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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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pieces, pieces
ピアノ歴もうすぐ20年、チェロは9年くらい?なんらかのオーケストラにいたのは11年くらい・・・とちょっと自慢から始まってしまって済みませんが、これだけそういう活動をしていると複数回同じ曲を弾く、ということは珍しくありません。
ピアノに関しては特に思い入れの強い曲、または見直してみたい曲は(特に最近も)あんまりためらいなく何回も弾いたりしてるので(スクリャービンの練習曲op42-5が極端な例ですね。16歳の時から2年に一回は戻ってきてるような気がします)、オーケストラで何回か弾いた曲についてまずは少し話したいです。
(まずは、というのはどれだけあるか今の時点でわからないので。)

ピョートル・チャイコフスキー 交響曲第5番 (4回!)
なんで4回も弾いてるんでしょうね、これ?本当に小さいころから聞いてきた曲なのでもはや何回弾こうが聴こうが関係ないんですけど(それゆえに弾いた記憶が薄い)、1回3楽章を抜かして弾いているのをあわせて4回ユースオケ関係で弾いてます(それもピアノ系パートがないので全部チェロで)。
そこそこいいですし、よく知られているメロディーもありますし聞きやすいポピュラーな曲なんですが・・・
弾くほうとしては第1楽章と、あとホルン奏者なら第2楽章以外そんなにたくさん弾いても面白くない曲なので(笑)

レイフ・ヴォーン=ウィリアムス トマス・タリスの主題による幻想曲 (3回)
英語圏ではかなりポピュラーなこの曲、フルのオケではなく弦楽だけなのと尋常じゃなく感動的な曲なのでよく弾かれますね。
確かこれがヴォーン=ウィリアムスの音楽に触れた初めてだったのと、そのときはチェロセクションのみの練習が多かったので最初はとっつきがたい曲だった思い出があります。もしかしたらビオラという楽器を意識しはじめたのもこの曲が初めてだったかも?(中間部のビオラソロはもう文句なしに美しいですものね)
この曲はそれぞれの楽器がいくつかのパートに分かれてるので多分毎回違うパートを弾いてます(座ってる場所で決まるので)。でも学校でもまだリーダーじゃないときだったからチェロのソロのパートは結局弾いたことがありませんでした。

ピョートル・チャイコフスキー 白鳥の湖 (2.5回)
バレエ全曲をバレエとして(つまりは踊りありで)2回弾いて(しかも演奏としては昼と夕の二回公演だった覚えが)、そして抜粋をコンサートで弾いたことがあります。
結構いい曲もありますが(第2幕のパ・ドゥ・ドゥのチェロのソロなんかかっこいいですね~♪)「情景」関係の曲が多少退屈なので2回目はさすがにぐったりしましたが。踊りを見るならそれくらい楽勝で見れるんだけどなあ・・・

イーゴリ・ストラヴィンスキー ペトルーシュカ (2回)
これは一回目はチェロで、二回目はチェレスタで弾きました。チェレスタパートあるんですよ。最初の手回しオルガンのところでちょこっとオーケストラのほかの楽器とは別のメロディーを奏でてます♪
でもやっぱりピアノで弾きたかった。そりゃあピアノパートはコンチェルト並に難しいですけどこれ以上自分はコンチェルトを弾くことに大学では近づけなかった気がするんですよ。がんばれば弾けたんじゃないかと思うんですけど・・・
それにしてもチェロの最初のエントリー(開始10秒くらい?)って地味にかなり難しいです。あそこらへんの真ん中のドの上のシ(これが最初の音)とかラ#とかソ#とか音程とりにくくて大っ嫌いなんですよね(苦笑)

曲的・思い出的にめぼしいのはこれくらいですかね。実を言うと「もう一回出会えてよかった!」と再会を心から喜べて新しく取り組むことができた曲は本当に少なそう。
基本的に音楽も一期一会。いろんな形で出会い、同じ曲でも違うオケ、違う指揮者、違うコンサートのセッティングにて出会って、毎回新しく学ぶことがあり。
そんな出会いをできたオケという場所がとても懐かしく思えます。

それはもう名残惜しくて。
もう一回弾きたかった、こんな曲も弾いてみたかったっていうのもあります。

<もう一回弾きたかった曲ベスト5>
1)オットリーノ・レスピーギ ローマの松
ちょうど心が音楽から離れている時期にやったのでどうも心が入っていなくて悔むこといっぱいです。すばらしい曲で、うまく書かれて、ピアノのパートも素晴らしいので本当にもったいなかったなあ・・・
2)セルゲイ・ラフマニノフ 交響曲第2番
コンチェルトのほうは2回弾きましたが。でもこの曲は本当に本当に素晴らしくて、聞くだけでも満足できますがその音楽の真っ只中に居たい、という気持ちが今でもあります。
3)バルトーク・ベーラ 管弦楽のための協奏曲
バルトーク全体なんだか弾き足りないような気がします。たしかにそんなには弾いてないんですけど。あんな計算&エネルギーは他のどの作曲家も代わりになりませんから。
4)ドミトリ・ショスタコーヴィチ 交響曲第5番
チェロパートもすごいいいんですけどピアノ&チェレスタパートが弾きたかった!ただただそれだけです!
5)セルゲイ・ラフマニノフ 「鐘」
チェレスタパートの最高峰といっても過言じゃないですし、いろんな意味でチャレンジだった思いもあり・・・前よりももっと上手く弾きたいという気持ちが強い曲です。
(他にも惑星、マ・メール・ロワ、マーラー5番、春の祭典など・・・)

<弾きたかったけど弾いてない曲ベスト5>
1)ピョートル・チャイコフスキー 交響曲第6番
5番は4回も弾いてるのになんで6番は一回も弾いていないんだろう。こっちのほうが名曲で、いかにもユースオケやなんかの若い人の集まりで弾くような曲なのに。
2)グスタフ・マーラー 交響曲第6番
チェレスタ弾きとしても、マーラー好きとしてもはずせませんもの。でも本当にめったに弾かれないですね、みんなにとって難しいから。
3)ベンジャミン・ブリテン 戦争レクイエム
これもまためったに弾かれない・・・ただ単に好きで、目立たないけどピアノのパートがあるのがちょうどいいですね。
4)オットリーノ・レスピーギ 「鳥」
マイナーなチェレスタ名曲。最終楽章のソロで死ぬほど緊張しながら弾いてみたい♪
5)オリヴィエ・メシアン トゥーランガリラ交響曲
やっぱりメシアン弾きとしてはここにたどりつきたいんですけど・・・たとえ今ピアノを続けてたとしてもなかなか弾く機会は一生にあるかないかだよなあ・・・

本当はもっとメジャーどころも結構弾いてないもたーんとあるんですが(笑)たとえば新世界とか、ベートーベンとか結構弾いてないんですよ。でも・・・でもメジャーどころは弾かなくてもいいか、って気にもなっちゃって。

ここまでたくさん曲を出しといて今日の一曲には悩みましたが結局・・・


今日の一曲: レイフ・ヴォーン=ウィリアムス トマス・タリスの主題による幻想曲



感動的・・・という言葉で片付けちゃあいけないような気がひしひしする曲ですね。
ヴォーン=ウィリアムスの得意な(というか英国音楽には自然に存在している)懐かしさという情の一番繊細なところにその見事な弦の音とメロディーとハーモニーをすべて駆動して訴えてきますね。

弦楽器って人間の声と一緒で個々の楽器の音の差が大きいので合唱で感じるような感動が味わえます。
ただ声よりもずっと音域も広いし、もっと複雑な動きができて。
そういうところをあまねく使った感がものすごくある曲です。

そしてものすごい・・・自由な感じも好きです。
中間部に現れるビオラのソロは他のヴォーン=ウィリアムスの曲と同じに聞こえますが(CDの他の曲参照)、でもどこで聞いてもこのフリーな感じが、鳥が大空を飛び回るような、即興が混じったような感じが好きで好きで。

個人的なツボはさまざまな箇所での副メロディー、そして再現部でのバイオリンソロとヴィオラソロのまるで許されない恋をしてるかのような秘めた激情と最高の繊細さ(言い過ぎ?ドラマ化すぎ?)を持ち合わせた絡みが好きです。
この曲では実際に泣いたことがありますが泣き所多すぎです。

ちなみに上に貼ってあるCD、ヴォーン=ウィリアムスの最高傑作を集めたような曲が詰まっていて、しかも演奏しているアンサンブルもエクセレントなのでぜひこの録音でお勧めです。

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