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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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Ethnicity
前回のエントリーに拍手ありがとうございます。
今日のエントリー、もしかしたら以前も書いたトピックかもしれませんがよろしくお願いします。
 
今日は郵便に「永住権が与えられたのでMedicare(国民健康保険)に入ったことを示すカードが届くよ」という手紙が来ました。
いっそ1回の手紙(説明とカード一緒)ですませられないものなのか、これは。
Medicareは支払いとか請求とか簡単ですし、Privateの健康保険の方も軽減できるからありがたい(でも変える手続きしなきゃ)。
 
去年オーストラリアでは国勢調査(census)がありましたが、やっぱり人間って一言で「何人」とかいえないんだなあ、ということを質問で実感したのをこないだ思い出していました。
確か国籍、出身国、血筋としてどんな国の民族が入っているか、そして話す言語についてそれぞれ質問があったはず。
私は日本生まれ・日本国籍・数百年さかのぼって日本人(のはず)で日本語を話すけれど全部ばらばらな人も結構いるわけですからね。というかばらばらのほうがマジョリティかな。
 
大学時代に同じ先生に習ってた友達で、台湾生まれで国籍はオーストラリア人で今アメリカ在住で、旅行で南米のどっかの国に入国しようとして驚かれた、という話をしてました(笑)たしかになかなかややこしいですね。
 
そして大学時代からの友達でインド出身の子がいるのですが、こないだ先生のバースデーパーティーでお父さんがインドのゾロアスター教信者の少数民族の出身だと話していたのですが、調べて見るとどうやら「パールシー」という民族の方らしく。基本民族内で結婚するのですがそのお父さんは外の人と結婚した、ということらしく。ということは混血も珍しいということなんですよね。

同じく先生のバースデーパーティーには若い衆に一口で「中国出身」といっても様々なバックグラウンドの中国人友達がそろってましたね。台湾・香港・いわゆるMainlander(友達には上海出身の人が多いです)。向こうで生まれた人もいるしこっちで生まれた人もいます。なんらかの中国語がしゃべれる人もいればそうでない人もいますね。
(ちなみに上海出身の友達は上海語・北京語・英語としゃべれるケースが多いです)
結局「生徒達」のうちではだれも「オーストラリア白人」じゃないのですが、英語に訛りがあるのは私だけ(笑)

イギリス系(イングランド/アイルランド/スコットランド/ウェールズ)の血が入ってる、という人はたくさんいますね。
もちろんオーストラリア人は元をたどればイギリスからの流刑囚なのですがほとんどの人は先祖に1人いるか居ないか(前も書いてますが2人いる親友はかなり珍しい)で、その後の移民が多いようです。特にアイルランド移民多かったらしいですね。今St. Patrick's Dayに昼からパブで騒いでいるたくさんの人々のうち何人が実際にアイルランド人の血を引いてるかってのはちょっとわかりませんが・・・(笑)
友達にはイングランド・アイルランド・ウェールズと3種類のイギリス系の血を引いている、という友達もいます。惜しい!

アジア系も本当に様々。小学校のころはアジア人といえば周りに一番多かったのが日本人ですが、環境が変わると(音楽間連の世界に入ると)中国人を中心に増えてきますね。他には近くだと韓国人、タイ人、マレーシア系中国人、インドネシア人、インド人、スリランカ人、カンボジア人あたりかな。
あとこれは近年の傾向なのかな、アジア系の人と白人のハーフが同世代で結構多い(けれどその上ではあんまり見ない)ような。日本で思ってたような「ハーフの子」というのは印象が違うのですよね。髪の色がちょっと薄くて顔立ちが西洋っぽいところがあって、とかじゃないケースも多々。説明しにくいのですが「あれ、この人どこの出身なんだろう」みたいな印象のことが多いです。

地中海からの移民がメルボルンには多いのですが、自分の周りでの割合はアジア系とかとそう変わらないかな。イタリア、ギリシャ、直接の知り合いではないけれどレバノンとか。
居住地域・活動地域の関係からアラブ系の知り合いはほとんどいませんが、全然いないわけじゃないです。あと街を歩いてると割と見ることはみます。

私の住んでいる地域は前から何回か書いてますがインド人が多いのですが、もうちょっと範囲を広げるとロシア系も多いようです。
小学校以来の友達でロシア出身の子がいるのですが、あの子は何回も日本とこっちを行き来しているのできっともうロシア語よりも日本語の方が流暢ですね(笑)でも自分のルーツを大切にして、実際にロシア(シベリアも!)に行ってみたい、とよく言ってます。

両親・祖父母の代がオーストラリアの外に住んでいる人たちでも「母国」とオーストラリアを行ったり来たりしたり(外国に行ったとき頼れる友達や親戚がいるのはやっぱり外国に行くハードルを下げますね)、あと最近はFacebookで繋がってるのも面白いですね。
ピーターが前話してくれたのですが、彼自身は南アフリカで生まれて1歳の時にこちらに来てるのですが同時に親戚のほとんども世界のいろんなところに散らばった、ということで。彼のおばあちゃんまでfacebookやってるのはそういう事情を考えると驚くことではないのかも。
(そういえば親友のおばあちゃんも親友の妹が海外留学するのを機に始めましたしね)

よくアメリカのことを「人種のるつぼ」というふうに表現しますがオーストラリアがその域に達してるか、というのはなかなか分からないですね。でもオーストラリアの中でもシドニーとかメルボルンは比較的移民が多いんじゃないかなあ。
(メルボルンのギリシャ人口がギリシャの外で1番ということを考えると多いとは思うんだけど・・・)

先ほども中間報告(?)しましたが私の周りでこれだけの人種・バックグラウンドがあるにも関わらずみんな「ネイティブオージー」で英語に訛りがあるのが私だけ、という(笑)妹もあるかないかどうか、くらいですし。
話すとすぐ日本人ってわかっちゃうのですがまあ訛りも愛嬌、みたいになってますしね(ホントか?)
人種のるつぼ(またはそれに準じる物)に入っちゃえば訛りもそんなに気にすることない、むしろ言語を含めた表現だ、ということを強調したいといつも思っています。
変なところに不時着しちゃいましたがここらへんで。


今日の一曲: ベンジャミン・ブリテン 「ラクリメ~ダウランドの歌曲の投影~」



今日散歩してる間に聞いてました。ビオラ音楽はよく聴くのですが、その中でもなかなかきっかけがないと聞かない一曲。
なぜかというと、単純に、地味だから(笑)ビオラの音色とかブリテンの作風ということを考慮しても大分地味な曲!でもそれがいい!

一応「単一楽章のビオラ協奏曲、伴奏は弦楽オケ」みたいなフォーマットです。15分、というとこの曲の調子じゃちょっと長く感じるかもしれません。平均音量は低めで、これといって激しく心を掴むようなものもなく。
似てるといったら同じくビオラソロのある「ピーター・グライムズ」の「パッサカリア」かなあ。ああいう灰色に茶色がちょっと混じったような渋い地味な色合いのまま、ドラマもなくずーっと。
でもクライマックスあたりはちょっとヒンデミットのビオラのための書き方を彷彿とさせるような。

でもね、地味とばかり言ってますがこのクライマックスの後の、元のダウランドの歌のコラールに溶けていく最後の数分間(あえて言いません!)の美しさといったら本当にここでしか見つからないものです。
大げさなものではないけれど、ものすごく慎ましく、ラクリメ=「涙」のタイトルにふさわしく。
じわじわと心に染みいる、そして15分も聞いてきたのに「もう終わってしまうのか」と思われるほどはかなく。
それが本当にpreciousで、大好きです。

そしてこの曲を聴いてると改めてブリテンってイギリスの作曲家だな、と思うのです。
ショスタコーヴィチと親交があって、どこかソヴィエト的な色彩をも使う作曲家ですが、この曲の弦楽器の音を聴いていると例えばバロック以前のタリスとかダウランドとかパーセルとか、そういった音楽の血筋を濃く引いてるのがものすごく感じられます。

さらにブリテンは3つも無伴奏チェロ組曲を書いたりチェロ交響曲を書いたりもしてる中(ロストロポーヴィチとも親交がありました)、このラクリメを聞くと「この人ビオラ書きに向いてるんじゃないか」と本当に思うのです。
なんか色彩というか繊細さというか、そういうものが合う印象。

ちょっと聴きで好きになる人は少ない曲で、「どこがいいの?」と言われるような曲であることは百も承知なのですが、ちょっとのあいだじっくりおつきあいいただきたい曲です。じわじわ来る音楽の良さをぜひここで。

リンクした録音、やっぱりバシュメットがいいかなと思って選んだのですがものすごい俺得な曲揃えですね!ショスタコとかエネスク、ラクリメにヒンデミットの葬送音楽!(今リストしたのほぼ暗い曲ばっかり・・・)
いやあやっぱビオラっていいですね!ビオラ音楽大好きです。
 

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