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前回のエントリーに拍手ありがとうございます~
今日はメルボルンに春が来たようです。今日は19℃で日が出ている間はぽかぽかしていて余所の庭の花も随分バラエティが広がり。天気予報はこんな感じ。
まだ冬っぽい雨の涼しい日もあるみたいですが最高気温が20℃を越えたり最低気温が10℃を越える日も出てくるのはやっぱり春ですね。
さて、ちょっと前から書いていましたがオーストラリアのABC FMラジオのクラシックチャンネルでは今年も投票&カウントダウン企画をやっています。ネットで一般投票を募ってクラシック音楽の特定のくくりでのトップ100を決めて、カウントダウンとして放送する企画です。
去年は現代音楽(1901年以降)で主に前半部分でものすごく盛り上がりましたが今年は「フランス音楽」というくくりです。
公式サイトはこちら。
ちょっと下にスクロールすると主な作曲家の紹介、ジャンル別の説明、時代別の説明があります。
今回投票できる曲のリストはこちら。(前回は投票時に追加可能だったのですが今回は投票前の期間に追加というシステムでした・・・足しときゃよかった)
作曲家のアルファベット順で並んでますが時代別でフィルターかけられます。フィルターをみるとなんと中世の音楽から20世紀の音楽とスパンが広い!
そして今回はWikipediaやYoutubeのリンクが各曲に張ってあって背景を調べたり演奏を聴いたりもできるのが大きな特徴ですね。
去年は10曲選んで投票でしたが今年は5つだそうです。悩みますがほぼ決まったのでまたちょっと後で。
フランス音楽は前も書きましたが面白いですね。
20世紀になるまでは決してヨーロッパにおける音楽の中心、ということもなかったですし、アイデンティティに迷うようなところがあったながらも独自のスタイルを作り続け、さらに異国の音楽や文化を積極的に取り入れたりもしたり。
さらにジャンルの広さもすごい。オペラ(主にバロック時代)、バレエ、室内楽(特に後期ロマン派以降)、オケ曲、歌曲などなど。
どの時代・ジャンルを通じてもドイツ回りやロシア回りと比べるとフランス音楽はどちらかというと軽いところがあって、例えばドイツ回りの音楽の深い人間味やシリアスさ、濃さだったりロシア回りの静かに燃える情熱や土臭さとは全く違うキャラクターを持っています。
フランスの音楽は独特のひねくれたユーモアや軽快さ、スタイリッシュさ、そしてなんといっても色彩にあふれています。
そんなフランス音楽にはまって自分のレパートリーの要としてからもはや10年、最初はちょっとつかみにくかったフランス音楽の魅力に虜になっている次第で、去年のカウントダウンももちろんですが今年もわくわくせずにはいられません!
ということで私が選んだ(まだ投票してないですが)5曲はこちら:
1) エクトール・ベルリオーズ 「幻想交響曲」
2) クロード・ドビュッシー 交響詩「海」
3) モーリス・ラヴェル ピアノ三重奏曲
4) フランシス・プーランク 六重奏曲
5) オリヴィエ・メシアン 「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」
見事にほとんど20世紀です、はい。ロマン派初期以前ってちょこちょこ曲に出会ったりもするんですけど特定の曲を知らなくて思い入れがそんなにないというか。(実際のところクラシックに詳しい人でも後期ロマン派以降に偏るんじゃないかなあ、今年の投票は)
それになんていったって普段弾いたり聞いたりするのは20世紀フランス音楽ですからねー。
そんな中やっぱりベルリオーズは特別な存在だと思うのです。「幻想交響曲」は文句なしに偉大で独特な交響曲ですし、その繰り返すテーマを使ったりストーリーを表現したりする音楽技法は本当に特別で、後の音楽に大きな影響を与えてると思います。そして楽器使いや指揮・オケ扱いは現代のそれの基盤になってますしね。
フランス音楽といったら一番のメジャーどころでいわゆる「印象派」代表のドビュッシーとラヴェルは外せない。メジャーな作曲家でなるべくクオリティの高い曲が上位に来るようコアなところをカバーしないと。
ということでドビュッシーは「海」。オケ曲はちゃんと入れとかないと、という意識もありますがやっぱり大好きなんですよ。この曲の色彩とか海の表現、そして東洋スタイルがちょっと入ってるのも。
そしてラヴェルはピアノ三重奏曲。去年は「マ・メール・ロワ」を入れましたが「フランスの室内楽曲の最高峰」と考えたときにやっぱりこれが一番にきました。ピアノ三重奏曲(ピアノ・バイオリン・チェロ)はハイドンとかそこらの時代から使われてきた楽器編成ですが、20世紀のフランスではほとんど使われくなって。そんな傾向の中で、というのももちろんありますが、こんな非の打ち所の無いピアノトリオ、そして音楽にはなかなかお目にかかれません。
同じく室内楽のレパートリーから、フランス音楽が特に得意としている木管楽器の活躍が現れているプーランクの六重奏曲(ピアノ・フルート・オーボエ・クラリネット・ホルン・ファゴット)も入れました。
フランスの独特なユーモアやエスプリも濃く出ていますし、木管楽器の癖のある、全くばらばらの音色のまとめ方・生かし方、そしてなんといっても「他の国の作曲家にはこんな曲はかけまい!」という強い思いからの投票でもあります。
なんというか、他には真似できないフランス、フランス音楽の真髄みたいなものがあると思います。
そしてもちろんメシアン。ピアノ曲、室内楽、オケ曲、いくつかリストされていた中で今回は「20のまなざし」に。
投票前に足すのを覚えてれば「鳥のカタログ」でしたね。とにかくピアノ曲が選びたかったですね。ピアノ曲の方がメシアンはフランス的なエレメントが大きいと思うんですよ。和音の色彩だったり、ドビュッシーの影響だったり、ある種の軽さだったり。(オルガン音楽もそうだと思いますが)
自分にとっては「20のまなざし」は自分のピアノのレパートリーの核みたいなもので、私がフランス音楽を考える上で本当に重要な曲ですから、やっぱり含めるのは自然なんだろうなあ。
でも本当に悩んだ!入れたい曲ほかにもいっぱい!
サン=サーンスとかフォーレとか微塵も出てないですし、上に選んで作曲家はほんとうにたくさん素晴らしいものを書いていますし。
今年もちょっとトップ100曲のラインアップがあんまり想像がつかなくて楽しみです。今度こそ最後の方まで楽しめますよう・・・(汗)
ちなみに投票締め切りが9月中旬なのでもしかしたら放送は一時帰国中・・・?なるべくネットラジオで拾えるといいけれど。
今日の一曲: エクトール・ベルリオーズ 「幻想交響曲」 第3楽章 「野の風景」
今回投票した曲から、ということなんですが選曲がガチ過ぎてなかなかこっちで紹介しにくいという変な癖再び。
そんな中リサイタルでやる20のまなざしから選ぶのもいいかな、と思ったのですがよくよく考えるとすでに紹介してるのも結構あるので最近書いたストーリーのイメージ曲としてよく聞いてたこの曲に。
幻想交響曲って割とぱっと掴みやすいキャラの立った楽章が多い中、この第3楽章は結構遅いし長いし比較的つまらない、みたいなイメージがあり。
でも聴き所はちょこちょこありますし、なんといっても「交響曲」の大御所であるベートーヴェンの影響がものすごく濃く現れている楽章でもあります。田園!ロマン派!みたいな。
それは主に音楽がドラマチックに盛り上がってるところで、こういう山や野の風景、青い空に湧く雲のダイナミックさを表現するのはベートーヴェンだったりシュトラウスだったりブルックナーだったり、ロマン派に共通する表現だと私は思います。(むしろヨーロッパらしい、というか。オーストラリアだとなかなかこういう表現でませんしね)
幻想交響曲は交響曲としてはちょっと珍しく「標題音楽」=ストーリーを描写する音楽でもあります。
主人公がアヘンを飲んで夢と幻覚をみた(第1楽章)中で恋人に一目惚れして(第2楽章)恋人の心を疑うようになって一人で山に出て(第3楽章)疑心から恋人を殺しギロチン送りになり(第4楽章)死後魔女のサバトで恋人の幽霊と再会してどんちゃん騒ぎ(第5楽章)というあらすじです。
聴き所は例えば冒頭のステージ裏で弾いてるオーボエとステージ上のコール・アングレの掛け合いだったり、盛り上がる場面での弦、とくにコントラバス!(オーディションで使うパッセージがあります)
そして後半で3人の打楽器の奏者が1セットのティンパニで和音を鳴らして遠雷を表現する(主人公の恋人への疑心を表す不吉なサイン)部分は聴いてのインパクトはもちろん、生演奏を見たときのインパクトもなかなかです。
今年メル響で幻想を聴いて、そしてストーリーのイメージ曲にこの楽章を使って今まであんまり愛着がなかったこの楽章にも思い入れが芽生え始めています。
(ただやっぱり長いんでそんなには聴かないかなー・・・)
是非全楽章まとめて、一つの波瀾万丈なストーリーとして聴いてください。
今日はメルボルンに春が来たようです。今日は19℃で日が出ている間はぽかぽかしていて余所の庭の花も随分バラエティが広がり。天気予報はこんな感じ。
まだ冬っぽい雨の涼しい日もあるみたいですが最高気温が20℃を越えたり最低気温が10℃を越える日も出てくるのはやっぱり春ですね。
さて、ちょっと前から書いていましたがオーストラリアのABC FMラジオのクラシックチャンネルでは今年も投票&カウントダウン企画をやっています。ネットで一般投票を募ってクラシック音楽の特定のくくりでのトップ100を決めて、カウントダウンとして放送する企画です。
去年は現代音楽(1901年以降)で主に前半部分でものすごく盛り上がりましたが今年は「フランス音楽」というくくりです。
公式サイトはこちら。
ちょっと下にスクロールすると主な作曲家の紹介、ジャンル別の説明、時代別の説明があります。
今回投票できる曲のリストはこちら。(前回は投票時に追加可能だったのですが今回は投票前の期間に追加というシステムでした・・・足しときゃよかった)
作曲家のアルファベット順で並んでますが時代別でフィルターかけられます。フィルターをみるとなんと中世の音楽から20世紀の音楽とスパンが広い!
そして今回はWikipediaやYoutubeのリンクが各曲に張ってあって背景を調べたり演奏を聴いたりもできるのが大きな特徴ですね。
去年は10曲選んで投票でしたが今年は5つだそうです。悩みますがほぼ決まったのでまたちょっと後で。
フランス音楽は前も書きましたが面白いですね。
20世紀になるまでは決してヨーロッパにおける音楽の中心、ということもなかったですし、アイデンティティに迷うようなところがあったながらも独自のスタイルを作り続け、さらに異国の音楽や文化を積極的に取り入れたりもしたり。
さらにジャンルの広さもすごい。オペラ(主にバロック時代)、バレエ、室内楽(特に後期ロマン派以降)、オケ曲、歌曲などなど。
どの時代・ジャンルを通じてもドイツ回りやロシア回りと比べるとフランス音楽はどちらかというと軽いところがあって、例えばドイツ回りの音楽の深い人間味やシリアスさ、濃さだったりロシア回りの静かに燃える情熱や土臭さとは全く違うキャラクターを持っています。
フランスの音楽は独特のひねくれたユーモアや軽快さ、スタイリッシュさ、そしてなんといっても色彩にあふれています。
そんなフランス音楽にはまって自分のレパートリーの要としてからもはや10年、最初はちょっとつかみにくかったフランス音楽の魅力に虜になっている次第で、去年のカウントダウンももちろんですが今年もわくわくせずにはいられません!
ということで私が選んだ(まだ投票してないですが)5曲はこちら:
1) エクトール・ベルリオーズ 「幻想交響曲」
2) クロード・ドビュッシー 交響詩「海」
3) モーリス・ラヴェル ピアノ三重奏曲
4) フランシス・プーランク 六重奏曲
5) オリヴィエ・メシアン 「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」
見事にほとんど20世紀です、はい。ロマン派初期以前ってちょこちょこ曲に出会ったりもするんですけど特定の曲を知らなくて思い入れがそんなにないというか。(実際のところクラシックに詳しい人でも後期ロマン派以降に偏るんじゃないかなあ、今年の投票は)
それになんていったって普段弾いたり聞いたりするのは20世紀フランス音楽ですからねー。
そんな中やっぱりベルリオーズは特別な存在だと思うのです。「幻想交響曲」は文句なしに偉大で独特な交響曲ですし、その繰り返すテーマを使ったりストーリーを表現したりする音楽技法は本当に特別で、後の音楽に大きな影響を与えてると思います。そして楽器使いや指揮・オケ扱いは現代のそれの基盤になってますしね。
フランス音楽といったら一番のメジャーどころでいわゆる「印象派」代表のドビュッシーとラヴェルは外せない。メジャーな作曲家でなるべくクオリティの高い曲が上位に来るようコアなところをカバーしないと。
ということでドビュッシーは「海」。オケ曲はちゃんと入れとかないと、という意識もありますがやっぱり大好きなんですよ。この曲の色彩とか海の表現、そして東洋スタイルがちょっと入ってるのも。
そしてラヴェルはピアノ三重奏曲。去年は「マ・メール・ロワ」を入れましたが「フランスの室内楽曲の最高峰」と考えたときにやっぱりこれが一番にきました。ピアノ三重奏曲(ピアノ・バイオリン・チェロ)はハイドンとかそこらの時代から使われてきた楽器編成ですが、20世紀のフランスではほとんど使われくなって。そんな傾向の中で、というのももちろんありますが、こんな非の打ち所の無いピアノトリオ、そして音楽にはなかなかお目にかかれません。
同じく室内楽のレパートリーから、フランス音楽が特に得意としている木管楽器の活躍が現れているプーランクの六重奏曲(ピアノ・フルート・オーボエ・クラリネット・ホルン・ファゴット)も入れました。
フランスの独特なユーモアやエスプリも濃く出ていますし、木管楽器の癖のある、全くばらばらの音色のまとめ方・生かし方、そしてなんといっても「他の国の作曲家にはこんな曲はかけまい!」という強い思いからの投票でもあります。
なんというか、他には真似できないフランス、フランス音楽の真髄みたいなものがあると思います。
そしてもちろんメシアン。ピアノ曲、室内楽、オケ曲、いくつかリストされていた中で今回は「20のまなざし」に。
投票前に足すのを覚えてれば「鳥のカタログ」でしたね。とにかくピアノ曲が選びたかったですね。ピアノ曲の方がメシアンはフランス的なエレメントが大きいと思うんですよ。和音の色彩だったり、ドビュッシーの影響だったり、ある種の軽さだったり。(オルガン音楽もそうだと思いますが)
自分にとっては「20のまなざし」は自分のピアノのレパートリーの核みたいなもので、私がフランス音楽を考える上で本当に重要な曲ですから、やっぱり含めるのは自然なんだろうなあ。
でも本当に悩んだ!入れたい曲ほかにもいっぱい!
サン=サーンスとかフォーレとか微塵も出てないですし、上に選んで作曲家はほんとうにたくさん素晴らしいものを書いていますし。
今年もちょっとトップ100曲のラインアップがあんまり想像がつかなくて楽しみです。今度こそ最後の方まで楽しめますよう・・・(汗)
ちなみに投票締め切りが9月中旬なのでもしかしたら放送は一時帰国中・・・?なるべくネットラジオで拾えるといいけれど。
今日の一曲: エクトール・ベルリオーズ 「幻想交響曲」 第3楽章 「野の風景」
今回投票した曲から、ということなんですが選曲がガチ過ぎてなかなかこっちで紹介しにくいという変な癖再び。
そんな中リサイタルでやる20のまなざしから選ぶのもいいかな、と思ったのですがよくよく考えるとすでに紹介してるのも結構あるので最近書いたストーリーのイメージ曲としてよく聞いてたこの曲に。
幻想交響曲って割とぱっと掴みやすいキャラの立った楽章が多い中、この第3楽章は結構遅いし長いし比較的つまらない、みたいなイメージがあり。
でも聴き所はちょこちょこありますし、なんといっても「交響曲」の大御所であるベートーヴェンの影響がものすごく濃く現れている楽章でもあります。田園!ロマン派!みたいな。
それは主に音楽がドラマチックに盛り上がってるところで、こういう山や野の風景、青い空に湧く雲のダイナミックさを表現するのはベートーヴェンだったりシュトラウスだったりブルックナーだったり、ロマン派に共通する表現だと私は思います。(むしろヨーロッパらしい、というか。オーストラリアだとなかなかこういう表現でませんしね)
幻想交響曲は交響曲としてはちょっと珍しく「標題音楽」=ストーリーを描写する音楽でもあります。
主人公がアヘンを飲んで夢と幻覚をみた(第1楽章)中で恋人に一目惚れして(第2楽章)恋人の心を疑うようになって一人で山に出て(第3楽章)疑心から恋人を殺しギロチン送りになり(第4楽章)死後魔女のサバトで恋人の幽霊と再会してどんちゃん騒ぎ(第5楽章)というあらすじです。
聴き所は例えば冒頭のステージ裏で弾いてるオーボエとステージ上のコール・アングレの掛け合いだったり、盛り上がる場面での弦、とくにコントラバス!(オーディションで使うパッセージがあります)
そして後半で3人の打楽器の奏者が1セットのティンパニで和音を鳴らして遠雷を表現する(主人公の恋人への疑心を表す不吉なサイン)部分は聴いてのインパクトはもちろん、生演奏を見たときのインパクトもなかなかです。
今年メル響で幻想を聴いて、そしてストーリーのイメージ曲にこの楽章を使って今まであんまり愛着がなかったこの楽章にも思い入れが芽生え始めています。
(ただやっぱり長いんでそんなには聴かないかなー・・・)
是非全楽章まとめて、一つの波瀾万丈なストーリーとして聴いてください。
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