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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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Dinner & Drinks (主に後者)
前のエントリーに拍手ありがとうございます~
昨日はFitzroyで誕生日の夕飯&酒飲みに行きました。
夕飯はMoroccan Soup Barで、お酒はPolly Bar。

Moroccan Soup Bar、6時の開店前から並ぶほどの人気店なのですが6人からなら予約も受け付けているようです。
で、6人ならコースメニュー(standard banquetとspecial banquetがあるみたいです)がおすすめ、ということでスタンダードな方にしました。
ここはオールベジタリアンのメニューで、特にメインは結構ボリュームがあるのですがなんとかほとんど食べました。(デザートもなんとか)
料理も美味しいのですが食前食後にいただいたミントの甘いお茶が美味しかった!(ちなみに食後はモロッコ風コーヒーのチョイスもあり)

そしてPolly Bar。カクテル、アブサンとシガーが有名なBrunswick Streetのバーです。
今お店で売ってるカクテルが入ったトリュフを推しているらしいです(1個で1 standard drink相当とのこと)。
選ぶのに困るほど長いカクテルメニューに、2ページもあるアブサンのメニュー。
今回Light My Fireという火を使ったオレンジ系のカクテル(点火したあとオレンジの蒸気が目を刺激します!(笑))、そしてアブサンを友達と2種類頼みました。

このアブサン(Absinthe)というのは薬草系のリキュールで、19世紀末の芸術家が嗜んだり溺れたり、向精神作用を含んでるとされ一部の国で禁止されていたといういわくつきの?お酒。アルケミーゴシックでも幾度となく題材にされてますし、映画「ムーラン・ルージュ」でも出てきましたね(で、アブサンを飲むと見えるという幻覚、「緑の妖精」がカイリー・ミノーグだったんですよ)。
アニスの風味が独特なリキュールです。フランスを始め主にヨーロッパで作られているみたいです。Pollyでは1杯12ドル~25ドルくらい?でいただけます。
今回試したのはMansintheとDuplais Verteというどちらもスイス製のアブサン。アルコール度数は前者が66.6%、後者が72%。(説明およびメニューはこちらのAbsintheの項を参照)

Absinthe Fountain  アブサンは飲むのに作法があるそうです。
まずは専用のグラスにアブサンを少し注いで、専用のスプーンに角砂糖を乗せてグラスに渡します。(アブサンで湿らせた角砂糖に火を付ける、というのもあるらしいです)
で、写真にあるような氷水が入ったFountainから水を(砂糖の上から)加えます。化学の実験の滴定みたいにぽたぽた落とす方式。
Fountainにはいくつか蛇口が伸びていて、これが一人飲みでなく何人かで集まって飲むお酒ということを思わせますね。

Absintheで、アブサンは透明な黄緑色(種類によって色合いも変わります)ですが、水を加えるとこういう風に白濁します。暗いバーではこうやってライターで明るくして色合いを見て、ちょうどよくなったら水を止めてスプーンで中をかき混ぜて飲みます。
(こういう歴史とか飲み方とかをバーテンダーさんが滴定中に説明してくれるのですが、私はちゃんと説明できてないのでwikipediaがやっぱり良いです)

2種類を飲み比べてみるとこれが大分違うんですよね!びっくりしました。品種の違う同色ワインくらいは違うんじゃないですかね。
Mansinthe(ちなみにマリリン・マンソンの公式アブサンだそうです)はアニスの風味がストレートにくる、刺激的な感じ。
Duplais Verteはもっとまろやかで甘みがありました。回し飲みした友達みんなも私も後者が好みでした。
こんなに違うんなら他のも飲んでみたいなあ-・・・とついつい。だってものすごく美味しいですもの。あと他のお酒よりも体が温まる(単純に強いから?)。
アニス、リコリスなど薬草系の味が嫌いでなければお薦めです。嫌いな人は本当だめなところがありますね、薬草系の飲食物は。

メルボルンでこんなにアブサンのラインアップがあるバーは他にないんじゃないかな。ちなみに聞くところによるとシドニーにはアブサン専門のバーがあるみたいなのでいつか訪れてみたいです。(なんかお一人様につき2杯とか3杯とかまでしか売ってくれない、という話)
19世紀末のフランスでは安いお酒だったのですが(なので貧乏な芸術家が飲んでた)今では前述のお値段ですし、独特の作法もあって普段飲み向きではないですが、特別な機会に飲むにはいいな、と思います(ただしバーテンのおじさんは「仕事の後なんかいいね」なんて言ってました)。魅惑のお酒ですね。大好き(緑の妖精に囚われたようです)。

今日はそんな美味しい食べ物、飲み物を囲んで友達とゆっくり話せたのももちろん楽しかったです。
こないだリサイタルに行った友達も来てくれて、近いうちにジャムセッションをしようではないか、ということになりました。(明日は曲をいろいろ聞いて検討しなければ。次回バイオリン&ピアノ曲でエントリー立てるかも)
夕飯から夜中までつきあってくれて本当に感謝です。他にもカクテルバーの話聞いたりなんだりしたのでまた飲みに繰り出したいですね~


今日の一曲: ジョージ・クラム 「Eine Kleine Mitternachtmusik」より第1楽章「Nocturnal theme」



先ほどのアブサンに関して割と19世紀末の芸術に関連がある、という話を色んなところで読むのですが音楽の分野では(あの時代に関しては)さっぱりなんですよね。ちなみに英語wikipediaにはこんなページにポピュラー文化への影響が説明されています。
だから今回曲を選ぶ上でちょっと悩んだんですが、やっぱり都市文化とか芸術家とか夜のイメージとか幻影・幻覚とか、そこらへんの延長線上の連想でこの曲をチョイス。

クラムの曲の中でも比較的最近の作品であるこの曲集。ピアノ1台でThelonius Monkの「'Round Midnight」を題材にファンタジーを繰り広げていく、不思議な夜の世界です。
この第1楽章にはその「'Round Midnight」がふっと流れてきて、この先広がる世界の予感をすこーしだけ表すような、そんな始まりの曲です。
都会の、夜空が見えるアパートの窓を見つめながらふと思いついたアイディアの断片のような、そこから広がっていく幻想・・・という解釈を(この曲を今年一部弾いた)ピーターが話してくれました。都会的だけれど静けさがある夜の風景ですね。

以前も書いたと思うんですが私はその風景にやっぱりお酒が欲しいですね。ウィスキーかな。ちょっと古風に?アブサンでも良いかもしれませんし(幻覚見るって通説もぴったり)。
人と夜と酒とシティ、大人な夜の雰囲気にお一つどうぞ。

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