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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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くさかんむりに楽と書いて・・・!?
くさかんむりに楽と書いて薬。
今日はなんかいろいろあっていろいろ考えた結果薬のことを話したいなーと思います。
カテゴリーが「精神関係」になっているのはまあ自分の知識が精神関係の薬に偏っているため例がほとんどそっち系統になる恐れがあるとのことを察してというのと、最後のほうで特に精神関係の薬について話したいことからなのですが、それにかかわらず薬を飲んでいる人、そして飲んでいない人にもいろいろ知っていただきたい話です。

いまや病気には薬、と子供でも認識されるほど病気の治療に頻繁に使われる薬。
薬を飲めば病気が治る、と最近はどうもそれが当たり前のように思われ、薬というものの「価値」が駆るんじられているように思われます。
先ほどことわざ辞典をひいたら「薬人を殺さず薬師人を殺す」ということわざがあり。文面どおり薬が人を殺すんじゃなくてそれを作った人が害を及ぼしているんだ、という風にも取れますが意味合いとしては「薬が害になるのではなくそれを『使う』人により害は起こる」・・・ということなので薬を処方する人にも薬を扱い飲む人にも責任がある、という意味でもあります。

医師側のことを言いますと、医師は処方する量などについては患者の体重からどれくらい、という目安があるのでそこら辺は大きく間違うことは今では少なくなっていますが(副作用はまた別のことなので後ほど)、薬を使うかどうか、というところが今どんな疾患においても考え直されるべきだと思います。
特に精神疾患では日本では薬が簡単に出されすぎだということをよく聞きます。後の話となる副作用のことを考えても処方は慎重にするべきではないかと、素人なりに、いえ患者の視点から思います。

屁理屈っぽい話になりますが、病気になると体がどれだけ変わるか、というのは病気にかかったことのある人誰でもわかると思います。薬はそれを治す、つまり同じだけ体を変えることができるものなのです。
そこのところ最近侮られている気がしてしょうがなく。
それだけ体に影響があるものだから薬を飲む側も薬を飲むことに対してもっと責任感を感じるべきではないかと。
薬の人への作用は人それぞれですが、それでもどういう作用をするべきか、どういう副作用があらわれる可能性があるか、どんな薬や食物と一緒に摂取してはいけないか(お酒で飲むなんてもってのほか、他にグレープフルーツが禁忌としてある薬も何種類かあるそうです)、いつ飲むべきか、などをしっかり把握することが大切です。このためには患者さん向けの添付書類も薬についているはずですし、わからないことはお医者さんに説明してもらうという方法もあります。
それによって薬の効力も変わってきますし、なによりも安全性として・・・こんな症状が起こったら副作用だからなるべく早く医師に相談しなければ、ということも重要ですからね。
そしてお酒やタバコもいわば薬の一種なので、それのみの体への影響はもちろん、他の薬と合わせるとどうなるかというものにもっと認識を持たないと体の安全にかかわりますので。

薬に不信感がある人もいますが、私は自分の今の仕事を始めてから初めて薬の重要性、そして不可欠さを学びました。
薬だけではなく、たとえば食物も同じように体に影響する物質がいろいろと含まれています。が、食物に含まれる成分の量にはある程度育ちなどによりばらつきがあり、どれくらい含まれているかはわかりにくいです。人間の体に影響をおよぼすにはある程度(主に体重によって決まります)の量が必要ですので。
それに調理過程で成分が消失することもありますしね。

治験のプロセスのことを学んでいると「薬九層倍」もある程度は仕方がないと思うんですよ。
人間の体にとって安全で、かつ効果的になるべくポジティブな影響を及ぼすよう何年もかけて、いくつもの試験をして、データを取って。作用は個人個人によって違うということを知っていながらなるべく多くの人に効果があるようにどれだけの取り組みがされているか。
それでも合わない薬があったりするのはまだまだしょうがないことなんだな、というのもよくわかります。

副作用・・・もまたしょうがない部分もあると思います。
体の中であれだけたくさんの組織がある中で、ある1つのことをさせるというのは化学をもっても難しいことで。
特に精神疾患をはじめ脳に影響を与える薬物はそうですね。
脳の複雑さと、そしてその未知さを考えると、そういった薬の作用機序(メカニズム)がわかっていないということもあわせるとそこのエリアの薬の処方や創薬がまだ手探りだということに対してどうのこうの言う気にはなりません。
何回か言ったと思いますが、精神医たちによると精神疾患・・・たとえば鬱を患う人が抗鬱剤を飲むとしてそれがその人にとって効き目があるかどうかは訳60%の確率であるとされ、そして薬を飲むまでどんな風に作用するかはわからない、という。いくつか薬を変えて試してかなり安全で効果的なものを見つけることは化膿ですが。
そして精神疾患の薬で大変なのは副作用が症状に酷似する場合が多いことです。
先ほど言ったように脳がどういう働きをして、薬が脳にどういう働きをするか、ということがわかっていないため大変いろいろわかりにくい。
例えば抗鬱剤を飲んで不安症状がでたりします。これはもともとあった症状なのか薬によって現れたものか。
食欲低下もよくある副作用ですが、これはご存知かと思いますが鬱ではよくある症状で。
この見極めは医者と患者の普段からのコミュニケーション、そして医者の患者の、そして患者の患者自身の観察にかかってますね。

「薬にも毒にもなる」という言葉がありますが、薬と毒の違いは使われ方にあるのみだと思います。
例えば毒草であるジギタリスは心臓の薬の原料でもあります。
そしてADHDなどの薬としてアンフェタミン系統が使われていますがこれは麻薬ともされています。
子供にそんなものを与えるなんて!と思う方もいるかもしれませんが麻薬としてのアンフェタミンはDrug Abuse、つまり薬の乱用、本来の薬の使われ方を逸脱しているのです。
最近は処方薬依存症・乱用によりアンフェタミンのように本来の薬の使われ方を逸脱し薬が麻薬のようになっていることも多いようですが・・・
そしてわかりやすい例が過量投与ですね。薬を本来の量から逸脱した量でのむと毒になる。
いつも話しているリチウムなんかは特にそれが顕著で治療範囲が狭く、過量投与により毒となりやすい薬です。
「薬にも毒にもなる」、だからどんな薬にしても医師により、そして飲む人によりもっと慎重に扱われるべきではないかと私は考えます。

「くすり」が蔓延している今この世の中で、もっと人間に薬を飲むことに対して責任感を持ってほしいと思っています。先ほど言ったように薬が治すのではなく、自分が薬を飲むことによって自分を治しているので、治療の責任というものをきちっと持たなければ安全性、有効性にも問題がでてきます。
薬は飲んだら治る、というほどシンプルなものでは本当はないはずなので。

そして同時に「くすり」が体にどれだけ影響するか、薬が本当はどういうものかということに対して認識が広まることも願っています。
薬、特に精神疾患の薬については開発の歴史はまだ途中です。まだまだいたらないこともたくさんあって。
副作用が起こることは珍しくないこと、そして副作用が起こったときの対応をちゃんとしておくことについて理解が広まることがより良き治療につながると信じて疑わいません。

本当は薬を飲むことがない方がいいんですよね。「薬より養生」と。
でもどうしても飲まなければいけないときは正しく、知識を持って服薬し、自分の体のためにもうまく薬と付き合っていければと思います。
もちろん私も。リチウムというちと面倒な薬とうまく付き合っていきたいです(なので早く血液検査いこうぜ!)。

若輩者が説教じみた真似、まことに申し訳ありませんでした。
心洗われる音楽でお詫びというわけでもなくあれですがどうぞ。


今日の一曲: ウジェーヌ・イザイ 無伴奏バイオリンソナタ第1番 第3 楽章



技巧のためだけの技巧、という曲も多くありそんな曲が嫌いな中この曲は別次元にあります。
楽譜の見た目は(別の無伴奏ソナタで見ましたが)とてもあの小さなバイオリン1つで弾くとは思えないほどなのに聴いているとそれをあんまり思わせません。
イザイのバイオリンは腕の一部、心の延長。感情の深さと、技巧による音楽性の複雑さが大変魅力的です。
実は無伴奏ソナタだと第2番と第3番がお気に入りですが今日はこちらを。

この曲のまあ繊細なこと。まるで口説かれているようです。
詩人の紡ぐような言葉のように、優しく細やかな愛撫のように・・・
心の襞のひとつひとつの細やかなところをとらえて離さないのは技巧の複雑さによるところが多いかも。

そしてこのZehetmairという奏者もすごいです。
技巧は安定し、感情はいっぱりこめられ、オーソドックスな解釈に強く、繊細で表現豊かな音。
巨匠と呼ばれる奏者がたくさんいるなか彼もひけをとりません。
この曲を聴くにも、イザイとバイオリンの関係を聴くにも、そしてバイオリンという楽器の魅力を味わうにもこの録音はものすごくお勧めです♪

バイオリンは個人・個々の楽器により解釈や音に大きなひらきがでる楽器なので今後バイオリン曲を紹介するときはなるべく広い範囲の奏者による録音を選んでいきたいと思います。

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