と比べて弾いてみるといまいちなじみがうまくいってないなあ・・・と思うのです。気まぐれさとかが自分が「弾く」には追いつきにくかったりとか。もっとプーランクの音楽をもっともっと自分に近く、がこれからの課題ですね。今弾いてるこの曲はきっと助けになってくれると思います。
それにしてもレパートリー、悩み中です。レッスンがいつになるか、演奏がいつになるか・・・うーん。
どうもなんとかいろいろはっきりさせたいけれどできずにいるぐずぐずなのをなんとかしなきゃ。

今弾いてるメシアンの「鳥のカタログ」の「ニシコウライウグイス」、舞台は6月の終わりのフランスですが秋になるとその朝の日射しの和音のぬくもりが本当にありがたく愛しく思えますね。これは周りの気温よりも内面が秋になったのが大きいのかな。同じ曲でしばらく弾いてきたのにこんなにもがらっと曲の感じ方が変わるのは面白いです。
ちょっとたったら「まなざし」の方に集中しなくちゃいけないので鳥カタはしばらくおあずけになる予定。次はできたら春~初夏くらいに「イソヒヨドリ」に挑戦したいです。ちょうどいい季節になるはず。

土曜日はピーターとランチしてきました。アカデミーの近くのカフェで。
こないだ会ったばかりだからか話は音楽以外のことで、特に「科学」を巡る様々な話が多かったですね。
前回のコンサートの曲からもあの子が科学好きってことは大体予想ついてたのですが物理・数学の方が特に好きみたいです。私はどっちかというと化学・生物学・心理学あたりが仕事や趣味から守備範囲みたいな感じなのですが、お互い好きな話しても食い違ったりするフラストレーションがないのがやっぱりありがたい。何話しても落ち着いて心配なしに話せる相手がいるのは素晴らしいことです。普段からちょっと心に抱えてるもやもやも冷静に聞いてくれて、とにかく理解・共感がいいレベルで両立してる感が強いです。どっかやっぱり似たところとか通じ合うところがあるのかなあ、と。
私より何年か年下ですがいろんなことを広く深く冷静に見る目も頭も持ってて、いやあ毎回のことですがもっとしっかりしなきゃな自分、と(汗)

とにかく仕事はいいペースで続いてるのであとは体を季節に慣らして、外に出たりもしながらピアノもしっかり続けて。
しっかり秋冬乗り切らなければ。


今日の一曲: フランシス・プーランク 即興曲第15番



今日弾き始めた曲です。先ほど書いたようにシャンソン歌手エディット・ピアフへのオマージュとして書かれた曲です。
20世紀前半の音楽作品とか芸術作品って関わった人間、献呈された人間とか見てると「この人も同じ時代か!」と思うことが本当に多くて。それこそ文学、音楽、絵画、舞台、舞踊、ファッション、全ての分野で。
本当にこの頃のフランス周り、「華の時代」だと思います。一回見てみたかったなー・・・

15ある即興曲のなかでもなにかひときわ光るようなところがあるこの曲。(あくまでも私の印象ですが)
シャンソンや歌曲も手がけていたプーランクの、そっち系統のスタイルの曲で、歌うメロディーの魅力とフランスっぽいちょっとひねたような気まぐれさ、哀愁を含んだハーモニーの美しさ。
今のメルボルンの季節にぴったりなちょっとひんやりした空気、灰色の空の薄暗さに途中で差す太陽の光。
秋から冬って本当に味わい深いなあ、とちょっぴり大人の雰囲気にひたれる(?)感じです。

本当にこういう曲って(先ほども単品で十分成り立つといいましたが)何か弾いて、と言われたときにさらっと弾いたり、ちょっといい雰囲気のところでさらっと弾いたりするのがかっこいいですよ。
だからこそ弾くと言うよりは心から歌い上げる、そして「即興的」な感じが存分に出るほど自然に曲が身についてないといけないんですよね。
この曲の最初に「Capriccioso」=気まぐれに、とありますが気分によってテンポやフレーズの感じとかちょこちょこ変えたりとか、自由に気ままにできたらやっぱりかっこいい。
いつか自分のいわゆる「Party piece」の一つとしてポケットに持ち歩けるようこれからがんばりたいですね~

私はプーランクだとやっぱりピアノもいいですし木管関連の室内楽も大大好き。どちらも味わえるのはプーランク全集だけみたいなのでピアノ曲集のCDをチョイス。パスカル・ロジェはラヴェルとかフォーレとかも演奏を聴いたことがありますがやっぱフランス音楽をその魅力たっぷりでクリーンに弾くのがいいです。いつも言いますが餅は餅屋ですね。

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