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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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Medical Mayhem
昨日の怪我の話の続き・・・なようなそうでないような。

どんなに健康にしていても(私の場合そういうケースではないのですが)お医者さんにお世話になることはちょくちょくあります。
日本の医療というものはほとんど覚えていないんですけど(鬱になったのはこっちに来てから少したったときのことだったので)、こちらではいろいろとオーストラリアの医療制度というものにたびたび救われてきました。
今こうやって自分でいろいろと管理する身になって冷静に見てみるとなかなか面白いんですよね。

保険制度は医療事務のコースで少しやったんですけど、国の保険(オーストラリア人+永住者加入)Medicareがあって、それで入院費・外来・薬がある程度カバーされて、プラス他の保険で残りをカバーしたり・・・となってますが復習なしで詳しく語るのはいけないので先に復習させてください(汗)

こっちで具合が悪くなるとまずかかりつけの一般開業医、GPに行きます。(目、歯以外・・・だったかな)
口コミで聞いたり、電話帳で近くの開業医を探したりして予約をとり、かかりつけのお医者さんを決めます。かかりつけのお医者さんは変えることもできます。実際私は自分のGPと都合のいい時間にアポがとれなかったり、産休だったりして最近同じクリニックの別のお医者さんに診てもらったりもしてます。

で、GPでとりあえず診てもらってそこで問題がわかって薬で治るようだったら薬を処方してもらい(→薬局で薬を買い)、そうでなければ専門医へ照会状を書いてもらい、専門医のところに行ったりします。

メンタル的なこともまずGPに行った覚えがあります。
そこでPsychologist(臨床心理士)への照会状を書いてもらい。Psychologistにて診断を受け、カウンセリング・心理療法を受けた後、もっと生物学的な内因があってさらなる診断および薬による治療が必要だと判断されたらPsychiatrist,つまり精神医への照会を書いてもらい、そこで初めて薬による治療の可能性を探っていきます。

まずは心因的な治療を、という方針ですね。たとえ生物学的な内因があったとしてもそれを食い止める治療は心理療法で可能ということもありますし、それに家族療法などで周りの環境を整えることもあります。
いきなり精神医にかかりつけになって薬による治療、というよりは本人にも周りにとってもワンクッションとなりますし。
まずGPに、というのも精神疾患に関して助けを求めるのに敷居が高くなくていいのかもしれませんし。

さて、病院ですが、これは基本的に緊急時、または入院時のためのものです。病院にいったといったらたいていおおごとなイメージです。
Public Hospitalでの入院費は保険でカバーされていますが、待ち時間が生じる場合があり。
Private Hospitalでの入院費は保険でカバーされない場合も多いですが、待ち時間は少ないです。それに個室というオプションもあったり。
例えば昨日の手を切った怪我の場合のように夜GPのクリニックが開いていない場合は病院の救急外来に行ったりもします。

私が入院した精神病院はPrivate Hospitalで、基本的には精神疾患はPrivate Hospitalの方がいろいろといいらしいです。ECT治療はあそこの病院を含む少数の病院でしか受けられませんし、確かあそこの病院のみ外来でECTが受けれるんだとか。
ちなみに私の精神医がその病院をベースとしているので(結構えらいポジションだとか・・・若いんですけどすごい人です。)それで入院はそこ、と半自動的に決まってます。いい治療を受けれるから満足。

これは医療全般にいえることなんですけど、セカンド;オピニオンのシステムもこっちはしっかりしてますね。
うちの(?)精神病院はたくさん精神医がそろっていてネットワークがすごいので別のお医者さんの意見も聞いてみよう、と自発的に、またはお医者さんがそういってセカンド・オピニオンにつながることも多いです。

精神医療、についてはこれもまた復習やいろいろ思い出すことが必要な上、気をつけないと入院生活で楽しかったことの話になってしまうので(苦笑)また今度じっくり取り組みたいです。

さて、先ほどの薬の処方のことですが、だいたいお医者さんとアポをとって処方箋を書いてもらうことが基本ですが、たまに!緊急時には(つまり薬がなくなってしまった!というときなど)電話でその旨を伝えてお医者さんと直接話し、処方箋を送ってもらう、ということも・・・あったりします。(たまに忘れるんです。最近アポとアポの間の期間が長いので)

それにしてもGPってやっぱりすごいです。
まずはみんなの窓口なのでいろんな疾患やその対応についてひととおり知ってなくちゃいけませんから。

ちなみにメルボルン大学の医学コースでは専攻として例えば精神医学、歯科学、外科、そしてGP専攻もあります。やっぱり一番需要高いですしね。私の友達が一人GP専攻してます。

自分はオーストラリアの医療制度を高く評価しています。保険からメンタルヘルスケア、そしてGP制度まで。
ただここで話したことはだいたい都市部のことで、地方にはまだまだ行き届いていないというのが現実です。医師不足の問題は都心部では目立ちませんが地方ではかなり絶望的だったり。
だから医学部ではローテーションの一部として地方の病院で働いたりすることもやっていますね。

それで思い出しましたが数年前そのGP専攻の友達が私たちのすんでる近くの、というか病院としては一番近くのところの分娩室で研修を一年することになって、「妊娠するなとは言わないけど産むときは別の病院にして!」と言ってました(笑)たしかに気まずいですよね。

健康に越したことはありませんが、テタニーの予防接種も今年~来年中に済ませなくちゃいけませんし、いろいろ他にもあったりなかったりするので恵まれた医療制度の恩恵を賢く受けていきたいと思います。

精神医療・・・はどうしましょう。とりあえず今話したいことは:
1)病院での治療プログラム
2)ECT治療
3)精神医という人たちについて
・・・などですが。
別に全然プロフェッショナルじゃないですけど一応経験者として素人なりにたくさんのことを適切に伝えたいと思っています。

そしていつか素人から一歩踏み出すことを願って。


今日の一曲: 日本民謡 「知覧節」



ヨーヨー・マのチェロと打楽器アンサンブルによるアレンジの「知覧節」です。

ヨーヨー・マはクラシックでもかなり高レベルの奏者で、室内楽なんかでも彼のすばらしさは見られますが、さまざまな民俗音楽をも得意としています。
変にクラシック化しすぎない(と私は思うんですが)彼の演奏スタイルが好きです。

このCDには「さくら」や「ずいずいずっころばし」などのオリジナルアレンジが入っていて、そのなかでこの「知覧節」は一番最後に入っています。

知覧節は九州は鹿児島の民謡。
元を知らないのでどれくらい原型が残っているのか私にはわかりませんが、他の曲から察するにメロディーはそのまま残っているのではないかと。

日本の音楽ってどのジャンルにしてもメロディーにずいぶん重きを置いている気がしますね。西洋音楽と比べてもそれは顕著だと私は思います。
特にオーストラリアの音楽はクラシックも民族音楽もものすごくリズム中心で。
知覧節はそんなメロディーに日本独特の艶があるような気がします。

チェロの音もなんとなくマッチして。
ヨーヨー・マならではの文化適応だと思います。

日本生まれとはいえあくまでも外国人としての私からみた意見なので日本の方がこのCDを聞いてどう思うかまったくわかりませんが、日本民謡の1つの形として日本の方にこれを聞いてもらうことを願っています。


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