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またちょっと間があいてしまいました・・・
具合は相変わらず、ですがちょっとばかり調子は落ち着いてきた・・・というか慣れてきたというか。
ピアノとか仕事とか、なんとかやってます。
Facebookの方ではオーストラリアの友達(およびオーストラリアで知り合った日本在住の友達)とつながっているのですが、特に大学時代の音楽家友達・知り合いが多いです。
メルボルンで仕事・演奏したり、卒業した後国立アカデミーに行ったり、海外の大学に行ったり他の州や海外のオケで活躍したり、みんな色々なところで色々な形で音楽に携わっています。
そんななかオケのオーディションの話が出てくることもちょくちょくあります。
一般的にオーストラリアは若い人がオケに入るのはちょっと厳しいところがあって、Permanent positionではなくCasual position(コンサートごとの契約)を受ける場合が多いようです。
オケのオーディションについてよく話題になるのが「Orchestral Excerpts」。
オーディションではコンチェルトなどのソロレパートリーからの課題曲も必要になりますが、もちろんソロのスキルとオケのスキルはちょっと違うのでオケのレパートリーからの課題曲も必要になります。これがOrchestral Excerpts。
様々なオケ曲の一部(楽譜にして1ページもない長さ)を切り取って、いくつか(数はオケによるようです)課題としてオーディションで弾く、という仕組み。
最近ではインターネットで検索してみれば世界中のオケのオーディションで使われるExcerptsのリスト(曲・箇所)や楽譜が見れるところがありますし、Excerptsを集めた本、というか楽譜も売っています。5月に両親がこっちに来たときに父がトランペットのExcerptsをCD-ROMに集めたやつを買ってきましたしね!(演奏+楽譜pdf。他の楽器のコレクションももちろんあり)便利な世の中になってます。
たしか金管楽器とかはAMEBのExamでもExcerpts吹かなくちゃいけないんじゃなかったっけ・・・?(記憶あやふや)
回数は少ないながらもユースオケとかAustralian Youth Orchestraでチェロ・ピアノどちらもオケのオーディションを受けたことはあります。あとユースオケの最後の何年かはチェロのExcerptsを選ばせてもらったこともあります。
あとホルン友達でオーディションをちょこちょこ経験した人の話を聞いたことがあったりで、なのでチェロとホルンは比較的excerptsに馴染んでますが、他の楽器はちょろっと調べただけなのでちょっと自信がない。
でも普通に曲を聴いていても「あ、ここオーディションででるんじゃないか」みたいなとこはなんとなくわかります。
一つのオーディションに設定されたいくつかのExcerptsはもちろん奏者を評価するためのものなんで奏者を技巧的、音楽的に精査することができるパッセージが必要になるんですよね。
奏者としてもExcerptsを見て何が求められているのか理解する必要がある。
以前見て「へー」と思ったのですがが、フルートからファゴットまで木管ほぼ全部の楽器でメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」の「スケルツォ」がExcerptのリストに頻出するんですよね。これは軽やかで速い、技巧的なパッセージ。(実際のオケでの演奏だと木管全体のアンサンブルが問われる、とても難しいパッセージです)
フルートだと去年ユースオケでやったラヴェルの「ダフニスとクロエ」の後半の長ーいフルートソロもExcerptsとして出るらしいですね。音の美しさ、技巧、そして推測ですが「度胸」もものすごく重要になりそう。
チェロだとたいていモーツァルトとブラームスの交響曲から一つはでる印象が。
こないだメル響で聴いたモーツァルトの「ジュピター」(交響曲第41番)の第4楽章なんか実際の曲よりも「あ、これオーディションでやった」という印象が強い(笑)
ブラームスは交響曲第2番のスローな楽章とか交響曲第3番の第3楽章とかスローで歌わせるメロディーのExcerptsが常連ですね。難しいですがオケで弾いててものすごく気持ちいいパッセージ。
弾いたことがないですがシュトラウスの「英雄の生涯」の冒頭もチェロ・コントラバス・ホルンでよく出るらしいですね。
ホルンはちょっと特殊で、高音のパートと低音のパートで別にオーディションをやることがあって、Excerptsも高音用と低音用があるとのことです。(前も書いてると思いますがホルンは高音と低音で使う唇の筋肉が違うため得意不得意があるんですよね)
低音のExcerptにはほぼ間違いなくショスタコ5番の第1楽章(真ん中くらいかな、ピアノが入ってくるとこ)が出てくるので有名。
高音は記憶が定かではないのですが、こないだホルン友達がfacebookで「これ曲のどこらへん?録音聴いても分からないんだけど」と尋ねていたヤナーチェクの何らかのオペラ(覚えてない)の高音パッセージは私が見ても地獄としか言いようがなかったです。ものすごく音が高くて、ずっと高くて、しかもメロディーでもなんでもないという。
高音のホルンのExcerptsでラヴェルとかでるのかな。ラヴェル全般ホルンには恐ろしいですからね。
ピアノ・・・については未だに謎なところが。
私が1回AYOを受けたときはピアノのExcerptsはオケだけでなく室内楽のも入ってて、確かオケはショスタコ1番第4楽章だけだったような記憶が。
もともとの曲の数が少ないですし、オーディション以外のシステムでピアニスト・チェレスタ奏者をCasualで雇ってるオケも多いと思われるので比較的データが少なかったりします。
チェレスタについてはこの話は論外ですね、専攻する楽器ではないですから(でもチェレスタでExcerptリスト作っても面白・・・・くはないかなあ)
で、思うのはこういうExcerptsをオーディションに出てくるパッセージとして練習し学ぶのと、同じパッセージをオケのリハーサルを通じて、曲全体&オケ全体の中で体験するのはやっぱり違うだろうな、ということ。
なのでユースオケで様々なレパートリーを実際に弾いて体験する、というのは将来のオケ奏者を育てるのにとても貴重で有用なことだと思います。
(それからこのExcerptsはオーディションで「奏者の実際のオケ経験を測るため」のものでもあるってことなんですね)
先ほども書きましたように私はオケのオーディション経験が少ないですが、やっぱり憧れみたいなものもあってExcerptsというものが好きなんですよね。
それからExcerptsを通じて楽器の難しさ、奏者が向き合うものなどオケの「ミクロ」の部分、「人間個人」の部分を見るのが好きです。音楽を音楽として楽しむのとはまた違う楽しみで、違う考え方が必要で。それが面白い。
それを他の人に、オケの外にいる人にどうやって伝え表現したらいいのかはまだまだ悩んでいるところで、今日のエントリーもそのぐるぐるの中書いたものですっかり乱文と化してしまいましたがこれからもなんとか形にしようと試行錯誤していきたいと思います。
今日の一曲: リヒャルト・シュトラウス 「英雄の生涯」より「英雄」
シュトラウスといえばホルン!英雄の生涯での英雄はホルン!なんですが先ほども書いたようにこの冒頭の「英雄のテーマ」の部分はチェロとコントラバスも聴かせどころ。録音で聴くとコントラバスのごうごうした低音がかっこいいですし、生で見るとダイナミックな低音弦の動きがかっこいい!
同時代で何かと並べて語られる、というか似たもの扱いされるマーラーとの違い、というのがこの「英雄」の部分にものすごく現れてると思います。とにかく前向きで、半端ない推進力で、上に向かうパッセージの勢いの良さ。なんでしょうね、この男性ホルモンにあふれた感じ(笑)
(マーラーは基本根暗ですし、勝ち誇ったようなパッセージでももっとその場での満足みたいなベクトルが働くようです)
似たようなポジティブさはシュトラウスの書いた2つのホルン協奏曲でも見られます。どちらも名曲ですが、特に第2番がおすすめ。
この冒頭で聞こえる「英雄のテーマ」はこの曲を通じて様々な形で現れます。ときに戦い、時に内面を見つめ、でもこの上昇するアルペジオの勢いは誇り高く不滅というか、とにかくくじけない。
「英雄の生涯」はなんかこれぞ「人間の英雄」、というかこれぞ男、というか、ちょっとステレオタイプ化した感はあるながらもそんな夢とロマンと理想と希望を感じます。
特に若い音楽家に人気な曲なのは曲の完成度や弾いてて楽しいところだけじゃなく、そういう感じがあるからなのかな。
(逆にそういうところとかポジティブさとかが自分がこの曲をはじめシュトラウスの音楽をちょっと苦手としている理由なのですが・・・)
男の夢を語りたいとき、男性ホルモンをboostしたいとき(?)、若い心に戻りたいときなどにオススメ・・・・かな?
もちろん冒頭だけじゃなく「英雄の生涯」通して聴いてくださいね♪
(録音によっては1トラックになってるもの、セクションで分かれてるものがあります)
具合は相変わらず、ですがちょっとばかり調子は落ち着いてきた・・・というか慣れてきたというか。
ピアノとか仕事とか、なんとかやってます。
Facebookの方ではオーストラリアの友達(およびオーストラリアで知り合った日本在住の友達)とつながっているのですが、特に大学時代の音楽家友達・知り合いが多いです。
メルボルンで仕事・演奏したり、卒業した後国立アカデミーに行ったり、海外の大学に行ったり他の州や海外のオケで活躍したり、みんな色々なところで色々な形で音楽に携わっています。
そんななかオケのオーディションの話が出てくることもちょくちょくあります。
一般的にオーストラリアは若い人がオケに入るのはちょっと厳しいところがあって、Permanent positionではなくCasual position(コンサートごとの契約)を受ける場合が多いようです。
オケのオーディションについてよく話題になるのが「Orchestral Excerpts」。
オーディションではコンチェルトなどのソロレパートリーからの課題曲も必要になりますが、もちろんソロのスキルとオケのスキルはちょっと違うのでオケのレパートリーからの課題曲も必要になります。これがOrchestral Excerpts。
様々なオケ曲の一部(楽譜にして1ページもない長さ)を切り取って、いくつか(数はオケによるようです)課題としてオーディションで弾く、という仕組み。
最近ではインターネットで検索してみれば世界中のオケのオーディションで使われるExcerptsのリスト(曲・箇所)や楽譜が見れるところがありますし、Excerptsを集めた本、というか楽譜も売っています。5月に両親がこっちに来たときに父がトランペットのExcerptsをCD-ROMに集めたやつを買ってきましたしね!(演奏+楽譜pdf。他の楽器のコレクションももちろんあり)便利な世の中になってます。
たしか金管楽器とかはAMEBのExamでもExcerpts吹かなくちゃいけないんじゃなかったっけ・・・?(記憶あやふや)
回数は少ないながらもユースオケとかAustralian Youth Orchestraでチェロ・ピアノどちらもオケのオーディションを受けたことはあります。あとユースオケの最後の何年かはチェロのExcerptsを選ばせてもらったこともあります。
あとホルン友達でオーディションをちょこちょこ経験した人の話を聞いたことがあったりで、なのでチェロとホルンは比較的excerptsに馴染んでますが、他の楽器はちょろっと調べただけなのでちょっと自信がない。
でも普通に曲を聴いていても「あ、ここオーディションででるんじゃないか」みたいなとこはなんとなくわかります。
一つのオーディションに設定されたいくつかのExcerptsはもちろん奏者を評価するためのものなんで奏者を技巧的、音楽的に精査することができるパッセージが必要になるんですよね。
奏者としてもExcerptsを見て何が求められているのか理解する必要がある。
以前見て「へー」と思ったのですがが、フルートからファゴットまで木管ほぼ全部の楽器でメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」の「スケルツォ」がExcerptのリストに頻出するんですよね。これは軽やかで速い、技巧的なパッセージ。(実際のオケでの演奏だと木管全体のアンサンブルが問われる、とても難しいパッセージです)
フルートだと去年ユースオケでやったラヴェルの「ダフニスとクロエ」の後半の長ーいフルートソロもExcerptsとして出るらしいですね。音の美しさ、技巧、そして推測ですが「度胸」もものすごく重要になりそう。
チェロだとたいていモーツァルトとブラームスの交響曲から一つはでる印象が。
こないだメル響で聴いたモーツァルトの「ジュピター」(交響曲第41番)の第4楽章なんか実際の曲よりも「あ、これオーディションでやった」という印象が強い(笑)
ブラームスは交響曲第2番のスローな楽章とか交響曲第3番の第3楽章とかスローで歌わせるメロディーのExcerptsが常連ですね。難しいですがオケで弾いててものすごく気持ちいいパッセージ。
弾いたことがないですがシュトラウスの「英雄の生涯」の冒頭もチェロ・コントラバス・ホルンでよく出るらしいですね。
ホルンはちょっと特殊で、高音のパートと低音のパートで別にオーディションをやることがあって、Excerptsも高音用と低音用があるとのことです。(前も書いてると思いますがホルンは高音と低音で使う唇の筋肉が違うため得意不得意があるんですよね)
低音のExcerptにはほぼ間違いなくショスタコ5番の第1楽章(真ん中くらいかな、ピアノが入ってくるとこ)が出てくるので有名。
高音は記憶が定かではないのですが、こないだホルン友達がfacebookで「これ曲のどこらへん?録音聴いても分からないんだけど」と尋ねていたヤナーチェクの何らかのオペラ(覚えてない)の高音パッセージは私が見ても地獄としか言いようがなかったです。ものすごく音が高くて、ずっと高くて、しかもメロディーでもなんでもないという。
高音のホルンのExcerptsでラヴェルとかでるのかな。ラヴェル全般ホルンには恐ろしいですからね。
ピアノ・・・については未だに謎なところが。
私が1回AYOを受けたときはピアノのExcerptsはオケだけでなく室内楽のも入ってて、確かオケはショスタコ1番第4楽章だけだったような記憶が。
もともとの曲の数が少ないですし、オーディション以外のシステムでピアニスト・チェレスタ奏者をCasualで雇ってるオケも多いと思われるので比較的データが少なかったりします。
チェレスタについてはこの話は論外ですね、専攻する楽器ではないですから(でもチェレスタでExcerptリスト作っても面白・・・・くはないかなあ)
で、思うのはこういうExcerptsをオーディションに出てくるパッセージとして練習し学ぶのと、同じパッセージをオケのリハーサルを通じて、曲全体&オケ全体の中で体験するのはやっぱり違うだろうな、ということ。
なのでユースオケで様々なレパートリーを実際に弾いて体験する、というのは将来のオケ奏者を育てるのにとても貴重で有用なことだと思います。
(それからこのExcerptsはオーディションで「奏者の実際のオケ経験を測るため」のものでもあるってことなんですね)
先ほども書きましたように私はオケのオーディション経験が少ないですが、やっぱり憧れみたいなものもあってExcerptsというものが好きなんですよね。
それからExcerptsを通じて楽器の難しさ、奏者が向き合うものなどオケの「ミクロ」の部分、「人間個人」の部分を見るのが好きです。音楽を音楽として楽しむのとはまた違う楽しみで、違う考え方が必要で。それが面白い。
それを他の人に、オケの外にいる人にどうやって伝え表現したらいいのかはまだまだ悩んでいるところで、今日のエントリーもそのぐるぐるの中書いたものですっかり乱文と化してしまいましたがこれからもなんとか形にしようと試行錯誤していきたいと思います。
今日の一曲: リヒャルト・シュトラウス 「英雄の生涯」より「英雄」
シュトラウスといえばホルン!英雄の生涯での英雄はホルン!なんですが先ほども書いたようにこの冒頭の「英雄のテーマ」の部分はチェロとコントラバスも聴かせどころ。録音で聴くとコントラバスのごうごうした低音がかっこいいですし、生で見るとダイナミックな低音弦の動きがかっこいい!
同時代で何かと並べて語られる、というか似たもの扱いされるマーラーとの違い、というのがこの「英雄」の部分にものすごく現れてると思います。とにかく前向きで、半端ない推進力で、上に向かうパッセージの勢いの良さ。なんでしょうね、この男性ホルモンにあふれた感じ(笑)
(マーラーは基本根暗ですし、勝ち誇ったようなパッセージでももっとその場での満足みたいなベクトルが働くようです)
似たようなポジティブさはシュトラウスの書いた2つのホルン協奏曲でも見られます。どちらも名曲ですが、特に第2番がおすすめ。
この冒頭で聞こえる「英雄のテーマ」はこの曲を通じて様々な形で現れます。ときに戦い、時に内面を見つめ、でもこの上昇するアルペジオの勢いは誇り高く不滅というか、とにかくくじけない。
「英雄の生涯」はなんかこれぞ「人間の英雄」、というかこれぞ男、というか、ちょっとステレオタイプ化した感はあるながらもそんな夢とロマンと理想と希望を感じます。
特に若い音楽家に人気な曲なのは曲の完成度や弾いてて楽しいところだけじゃなく、そういう感じがあるからなのかな。
(逆にそういうところとかポジティブさとかが自分がこの曲をはじめシュトラウスの音楽をちょっと苦手としている理由なのですが・・・)
男の夢を語りたいとき、男性ホルモンをboostしたいとき(?)、若い心に戻りたいときなどにオススメ・・・・かな?
もちろん冒頭だけじゃなく「英雄の生涯」通して聴いてくださいね♪
(録音によっては1トラックになってるもの、セクションで分かれてるものがあります)
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