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前回のエントリーに拍手ありがとうございます~
昨日のエントリー以来もう「face to ace」の検索キーワードでアクセスがあってちょっと焦っています(汗)
なんか恐れ多いというかなんというか、次face to aceの話が出るのいつになるかわかりませんし(買ったCDからの「今日の一曲」シリーズも前回で終わりましたので・・・)
今日はなんか一日微妙に調子がダウン気味・・・というほどでもないですけどフラット気味で。そこまで心配することもない程度ですし、おそらく原因も気候によるものなのですが・・・
たまーにこういう微妙な不調の時って自分をいたわるような音楽を聞いたり、自分に優しいことをするのではなく自分に若干悪いことをしたがる癖が少しありまして。(要するに調子が悪いなら調子が悪いでちゃんと形にしてしっかり感じたい、と悪い方に心を傾けたがるみたいな・・・)
なのでそのついでに今日は「恐怖」を感じる音楽について書こうと思います。
ここんとこしばらくちょくちょく「音楽の持つネガティブな力」に言及していますが、例えば映画で映像に音楽を合わせて恐怖を煽るとか、そういう意味でも音楽ってものすごいパワーを持っていて。
聴き手の心が弱っていたり無防備だったり、題材に関して思い入れがあったり、それから弾き手の演奏がまたパワフルだったり、条件がそろうと心に突き刺さってトラウマになることもあるんですよね。
今回ちょっと自分にとって特に強く「恐怖」を感じた曲を5つチョイスしてみました。もちろん音楽の感じ方は人それぞれ、そして演奏や聴くタイミングによっても変わりますので同じ体験はできないかもしれないです。でもこの5曲は確かに恐怖を感じさせるエレメントをはらんでると思いますよ~
1) スティーヴ・ライヒ 「WTC 9/11」
ライヒが2001年の同時多発テロを題材に作曲し、同事件から10年となる去年に発表した曲です。まだ初演から1年ちょっとしか経っていないにもかかわらず世界各地で演奏されているようです。
同時多発テロに関する音声の録音(後のインタビューなども含め)を音楽の一部として使っているのが強烈です。
私がこの曲を聴いたのはラジオ(オーストラリアでの演奏を生放送していた)で、ちょうど夕飯の準備をしながら聴いていたのですがこれは初めて聴くのがコンサートとか音楽とがっつり向き合うようなセッティングだったらかなりダメージが大きかったと改めて思いました。
(でも一回ながら聴きで触れ合っておいたのでもうコンサートで聴いても大丈夫かな、とは思いますよ)
2) たま 「星を食べる」
クラシック以外で唯一のノミネート。滝本さんの曲はたまーにとんでもなく暗い怖いものがありますがこれもその中の一つ(もうひとつ思いつくのは「さよならおひさま」ですね。どっちも出会うのが大人になってからでよかったー)。
曲の暗さももちろんですが歌詞ですよ。普通に歌詞をたどっていくととんでもない展開に。(「首をそっとしめたくなる」は比喩的なもんだと思ったんですよ、最初。そういう表現結構あるんで。でも・・・嗚呼)
で、曲が美しいのもまた余計に怖いですし、「ららららんららんらら♪」も怖いですし。歌詞の怖さが音楽全体を恐怖に染めるがすごい。
3) ベンジャミン・ブリテン 「戦争レクイエム」
最初の音から怖い雰囲気の曲で、Offertoriumの後半でイサクが息子を殺すくだりのあっさりさも怖いのですが、なんといっても最後のLibera Meからの一連の流れがすごい。
Libera Meってホント天才的に書かれてますね、破滅への行進が。どんどんテンポが速くなってくるのといい、阿鼻叫喚のクライマックスといい(生で聴いた時ちょっと気が遠くなったのは曲への思い入れもあってのことですが)。
ある意味それ以上にすごいのが音楽が静まったあとの闇の中のくだり。まるで時が止まったような、どこの世界でもない空間のなかで、死んだ兵士が自分が殺した敵兵と向かい合う会話。元々の詩(Wilfred OwenのStrange meeting)もですがその空間・時間・緊張の音楽による表現も・・・ただただ恐いですね。
4) ドミトリ・ショスタコーヴィチ 交響曲第13番 第3,4楽章
死と闇と隣り合わせ、どころかどっぷりそれらに浸かってるのがショスタコの音楽で、本人も様々な恐怖にさらされた生涯を送りましたが、中でも私にとって恐かったたはこの2つの楽章かなあ・・・(他にももちろんたくさん恐怖にまつわる曲はあります、弦楽四重奏でとか)
この交響曲って合唱が男声のみで、ソロもバスで、しかもロシア語で歌ってるのが相まってまずそれが恐かったりします(汗)オケも低音楽器が強くて、割と盛り上がらないまま緊張を保ったまま暗ーく低ーく続いていく感じが。晩年のショスタコーヴィチってほんと出口のない、方向が分からない闇を書くのがたまりません。
歌詞もソヴィエトの圧政下の苦しみとかにまつわるので歌詞を知ると余計に闇が深まるシステム。
あと第3楽章、途中でちょくちょく入ってくるカスタネットの音が半端なく恐いですね、カスタネットなのに!(ちょっと日本の怪談の雰囲気に通じるものがあると思います)
5) ジョージ・クラム アメリカ歌曲集第4巻「Winds of Destiny」 第1楽章「Mine Eyes Have Seen the Glory」
いやあ、やっぱり自分にとっての「恐怖」はこの曲ですね。これを越える曲はあったとしてもこれを越える恐怖の体験は音楽とはいえどあんまり味わいたくないです。
前もちょろっと書いたと思いますがクラムがこの歌を曲に仕立てた結果作られた風景の凄惨さ、ビビッドさ、そして響く歌の虚しさとクラムの思いの強さが全て強烈に。
(ついでに次の第2楽章もクラムの皮肉を読み取るとかなり痛々しいんですよね、第1楽章のダメージと合わせると心が大変に折れます・・・)
他にも「恐怖」を感じさせる曲、いっぱいありますよ。ショスタコやクラムはほんと得意ですし、マーラー(交響曲第6番第2楽章ラスト)やバルトーク(「夜の音楽」の類い、「中国の不思議な役人」)なんかもそういう曲を書きますし。メシアンだったら「モリフクロウ」もそうですし。
色々こういう曲を探してみたりその心への影響だったり恐怖の性質とかを考えてみたりすると面白いは面白いんですが、前述5曲のような曲はやっぱり聴くの恐いです(笑)特にクラムはもう容易に聴けるようなあれじゃない・・・
今日は強烈な曲ばっかり5曲も紹介してしまったので今日の一曲はおやすみ。
face to aceのCDからの曲の紹介はひとまず終わり、と書きましたが購入した録音シリーズはまだ続いてますのでまた次回。(下手すりゃまた増えそう・・・まだアルバム2枚は買える計算ですので)
昨日のエントリー以来もう「face to ace」の検索キーワードでアクセスがあってちょっと焦っています(汗)
なんか恐れ多いというかなんというか、次face to aceの話が出るのいつになるかわかりませんし(買ったCDからの「今日の一曲」シリーズも前回で終わりましたので・・・)
今日はなんか一日微妙に調子がダウン気味・・・というほどでもないですけどフラット気味で。そこまで心配することもない程度ですし、おそらく原因も気候によるものなのですが・・・
たまーにこういう微妙な不調の時って自分をいたわるような音楽を聞いたり、自分に優しいことをするのではなく自分に若干悪いことをしたがる癖が少しありまして。(要するに調子が悪いなら調子が悪いでちゃんと形にしてしっかり感じたい、と悪い方に心を傾けたがるみたいな・・・)
なのでそのついでに今日は「恐怖」を感じる音楽について書こうと思います。
ここんとこしばらくちょくちょく「音楽の持つネガティブな力」に言及していますが、例えば映画で映像に音楽を合わせて恐怖を煽るとか、そういう意味でも音楽ってものすごいパワーを持っていて。
聴き手の心が弱っていたり無防備だったり、題材に関して思い入れがあったり、それから弾き手の演奏がまたパワフルだったり、条件がそろうと心に突き刺さってトラウマになることもあるんですよね。
今回ちょっと自分にとって特に強く「恐怖」を感じた曲を5つチョイスしてみました。もちろん音楽の感じ方は人それぞれ、そして演奏や聴くタイミングによっても変わりますので同じ体験はできないかもしれないです。でもこの5曲は確かに恐怖を感じさせるエレメントをはらんでると思いますよ~
1) スティーヴ・ライヒ 「WTC 9/11」
ライヒが2001年の同時多発テロを題材に作曲し、同事件から10年となる去年に発表した曲です。まだ初演から1年ちょっとしか経っていないにもかかわらず世界各地で演奏されているようです。
同時多発テロに関する音声の録音(後のインタビューなども含め)を音楽の一部として使っているのが強烈です。
私がこの曲を聴いたのはラジオ(オーストラリアでの演奏を生放送していた)で、ちょうど夕飯の準備をしながら聴いていたのですがこれは初めて聴くのがコンサートとか音楽とがっつり向き合うようなセッティングだったらかなりダメージが大きかったと改めて思いました。
(でも一回ながら聴きで触れ合っておいたのでもうコンサートで聴いても大丈夫かな、とは思いますよ)
2) たま 「星を食べる」
クラシック以外で唯一のノミネート。滝本さんの曲はたまーにとんでもなく暗い怖いものがありますがこれもその中の一つ(もうひとつ思いつくのは「さよならおひさま」ですね。どっちも出会うのが大人になってからでよかったー)。
曲の暗さももちろんですが歌詞ですよ。普通に歌詞をたどっていくととんでもない展開に。(「首をそっとしめたくなる」は比喩的なもんだと思ったんですよ、最初。そういう表現結構あるんで。でも・・・嗚呼)
で、曲が美しいのもまた余計に怖いですし、「ららららんららんらら♪」も怖いですし。歌詞の怖さが音楽全体を恐怖に染めるがすごい。
3) ベンジャミン・ブリテン 「戦争レクイエム」
最初の音から怖い雰囲気の曲で、Offertoriumの後半でイサクが息子を殺すくだりのあっさりさも怖いのですが、なんといっても最後のLibera Meからの一連の流れがすごい。
Libera Meってホント天才的に書かれてますね、破滅への行進が。どんどんテンポが速くなってくるのといい、阿鼻叫喚のクライマックスといい(生で聴いた時ちょっと気が遠くなったのは曲への思い入れもあってのことですが)。
ある意味それ以上にすごいのが音楽が静まったあとの闇の中のくだり。まるで時が止まったような、どこの世界でもない空間のなかで、死んだ兵士が自分が殺した敵兵と向かい合う会話。元々の詩(Wilfred OwenのStrange meeting)もですがその空間・時間・緊張の音楽による表現も・・・ただただ恐いですね。
4) ドミトリ・ショスタコーヴィチ 交響曲第13番 第3,4楽章
死と闇と隣り合わせ、どころかどっぷりそれらに浸かってるのがショスタコの音楽で、本人も様々な恐怖にさらされた生涯を送りましたが、中でも私にとって恐かったたはこの2つの楽章かなあ・・・(他にももちろんたくさん恐怖にまつわる曲はあります、弦楽四重奏でとか)
この交響曲って合唱が男声のみで、ソロもバスで、しかもロシア語で歌ってるのが相まってまずそれが恐かったりします(汗)オケも低音楽器が強くて、割と盛り上がらないまま緊張を保ったまま暗ーく低ーく続いていく感じが。晩年のショスタコーヴィチってほんと出口のない、方向が分からない闇を書くのがたまりません。
歌詞もソヴィエトの圧政下の苦しみとかにまつわるので歌詞を知ると余計に闇が深まるシステム。
あと第3楽章、途中でちょくちょく入ってくるカスタネットの音が半端なく恐いですね、カスタネットなのに!(ちょっと日本の怪談の雰囲気に通じるものがあると思います)
5) ジョージ・クラム アメリカ歌曲集第4巻「Winds of Destiny」 第1楽章「Mine Eyes Have Seen the Glory」
いやあ、やっぱり自分にとっての「恐怖」はこの曲ですね。これを越える曲はあったとしてもこれを越える恐怖の体験は音楽とはいえどあんまり味わいたくないです。
前もちょろっと書いたと思いますがクラムがこの歌を曲に仕立てた結果作られた風景の凄惨さ、ビビッドさ、そして響く歌の虚しさとクラムの思いの強さが全て強烈に。
(ついでに次の第2楽章もクラムの皮肉を読み取るとかなり痛々しいんですよね、第1楽章のダメージと合わせると心が大変に折れます・・・)
他にも「恐怖」を感じさせる曲、いっぱいありますよ。ショスタコやクラムはほんと得意ですし、マーラー(交響曲第6番第2楽章ラスト)やバルトーク(「夜の音楽」の類い、「中国の不思議な役人」)なんかもそういう曲を書きますし。メシアンだったら「モリフクロウ」もそうですし。
色々こういう曲を探してみたりその心への影響だったり恐怖の性質とかを考えてみたりすると面白いは面白いんですが、前述5曲のような曲はやっぱり聴くの恐いです(笑)特にクラムはもう容易に聴けるようなあれじゃない・・・
今日は強烈な曲ばっかり5曲も紹介してしまったので今日の一曲はおやすみ。
face to aceのCDからの曲の紹介はひとまず終わり、と書きましたが購入した録音シリーズはまだ続いてますのでまた次回。(下手すりゃまた増えそう・・・まだアルバム2枚は買える計算ですので)
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