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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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「Beethoven and Dvorak」コンサート感想+α
前回のエントリーに拍手ありがとうございます~
今日は昨日のメル響のコンサートの感想です。
元々新年に予約してなかったコンサートなんですが、マレーシアのオケで首席ホルン奏者やってる大学時代の友達がメル響と弾きに帰って来る(全曲第1奏者でした)、ということで前日にチケットを予約しました。
そして同じ目的で他にも仲良かった友達もそろっていざコンサートに。
プログラムはこんな感じ。

メルボルン交響楽団「Beethoven and Dvorak」
メルボルン・タウンホール
指揮者: Andrew Grams
ブラームス 悲劇的序曲
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第2番(ピアノ:Andreas Haefliger)
(休憩)
ドヴォルザーク 交響曲第7番

今回のコンサートは比較的小編成で、打楽器はティンパニのみ。しかも配置が変わってたのです。弦楽器は向かって左から第1バイオリン、チェロ、ビオラ、第2バイオリン、でコントラバスが第1バイオリンの後ろ(普段とは反対側)、という・・・(そういえばトロンボーンの楽譜立てはいつもあんなに遠かっただろうか。なんかちょっと目が悪いと楽譜が読めなさそうな、ページめくるのにもちょっと苦労しそうな距離でした)
あと座ってるところがバルコニーの最後列で右後ろコーナーだったので全体的に音がこじんまりした、まとまった印象でした。やっぱり差がでますね。
それから全体的にプログラムのつながりが良かったと思います。ブラームスは友達にはちょっと不評だったのですが、ドヴォルザークと似たような性格で、その2つがベートーヴェンと良い感じで対照的になっていて。

ブラームスはやっぱりティンパニがかっこよかった(ドヴォルザークでもそうでしたけど)!
弦もまとまってましたし木管も良かったですし。あと意外とこの曲チューバが入ってるんですよね。さりげない使い方がまた面白いですが(ちなみに今回この曲だけでした、テューバの出演)。

ベートーヴェン、2番はあんまり知らなかったのですが面白い曲ですね。どの楽章でも色彩の変化がユニークで、たまに奇抜で。
第3楽章がとっても魅力的でした。素朴さと田舎っぽさがあるロンド。「皇帝」協奏曲にも似てるんですがあっちはもちょっと洗練されてて華やかな感じ。
ソリストの演奏は第2楽章とかものすごく繊細なところが光っていた中、速いパッセージで粒がそろってなかったり「あれ?」と思うところも。ちょっとだけせっかちな拍の捕まえ方なんかも含めて「人の振り見て我が振り直せ」みたいなものを感じたところもありました。

ドヴォルザークはものすごく好きな曲で楽しみにしていましたが、新鮮な演奏でした。
例えばメロディーの下で刻むリズミカルなパッセージを強調したり、幾重にも流れる線を大事にしたり、指揮者の采配が見事だったと思います。(近くでもっとダイナミックに味わいたかった!)
第4楽章がなかなか果敢(果敢なキャラクターを曲に与える&チャレンジャーだなあ的な印象)なテンポで、結果良かったです。弾く方は(あの上昇アルペジオとか)きっと大変だろうけどぴったりまとまってましたし、リズムも強調されて。ただ最後の最後はもうちょっとねちっこい方が私は好き(父はああいうのが好きそうですが)。
流れといえば私のお気に入りの第3楽章はそれがものすごく綺麗でしたね。主旋律以外も生き生きしてて、リズムもしっかりな中エレガントで。
そして今回私の友達率いるホルンセクションかっこよかったですね!前述リズムを刻むようなパッセージの力強さと正確さだったり、和音を奏でるときの満ち足りた音色だったり。

で、そのホルン友達は大学にいたときも一緒に弾いたりなんだりしてよく音を知ってたのですがこういうオケの中でも彼の音はすぐわかります。第1奏者だからソロの時はもちろん、フルオケの時も(良くも悪くも)目立つ、あの音を開放したときに音の外側が爆発する感じ。
でも繊細なソロのところとか、ものすごく成長したな、と思いました。音が美しくなってる(前そうじゃなかったわけじゃないんですが)。

そして人格に関しては全く大学時代から変わらずですよ(笑)あとでみんなで集まって飲みにいったのですがあの頃と変わらない盛り上がり。
音楽のことだったり、社会のことなどだったり、それからなんといってもくだらないことやもう下品としか言いようがないことで盛り上がってたんと馬鹿笑いできることの幸せさを改めて噛みしめました。
ちなみにマレーシアのオケは「ノリはユースオケのままみたいなところがある」そうで。向こうは物価も安いしそこそこ暮らしやすいようです。

オーストラリアのガイドブックにたまに載ってる「シャウト」というのを久しぶりにやりましたですよ。複数人数で飲んでいて、一人がいっぺんに頼んで全員分おごる→次の人が全員分おごる→etc. というシステムなのですが、3杯飲んでおごる順番が回ってこなかった(汗)(3杯目申し出たんですがいつのまにか次払う人が決まってたという・・・)
それで飲んだ後はStalactitesにケバブを買いに行って(マレーシアには「ほんとの」ケバブはないそうです)。金曜の夜でフットボール終わりはシティも遅くまで賑わってますね。

笑いながら飲むと酔いが回りますね。そういうところも含めてものすごく楽しい夜でした。
とにかく下ネタで笑って過ごした大学の最初の2年間とみんななんら変わることなく。
あまりにも楽しくて月曜日、メル響がこのコンサートの最後の公演をやった後にまた遊ぶ約束しました(笑)おかわりです。楽しみ。

今回平日なら終電になる電車で帰ってきてそのまま2時間もしないうちにパソコンに向かったまま寝落ちてしまったのですが二日酔いはなく、我ながらすごい肝臓です(沈黙してるだけじゃないといいけど・・・)。
が、やっぱり次の日は普通の生活を送っても胃のリズムがいつもどおりじゃなかったり、やっぱり無理はなるべくしないほうがいいなと実感。胃は大切にしましょう。もう2週間ほどで逆流食道炎の薬も一旦止めですし。
月曜日は気をつけます・・・きっと。


今日の一曲: ルートヴィッヒ・ファン・ベートーヴェン ピアノ協奏曲第2番 第3楽章



昨日初めて聞いたので短めに。
ベートーヴェンは交響曲とか協奏曲におおまかにこういうキャラクターをした8分の6拍子の楽章をロンド、またはスケルツォとして使うことがちょくちょくあって。
交響曲第7番の第3楽章もそうですし、あとは交響曲第6番「田園」にもあるかな、それから前述ピアノ協奏曲第5番「皇帝」の最終楽章もあてはまります。

そのなかでも「田舎っぽさ」を一番直に感じるのがこの曲だと思います。
なんでしょうね、皇帝の最終楽章はもっとアルペジオとかのパッセージが多くて華やかなんだけど、この曲の場合どっちかというと踊るような、ステップを踏むようなリズムの強さが素朴さとしてでるのかな。
ベートーヴェンの師でもあったハイドンも(田舎出身だったそうで)こういう英語で言うとrobustな、ちょっとラフなところがあるパワフルさを表現することがあって、それがなんか気持ち良かったり。

今回の演奏のスタイルもあるのかな、「飲めや歌えや」というか「飲めや踊れや」みたいなところがあって好きです(そう考えるとピアノはもちょっとラフなスタンスでもよかったかな)。ピアノパートも結構即興的なキャラクターのソロパッセージとかがあって、とにかく「奔放さ」を感じる曲です。
奔放で、舞踏的で、男性的。

以前からネタにしています24keysvirusでいうとこの協奏曲、そしてこの楽章の調である変ロ長調は「天空」、青空を連想させる調(それが昨日の場合灰色の空的な他の2曲と良いコントラストになってたのです)。
青空の下で農民達が集まってビールにヴルスト(ソーセージ)、まるでOktoberfestみたいな情景を連想します。
その笑いは昨日友達とお酒を囲んで笑い合った感じの笑いにも通じるところがあるかも(男の子中心の集まりでしたし)。
そんな気取らない、楽しい集まりに乾杯!


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