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前回のエントリーに拍手ありがとうございます。
まずはリサイタルが1週間後にせまったのでお知らせから:
さて、もうあと1週間、といってもそればっかり考えてるわけにもいかないです。ほどよく他のことにも頭を使ったり。
そんなところにtwitterのフォロー先さんが黄昏・夕暮れ周りでつぶやいてらっしゃったので大々的に便乗して黄昏イメージの曲を選んでみました。
今回なるべくフォロー先さんのこれまでの黄昏関係の絵やつぶやきにならって、と言うのが正確か分からないのですがしみじみする夕暮れ、よりも突き刺さるような夕暮れのイメージを求めてチョイスしました。
その結果なぜか普段言及の少ない自分にとって秘蔵のガチで大事な曲が数多く入ったりもしました。
ということで10曲どうぞ。
1) フランツ・シューベルト 交響曲第7番「未完成」 第2楽章
黄昏、といえばまずはこれ。穏やかながらも心に刺さる、美しい曲です。この余韻をずっと味わっていられるのの幸せは「これ未完成で全然いいよ!」と思わせますね。耳が痛くなるほどの静けさ、という表現がありますがそれにぴったり。動いていない中で変わっている、穏やかさの中にある緊張。季節はきっと冬~春かな。水色の空が淡く黄色に、オレンジになっていく様子。
2) ドミトリ・ショスタコーヴィチ 交響曲第14番 第4楽章「自殺」
禍々しい、空が血の色に染まる夕暮れのイメージ。実際の詩が夕方を表している、とも取れなくはないんですよね。自殺者の体に生える百合が日光を浴びて赤く見える、というような描写があるので。先ほどのシューベルトと比べると表す感情も全然違えば空の色もかなり違います。とにかく暗い雲で映えるこの紅の色がどぎつくて温度とか季節とかが想像できないくらいなイメージがあります。
3) レイフ・ヴォーン=ウィリアムス 交響曲第5番 第1楽章
自分にとって伝家の宝刀、というか特別さではトップランクの曲。交響曲の一番最初の楽章だけれどこれ一つで一つの世界ができちゃうくらいです。自然を感じる、広い空の色の変化と流れる時間を感じる曲で、とくにクライマックスが!もう!聞き流すのではなくじっくり集中して聴いて欲しいと思います。人里から離れたところで雲が流れて、優しい風が吹く春~夏の夕のイメージ。
4) ジョン・アイアランド ダウンランド組曲 第3楽章
一つ前のヴォーン=ウィリアムスもそうですがイギリス音楽は特に夕暮れが得意ですね。独特のノスタルジーだったり、光の加減だったり、なかなか他の国の音楽では見つからないものいっぱい。この曲は金管アンサンブルのための曲なのですが、イングリッシュ・ブラスの柔らかい丸い音色が表すのは夕暮れの空の色というよりは黄昏時の人の心なのかも。あえていうなら秋の色鮮やかな夕陽かな。
5) オリヴィエ・メシアン 8つの前奏曲 第6楽章「苦悩の鐘と別れの涙」
これはちょっとだけ変化球かな。フォーカスはなにより「ずっとこの黄昏を感じていたい」と、刹那とも言える短い時間にしがみつくような感覚(苦悩と別れですから)。もうメシアンの黄金の永遠ですねー。長く感じるけれど、愛しい長さ。ずっと西の空を見つめているような。後半の下降和音が特に黄昏を思わせます。温度とかは忘れるような、ひたすら黄金色の時間。
6) ジョージ・クラム 「いにしえの子どもの声」 第4楽章「Todas las Tardes~」、第5楽章「Se ha Llendo~」
どっちかに絞るべきだったのは承知です(この2つの楽章の間にはさまれてる楽章もありますし)が、どちらもこのテーマにふさわしい、実際に日暮れを見ながら聴いてものすごい一致感を感じた曲です。どちらも人間の時間の流れと世界・自然の時間の流れにどれだけ差があるか感じながら、暮れていく日に人の命を思うような。トイピアノの音色やオーボエ、鐘の音が特に響きます。赤く染まった太陽自体が入っている絵。
7) Andy Statman 「Flatbush Waltz」
クレズマーから一曲。クレズマーに限らずヘブライ系の音楽もまた夕方を連想させることが多いですね。でもイギリス音楽よりも切ないエレメントが強い、というか。泣くようなバイオリンだったり、ちょっと甘いギターの繰り返し音だったり、どうしても弱いんですよ、こういうのに。夕方に聴くにふさわしい音楽ですし、夕方に弾くのが似合う曲(だから風景には人間が入る)。重くはない、繊細な曲で、ピンポイントで琴線に触れます。
8) たま 「らんちう」
これまで紹介した夕暮れのどれともかなり性質が違う曲ですね。なんといっても知久さんはものすごく強烈な夕暮れを書きます!色のビビッドさ、あの時間帯独特の切なさ、一種のまがまがしさ、全て網羅している。夕暮れの赤は金魚の赤、という連想もありますが、この独特な情景は最後の部分の歌詞の描写がすごいですね。とにかく濃い。圧倒されるような色と感情です。
9) 聖飢魔II 「Crimson Red」
聖飢魔IIの楽曲のなかでもものすごい好きでほとんど聴かない部類に入るのですが、今日ちょっと夕方久しぶりに聴いて再確認したところです。なんというか、ぐさぐさ来る黄昏の描写ですね。音楽の強烈さ、切なさもそうなのですが歌詞がまた素晴らしい。燃えますね。人間の心が。メルボルンの夏の夕暮れ(それこそ9時とかに日が沈む)ときのあの温度と光の強さがぴったりですが、同時に冬の身を切る冷たさに映える夕暮れにも合いますね。
10) face to ace 「灯」
上記にちょっとにた強烈さ、痛みを感じるような赤い夕方。初めて聴いたとき以来、消えていく光を思うようなイメージがこの曲にはずっとあります。切ないエレメントはかなり強いです。柔らかいキーボードの音と激しいエレキギターのコントラストといい。強さと儚さと光と闇と。今回紹介した他の曲よりももっと夜に近く、秋~冬の黄昏。
キーポイントはやっぱり空の色が変わる、時間の流れを感じる、一日が終わる=太陽が死んでいく、光が失われる、それから独特の切なさだったり寂しさだったり、あたりかな。音楽的に重要になるのが「空の色が変わる」部分で、これは和音進行やハーモニー、キーの変化などで表されているので、音楽のなかでもハーモニーの変化に耳を澄ませて聴いて欲しいと思います(このトピックだけじゃなくいつも言ってることですが)。
今日の一曲は今日はお休みです。(メモ:リサイタルプログラムからはあと2曲)
まずはリサイタルが1週間後にせまったのでお知らせから:
日時: 9月22日(土) 14:30~
場所: Richmond Uniting Church、メルボルン
プログラム:
ヨハン・セバスチャン・バッハ トッカータ ホ短調
エイトル・ヴィラ=ロボス 「ブラジル風バッハ第4番」より
第2楽章 コラール(藪の歌)
第3楽章 アリア(賛歌)
オリヴィエ・メシアン 「幼子に注ぐ20のまなざし」より
第11番 聖母の最初の聖体拝受
第7番 十字架のまなざし
第14番 天使達のまなざし
第5番 子に注ぐ子のまなざし
アレクサンドル・スクリャービン 「炎に向かって」
さて、もうあと1週間、といってもそればっかり考えてるわけにもいかないです。ほどよく他のことにも頭を使ったり。
そんなところにtwitterのフォロー先さんが黄昏・夕暮れ周りでつぶやいてらっしゃったので大々的に便乗して黄昏イメージの曲を選んでみました。
今回なるべくフォロー先さんのこれまでの黄昏関係の絵やつぶやきにならって、と言うのが正確か分からないのですがしみじみする夕暮れ、よりも突き刺さるような夕暮れのイメージを求めてチョイスしました。
その結果なぜか普段言及の少ない自分にとって秘蔵のガチで大事な曲が数多く入ったりもしました。
ということで10曲どうぞ。
1) フランツ・シューベルト 交響曲第7番「未完成」 第2楽章
黄昏、といえばまずはこれ。穏やかながらも心に刺さる、美しい曲です。この余韻をずっと味わっていられるのの幸せは「これ未完成で全然いいよ!」と思わせますね。耳が痛くなるほどの静けさ、という表現がありますがそれにぴったり。動いていない中で変わっている、穏やかさの中にある緊張。季節はきっと冬~春かな。水色の空が淡く黄色に、オレンジになっていく様子。
2) ドミトリ・ショスタコーヴィチ 交響曲第14番 第4楽章「自殺」
禍々しい、空が血の色に染まる夕暮れのイメージ。実際の詩が夕方を表している、とも取れなくはないんですよね。自殺者の体に生える百合が日光を浴びて赤く見える、というような描写があるので。先ほどのシューベルトと比べると表す感情も全然違えば空の色もかなり違います。とにかく暗い雲で映えるこの紅の色がどぎつくて温度とか季節とかが想像できないくらいなイメージがあります。
3) レイフ・ヴォーン=ウィリアムス 交響曲第5番 第1楽章
自分にとって伝家の宝刀、というか特別さではトップランクの曲。交響曲の一番最初の楽章だけれどこれ一つで一つの世界ができちゃうくらいです。自然を感じる、広い空の色の変化と流れる時間を感じる曲で、とくにクライマックスが!もう!聞き流すのではなくじっくり集中して聴いて欲しいと思います。人里から離れたところで雲が流れて、優しい風が吹く春~夏の夕のイメージ。
4) ジョン・アイアランド ダウンランド組曲 第3楽章
一つ前のヴォーン=ウィリアムスもそうですがイギリス音楽は特に夕暮れが得意ですね。独特のノスタルジーだったり、光の加減だったり、なかなか他の国の音楽では見つからないものいっぱい。この曲は金管アンサンブルのための曲なのですが、イングリッシュ・ブラスの柔らかい丸い音色が表すのは夕暮れの空の色というよりは黄昏時の人の心なのかも。あえていうなら秋の色鮮やかな夕陽かな。
5) オリヴィエ・メシアン 8つの前奏曲 第6楽章「苦悩の鐘と別れの涙」
これはちょっとだけ変化球かな。フォーカスはなにより「ずっとこの黄昏を感じていたい」と、刹那とも言える短い時間にしがみつくような感覚(苦悩と別れですから)。もうメシアンの黄金の永遠ですねー。長く感じるけれど、愛しい長さ。ずっと西の空を見つめているような。後半の下降和音が特に黄昏を思わせます。温度とかは忘れるような、ひたすら黄金色の時間。
6) ジョージ・クラム 「いにしえの子どもの声」 第4楽章「Todas las Tardes~」、第5楽章「Se ha Llendo~」
どっちかに絞るべきだったのは承知です(この2つの楽章の間にはさまれてる楽章もありますし)が、どちらもこのテーマにふさわしい、実際に日暮れを見ながら聴いてものすごい一致感を感じた曲です。どちらも人間の時間の流れと世界・自然の時間の流れにどれだけ差があるか感じながら、暮れていく日に人の命を思うような。トイピアノの音色やオーボエ、鐘の音が特に響きます。赤く染まった太陽自体が入っている絵。
7) Andy Statman 「Flatbush Waltz」
クレズマーから一曲。クレズマーに限らずヘブライ系の音楽もまた夕方を連想させることが多いですね。でもイギリス音楽よりも切ないエレメントが強い、というか。泣くようなバイオリンだったり、ちょっと甘いギターの繰り返し音だったり、どうしても弱いんですよ、こういうのに。夕方に聴くにふさわしい音楽ですし、夕方に弾くのが似合う曲(だから風景には人間が入る)。重くはない、繊細な曲で、ピンポイントで琴線に触れます。
8) たま 「らんちう」
これまで紹介した夕暮れのどれともかなり性質が違う曲ですね。なんといっても知久さんはものすごく強烈な夕暮れを書きます!色のビビッドさ、あの時間帯独特の切なさ、一種のまがまがしさ、全て網羅している。夕暮れの赤は金魚の赤、という連想もありますが、この独特な情景は最後の部分の歌詞の描写がすごいですね。とにかく濃い。圧倒されるような色と感情です。
9) 聖飢魔II 「Crimson Red」
聖飢魔IIの楽曲のなかでもものすごい好きでほとんど聴かない部類に入るのですが、今日ちょっと夕方久しぶりに聴いて再確認したところです。なんというか、ぐさぐさ来る黄昏の描写ですね。音楽の強烈さ、切なさもそうなのですが歌詞がまた素晴らしい。燃えますね。人間の心が。メルボルンの夏の夕暮れ(それこそ9時とかに日が沈む)ときのあの温度と光の強さがぴったりですが、同時に冬の身を切る冷たさに映える夕暮れにも合いますね。
10) face to ace 「灯」
上記にちょっとにた強烈さ、痛みを感じるような赤い夕方。初めて聴いたとき以来、消えていく光を思うようなイメージがこの曲にはずっとあります。切ないエレメントはかなり強いです。柔らかいキーボードの音と激しいエレキギターのコントラストといい。強さと儚さと光と闇と。今回紹介した他の曲よりももっと夜に近く、秋~冬の黄昏。
キーポイントはやっぱり空の色が変わる、時間の流れを感じる、一日が終わる=太陽が死んでいく、光が失われる、それから独特の切なさだったり寂しさだったり、あたりかな。音楽的に重要になるのが「空の色が変わる」部分で、これは和音進行やハーモニー、キーの変化などで表されているので、音楽のなかでもハーモニーの変化に耳を澄ませて聴いて欲しいと思います(このトピックだけじゃなくいつも言ってることですが)。
今日の一曲は今日はお休みです。(メモ:リサイタルプログラムからはあと2曲)
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