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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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キーワード to 音楽: 風にまつわるエトセトラ
前回のエントリーに拍手どうもです~♪
ちょっと更新がまばらになっています。相変わらず仕事と創作に主に頭が向いていて、ピアノは腕の疲れで休みがちで、さらにあんまりしっかり音楽と向き合えてないこの頃(弾くにも聞くにも)。
今日追加の翻訳案件を受けたのですが全体の納期は結果的に延びたことになったので出かけて休むこともできるかな。

そんな中もう春も終わるので四大元素のキーワードto音楽の最後を今回は消化します。
残りは「風」でいいんですよね(汗)風でやっちゃったんでいきなり進めます~

1) Light: プロコフィエフ 10の小品 第7番「前奏曲」
「軽い」の方のLightです。実質重さなんてないので軽いもへったくれもないですし、逆に風が強ければ壁のように重く手応えを感じるものですがとりあえず「風」というエレメントの一般的なイメージと言えば「軽い」ものですね。(風の精霊シルフィードも飛んだり浮いたりしてますしね)いろいろあるなかで鍵盤楽器で弾いているということを忘れるような軽いアルペジオのこの曲かな。「ハープ風な」曲だけどハープよりもまだ軽いです。

2) Fast : ドビュッシー 前奏曲第1集 第3曲「草原を渡る風」
これも割とよくある風のイメージですね。速く駆け巡るイメージ。ドビュッシーの前奏曲は第1集だけで風に関する曲がいくつかあるうちとにかく絶対的なスピード、そして体感的なスピードを重視でこの曲をチョイス。所謂「緩」と「急」のコントラストがその「体感的な」風の速さをぐっと強く感じさせるのですが、それを実行に移すピアニストのタッチの軽快さもすごいのです。

3) Free: ラヴェル 「クープランの墓」より「前奏曲」
Free =「自由」というだけでなくて「解き放たれた」というニュアンスも風のイメージに合うかな、と思いました。この曲はリズムとか音の連なりでいうと自由さは一見少ないながら(ほぼ全部16分音符)、ハーモニーの変化やピアノの鍵盤を縦横無尽に駆け巡る様子や、もっと他の説明できないところで不思議と自由を感じる曲です。

4) Travel: プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番第1楽章
「風」というエレメントでプロコフィエフを連想することってまずないんですが今回2曲プロコフィエフ。例えば船がそうですが風は「旅」を誘うものとして描かれることが多いですね。風に呼ばれて、風を感じてどこかに行きたくなるわくわくがある、必ずしもいつも順調じゃないながらも日常とは違う何かが待ってるのが感じられるような曲だと私は思います。

5) Message: ラフマニノフ 練習曲「音の絵」op. 33-2
風の便り、という言い回しを始め風が「知らせ」であるイメージはいろんなところで見られ、そして天使みたいに「使者」と翼がイメージとしてあったり、それを色々ひっくるめた結果がこの曲のチョイス。風を纏って、羽ばたく翼を持ってメッセージを携え現れた使者のイメージ。気まぐれなようだけどしっかり芯が通ったようなところがあるんですよね。短いながらも魅力的な曲です。

6) Soaring: サン=サーンス 交響曲第3番「オルガン付き」 第1楽章
・・・といってもこの楽章はオルガンなしです。嵐のような激しく暗い音楽の中をメロディーが力強く「飛翔する」みたいで好きなのです。特に最初のメロディーでなく第2主題(でいいのかな)の推進力が良いです。「飛翔」といえばシューマンの作品にそのタイトルの曲があるのですがあえてこちらに。どちらも広い跳躍で上昇するメロディーが特徴的ですね。

7) Intangible: アデス 「Traced Overhead」
四大元素のなかで「風」が他のエレメントと違うところは「触れられない」ところ(火は触れられてはいないけれど熱さを感じます)。触れられないし見えない、実体がない。前々からこの曲は風のイメージがあるのですが(気流的な意味でなんか理がかなってるのかな)、その実体があるようでない、予測不能で掴めない様はやっぱりこれだと思うのです。

8) Escape: ブリッジ 「Miniatures」より「ワルツ」
風というものは常にどこかに「去ってしまう」もので、特に秋と冬のそれは特別な切なさを持っている・・・という特徴からこの曲。ちょっとマイナーな曲で、高校生のときに弾いて以来ブリッジの音楽は手元にちゃんとないのが諸々悔やまれ(もっと知りたい、ブリッジの音楽)。イギリス音楽にあるあの懐かしくて切ない感じが小さい曲ながら濃く現れてていいんですよねー風情があります。

9) Illness: クラム 「マドリガル」第2巻 第3楽章「Caballito Negro」
これまでどの元素でもなるべくネガティブな関連イメージもカバーするよう考えてきましたが今回も風の「病気」を運ぶものという昔からのイメージをちょっと持ってきたり。曲・・・というよりはどっちかというと歌詞であるロルカの詩の方からのイメージですね。黒い馬と冷たい馬、聖書にある最後の審判を思わせる不吉なイメージ。それがスペインの乾いた夜の風に乗ってくる、みたいな。

10) Tornado: スメタナ 「わが祖国」 第3楽章「シャールカ」
風関連の災害(台風とかだと水関連でもあるので純粋に「風」)でとくにドラマチック、というか「竜巻」のパワフルさは映像でみてもすごいですよね。それが音楽で選ぶとなるとものすごく難しかったです。この「シャールカ」もとにかくそのパワフルさ(&パワフルの種類)で選んだものの炎的なイメージもあったりで・・・うーん。ちなみにこの曲には物語があって、要約すると「女を怒らせると怖いぜ-」というのですがそういう意味でもぴったり・・・かも?

11) Emptiness: ブラームス チェロソナタ第1番 第2楽章
前述の通り風は実体がなくて、捕まえようとしても指をすり抜けていくような感覚、「空っぽ」な性質があり。それをブラームス、しかもチェロでイメージしたのはちょっと不思議なチョイスですね(汗)でもこの楽章の民謡的なところがあるメロディーが短くすっと消えてしまったり、ハーモニーがそっけなく変わってしまう感覚は確かにそうだなーと。

12) Whisper: リゲティ 練習曲第12番「入り組み模様」
風が渡っていく音を「囁き」と表現しますが、これを音楽で例えるとしたら本来はオーケストラの弦楽器の集団がふさわしい・・・かと思われますがここもまたピアノの軽いタッチを。軽いだけでなくとってもevenなタッチで作り出されるトレモロのような震える音の繊細さ。はっきりした調に入っていないこと、ハーモニーの変化の微妙さも曲の繊細さを増していますね。


ということで四大元素終わり。実は今年四大元素を巡ってる間もなんとなーく「また季語やりたいなー」とか思ってて。なのでまたやるかもしれません。ただ実際に季語のリストみて出来るかどうか考えたわけじゃないんで分かりませんが。
キーワードto音楽にしても類似の「テーマに合う音楽を出してみる」やつ(くくりの名前未定)にしてもこういう考えの巡らせ方が好きなんです。特定のテーマについて考えを巡らせるにしても、音楽について考えるにしても。
なので半定期的にやりたいなーとは思っているのですが。

で、そういう考えの巡らせ方が好きなので実はキーワードto音楽、次のやつも練ってる途中です。創作周りから派生してちょっと。
四大元素を終わったばかりもあってちょっとやりにくい感は否めないのですが、楽しいには楽しいので近いうちに。


今日の一曲はおやすみです。

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