×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
前回のエントリーに拍手ありがとうございます。
昨日はブルームーンでTwitterのTLも盛り上がっていましたが昨日はまた別に盛り上がることがあったのでブルームーンにちなんだエントリーは今日に。
実際月の移り変わりのアプリでみると満月はちょうど日付が変わるときで、今日でもfraction illuminatedは0.99~1.00なのでそんなに変わりなかったり。
ということで今日は「月」にちなんだ曲を10つ紹介します。キーワードto音楽のフォーマットができればよかったんですがちょっと難しいのでフリーフォーマットで。
1) ガブリエル・フォーレ 「マスクとベルガマスク」より「月の光」
フォーレによるオケ・合唱・ソロの歌手のための組曲で、楽章ごとにオケだけだったり合唱が入ったり歌曲になってたりします。この楽章はテノール歌手とオケのための組曲。詩はヴェルレーヌの「艶なる宴」からだそう。
以前も紹介していますがこの曲の月の光は冷たく蒼く神秘的に庭を照らす感じ。幸せの中に存在するもの悲しさと儚さ。フォーレに特徴的なフルートやハープのラインがフランスのfin-de-siecleを象徴する芸術を形作ります。
2) ベンジャミン・ブリテン 「ピーター・グライムズ」より「4つの海の間奏曲」 「月光」
こないだ紹介したばっかりだった!その時書いた通りピーター・グライムズはブリテンによる港町を舞台としたオペラ。オペラの中でオケのみで海の情景を描く間奏曲を抜き出した「4つの海の間奏曲」ですが、特に美しいと思うのがこの「月光」です。穏やかな海の上に黄金に輝く満月、金色を映し揺れる海。水平線と比べて少しずつ動いているのが分かるような。暖かみのある月の光です。
3) クロード・ドビュッシー 「映像」第2集より「廃寺にかかる月」
ドビュッシーだったらベルガマスク組曲の「月の光」は有名なので(ちなみにさっきのフォーレと同題材)こちらをプッシュしたい。ドビュッシーは東洋的な物が好きで、この曲の舞台もどこかしらの東洋の寺。空高くに白く輝く、時の止まったような古い寺と月の風景です。ちょっと「荒城の月」に似た情景がありますね。この曲のガムラン風というか鈴の音のような響きは前述ブリテンにも似たようなサウンドがあるのがまた面白かったり。
4) オリヴィエ・メシアン 「鳥のカタログ」より「モリヒバリ」
神秘的な森の夜が舞台のこの曲はあくまでもモリヒバリ、そしてナイチンゲールの鳴き声がメインですが真っ暗な「モリフクロウ」の森の景色とは違って月が輝いています。それは直接的には描かれて居ないのですが曲調でなんとなくわかりますし、あと途中でナイチンゲールの鳴き声のパッセージに「lunaire」=月の、月のようにという言葉が書いてあって、ここでナイチンゲールの鳴き声(聴覚)が月の光(視覚)と一致するようになっています。
5) オットリーノ・レスピーギ 「ローマの松」より「ジャニコロの松」
これも最近言及しましたね。レスピーギの説明によると満月に照らされた松の情景だそうです(そしてここにもナイチンゲールが)。夢のような柔らかさと暖かさで優しく恋人たちや眠る人に注いでいるような感じですね。なんといってもクラリネットの音色の透明さが月光を表現するのに効いていますね。それからピアノやチェレスタの音色も忘れず。
6) アルノルト・シェーンベルク 「月に憑かれたピエロ」 第13楽章「打ち首」
これまでの月のイメージとはがらり変わってこの「月に憑かれたピエロ」の月は狂気の象徴であり、冷たく不気味なもの。どの楽章の月も面白いのですがこの「打ち首」における刃物のように冷たく鋭利な三日月のイメージをチョイス。奇っ怪で、ちょっとキュビズムの絵画を思わせるような作風に一風変わった楽器編成、そしてシュプレヒシュティンメという話すような歌い方のソプラノ。何かに追われているような前半部分と透明で冷たい、これまでの音楽に通じるところのある月光の描写のコントラストにも注目です。
7) ジョージ・クラム 「Night of the Four Moons」 第4楽章「Huye Luna, Luna!」
特殊な歌い方のソプラノ、フルートの活躍、奇っ怪→穏やかなど前の曲とかぶるエレメントはちょこちょこありますが、その表すところの月はちょっと違います。クラムはこの曲をアポロ計画に向けて「月はそっとしておきなよ」というようなメッセージをこめて、ロルカの詩になぞらえて書いたと言われていますが、近いようで遠い、遠いようで近い月を天文学的なエレメントも含めて表現するのがクラムですね。最初の部分の奇怪さにめげず、是非後半まで聞いてみてください。
8) たま 「海にうつる月」
ここからクラシック以外でのチョイス。たまは月に関する楽曲ものすごくいっぱい書いてますね!柳原さんも知久さんも滝本さんも(石川さんは思いつかないんですが)。いろんな月の描写があるなかシンプルに美しい、昔から好きなこの曲を。冷たさも暖かさもある、色んなものが不思議なバランスのなかでそこにとどまっていて、静かにゆらいでいる月の光。歌詞もいいですし、なんといっても間奏のオルガンのソロがはかなくて愛しいです。
9) 聖飢魔II 「怪奇植物」
聖飢魔IIも「真昼の月」(震災後応援の歌として公式トップに歌詞掲載)とか「満月の夜」とか、月をモチーフとした曲はちらほらあるなか満月といったら私はやっぱりこの曲なのです。作詩作曲ダミアン浜田陛下。ダミ様の曲大好きです。方向でいえば先ほどの「月に憑かれたピエロ」のような不気味な月のイメージ、それにもっと「怪しい」&「妖しい」成分を足した感じですね。闇の神秘、植物的な神秘、そして危険、Metamorphosisが生々しいのが素敵です。
10) face to ace 「月華抄」
これは「月がモチーフになっているけど月がメインではない」くくりとして。言及はものすごく少ないけれど詩にも音楽にも確かにそこにある月の光。むしろ月光というのはそういう存在感であるイメージもありますね。その少ない言及の歌詞の中にもやっぱり他の曲の月と共通する優しさ、守るような性質、そっとそこに輝いて照らしている性質があったり。どうしても月の輝く夜に聴きたくなる曲なんです。
月を音楽で表現するときってこうやって曲をリストしてみるとなんとなく共通点が見えてきますね。まず音が全体的に少なかったり、調も比較的♯♭が少ない調が多い・・・かな?(ト長調がちょっと多いかも)それから和音(4度とか響きがオープンになる和音がよく使われる)、和音の移り変わり、そして音のアタックで月の光の性質を表現してみたり。楽器で言うと音色の透明さを求めて弦のハーモニクス(クラム)、クラリネット、アコースティックギターなどが好まれたり。
色々みてみると面白いですね。
明日はできたら鴨ラーメンとジェラート食べに行きたいので(笑)天気もいいはずなのでちょっと遅れたながら月を見たいです。満月じゃなくても晴れてたら綺麗に見えることには変わりないですし、明日もまだそんなには形は変わってない・・・はず。
今日の一曲はお休みです。
昨日はブルームーンでTwitterのTLも盛り上がっていましたが昨日はまた別に盛り上がることがあったのでブルームーンにちなんだエントリーは今日に。
実際月の移り変わりのアプリでみると満月はちょうど日付が変わるときで、今日でもfraction illuminatedは0.99~1.00なのでそんなに変わりなかったり。
ということで今日は「月」にちなんだ曲を10つ紹介します。キーワードto音楽のフォーマットができればよかったんですがちょっと難しいのでフリーフォーマットで。
1) ガブリエル・フォーレ 「マスクとベルガマスク」より「月の光」
フォーレによるオケ・合唱・ソロの歌手のための組曲で、楽章ごとにオケだけだったり合唱が入ったり歌曲になってたりします。この楽章はテノール歌手とオケのための組曲。詩はヴェルレーヌの「艶なる宴」からだそう。
以前も紹介していますがこの曲の月の光は冷たく蒼く神秘的に庭を照らす感じ。幸せの中に存在するもの悲しさと儚さ。フォーレに特徴的なフルートやハープのラインがフランスのfin-de-siecleを象徴する芸術を形作ります。
2) ベンジャミン・ブリテン 「ピーター・グライムズ」より「4つの海の間奏曲」 「月光」
こないだ紹介したばっかりだった!その時書いた通りピーター・グライムズはブリテンによる港町を舞台としたオペラ。オペラの中でオケのみで海の情景を描く間奏曲を抜き出した「4つの海の間奏曲」ですが、特に美しいと思うのがこの「月光」です。穏やかな海の上に黄金に輝く満月、金色を映し揺れる海。水平線と比べて少しずつ動いているのが分かるような。暖かみのある月の光です。
3) クロード・ドビュッシー 「映像」第2集より「廃寺にかかる月」
ドビュッシーだったらベルガマスク組曲の「月の光」は有名なので(ちなみにさっきのフォーレと同題材)こちらをプッシュしたい。ドビュッシーは東洋的な物が好きで、この曲の舞台もどこかしらの東洋の寺。空高くに白く輝く、時の止まったような古い寺と月の風景です。ちょっと「荒城の月」に似た情景がありますね。この曲のガムラン風というか鈴の音のような響きは前述ブリテンにも似たようなサウンドがあるのがまた面白かったり。
4) オリヴィエ・メシアン 「鳥のカタログ」より「モリヒバリ」
神秘的な森の夜が舞台のこの曲はあくまでもモリヒバリ、そしてナイチンゲールの鳴き声がメインですが真っ暗な「モリフクロウ」の森の景色とは違って月が輝いています。それは直接的には描かれて居ないのですが曲調でなんとなくわかりますし、あと途中でナイチンゲールの鳴き声のパッセージに「lunaire」=月の、月のようにという言葉が書いてあって、ここでナイチンゲールの鳴き声(聴覚)が月の光(視覚)と一致するようになっています。
5) オットリーノ・レスピーギ 「ローマの松」より「ジャニコロの松」
これも最近言及しましたね。レスピーギの説明によると満月に照らされた松の情景だそうです(そしてここにもナイチンゲールが)。夢のような柔らかさと暖かさで優しく恋人たちや眠る人に注いでいるような感じですね。なんといってもクラリネットの音色の透明さが月光を表現するのに効いていますね。それからピアノやチェレスタの音色も忘れず。
6) アルノルト・シェーンベルク 「月に憑かれたピエロ」 第13楽章「打ち首」
これまでの月のイメージとはがらり変わってこの「月に憑かれたピエロ」の月は狂気の象徴であり、冷たく不気味なもの。どの楽章の月も面白いのですがこの「打ち首」における刃物のように冷たく鋭利な三日月のイメージをチョイス。奇っ怪で、ちょっとキュビズムの絵画を思わせるような作風に一風変わった楽器編成、そしてシュプレヒシュティンメという話すような歌い方のソプラノ。何かに追われているような前半部分と透明で冷たい、これまでの音楽に通じるところのある月光の描写のコントラストにも注目です。
7) ジョージ・クラム 「Night of the Four Moons」 第4楽章「Huye Luna, Luna!」
特殊な歌い方のソプラノ、フルートの活躍、奇っ怪→穏やかなど前の曲とかぶるエレメントはちょこちょこありますが、その表すところの月はちょっと違います。クラムはこの曲をアポロ計画に向けて「月はそっとしておきなよ」というようなメッセージをこめて、ロルカの詩になぞらえて書いたと言われていますが、近いようで遠い、遠いようで近い月を天文学的なエレメントも含めて表現するのがクラムですね。最初の部分の奇怪さにめげず、是非後半まで聞いてみてください。
8) たま 「海にうつる月」
ここからクラシック以外でのチョイス。たまは月に関する楽曲ものすごくいっぱい書いてますね!柳原さんも知久さんも滝本さんも(石川さんは思いつかないんですが)。いろんな月の描写があるなかシンプルに美しい、昔から好きなこの曲を。冷たさも暖かさもある、色んなものが不思議なバランスのなかでそこにとどまっていて、静かにゆらいでいる月の光。歌詞もいいですし、なんといっても間奏のオルガンのソロがはかなくて愛しいです。
9) 聖飢魔II 「怪奇植物」
聖飢魔IIも「真昼の月」(震災後応援の歌として公式トップに歌詞掲載)とか「満月の夜」とか、月をモチーフとした曲はちらほらあるなか満月といったら私はやっぱりこの曲なのです。作詩作曲ダミアン浜田陛下。ダミ様の曲大好きです。方向でいえば先ほどの「月に憑かれたピエロ」のような不気味な月のイメージ、それにもっと「怪しい」&「妖しい」成分を足した感じですね。闇の神秘、植物的な神秘、そして危険、Metamorphosisが生々しいのが素敵です。
10) face to ace 「月華抄」
これは「月がモチーフになっているけど月がメインではない」くくりとして。言及はものすごく少ないけれど詩にも音楽にも確かにそこにある月の光。むしろ月光というのはそういう存在感であるイメージもありますね。その少ない言及の歌詞の中にもやっぱり他の曲の月と共通する優しさ、守るような性質、そっとそこに輝いて照らしている性質があったり。どうしても月の輝く夜に聴きたくなる曲なんです。
月を音楽で表現するときってこうやって曲をリストしてみるとなんとなく共通点が見えてきますね。まず音が全体的に少なかったり、調も比較的♯♭が少ない調が多い・・・かな?(ト長調がちょっと多いかも)それから和音(4度とか響きがオープンになる和音がよく使われる)、和音の移り変わり、そして音のアタックで月の光の性質を表現してみたり。楽器で言うと音色の透明さを求めて弦のハーモニクス(クラム)、クラリネット、アコースティックギターなどが好まれたり。
色々みてみると面白いですね。
明日はできたら鴨ラーメンとジェラート食べに行きたいので(笑)天気もいいはずなのでちょっと遅れたながら月を見たいです。満月じゃなくても晴れてたら綺麗に見えることには変わりないですし、明日もまだそんなには形は変わってない・・・はず。
今日の一曲はお休みです。
PR