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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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新しい曲達&The Everleigh
前回のエントリーに拍手ありがとうございます!
リサイタルが終わって1週間、新しく弾き始める曲が決まり、本格的な練習が始まりました。
ピアノで曲を弾くこと、弾けることも楽しいですが「弾けない」状態、試行錯誤・暗中模索しているプロセスもものすごく楽しいので今はそれを満喫しています。(そしてもちろん技巧的な部分が固まって解釈を試したり探ったりするのも楽しい!)
そして今弾くことが固まった曲はこんな感じ:

メシアン 「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」 第13番「ノエル」
メシアン 「鳥のカタログ」 第3楽章「イソヒヨドリ」
ラヴェル 「水の戯れ」
ドビュッシー 「映像」第2集 「金色の魚」

どれもまっさら新しい、初めて弾く曲です。フランス音楽ばっかり!
イソヒヨドリも待ち遠しかったです。ちょっと長い曲だけど楽しく弾き進めています。
そしてメシアンは2曲。鳥カタを弾きながらまなざしも進めないと(まなざしの)ペース的に厳しいかな、と。20歳の時から弾き続けている20のまなざし、この第13番を弾いたらあと3つ!・・・なのですがその3つが長くてでかくて難しいのです。どれくらい時間がかかるのか見当もつかない。

そしてドビュッシー、映像の第1集・第2集それぞれから1曲ずつが未履修で、ついこないだまでどちらを弾こうか迷ってたのですがリサイタルが終わって数日後にどうしても「金色の魚」が弾きたくなって。素直に心に従うことにしました。
ついでながら「イソヒヨドリ」のちょっと東洋風な雰囲気があるところに「映像」の第2集の第2,3楽章の東洋モチーフは相性がよさそう。

冬の間恋しかったラヴェルですが、「水の戯れ」を弾く予定はありませんでした。そんなにラヴェルの曲のなかだと好きな曲ではないのですが、「水」をテーマにリサイタルを組むに当たってやっぱり外せない曲ですし、なんとなくしっくりくるものがあったのでいい機会だと思って弾くことにしました。
こういうきっかけでもなかったらなかなか弾いてなかったと思うのでこれも縁だと思って大事にしたいです。

もちろんこれからも前弾いた曲・新しい曲ちょこちょこレパートリーに組み入れていきますが、とりあえずはこれくらいがちょうどいいかな。

そして話は変わり。
木曜日に友達からちょっと良さげなバーを紹介してもらいました。
Fitzroyの南側、Gertrude StreetにあるThe Everleighというバー。
別のレストラン?の上の階にあるバーで、いわゆる「隠れ家的」なバーです(実際に隠れ家括りなんですって)。
立ち飲みスタイルは全くなしで、フロントで席に案内されてテーブルで注文するスタイル。
そしてトイレとかにちょっとお客さんに対して酔って暴れないようにとか注意書きが書いてあったりするようなところ。
要するにちょっとおしゃれなバーなんです。

友達によるとThe Everleighのすごいところというか目玉というかはカクテルリストの最後にある「Bartender's Choice」。注文を聞いてくれるお姉さんがお客さんの好みを聞いてそこからバーテンダーがそれに合ったカクテルを作ってくれる、というメニューです。
今回5人で行って、みんなそれで頼んだのですがメモもとらなくて覚えててすごい!(きっとお姉さんが注文を聞いた時点で決めてるんじゃないかな)
私のカクテルはMonkey's glandに近いジンベース、アブサンちょびっと+ザクロシロップ+ちょろっとレモンのカクテルでした。注文はアブサンが好き、柑橘系が好き、というのでその後「ジンとかラムは好き?」(ラムはだめ)→「甘い方が良い?酸っぱい方が良い?」(甘い方)など聞かれた結果。酸っぱい方だったらどうなってたんだろう。

そのBartender's Choiceシステムはもちろんですが、座って落ち着いて飲める、他の客が絡んでこない&酔っ払った客が転がり込んでこない、などの性質から一人飲みにも良さそうです。行きたい。
そして私は飲まないものですがスカッチのリストがものすごく長かった。産地別にリストしてあったり。なのでスカッチ好きにもお薦めです。

色々メルボルンで食べるところとか飲むところとか着実に増やせて最近なんか嬉しいです。
これからの季節はまたrooftop bar系統もいくつか行けると良いな。あとアブサン。


今日の一曲: Brett Dean 12人のチェロのための「Twelve Angry Men」

(米AmazonのCD、試聴あり)

こないだABC Shopで買ったオーストラリア音楽のCDからまず一つ。
以前書きましたがチェロは音域の広さや器用さ、響きの豊かさなどから同じ楽器をあつめて弾くことでオケにも匹敵するほどのスケール、複雑さのアンサンブルになります。
一般的に人数は複数で、例えばヴィラ=ロボスのブラジル風バッハ第1番、第5番では8人のチェリストがアンサンブルで弾くよう書かれています。

この Brett Deanの作品はそれをさらに上回る12人!
オケでは大体12人チェロが居たらいい感じのサイズのセクションですが、チェロアンサンブルでは各々が違うパートを弾きます。さらにステージの上では半円を描く様に陣取るのですが、チェロという楽器は前後左右に大きなスペースを必要する楽器なのでかなりお互い離れて座らなきゃいけない。
それにもちろん実用的な、というかリハーサル場所・時間などの問題も出てきますし、人間関係の問題も生じたり。

そんな12人のチェロが奏でるTwelve Angry Men。
タイトルからしてなんかチェロにぴったりですね。楽器と性格のエントリーでも書いたような激情型でがんこな性格だったり、楽器の音がかなり荒々しくできること(インドの虎狩り?)だったり、それからチェロって本当に物理的に弓を「ぶつける」アクションが可能で、それが似合うのもあり。

でも最初の音から容赦なく激しい音を投げ合いながら、お互いの音を注意深く聴いて(アンサンブルですから)、冷静に全体の音楽を見渡しているのも、音のまっすぐさや濃さ、そしてその音の絡み合いの緻密さもまたチェロっぽい。

ちょっと聞きにくい音楽ではありますがBrett Deanの音楽の魅力の一部を濃く表していると思いますし、なんといってもチェロって綺麗なだけじゃない、こんな激しくてこんなパワフルな面もあるんだぞ、チェロってすごい楽器なんだぞ、というのが分かる作品なのでちょろっと聞いてみてください。
それからこれも聞きやすいとは言えないのですがDean自身が演奏する楽器であるビオラ作品(Intimate Decisions、ビオラ協奏曲)も同じCDに収録されていて、こちらもこのホームグラウンドである楽器のMasteryが存分に体感できる名曲として、ビオラのための素晴らしいレパートリーとしておすすめです。

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