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前回のエントリーに拍手ありがとうございます~
一昨日はメル響のコンサートを聴きに行って昨日はレクチャーに。とりあえず時系列に前者の感想を今日。
まずコンサートのプログラム。ちょっと変わってましたがいいプログラムでした:
(指揮者: David Robertson)
ベートーヴェン 交響曲第5番
(休憩)
Dean 「Amphitheatre」
ドビュッシー クラリネットとオーケストラのための狂詩曲(クラリネット: David Thomas)
レスピーギ 「ローマの松」
DeanのAmphitheatreとレスピーギはローマつながり、ということになるのかな?そして交響曲が最後という通常のコンサートプログラムとは違って今回はベートーヴェン5番が序曲扱い。
それに伴ってベートーヴェンのこの曲の演奏もまたどこか「序曲っぽい」弾き方でしたね。楽章間にあまり間をとらず全体的にさくさくした感じで(特に第4楽章)。そして第2楽章がスローな楽章なのに結構ダイナミックでびっくり&楽しかった。
それにしても毎度ながらコントラバスの前のめり感がいいですなあ(笑)音はしっかり出して、ぐいぐい曲を引っ張っていく感じ。そして意外とベートーヴェンの5番ってビオラが前にでるところありますね。
DeanのAmphitheatreは一応録音は持ってるもののあんまり知らない曲でしたが、他のDeanの曲と同じく生演奏に触れるとやっぱりぐっと親しみを感じますね。彼の作品ってどれも複雑な書かれ方をしてるんですが、ここ2年で聞いた10曲以上、どれもものすごく好きです。(といっても音楽をちゃんと理解できてるか、は自信ないですが)
Twitterでもつぶやいてたのですが、彼はオーストラリアの宝で、今の時代の音楽の宝だと思います。オケ使い、楽器使い(特にクラリネット族&打楽器)の緻密さ、複雑さ、そして音楽の組み立て方、全体的な音楽の質の高さ。
是非ともオーストラリアで、そして海外でもっと演奏されて欲しいと思いますし、次の時代にも残ってほしいと私は思います。
それからこのAmphitheatreでコントラバスクラリネットが使われていたのですが、プログラムに書いてあったことによるとメル響が寄付金で購入した新しい楽器だそうです(これまでも使ってますが、レンタルだったようです)。
コントラバスクラリネットを買った、ということはこれからDeanやアデズやその他21世紀の音楽でこの楽器を使う物をどんどん弾いていく意志の表れではないかと私は読んでいます(元を取るため。でないとレンタル続けたはず)。とっても楽しみ。
ドビュッシーのソリストは普段メル響で普段主席クラリネット奏者をやっている方です。
だから普段コンサートでちょこちょこ演奏は聴いているはずなんですが、こうやって改めてソロを、という形は初めて。
面白かったですね、なんか曲と楽器の性質にユーモアはものすごく感じられるんですが、同時に音のベースがとっても真面目そうでまっすぐで。(母には「フランス風?ドイツ風?」と聴かれましたがドイツ風だと思います)
そして今日のメインディッシュ、レスピーギ。これが聴きたくてこのコンサートに行ったんです。
メインディッシュと言っても実はこの曲、4楽章あるのに全部で30分弱。(曲を知ってる人に話すと驚かれますね、ボリュームに対して時間が意外に短いので)
ちょこちょこアンサンブル、テンポのずれはあったのもののエキサイティングな演奏でした。
特にこの曲はバンダ(ステージ以外のところで演奏する)のトランペット、金管隊の存在が特徴的。今回第4楽章の金管バンダはバルコニーの後方、両角にいました。だからホールに座っているクライマックスでは音があらゆる方向から包んで響くような感覚がすごい!
さらに今回メルボルン・タウンホールでのコンサートということで南半球一の大きさのパイプオルガンのペダルノートの低音がすごかった!音程とかじゃなく鼓膜が直接振動する感覚。今月末にはHamer Hallが再開するということで(通りかかったら工事も大分進んでました・・・きっと)、こういう演奏の体験はタウンホールならでは、というところがあると思うので貴重な経験でした。やっぱりローマの松はタウンホールがいいですね。
ローマの松、音楽玄人の友達にこの曲が大好きだと言うと決まって「そんなに?」と言われるのですが(レスピーギの作品全体そうです)、でもやっぱり自分にとっては愛して止まない曲です。本当に好き。特に第2楽章。そして第4楽章も毎回盛り上がる(金管の血が騒ぐんでしょうか)。
反面クラシックに詳しくない人にはレスピーギってまだまだマイナーな作曲家なのでもっともっと広く知られて、聴かれて欲しいと思います。(ローマの松を始め30分くらいで聴ける曲が多いですから、交響曲サイズはちょっと・・・という人でも是非。)
今日の一曲: オットリーノ・レスピーギ 「ローマの松」 第3楽章「ジャニコロの松」
買ったものシリーズを中断してコンサートから。これを機に猛プッシュしておきたいです、ローマの松。
実のところはローマの松は全4楽章が切れ目なしに演奏されますが、一応4つの別々の風景になっています。
第3楽章は「ジャニコロの松」。真夜中で満月に照らされ、夜のそよ風に枝をかすかに揺らす松の風景。ものすごく美しい楽章で、聴き所もたくさん。
まずこの楽章の最初を告げるピアノのソロ。レスピーギはピアノやチェレスタ、ハープをオケ曲に割と多く使う作曲家ですが、そのなかでもこのソロは最高の美しさを誇ります。
さらにそれに続く孤高のクラリネットソロもまたいいですね。サポートする弦楽器のソフトな和音の美しさと相まって満月の風景を表現します。
それから途中でバイオリン(コンマス)、チェロのリーダー、そしてチェレスタのトリオがあるところがまた素敵で。
あそこに夢のような響きを与えるのは本当にチェレスタじゃなくちゃいけないですし、良い感じの引き立て役。
さらにさらに楽章の最後の部分でナイチンゲールの本物の鳴き声をテープで流す部分があるので最後まで注意して聴いてください♪(録音テープを使う曲としては世界初だそうです)
ナイチンゲール(サヨナキドリ)って結構複雑なメロディーを歌ったりすることができるのですが(メシアンの鳥のカタログ「モリヒバリ」などで聴けます)、どんな歌声が聞けるかは演奏によりけりです。
松という植物が日本人にとって身近だったようにまたイタリア人の生活・文化・風景にも身近で、そしてこの曲の(例えば第2楽章とか)にちょこちょこ日本と近いようなエレメントが出てきます。
そんなちょっとだけ似た文化を味わい、そしてレスピーギが愛するローマの美しさをこの曲を通じて、ちょっとした旅行みたいに味わって欲しいな、と思います。
ローマの松、本当に大好きです♪
そしてローマで松をみたついでに同じくレスピーギの「ローマの祭り」「ローマの噴水」と観光を続けてみてはいかがでしょうか(笑) (この三曲はまとめて「ローマ三部作」として知られていて、リンクした録音のように3つまとめて同じCDに収録されていることがたびたびあります)
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一昨日はメル響のコンサートを聴きに行って昨日はレクチャーに。とりあえず時系列に前者の感想を今日。
まずコンサートのプログラム。ちょっと変わってましたがいいプログラムでした:
(指揮者: David Robertson)
ベートーヴェン 交響曲第5番
(休憩)
Dean 「Amphitheatre」
ドビュッシー クラリネットとオーケストラのための狂詩曲(クラリネット: David Thomas)
レスピーギ 「ローマの松」
DeanのAmphitheatreとレスピーギはローマつながり、ということになるのかな?そして交響曲が最後という通常のコンサートプログラムとは違って今回はベートーヴェン5番が序曲扱い。
それに伴ってベートーヴェンのこの曲の演奏もまたどこか「序曲っぽい」弾き方でしたね。楽章間にあまり間をとらず全体的にさくさくした感じで(特に第4楽章)。そして第2楽章がスローな楽章なのに結構ダイナミックでびっくり&楽しかった。
それにしても毎度ながらコントラバスの前のめり感がいいですなあ(笑)音はしっかり出して、ぐいぐい曲を引っ張っていく感じ。そして意外とベートーヴェンの5番ってビオラが前にでるところありますね。
DeanのAmphitheatreは一応録音は持ってるもののあんまり知らない曲でしたが、他のDeanの曲と同じく生演奏に触れるとやっぱりぐっと親しみを感じますね。彼の作品ってどれも複雑な書かれ方をしてるんですが、ここ2年で聞いた10曲以上、どれもものすごく好きです。(といっても音楽をちゃんと理解できてるか、は自信ないですが)
Twitterでもつぶやいてたのですが、彼はオーストラリアの宝で、今の時代の音楽の宝だと思います。オケ使い、楽器使い(特にクラリネット族&打楽器)の緻密さ、複雑さ、そして音楽の組み立て方、全体的な音楽の質の高さ。
是非ともオーストラリアで、そして海外でもっと演奏されて欲しいと思いますし、次の時代にも残ってほしいと私は思います。
それからこのAmphitheatreでコントラバスクラリネットが使われていたのですが、プログラムに書いてあったことによるとメル響が寄付金で購入した新しい楽器だそうです(これまでも使ってますが、レンタルだったようです)。
コントラバスクラリネットを買った、ということはこれからDeanやアデズやその他21世紀の音楽でこの楽器を使う物をどんどん弾いていく意志の表れではないかと私は読んでいます(元を取るため。でないとレンタル続けたはず)。とっても楽しみ。
ドビュッシーのソリストは普段メル響で普段主席クラリネット奏者をやっている方です。
だから普段コンサートでちょこちょこ演奏は聴いているはずなんですが、こうやって改めてソロを、という形は初めて。
面白かったですね、なんか曲と楽器の性質にユーモアはものすごく感じられるんですが、同時に音のベースがとっても真面目そうでまっすぐで。(母には「フランス風?ドイツ風?」と聴かれましたがドイツ風だと思います)
そして今日のメインディッシュ、レスピーギ。これが聴きたくてこのコンサートに行ったんです。
メインディッシュと言っても実はこの曲、4楽章あるのに全部で30分弱。(曲を知ってる人に話すと驚かれますね、ボリュームに対して時間が意外に短いので)
ちょこちょこアンサンブル、テンポのずれはあったのもののエキサイティングな演奏でした。
特にこの曲はバンダ(ステージ以外のところで演奏する)のトランペット、金管隊の存在が特徴的。今回第4楽章の金管バンダはバルコニーの後方、両角にいました。だからホールに座っているクライマックスでは音があらゆる方向から包んで響くような感覚がすごい!
さらに今回メルボルン・タウンホールでのコンサートということで南半球一の大きさのパイプオルガンのペダルノートの低音がすごかった!音程とかじゃなく鼓膜が直接振動する感覚。今月末にはHamer Hallが再開するということで(通りかかったら工事も大分進んでました・・・きっと)、こういう演奏の体験はタウンホールならでは、というところがあると思うので貴重な経験でした。やっぱりローマの松はタウンホールがいいですね。
ローマの松、音楽玄人の友達にこの曲が大好きだと言うと決まって「そんなに?」と言われるのですが(レスピーギの作品全体そうです)、でもやっぱり自分にとっては愛して止まない曲です。本当に好き。特に第2楽章。そして第4楽章も毎回盛り上がる(金管の血が騒ぐんでしょうか)。
反面クラシックに詳しくない人にはレスピーギってまだまだマイナーな作曲家なのでもっともっと広く知られて、聴かれて欲しいと思います。(ローマの松を始め30分くらいで聴ける曲が多いですから、交響曲サイズはちょっと・・・という人でも是非。)
今日の一曲: オットリーノ・レスピーギ 「ローマの松」 第3楽章「ジャニコロの松」
買ったものシリーズを中断してコンサートから。これを機に猛プッシュしておきたいです、ローマの松。
実のところはローマの松は全4楽章が切れ目なしに演奏されますが、一応4つの別々の風景になっています。
第3楽章は「ジャニコロの松」。真夜中で満月に照らされ、夜のそよ風に枝をかすかに揺らす松の風景。ものすごく美しい楽章で、聴き所もたくさん。
まずこの楽章の最初を告げるピアノのソロ。レスピーギはピアノやチェレスタ、ハープをオケ曲に割と多く使う作曲家ですが、そのなかでもこのソロは最高の美しさを誇ります。
さらにそれに続く孤高のクラリネットソロもまたいいですね。サポートする弦楽器のソフトな和音の美しさと相まって満月の風景を表現します。
それから途中でバイオリン(コンマス)、チェロのリーダー、そしてチェレスタのトリオがあるところがまた素敵で。
あそこに夢のような響きを与えるのは本当にチェレスタじゃなくちゃいけないですし、良い感じの引き立て役。
さらにさらに楽章の最後の部分でナイチンゲールの本物の鳴き声をテープで流す部分があるので最後まで注意して聴いてください♪(録音テープを使う曲としては世界初だそうです)
ナイチンゲール(サヨナキドリ)って結構複雑なメロディーを歌ったりすることができるのですが(メシアンの鳥のカタログ「モリヒバリ」などで聴けます)、どんな歌声が聞けるかは演奏によりけりです。
松という植物が日本人にとって身近だったようにまたイタリア人の生活・文化・風景にも身近で、そしてこの曲の(例えば第2楽章とか)にちょこちょこ日本と近いようなエレメントが出てきます。
そんなちょっとだけ似た文化を味わい、そしてレスピーギが愛するローマの美しさをこの曲を通じて、ちょっとした旅行みたいに味わって欲しいな、と思います。
ローマの松、本当に大好きです♪
そしてローマで松をみたついでに同じくレスピーギの「ローマの祭り」「ローマの噴水」と観光を続けてみてはいかがでしょうか(笑) (この三曲はまとめて「ローマ三部作」として知られていて、リンクした録音のように3つまとめて同じCDに収録されていることがたびたびあります)