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前回のエントリーに拍手ありがとうございます~
あとアクセス解析見たらちょろっと幅が広がったような・・・?face to aceとか聖飢魔II関連のエントリーもアクセス増えてるようで。大変ありがたいです。
そうそう、こないだのメル響とAustralian Youth OrchestraのMarkus Stenz指揮でのAct 3、秘密のプログラムのコンサートは現代音楽祭りでしたよ。聴いてなかった前半はオーストラリアの作曲家の世界初演2曲で、そして後半はなんとメシアンの「彼方の閃光」。聴きました。録音しました(でもMarkusの声が素敵だったので解説も録音したかった!)。本当は生で聴きたかった!あの人メシアンも振るのか!とそれも嬉しかったですね。
今日はこないだ消えたリサイタルプログラムについての諸々を。もちろん同じにはならないと思いますが・・・
ちなみにあと1ヶ月を切ったリサイタルのプログラムはこちらのエントリーに(これの前のエントリーですね)。
バッハが一つだけ20世紀じゃなかったり、音楽史の流れからちょっと外れ気味で一般的に他の作曲家とスタイルの接点が少ないヴィラ=ロボスやスクリャービンが入ったり、一見ばらばらなプログラムではあると思います(特に20世紀音楽に馴染みの薄い方には)。
実際なによりも自分が弾きやすく演奏しやすい、演奏に戻ることに自信がつきやすいことを最優先に選んだ曲で、プログラム全体としての統一性みたいなのを見いだすのにかなり時間がかかったのですが・・・
でも全体的にどこかSpiritual(日本語でのスピリチュアルとはニュアンスが違うので英語表記で)な雰囲気はありますよね。バッハ(ルター派キリスト教)、ヴィラ=ロボス(特に第2楽章で自然崇拝みたいなフレーバーが強い)、メシアン(カトリック派キリスト教+自然崇拝的な色々)、スクリャービン(独自の神秘主義)と方向はばらばらだけれど、その信仰というかなんというかの抽象的な表現とか、表面下で共通する、つながる何かは確かにありますね。
スタイルに関してもヴィラ=ロボスのあれは「ブラジル風バッハ」の名の通りバッハの形式から影響を受けてますし、同じヴィラ=ロボスの第2楽章には鳥の鳴き声が出てきてそれがメシアンの鳥の鳴き声につながったり。さらにメシアンはスクリャービンとよく音楽が似てる(他人の空似みたいな感じで)と言われますし、さらにメシアンの「天使のまなざし」とスクリャービンは「炎」つながり。
だから実は結構うまくつながってくれているんですよね、諸々。
弾きやすい、演奏しやすいを心がけたものの実は人前で演奏した経験があるのはバッハとメシアンの第11番だけなんですよね。(でもメシアンの20のまなざしは演奏経験あるやつどんどん増やしてかなきゃですし)
バッハやメシアンみたいな比較的古くからのホームグラウンドに、ヴィラ=ロボスやスクリャービン後期作品のような新しくホームグラウンドにしたい曲が混在してるのは実はそんなに意図してなかったり(笑)
でもこれからにつなげる、ということは意識してます。今回は数年ぶりのリサイタルですが今後またちょくちょく演奏する機会をつくってリサイタル開けるようにする最初のステップなので・・・
今回のできによって次回があるか、次回があったらどう進化させていくか、とか考えて行きたいですしね。
そのために今回しっかりやらなきゃ、ということで。
で、弾きやすい、演奏しやすいを最優先にしたものの各曲に対してはもちろん、なんだかんだでプログラム全体としてもものすごく愛着があるプログラムになりました。好きで、得意で、自分にフィットしている曲というか、自分の心に近いものがある。(ある意味自分のspiritualな方向性や表現を象徴しているようなところもあるのかな)
だからなんかあったらまたこの組み合わせで演奏してもいいかな、と思うような曲でもあります(もしかしたらメシアンの内訳を若干変えるかもしれませんが)。
昨日facebookでリサイタルのお知らせを出しまして。すでにもういい返事が来始めててちょっとパニクってます。
大学からの音楽仲間とつながってるのはfacebookが主なのでお客さんあつめのルートもそっちがメインになるっぽいですね。確かに便利だよなあ、コンサートの宣伝とかには。
他のルートもちゃんとしなきゃですけどね。
さて、リサイタル関係の他にももしかしたらオケの仕事がくるかもしれなかったり日本への一時帰国だったりADOMの開発再開企画だったりABC Classic FMのフランス音楽カウントダウン100だったりエキサイトしてることが色々あるのでまたちょこちょこと。
今日の一曲: オリヴィエ・メシアン 「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」より 第7番 「十字架のまなざし」
リサイタルで弾くメシアンのうちの一つ。3ページで割と小さめの曲、比較的簡単そうに聞こえますがこいつには手こずった。何が大変って暗譜が自分でも驚くほどトリッキーでした。
20のまなざしには複数の楽章に共通するテーマ(神のテーマを筆頭として)がありますが、この「十字架のまなざし」は「星と十字架のテーマ」を中心に書かれています。
星はキリストの誕生を知らせた星、キリストの誕生の象徴。十字架はキリストが磔にされその生涯を終える、キリストの死の象徴。生と死の一体性を表すテーマ。
このテーマは第2番「星のまなざし」とこの第7番「十字架のまなざし」に使われている、というわけです。
20のまなざしの各楽章にはタイトルの下に副題みたいなフレーズが書かれているのですが、この第7番にはこんな一文が:
「十字架は言った;貴方は私の腕に抱かれ祭司となる・・・」
それがキリストの死の象徴である十字架が幼子キリストにまなざしとともに投げかけた言葉、というわけです。
キリストは産まれるときから父である神により人間の罪を背負って犠牲になる運命にあった、そのはっきりとした予見といえばいいのか。(ちなみに似たような予見を第4番の「聖母のまなざし」で見ることができます)
そういうバックグラウンド無しでもなかなか強烈に不吉な曲ですけどね。なんといっても不協和音により作られる独特な色彩。痛みと悲しみと苦しみとそういう諸々が混ざり合って、和音が紫・黒・黄などの色が複雑に絡みあってて(今のは私が見る色です。メシアンのはまた別にあるようです)。なかなかこういう色や味は出せないんですよね。不協和音の中でも選りすぐってこそ表現できる音と感情。
そういえば「星と十字架のテーマ」の内部で聞こえる半音階で動く和音はバロック時代の悲歌の表現にも似てますね。
20のまなざしのなかでは比較的短いですし、小さい曲の部類に入りますがものすごい強烈さを持った曲です。メシアンの表現したいことがこれにもストレートに伝わるか!というような感情の盛り合わせとほぼここでしか味わえない強烈な色彩(同じくメシアンでもう1曲知ってます、この色彩は)。
一般的な意味で「美しい」か、といったら違うかもしれませんが一見不快にみえるそれのなかには一種の美が確かにあると思います。
その美しさも、苦しみも痛みも、深く感じると吐き気が起こるかと思うほどの色彩も、まるで腸を生きたまま握るような和音の感覚も(弾いてるとき一番大事にしてる感覚です)、全部ひっくるめて大好きな曲で、今回のリサイタルに欠かせないエレメントだと思っています。
あとアクセス解析見たらちょろっと幅が広がったような・・・?face to aceとか聖飢魔II関連のエントリーもアクセス増えてるようで。大変ありがたいです。
そうそう、こないだのメル響とAustralian Youth OrchestraのMarkus Stenz指揮でのAct 3、秘密のプログラムのコンサートは現代音楽祭りでしたよ。聴いてなかった前半はオーストラリアの作曲家の世界初演2曲で、そして後半はなんとメシアンの「彼方の閃光」。聴きました。録音しました(でもMarkusの声が素敵だったので解説も録音したかった!)。本当は生で聴きたかった!あの人メシアンも振るのか!とそれも嬉しかったですね。
今日はこないだ消えたリサイタルプログラムについての諸々を。もちろん同じにはならないと思いますが・・・
ちなみにあと1ヶ月を切ったリサイタルのプログラムはこちらのエントリーに(これの前のエントリーですね)。
バッハが一つだけ20世紀じゃなかったり、音楽史の流れからちょっと外れ気味で一般的に他の作曲家とスタイルの接点が少ないヴィラ=ロボスやスクリャービンが入ったり、一見ばらばらなプログラムではあると思います(特に20世紀音楽に馴染みの薄い方には)。
実際なによりも自分が弾きやすく演奏しやすい、演奏に戻ることに自信がつきやすいことを最優先に選んだ曲で、プログラム全体としての統一性みたいなのを見いだすのにかなり時間がかかったのですが・・・
でも全体的にどこかSpiritual(日本語でのスピリチュアルとはニュアンスが違うので英語表記で)な雰囲気はありますよね。バッハ(ルター派キリスト教)、ヴィラ=ロボス(特に第2楽章で自然崇拝みたいなフレーバーが強い)、メシアン(カトリック派キリスト教+自然崇拝的な色々)、スクリャービン(独自の神秘主義)と方向はばらばらだけれど、その信仰というかなんというかの抽象的な表現とか、表面下で共通する、つながる何かは確かにありますね。
スタイルに関してもヴィラ=ロボスのあれは「ブラジル風バッハ」の名の通りバッハの形式から影響を受けてますし、同じヴィラ=ロボスの第2楽章には鳥の鳴き声が出てきてそれがメシアンの鳥の鳴き声につながったり。さらにメシアンはスクリャービンとよく音楽が似てる(他人の空似みたいな感じで)と言われますし、さらにメシアンの「天使のまなざし」とスクリャービンは「炎」つながり。
だから実は結構うまくつながってくれているんですよね、諸々。
弾きやすい、演奏しやすいを心がけたものの実は人前で演奏した経験があるのはバッハとメシアンの第11番だけなんですよね。(でもメシアンの20のまなざしは演奏経験あるやつどんどん増やしてかなきゃですし)
バッハやメシアンみたいな比較的古くからのホームグラウンドに、ヴィラ=ロボスやスクリャービン後期作品のような新しくホームグラウンドにしたい曲が混在してるのは実はそんなに意図してなかったり(笑)
でもこれからにつなげる、ということは意識してます。今回は数年ぶりのリサイタルですが今後またちょくちょく演奏する機会をつくってリサイタル開けるようにする最初のステップなので・・・
今回のできによって次回があるか、次回があったらどう進化させていくか、とか考えて行きたいですしね。
そのために今回しっかりやらなきゃ、ということで。
で、弾きやすい、演奏しやすいを最優先にしたものの各曲に対してはもちろん、なんだかんだでプログラム全体としてもものすごく愛着があるプログラムになりました。好きで、得意で、自分にフィットしている曲というか、自分の心に近いものがある。(ある意味自分のspiritualな方向性や表現を象徴しているようなところもあるのかな)
だからなんかあったらまたこの組み合わせで演奏してもいいかな、と思うような曲でもあります(もしかしたらメシアンの内訳を若干変えるかもしれませんが)。
昨日facebookでリサイタルのお知らせを出しまして。すでにもういい返事が来始めててちょっとパニクってます。
大学からの音楽仲間とつながってるのはfacebookが主なのでお客さんあつめのルートもそっちがメインになるっぽいですね。確かに便利だよなあ、コンサートの宣伝とかには。
他のルートもちゃんとしなきゃですけどね。
さて、リサイタル関係の他にももしかしたらオケの仕事がくるかもしれなかったり日本への一時帰国だったりADOMの開発再開企画だったりABC Classic FMのフランス音楽カウントダウン100だったりエキサイトしてることが色々あるのでまたちょこちょこと。
今日の一曲: オリヴィエ・メシアン 「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」より 第7番 「十字架のまなざし」
リサイタルで弾くメシアンのうちの一つ。3ページで割と小さめの曲、比較的簡単そうに聞こえますがこいつには手こずった。何が大変って暗譜が自分でも驚くほどトリッキーでした。
20のまなざしには複数の楽章に共通するテーマ(神のテーマを筆頭として)がありますが、この「十字架のまなざし」は「星と十字架のテーマ」を中心に書かれています。
星はキリストの誕生を知らせた星、キリストの誕生の象徴。十字架はキリストが磔にされその生涯を終える、キリストの死の象徴。生と死の一体性を表すテーマ。
このテーマは第2番「星のまなざし」とこの第7番「十字架のまなざし」に使われている、というわけです。
20のまなざしの各楽章にはタイトルの下に副題みたいなフレーズが書かれているのですが、この第7番にはこんな一文が:
「十字架は言った;貴方は私の腕に抱かれ祭司となる・・・」
それがキリストの死の象徴である十字架が幼子キリストにまなざしとともに投げかけた言葉、というわけです。
キリストは産まれるときから父である神により人間の罪を背負って犠牲になる運命にあった、そのはっきりとした予見といえばいいのか。(ちなみに似たような予見を第4番の「聖母のまなざし」で見ることができます)
そういうバックグラウンド無しでもなかなか強烈に不吉な曲ですけどね。なんといっても不協和音により作られる独特な色彩。痛みと悲しみと苦しみとそういう諸々が混ざり合って、和音が紫・黒・黄などの色が複雑に絡みあってて(今のは私が見る色です。メシアンのはまた別にあるようです)。なかなかこういう色や味は出せないんですよね。不協和音の中でも選りすぐってこそ表現できる音と感情。
そういえば「星と十字架のテーマ」の内部で聞こえる半音階で動く和音はバロック時代の悲歌の表現にも似てますね。
20のまなざしのなかでは比較的短いですし、小さい曲の部類に入りますがものすごい強烈さを持った曲です。メシアンの表現したいことがこれにもストレートに伝わるか!というような感情の盛り合わせとほぼここでしか味わえない強烈な色彩(同じくメシアンでもう1曲知ってます、この色彩は)。
一般的な意味で「美しい」か、といったら違うかもしれませんが一見不快にみえるそれのなかには一種の美が確かにあると思います。
その美しさも、苦しみも痛みも、深く感じると吐き気が起こるかと思うほどの色彩も、まるで腸を生きたまま握るような和音の感覚も(弾いてるとき一番大事にしてる感覚です)、全部ひっくるめて大好きな曲で、今回のリサイタルに欠かせないエレメントだと思っています。
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