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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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中国史好きの音楽の話
前回のエントリーに拍手ありがとうございます~

去年誕生日に曼荼羅的な絵を描きましたが今年もやりたいな、と思って今日はペン入れしてました。誕生日には色塗りは間に合わなさそうですが近いうち仕上げたいです。(ついでにピーターの曲で色塗りしたい絵もありますし、そっちもまた)
ちなみに去年の絵はこんな感じ。今年はもちょっと違う感じです。

昨日は夜も遅くに何やら自分の中で考えが迷走していました。
もう長い間中国の古代史が好きなのですが(このブログでもちょっと過去に書いたかも)、どこから始まった話か、「秦の始皇帝の生涯の物語をリヒャルト・シュトラウス風のオペラでやったら面白いだろうな」(いわゆるチャイニーズ・オペラ=京劇とかではなく)という想像が始まり。
なんかこう、物語にアリアを入れたくなるようなポイントがちょこちょこあるんですよね。ソロのアリアだったらまだ子どもとか若い頃の始皇帝(テノール)だったり、呂不韋(バリトン)のアリアとか呂不韋と趙姫(ソプラノ)のデュエットだったり、あとは始皇帝暗殺のくだりで荊軻(テノール)に2つ3つくらいアリアを歌わせたいですし(ちょーっと贔屓しすぎかな?ものすごい好きな人物なのですよ)。

あとは春秋時代で伍子胥を題材にシェークスピア風スタイルの悲劇とか。(リチャード3世とかオセローとかみたいに)ああいうモノローグがものすごく映える人物ですからねー。面白そう。
それから歌曲集の題材にするなら女性人物がいいかな、と。歌曲集は一続きではなくてシーンごとに切り取る形なので嫁ぐ前、嫁ぐ後とかで心境の違いとか描写したらいいなーとか思って。

上記の妄想は全部西洋音楽・西洋文学の形態で、という形をとっていたのですが、もちろん中国にも昔の昔から音楽文化があるのですよね。今各時代のそれがどれくらい、どんな形で残っているかは分からないですが(時代のながらももちろんですがその間に起こった変化も半端ない)、ものすごく興味があります。

中国の歴史で「考古学的に実在が確認されている中国最古の王朝」(by wikipedia)である殷王朝にも音楽にまつわるエピソードがあるんですよね。最後の王・紂王を惑わして王朝を滅びさせた悪女として有名な妲己の悪行の一つとして「新淫の声・北鄙の舞・靡靡の楽」を作らせた、というくだりがあるそうで。なんか要するにざっくり言えばふしだらな音楽を作れってことだったらしいです。
歌曲にしても言葉だけじゃなくて音楽のスタイルから何からこれまでの宮廷音楽(がどんなものか分かりませんが)とはがらっと違う、そういう感じになるような音楽を作る必要ができたということで突き詰めてみると(資料は少ないながらも)興味深い音楽の改革なんじゃないのかな、と思います。
(文化全般そうですけど中国史において音楽って割と君主主導で変化してってるようなイメージがあります)

古代中国において宮廷の音楽と庶民の音楽ってどういう線引きというかスタイルの違いがあったんだろうな、ということはたまに考えます。
例えばところ時代かわって中世のヨーロッパでは「カルミナ・ブラーナ」に見られるように宗教音楽とは別の民俗音楽があったということは知ってるのですが。そしてその時代を舞台としたBryce Courtenayの小説「Sylvia」でその民俗音楽の一つの役割が若い人に恋とか性愛について教えることだった、みたいな描写があって(カルミナもそういうとこありますしねー)。
だから妲己が命じて作らせた新淫の声etc.にしても宮廷文化はそういうものを避けていただけで庶民の文化ではそういうものをすでに音楽の中で扱ってた可能性は十分あるんじゃないかと思います。

それから宮廷・庶民の文化それぞれにおけるマルチカルチュアリズムも(なかなか追っかけられてないのですが)興味があります。庶民に関しては今ほど交通手段が整ってなかったとはいえ割といろんな地方に人が行き来してた印象はあるのですが、宮廷においての文化のミックスはさらにすごかったのではないかと思います。正式な国交に限らず例えば皇帝が別の国から妻を迎えたり(あれ、それは正式な国交か)、奴隷や音楽家などのスタッフを集めたり。

割と小説を読んでて「外国」(今で言う中国の中の)の音楽を演奏させる場面って出くわすような気がするのですよね。例えば陳舜臣著「小説十八史略」を読んでると音楽を通じて望郷だったり異国感だったりを描写するのが結構あって(特に女性がメインのくだりではそう)、それがものすごく好き。
故郷の音楽、というのは世界どこでもやっぱり生まれ育った地を離れて生きる人物にとって故郷を強く思わせ、復讐や望郷の念をかきたてるもので、その音楽の持つ力を感じられる歴史のエピソードはやっぱりいいなあ、と思います。

もう延々と書いてしまいそうなので今回はここら辺で。
まだまだ勉強不足ですしもう何年も中国史の本は新しく買ってないですが(・・・というか家にあるのは全部父が持ってたやつ)、いい中国史(主に古代)の小説・歴史書があったら読みたいです。そのうち。日本に行って買うか。


今日の一曲はお休みです。

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