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ブーゲンビリア、ジャカランダ、キョウチクトウにジャスミンと夏の花が咲き乱れる季節になってきました。
最近日が長くて夕方働いていると8時くらいでもちょっと前の5時くらいの感覚で。「おーもうこんな時間!?」と思うことが多いです。
昨日ブログを更新してるときに妹が帰宅したのですが、なんか面白い本を土産に持って来まして。
Maria da Gandra & maaike van Neckの「World Musical Instruments」という本で、その名の通り世界の楽器の図鑑みたいな本です。こんな本。
表紙にあるような切り絵風の絵で、楽器が開発・発明された時期ごとに年表として表示されています。楽器には番号が振ってあって後ろの索引で名前や種類(音の出し方による分類)などが調べられるようになっています(撥や弓など楽器の付属物も別にまとめて描いて番号がふってあって、メインの楽器のところにそっちの番号も表示されているのはなかなかいいシステムですね)。
ちなみに前書きは色んな言語で書いてあります。
イラストは楽器の相対的なサイズが分かるようになっていて(最初の「楽器」がヒトの声帯なので人間と大きさとの比較もできる)、和太鼓なんかはどーんと1ページ費やしてますし、パイプオルガンはページに収まってなかったり(大きな楽器は全体像を別縮尺で巻末にまとめてあります)。逆に鈴とか小さすぎて分かりにくいものも。
これが面白いんですよねー。色んな国の色んな楽器が見られる、というだけでなく時代と照らし合わせたり、進化の流れや流行も分かりますし。
これこんな時代にもうあったんだ!とかこの時代には金管楽器が色々出てきてるな、とか。
で、やっぱり今では無いような楽器とか、どうみても変な楽器とかあるんですよね。前回の一時帰国で行った浜松博物館に実物があったのも結構たくさんありましたが、実物を見ても変なものは変(笑)
イラストがこうシンプルだから特徴がはっきり分かってインパクトもまた大きいというか。ページをめくって「これ変!変!」と妹に見せること多々。
楽器の種類ってそう無限なわけでも無いんですよね。大体文化圏の中である程度決まった形いくつかに落ち着くというか(ちょっとざっくり言い過ぎかもしれないですけど)。
で、年表をたどっていくと時代が後になってくるとその大体の種類の中で改良・進化していくことが(全く新しい楽器の発明よりも)多くなってくる傾向があるように見えます。
その改良・進化がとにかく面白い。楽器をより良くしようと思ったら例えば音をもっと大きく、響きを良くとか(古代に比べて近代は大きい場で音楽を演奏するようになったため)、音域を広くしようとか、音の質や音色を買えてみようとか、弾きやすくしよう、運びやすくしようとか、色々改良点はあって。
今普通に使われている楽器だって完璧ではないです。ファゴットの指使いの変なのとか、ハープで現代音楽を弾く難しさとか、バイオリンだって弾く姿勢に注意を払わないと怪我に繋がる恐れもありますし。
この図鑑に載っている「変な楽器」もその「より良くしよう」という過程でもう色んな手段を試みたのがものすごく見えるんですよね。
例えば木管楽器のあの複雑なキーのシステムが実現できる前、金管楽器のバルブが作れるような技術がある前には音域を広げようとか、響きを良くしようとか、音を大きくしようとか考えると「管を長くする」という方向を検討しなくちゃいけなくて。
でも管を伸ばすと持つのが難しくなる。アルペンホルンなんか完全に地面に着いてるし(響き的には接触しないほうがもちろん望ましい)、とにかく運びにくいし重い。
だからセルパンみたいにぐにゃぐにゃしたり、ホルンの変わったやつみたいに色んなところでぐるぐる巻いてみたり、結果見た目ものすごく奇妙な楽器が出来てしまうわけです。
(弦楽器だったら共鳴弦といって実際には弾かないけれど共鳴させることで響きを豊かにする弦をいくつも張ったり、胴体の形を変えてみたりとかした結果変な形になる場合が多いです)
それから現代によくある変な楽器は逆に技術の進化によって色んなことが出来るようになったためあんな楽器とこんな楽器を合わせてみようとか形をこんなにしてみようとかそういうケースが多い。
で、そんな試行錯誤がとにかく大変で、作ってる本人はものすごく真剣だったことが分かるのだけれど、そういう試行錯誤も苦労もみんなひっくるめて「変な楽器」ってものすごく笑えるんです。もう面白くて仕方が無い。
そんなこんなでとにかく昨日からページをめくっては楽しくて。妹には感謝です。
変な楽器、色々あって自分のお気に入りは選べないのですが、ぐーぐるさんの画像検索で「instrument serpent」のキーワードで検索するとちょっと面白いかも。
今日の一曲: ルートヴィッヒ・ファン・ベートーヴェン 「エグモント」序曲
本文とは全く関係ないのですが前から紹介したかった曲。最近ちょっとオケ曲が手薄な印象ですしね。
メルボルンに来て学校で楽器が習えることを知り、チェロを6年生で始めて。
小学校のオケではかなり簡単にしたアレンジの曲を弾いていましたが、7年生になって中・高校生のオケになると曲のアレンもちょっと面白い・難しいものになったり、それから原曲そのままで弾くようにもなりました。
その中で生涯初めてちゃんと原曲で弾いた曲がこの「エグモント」序曲でした。
なんというか、ものすごく典型的にベートーヴェンですよね。暗い情熱に、調は「熱情」ソナタと同じヘ短調、そして最後の勝ち誇ったような長調の光。
あと「動き」が良いです。フレーズの流れに勢いがあって、チェロが弾く下降するメロディーとか、描く弧がどこもダイナミック。
この頃のオケってオペラでもそんなに金管が活躍することは少なかったのですが、その代わりといっちゃなんですが木管楽器隊のアンサンブルがすごく好きです。第2主題(長調の和音から始まる)で聞こえる木管楽器が一致団結した音はいいですね。この時代ならではの響き、みたいなところがあって。
ベートーヴェンは数々のオペラの序曲を残してますが「エグモント」はその中でも愛着があります。前述体験もそうですが、やっぱりベートーヴェンは暗いのが性に合いますね。この曲でコンサートを始めるときはどういうプログラムが良いんだろう。
最近ちょっとベートーヴェンの音楽にはそこまで特別なものを感じない時期に来ているようですがそれでも自分にとっては大切な曲です。
最近日が長くて夕方働いていると8時くらいでもちょっと前の5時くらいの感覚で。「おーもうこんな時間!?」と思うことが多いです。
昨日ブログを更新してるときに妹が帰宅したのですが、なんか面白い本を土産に持って来まして。
Maria da Gandra & maaike van Neckの「World Musical Instruments」という本で、その名の通り世界の楽器の図鑑みたいな本です。こんな本。
表紙にあるような切り絵風の絵で、楽器が開発・発明された時期ごとに年表として表示されています。楽器には番号が振ってあって後ろの索引で名前や種類(音の出し方による分類)などが調べられるようになっています(撥や弓など楽器の付属物も別にまとめて描いて番号がふってあって、メインの楽器のところにそっちの番号も表示されているのはなかなかいいシステムですね)。
ちなみに前書きは色んな言語で書いてあります。
イラストは楽器の相対的なサイズが分かるようになっていて(最初の「楽器」がヒトの声帯なので人間と大きさとの比較もできる)、和太鼓なんかはどーんと1ページ費やしてますし、パイプオルガンはページに収まってなかったり(大きな楽器は全体像を別縮尺で巻末にまとめてあります)。逆に鈴とか小さすぎて分かりにくいものも。
これが面白いんですよねー。色んな国の色んな楽器が見られる、というだけでなく時代と照らし合わせたり、進化の流れや流行も分かりますし。
これこんな時代にもうあったんだ!とかこの時代には金管楽器が色々出てきてるな、とか。
で、やっぱり今では無いような楽器とか、どうみても変な楽器とかあるんですよね。前回の一時帰国で行った浜松博物館に実物があったのも結構たくさんありましたが、実物を見ても変なものは変(笑)
イラストがこうシンプルだから特徴がはっきり分かってインパクトもまた大きいというか。ページをめくって「これ変!変!」と妹に見せること多々。
楽器の種類ってそう無限なわけでも無いんですよね。大体文化圏の中である程度決まった形いくつかに落ち着くというか(ちょっとざっくり言い過ぎかもしれないですけど)。
で、年表をたどっていくと時代が後になってくるとその大体の種類の中で改良・進化していくことが(全く新しい楽器の発明よりも)多くなってくる傾向があるように見えます。
その改良・進化がとにかく面白い。楽器をより良くしようと思ったら例えば音をもっと大きく、響きを良くとか(古代に比べて近代は大きい場で音楽を演奏するようになったため)、音域を広くしようとか、音の質や音色を買えてみようとか、弾きやすくしよう、運びやすくしようとか、色々改良点はあって。
今普通に使われている楽器だって完璧ではないです。ファゴットの指使いの変なのとか、ハープで現代音楽を弾く難しさとか、バイオリンだって弾く姿勢に注意を払わないと怪我に繋がる恐れもありますし。
この図鑑に載っている「変な楽器」もその「より良くしよう」という過程でもう色んな手段を試みたのがものすごく見えるんですよね。
例えば木管楽器のあの複雑なキーのシステムが実現できる前、金管楽器のバルブが作れるような技術がある前には音域を広げようとか、響きを良くしようとか、音を大きくしようとか考えると「管を長くする」という方向を検討しなくちゃいけなくて。
でも管を伸ばすと持つのが難しくなる。アルペンホルンなんか完全に地面に着いてるし(響き的には接触しないほうがもちろん望ましい)、とにかく運びにくいし重い。
だからセルパンみたいにぐにゃぐにゃしたり、ホルンの変わったやつみたいに色んなところでぐるぐる巻いてみたり、結果見た目ものすごく奇妙な楽器が出来てしまうわけです。
(弦楽器だったら共鳴弦といって実際には弾かないけれど共鳴させることで響きを豊かにする弦をいくつも張ったり、胴体の形を変えてみたりとかした結果変な形になる場合が多いです)
それから現代によくある変な楽器は逆に技術の進化によって色んなことが出来るようになったためあんな楽器とこんな楽器を合わせてみようとか形をこんなにしてみようとかそういうケースが多い。
で、そんな試行錯誤がとにかく大変で、作ってる本人はものすごく真剣だったことが分かるのだけれど、そういう試行錯誤も苦労もみんなひっくるめて「変な楽器」ってものすごく笑えるんです。もう面白くて仕方が無い。
そんなこんなでとにかく昨日からページをめくっては楽しくて。妹には感謝です。
変な楽器、色々あって自分のお気に入りは選べないのですが、ぐーぐるさんの画像検索で「instrument serpent」のキーワードで検索するとちょっと面白いかも。
今日の一曲: ルートヴィッヒ・ファン・ベートーヴェン 「エグモント」序曲
本文とは全く関係ないのですが前から紹介したかった曲。最近ちょっとオケ曲が手薄な印象ですしね。
メルボルンに来て学校で楽器が習えることを知り、チェロを6年生で始めて。
小学校のオケではかなり簡単にしたアレンジの曲を弾いていましたが、7年生になって中・高校生のオケになると曲のアレンもちょっと面白い・難しいものになったり、それから原曲そのままで弾くようにもなりました。
その中で生涯初めてちゃんと原曲で弾いた曲がこの「エグモント」序曲でした。
なんというか、ものすごく典型的にベートーヴェンですよね。暗い情熱に、調は「熱情」ソナタと同じヘ短調、そして最後の勝ち誇ったような長調の光。
あと「動き」が良いです。フレーズの流れに勢いがあって、チェロが弾く下降するメロディーとか、描く弧がどこもダイナミック。
この頃のオケってオペラでもそんなに金管が活躍することは少なかったのですが、その代わりといっちゃなんですが木管楽器隊のアンサンブルがすごく好きです。第2主題(長調の和音から始まる)で聞こえる木管楽器が一致団結した音はいいですね。この時代ならではの響き、みたいなところがあって。
ベートーヴェンは数々のオペラの序曲を残してますが「エグモント」はその中でも愛着があります。前述体験もそうですが、やっぱりベートーヴェンは暗いのが性に合いますね。この曲でコンサートを始めるときはどういうプログラムが良いんだろう。
最近ちょっとベートーヴェンの音楽にはそこまで特別なものを感じない時期に来ているようですがそれでも自分にとっては大切な曲です。
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