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前回のエントリーに拍手ありがとうございます~
今日はドクター(精神科医)のアポに行って来たのですがドクターの部屋の本棚にこないだ紹介したTouched with Fireが置いてありました。なんか嬉しい(どうしてかは分からないけれど)。ついでに他に何があったかちゃんと見てくればよかったー。
今ちょっと悩んでる真夜中の軽躁と睡眠サイクルのずれによる寝付きの悪さに関して新しいタイプの対処というか薬を処方されたのですが一日のリズムに関しても含めて次回書けたらいいなーと思ってます。とりあえず今夜薬飲んだりしてから。
今日は海にまつわる曲を10曲集めてみました。
海といっても内海、外海、大海原、色々あります。作曲家を山派・海派に分けるとイギリスやフランスの作曲家に海派が多いような印象がありますが、他にもギリシャ神話モチーフの曲にも海が題材のものがちょこちょこあります。
なるべく色んな国の作曲家で、色んな海と色んな表現方法をカバーしようとしてみました。どうぞ。
1) クロード・ドビュッシー 「海」 第1楽章「海の夜明けから真昼まで」
いきなり来ました。海が得意な作曲家といえばまずドビュッシーだと思います。海をモチーフにしている曲も色々ありますし、モチーフにしてなくても景色に入ってたりもする。そんな中でこの「海」の第1楽章は海の様子、色、そして受ける光が時間と共に変わり、海が表情を変えていくのをものすごく鮮やかに描きます。メルボルンではSandringham行きの電車に乗って、Brighton Beach過ぎで電車から見える穏やかな海にいつもこの曲を思います。
2) ニコライ・リムスキー=コルサコフ 「シェヘラザード」 第1楽章「海とシンドバッドの船」
海を描いた大曲といえばシェヘラザードも有名ですね。これはアラビア辺りの海が舞台になっています。何よりも「まだ誰も行ったことのない未知の世界」という特徴が強い海です。主に弦楽器と木管楽器によって奏でられるうねる波の音型だったり風のような音型だったり、とにかく果てしなく広がるような感じですね。運んでくれる「味方」の海だけれど、同時に立ちふさがる障害でもある危険な海。
3) ベンジャミン・ブリテン 「ピーター・グライムズ」より「4つの海の間奏曲」 第1楽章「夜明け」
海を舞台にした、今度はオペラです。こちらはイギリスの海なのでなんだか空が灰色なイメージですね。「4つの海の間奏曲」の名の通り4曲あるうち第1楽章を選んだ理由はその「近さ」にあると思います。風もほとんどない夜明けに穏やかな波がもうすぐ足下に打ち寄せているような、そんな感覚。勝手知ったというか、ものすごく親しい感があるのですよね。でもこの海の穏やかさは「嵐の前の静けさ」みたいな感覚もあります。
4) カロル・シマノフスキ 「メトープ」 第2楽章「カリュプソー」
これも全曲が海にまつわる曲集。ギリシャ神話の「オデュッセイア」の女性キャラクターを各楽章のモチーフにしたピアノ曲です。その中でも「カリュプソー」は海の描写に主人公の心象が現れているところが好きです。海は今オデュッセウスをカリュプソーの島にとどめているけれど、いつの日かオデュッセウスは故郷へ帰り、海は二人を隔てるものとなってしまう・・・みたいな、波と共に揺れ動く女心が素敵な一曲。
5) モーリス・ラヴェル 「鏡」より「洋上の小舟」
水の描写だったらラヴェルもピカイチです。ピアノの上を縦横に駆け巡るアルペジオ(分散和音)で波のうねりを表します。でも書かれている音だけじゃなくて弾く時のニュアンスもこの波の表現には大事で、技巧・表現両面で結構難しい曲なのです(汗)ラヴェルの表現って「コロンブスの卵」なとこがあって、当たり前のようだけどものすごく新しくて天才的な表現がこの曲の随所に見られます。ハーモニーの変化が何よりも素晴らしい!
6) オットリーノ・レスピーギ 「ボッティチェッリの3枚の絵」 第3楽章「ヴィーナスの誕生」
元になった絵は有名なので大体想像はつくと思います。レスピーギの表現も一つ前のラヴェルと同じくシンプルに映るところがあって、最初にバイオリンが弾くリズムパターンでしっかり穏やかな海の絵ができちゃうのがなんだかすごい。で、小さめのオケで奏でる柔らかい色彩がまた元の絵に忠実で(これも言えばものすごくシンプルでストレートな表現だなあ)。本当に「絵のような」美しさを持った曲です。
7) オリヴィエ・メシアン 「鳥のカタログ」 第3楽章「イソヒヨドリ」
「鳥のカタログ」には3つほど海の周りを中心に書かれている曲がありますが、今回はこれをチョイス。今弾いているから、というのとあと一番好きな「ダイシャクシギ」を語り始めたらここでは足りないので(汗)フランス南部の荒々しい岩に覆われた崖が舞台で、その激しくぶつかる波がイソヒヨドリの鳴き声の女性的なのとコントラストになっていたり、そして海の青とイソヒヨドリの青がコントラストになっていたり、パワフルさと繊細さが同居するメシアンらしい曲です。
8) ジョージ・クラム 「鯨の声」 第3変奏「中生代」
クラムの作品の中でも数少ない(唯一)海モチーフの曲。ザトウクジラの声のテープを聞いたことが作曲のきっかけになったこの曲は、生命の誕生から人間の出現まで長い長い海の歴史をたどります。中生代は恐竜が繁栄した時代。鱗と牙を持った生物たちが地上だけでなく海の中でものさばっていて、この曲もかなりダイナミックな曲調です。ピアノの特殊奏法の金属的な音や5連符のモチーフが特にかっこいい!(他の楽章も素晴らしいですよー特に最終楽章に「ゲド戦記」の第3作の最果ての海を思います。)
9) 武満徹 「夢の引用 ―Say sea, take me!―」
この曲ではちょっと違うタイプの海をイメージします。先ほど紹介しましたドビュッシーの「海」がところどころに引用されているこの曲ですが、「夢」というタイトルだったりその引用の現れ方だったり、海のそのものというよりは心理学で見るような無意識の広がりとしての「海」の方がしっくり来る気がします(これはホルストの「惑星」の「海王星」にも言えることだと思います)。触れられるような触れられないような、不思議な深さと広がりを見せる内なる世界です。
10) 「Moments」 (ピアノ伴奏ver.) (アーティスト不明)
今回ほぼクラシックばかりのラインアップとなりましたが、そんな中この曲は自分の「海」のイメージに欠かせないです。ただ問題はこの曲が父が持ってるオーディオチェックのCDに収録されているためアーティスト名も分からないし歌詞もものすごくぼんやりとしていること。ただ全体的な雰囲気から冬の海の寂しさは感じ取れますし、歌詞から聴き取れるキーワードだったり、あとピアノや歌声のフレーズの作り方にものすごく海というか波を感じます。あと空に目を向けるようなサビの部分も好きです。
やっぱり「海」を表現するのに弦楽器の存在は大きいと思います。流れるような、継続した音を出すこと、うねるような音型も4弦に渡る分散和音で表せること、そして弓の力の入り方・音の出し方が波のカーブを表すのにものすごく向いていたり。
シェヘラザードを筆頭に、オケ曲ってどうしてもソロを弾く金管・木管楽器に耳がいくことが多いと思いますが特に海を表す音楽のときは「主人公の周りの海」を描いて支えている弦楽器にも耳を傾けてほしいなあ、と思います。
今日の一曲はおやすみです~
今日はドクター(精神科医)のアポに行って来たのですがドクターの部屋の本棚にこないだ紹介したTouched with Fireが置いてありました。なんか嬉しい(どうしてかは分からないけれど)。ついでに他に何があったかちゃんと見てくればよかったー。
今ちょっと悩んでる真夜中の軽躁と睡眠サイクルのずれによる寝付きの悪さに関して新しいタイプの対処というか薬を処方されたのですが一日のリズムに関しても含めて次回書けたらいいなーと思ってます。とりあえず今夜薬飲んだりしてから。
今日は海にまつわる曲を10曲集めてみました。
海といっても内海、外海、大海原、色々あります。作曲家を山派・海派に分けるとイギリスやフランスの作曲家に海派が多いような印象がありますが、他にもギリシャ神話モチーフの曲にも海が題材のものがちょこちょこあります。
なるべく色んな国の作曲家で、色んな海と色んな表現方法をカバーしようとしてみました。どうぞ。
1) クロード・ドビュッシー 「海」 第1楽章「海の夜明けから真昼まで」
いきなり来ました。海が得意な作曲家といえばまずドビュッシーだと思います。海をモチーフにしている曲も色々ありますし、モチーフにしてなくても景色に入ってたりもする。そんな中でこの「海」の第1楽章は海の様子、色、そして受ける光が時間と共に変わり、海が表情を変えていくのをものすごく鮮やかに描きます。メルボルンではSandringham行きの電車に乗って、Brighton Beach過ぎで電車から見える穏やかな海にいつもこの曲を思います。
2) ニコライ・リムスキー=コルサコフ 「シェヘラザード」 第1楽章「海とシンドバッドの船」
海を描いた大曲といえばシェヘラザードも有名ですね。これはアラビア辺りの海が舞台になっています。何よりも「まだ誰も行ったことのない未知の世界」という特徴が強い海です。主に弦楽器と木管楽器によって奏でられるうねる波の音型だったり風のような音型だったり、とにかく果てしなく広がるような感じですね。運んでくれる「味方」の海だけれど、同時に立ちふさがる障害でもある危険な海。
3) ベンジャミン・ブリテン 「ピーター・グライムズ」より「4つの海の間奏曲」 第1楽章「夜明け」
海を舞台にした、今度はオペラです。こちらはイギリスの海なのでなんだか空が灰色なイメージですね。「4つの海の間奏曲」の名の通り4曲あるうち第1楽章を選んだ理由はその「近さ」にあると思います。風もほとんどない夜明けに穏やかな波がもうすぐ足下に打ち寄せているような、そんな感覚。勝手知ったというか、ものすごく親しい感があるのですよね。でもこの海の穏やかさは「嵐の前の静けさ」みたいな感覚もあります。
4) カロル・シマノフスキ 「メトープ」 第2楽章「カリュプソー」
これも全曲が海にまつわる曲集。ギリシャ神話の「オデュッセイア」の女性キャラクターを各楽章のモチーフにしたピアノ曲です。その中でも「カリュプソー」は海の描写に主人公の心象が現れているところが好きです。海は今オデュッセウスをカリュプソーの島にとどめているけれど、いつの日かオデュッセウスは故郷へ帰り、海は二人を隔てるものとなってしまう・・・みたいな、波と共に揺れ動く女心が素敵な一曲。
5) モーリス・ラヴェル 「鏡」より「洋上の小舟」
水の描写だったらラヴェルもピカイチです。ピアノの上を縦横に駆け巡るアルペジオ(分散和音)で波のうねりを表します。でも書かれている音だけじゃなくて弾く時のニュアンスもこの波の表現には大事で、技巧・表現両面で結構難しい曲なのです(汗)ラヴェルの表現って「コロンブスの卵」なとこがあって、当たり前のようだけどものすごく新しくて天才的な表現がこの曲の随所に見られます。ハーモニーの変化が何よりも素晴らしい!
6) オットリーノ・レスピーギ 「ボッティチェッリの3枚の絵」 第3楽章「ヴィーナスの誕生」
元になった絵は有名なので大体想像はつくと思います。レスピーギの表現も一つ前のラヴェルと同じくシンプルに映るところがあって、最初にバイオリンが弾くリズムパターンでしっかり穏やかな海の絵ができちゃうのがなんだかすごい。で、小さめのオケで奏でる柔らかい色彩がまた元の絵に忠実で(これも言えばものすごくシンプルでストレートな表現だなあ)。本当に「絵のような」美しさを持った曲です。
7) オリヴィエ・メシアン 「鳥のカタログ」 第3楽章「イソヒヨドリ」
「鳥のカタログ」には3つほど海の周りを中心に書かれている曲がありますが、今回はこれをチョイス。今弾いているから、というのとあと一番好きな「ダイシャクシギ」を語り始めたらここでは足りないので(汗)フランス南部の荒々しい岩に覆われた崖が舞台で、その激しくぶつかる波がイソヒヨドリの鳴き声の女性的なのとコントラストになっていたり、そして海の青とイソヒヨドリの青がコントラストになっていたり、パワフルさと繊細さが同居するメシアンらしい曲です。
8) ジョージ・クラム 「鯨の声」 第3変奏「中生代」
クラムの作品の中でも数少ない(唯一)海モチーフの曲。ザトウクジラの声のテープを聞いたことが作曲のきっかけになったこの曲は、生命の誕生から人間の出現まで長い長い海の歴史をたどります。中生代は恐竜が繁栄した時代。鱗と牙を持った生物たちが地上だけでなく海の中でものさばっていて、この曲もかなりダイナミックな曲調です。ピアノの特殊奏法の金属的な音や5連符のモチーフが特にかっこいい!(他の楽章も素晴らしいですよー特に最終楽章に「ゲド戦記」の第3作の最果ての海を思います。)
9) 武満徹 「夢の引用 ―Say sea, take me!―」
この曲ではちょっと違うタイプの海をイメージします。先ほど紹介しましたドビュッシーの「海」がところどころに引用されているこの曲ですが、「夢」というタイトルだったりその引用の現れ方だったり、海のそのものというよりは心理学で見るような無意識の広がりとしての「海」の方がしっくり来る気がします(これはホルストの「惑星」の「海王星」にも言えることだと思います)。触れられるような触れられないような、不思議な深さと広がりを見せる内なる世界です。
10) 「Moments」 (ピアノ伴奏ver.) (アーティスト不明)
今回ほぼクラシックばかりのラインアップとなりましたが、そんな中この曲は自分の「海」のイメージに欠かせないです。ただ問題はこの曲が父が持ってるオーディオチェックのCDに収録されているためアーティスト名も分からないし歌詞もものすごくぼんやりとしていること。ただ全体的な雰囲気から冬の海の寂しさは感じ取れますし、歌詞から聴き取れるキーワードだったり、あとピアノや歌声のフレーズの作り方にものすごく海というか波を感じます。あと空に目を向けるようなサビの部分も好きです。
やっぱり「海」を表現するのに弦楽器の存在は大きいと思います。流れるような、継続した音を出すこと、うねるような音型も4弦に渡る分散和音で表せること、そして弓の力の入り方・音の出し方が波のカーブを表すのにものすごく向いていたり。
シェヘラザードを筆頭に、オケ曲ってどうしてもソロを弾く金管・木管楽器に耳がいくことが多いと思いますが特に海を表す音楽のときは「主人公の周りの海」を描いて支えている弦楽器にも耳を傾けてほしいなあ、と思います。
今日の一曲はおやすみです~
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