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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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大好きなのに普段言及しない曲ラインアップ
前回の記事に拍手ありがとうございますー♪
なんだか落ち着かないのは春の兆しもあったり考えないといけないこともあったり超タイムショック16をみてテンションが上がっているのもあったり。
あ、あと夕飯が手巻き寿司だったのもテンションあがってますね♪

さて、生活して音楽を聴いたり音楽のことを話したりしてるうちにたまに「そういえばこの曲好きだけどほとんど話に出さないな」とふと思うことがありまして。
前に何度か書いてるんですが好きな曲のなかでも最高位にランクする曲って(ジャンル問わず)自分の中にしまっておく傾向があるんですよね。その特定の曲の話だったり、最高に好きな~とかいう話の中では出てくるんですけどそういう特別な場(っていうのも変ですが)でないとなかなか・・・
なので今回はちょっとどっと出しちゃおうと思います、そういう埋もれがちな大切な曲を。もっと広く知られて欲しい曲がいっぱい入ってて言及しないのはやっぱり勿体ないので。

1) ヨハネス・ブラームス ピアノ五重奏曲
ブラームスの室内楽作品はいつも書いてますがどの編成でも名曲揃いで、外れ無し、最高峰なレパートリーだと思っていて、ソナタやピアノ四重奏曲(特に第3番)に言及することはちょこちょこあっても私がピアノ五重奏曲の話をすることはめったにないような。なんでだか自分でも分からないんですが・・・
ピアノ五重奏曲、というジャンルの中でも群を抜いての最高峰と言われる曲で、ブラームスの音楽の人間らしさとか、pathosとか、情熱とか、そういう物を全部集めて精製したような曲で。ピアノもかっこいいし弦楽四重奏のチームワークも凄い。
特に第3楽章、第4楽章が好きです。第3楽章のスケルツォではちょっとジャズっぽいコード進行が出てきたりするのがくすぐったいですし、第4楽章で待ち構える運命に向かって突っ走る感じもいい。

2) オリヴィエ・メシアン 「アーメンの幻影」
メシアン好き!といって20のまなざしや鳥カタやトゥーランガリラなど話に出すことが多いですが、自分が長いこと好きで聴きやすくて弾きたいにも関わらずこの曲に言及が少ないのはなぜだろう。
20のまなざしと同じ時期に書かれたピアノ2台のための曲で、前書いたと思いますがメシアンが後に妻に迎えることとなる生徒ユヴォンヌ・ロリオと自分が弾くために書いた曲です。
けっこう音楽言語や雰囲気は20のまなざしと似てて、繰り返し現れるテーマの使い方とか、信仰・自然にまつわる表現とか、(20のまなざしの半分以下の時間で)メシアンの音楽のエッセンスが味わえる曲です。
究極の愛の音楽とも言える第4楽章「欲望のアーメン」、光と色彩にあふれた第5楽章「天使、聖人と鳥の歌のアーメン」がおすすめ。

3) ベンジャミン・ブリテン 「ピーター・グライムズ」より4つの海の間奏曲
海と言えば私にとってはドビュッシーの「海」かこのブリテンか、というイメージです。フランスの海とイギリスの海、全体的な印象は違いますが、ドビュッシーの海の最終楽章はこの曲の中の「嵐」に似てるところもあったり。
もともとのオペラ「ピーター・グライムズ」が海とその傍の町を舞台としていて、この4つの間奏曲はそんな海を身近に、「夜明け」「日曜日の朝」「月光」「嵐」と様々な表情で魅せてくれます。
特に「月光」の美しさはたまらない!あと「嵐」のもう海の嵐でしかない表現も好きです。

4) オットリーノ・レスピーギ 「ボッティチェッリの3枚の絵」
所謂「ローマ三部作」ばっかりが有名で、もっと小規模な作品はちょっと埋もれ気味。でも実際情熱的に語るような曲ではないような気がするんですよね・・・美しい曲ではあるのは確かなんだけれどある意味慎ましいところがあって。
題材になってるボッティチェッリの3枚の絵は「春」「東方の三博士の礼拝」「ヴィーナスの誕生」となかなかメジャーなところですのでイメージもつかみやすいかな。
私は「東方の三博士の礼拝」でのハープ・ピアノ・チェレスタのタッグや木管のソロも好きですが、「ヴィーナスの誕生」の「音楽の絵」としての美しさも本当にprecious。

5) セルゲイ・ラフマニノフ 交響的舞曲
ラフマニノフは書いた曲ほぼ全て名曲、という中この曲に私が言及しない理由は単純に「他の人とも共有したくないくらい、独占したいくらい好きだから」、というあれなのですが(汗)
ラフマニノフは年を重ねるとともに(そして渡米後は特に)作曲よりもピアニストとしての活動が多くなって、この曲が彼の書いた最後の作品、が言うところの「最後の火花」だったそうです。まるで作曲家の生命を踊り燃え尽くすような、終わりを見据えているようなところがある曲ですね。
ちなみにこの曲はピアノ2台バージョンと、作曲家自身によるオケバージョンがありますがどっちもお薦めです。ピアノ版にもオケのような色彩がありますし、オケ版もピアノ版の魅力があります。

6) トーマス・アデス 「Origin of the Harp」
Asyla、Arcadiana、Living Toys、Traced Overheadなどアデスの曲で好きなもの、素晴らしいものいろいろありますが、全体的にまだ言及頻度は少ない気がします。その中でもこのOrigin of the Harpはなかなか言葉で説明できないところがいっぱいあってタイトルさえ出てこない傾向が。
長さはそう長く無いながらも割と複雑な音楽で、自分でもなかなかどこがいいとかどこがどうなってるとか説明できるほど理解していないのですがものすごく「水」を感じる音楽です。クラリネットの透明な音色や(もうクラリネットの美しさMAXです)、打楽器のsoundscapeとか、とっても不思議で。大好き。

7) ドミトリ・ショスタコーヴィチ 交響曲第14番
ショスタコの名曲はいろいろあって、色々話したいことがあるんですが多すぎて渋滞状態になってしまう(汗)
この交響曲第14番は交響曲としてはちょっと変わってて、どっちかというと歌曲集みたいな形式の晩期の作品。しかも歌のモチーフが全楽章「死」を扱っていることから別名「死者の歌」とも呼ばれるみたいです。
必ずしも聴きやすい曲ばかりではないのですが第9楽章の「O Delvig, Delvig」は悲しくも美しいですし、第2楽章「Malaguena」の死神のバイオリンを思わせる曲調も鬼気迫ってて楽しいですし。
なんといってもでも第4楽章「自殺」がお気に入りですね。チェロのソロやチェレスタのソロ、鐘の音の不吉な美しさ、詩の良さ。
(この曲好きだっていうとやっぱりこう、メンタル病んでるからだーとか言われそうで、だから言及しないところもあるのです。実際そうなんですけど)

8) ジョージ・クラム 「Lux Aeterna」
クラムの音楽好きだ!といってもなかなかこの曲の話をするに至らないのはこの曲が割と独立した、特別な領域に住んでいるような感覚があるからだと思います。
クラムの音楽、例えばマクロコスモスシリーズとか歌曲とかと確かに共通する世界観がベースになっているものの、どこか別の聖域にあるような。東洋と西洋の音楽の出会いとか説明し始めても言葉にしきれない美しい調和と独特の世界。私にとっての聖なる音楽ってこの曲が限りなく近いかもしれないなあ・・・それくらい特別な音楽。
そうそう、バスフルートとかインド楽器のシタールとか、耳馴染みが薄い楽器の最高に美しい音も聴ける曲ですよ。

9) エルネスト・ブロッホ 「シェロモ」
チェロ音楽の話、チェロとオケのための作品の話であぶれがちなこの曲。そんなに演奏頻度が多いわけでもないですし、協奏曲のくくりでもちょっとマイナーで、でも21分がっつり1トラックであるんでなかなか聴かないこともありますが・・・
でもやっぱいいですねこの曲。ドヴォルザークの協奏曲みたいにものすごく目立ってすごいところはないのですが、ヘブライの風とチェロの情熱的な音、円熟した王にふさわしい渋さと高貴さがあって。ものすごく異国で、ものすごく憧れさせる音楽です。
オケの働き(普通の協奏曲よりもオケのweightが大きい)も情景を描いて歴史の絵巻をひもとくような感じで大好き。

10) パウル・ヒンデミット ビオラとピアノのためのソナタ op.11-4
ヒンデミットは好きな作曲家ですがクラシック・20世紀音楽に詳しくない人にお勧めするにはちょっと曲を選ぶ必要がある、ちょっと癖のある作曲家で。
そんななかヒンデミットを初めて聴くんだったらビオラと弦楽オケのための「葬送音楽」かこのソナタなのに、どっちも言及する機会が少ないんですよね。(だからさっぱりヒンデミット布教が進んでないんだ!)
ヒンデミットはビオラ弾きだったので餅は餅屋、ということもあるのですが数あるビオラソナタ(無伴奏のとピアノ伴奏ありと)の中でもこれは本当に特別。ビオラの魅力、ピアノの魅力、そしてイギリスっぽかったりドイツっぽかったりするヒンデミットの音楽の一番美しいところを一皿にまとめたようなところがあります。
(葬送音楽もまた違う曲調ですが本当に美しい曲なのでこれもプッシュします)

そもそもがここに今日リストした曲って自分でも大事に聴きたい特別な曲で、本当に特別なときだけ聴くという方針の曲ばっかりなんですよね。だから余計に言及が少なくなる、というか。
でもつまりはそれだけ美しい、何らかの意味で強烈なものを持っている素晴らしい音楽、ということで。
聴く機会があったら逃さないで是非聴いて欲しい曲、そして積極的に探し求めて聴いてみて損はないと思う曲だと強く思っています。


今日の一曲はおやすみです。

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