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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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White Night Melbourne!
前回のエントリーに拍手ありがとうございます~

まだ仕事にピアノに気が抜けないながらもなんとか時間を作って昨日White Night Melbourneに行ってきました。
White Night Melbourneとは夜の7時から次の朝7時までメルボルンのシティを中心に芸術、音楽、ダンス、ライトアップや噴水などたくさんのイベントが夜通し行われる夏の夜のお祭り。
さすがに夜通し遊んではいられなかったのですが存分に楽しんで来ましたよ~
公式サイトはこちら。そして今日は新聞2紙に写真ギャラリーが載ってました。(The Ageはこちら、Herald Sunはこちら。前者は始めから終わりまで写真があります)
そして私が撮ってきた写真はこちらに。何枚かこちらにも貼りながらレポ書きます。

 
シティの屋外・施設内のいろんなところでいろんなイベントが起こっているのでサイトで見た段階で情報過多になってしまってあんまり行く場所は決めてなかったのですが、とりあえず州立図書館で友達と落ち合うことに。州立図書館では写真の八角形のドームがあるReading Roomで合唱や器楽の演奏がずっと続いていました。ライトアップも写真の通り。
州立図書館では他に普段は公開されていないQueen's Hallという部屋が公開されていたのでそちらもぶらりと。

で、Queen's Hallから始まるツアーみたいのがあったのですがどうも時間がかかるようで&集団行動が耐えられなくて離脱。シティの真ん中を縦断するSwanston Streetはいつもは歩行者+トラムの道なのですが今夜は完全に歩行者オンリー。歩く人だけじゃなくてストリートパフォーマーもそこここにいました。
Flinders Street Stationでは野外コンサートをやっていたり、Federation Squareでは誰でも参加可、様々なスタイルのダンスセッションをやっていたり。

 
なんといっても今回のハイライトはメルボルンの主要建築物のライトアップでしたね。先ほどの州立図書館、Flinders Street Station(写真)、聖ポール大聖堂(表も裏も)からずらっと東に次の交差点のForum Theatreまでカラフルな、まるでロシアに来たような色彩に。普段のイメージとはがらっと変わります。
ヤラ川沿いのBirrarung Marrでは映像アートの装置(写真)が置いてあったり、風船のモンスターが現れていたり。それから川で噴水&レーザーショーもやってましたね。

さらに南に行って州立劇場でただいま上演中の「War Horse」にちなんだ劇場で使う人形やかぶりものの類いなどの展示を見たり、Spiegeltentの外で飲んでいる人たちを見ながら((上の写真)おそらく中でキャバレーとかやってたかと)ヴィクトリア国立美術館へ。

 

美術館のライトアップは今特別展をやっている「新印象派展」からだそうです。
美術館ものすごく混んでましたねー。美術館に限らず図書館もそうでしたし屋外すべてそうなんですがすごい人出で!大晦日以上の人出だったかもしれません。
美術館では写真右の泡の彫刻を見ました。人が多くてあんまり動き回るのもあれだったので他は見れず・・・

それからサウスバンクのSouthgateに。廊下の真ん中に椅子並べて映像上映しているのを通り過ぎて、いつものジェラート屋さんに。ここも珍しく並びましたよ、夜中の12時なのに。
あとはSt. Kilda Roadの路上で演奏やってるのをちょっと聞いたりなんだりしてたらどうも離脱前に一緒にいた友達と合流のめどがつかないようなので終電で帰りました。

この夜、トラムは(一部路線ならびに歩行者オンリー区間以外は)一晩中通っていたのですが、電車は普段の土曜日と同じ運行(1時周りに終電)。でも終電もそんなに混んでなかったのできっとシティにいたたくさんの人はトラムで帰るかオールナイター覚悟で出てたみたいでそれもびっくり。(大晦日は花火始まるくらいでももうかなり混みますからねー)

メルボルンは普段から様々な形態の芸術が(特にシティ周りで)楽しめる街ですが、この夜はそれが一気にあふれたというか、放出したというか爆発したというか。もう一晩でもめぐり切れないくらいどこにいっても何かしらんアートがあって、それがものすごく生き生きしていて、カラフルで。それを見にこんなに多くの人が集まって、人が積極的に芸術に関わって。
夏の夜を楽しむ、いつもと違う街を楽しむだけでなくいろんな芸術をめいっぱい楽しめるWhite Nightはなんともメルボルンらしい夏の祭典ですね。

人出、イベント数も驚くほど多かったですが音だったり光だったりこんなにも贅沢に電気をじゃんじゃん使うのもまた珍しい規模だと思います。芸術って一般的には社会にものすごく必須なものではない、というか優先順位何かと下げられがちな分野なんですが、それを大事にするほど人の心や社会を豊かにするもので。こうやって必ずしもものすごく必須なものではない用途に電気などのリソースをたっぷり割いて人が楽しむことができる、そういう余裕があって政府がそういうことを大事にしてくれる、ということはものすごく幸せで恵まれているなあ、とちょっと思いました。

そういうこと差し引いてもものすごく楽しかったですよ。来年はもっとホームグラウンドから離れていろんな演奏とか聴きに行ったりもしたいですね。イベントの数がすごいし、今回州立劇場の舞台裏ゴーストツアーが1週間前に予約いっぱいになったりしていたらしいので行くところちゃんと決めて回らなきゃ。
それからできればオールナイター。少なくともお酒は一度飲めるくらいに。


今日の一曲: オットリーノ・レスピーギ 「風変わりな店」より「タランテラ」



White Nightがどこかワンダーランド的な要素があって、何かいつもの昼のメルボルンとは違う魔法にかかったようなところがあった(それはなんとか創作にしたいですね、その感覚)のとちょっとつなげてこのバレエから一つ。
レスピーギは編曲も色々手がけていますが(「古風なアリアと舞曲」も編曲ですし、ラフマニノフの練習曲もいくつか編曲しています)、このバレエ・リュスのために書かれたバレエはロッシーニのピアノ曲を編曲して集めた作品だそうで。(同じイタリアだからか、ラフマニノフの練習曲の編曲とはやっぱりなじみが違いますね!)
店の人形が本当は生きている、というストーリーは同じバレエ・リュスつながりでストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」にも似ていますがこちらはもっと明るい話です。

そもそも「タランテラ」というのはイタリア南部の舞踊音楽なのですが、クラシックである程度名が知られている作曲家で当該地方出身の人っていないんですよね。ロッシーニはイタリアでも北部ですし、レスピーギもそう。(ボローニャだったかな、どっちも。出身でなくとも縁はあるはず)
あとギター音楽でイタリアの北半分出身の作曲家の誰かがタランテラを書いてますが、結局ネイティブなタランテラに近いのはそれかこの「風変わりな店」のか、ということになりそうです。私の知る限り。
(ちなみに有名なタランテラはロシアとかポーランドとかそっちに多いですね)

オケで演奏するタランテラではタンバリンが重要。(バレエではダンサーが持つこともあります)
この「風変わりな店」のタランテラはタンバリンの活躍だけ聴いててもかなり楽しめます。
でもなんといってもこの舞踊特有の燃えるような、速くぐるぐる回る、狂うような熱とステップは本当にたまらない。小さい頃から魅せられてやまないスタイルです。

そしてこの「風変わりな店」だったり、はたまたラヴェルの「マ・メール・ロワ」だったりチャイコフスキーの「くるみ割り人形」だったりストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」もちょっとそうだったり、おとぎ話スケールというか子供目線というかそういうこじんまりしたところがある、でもフルカラーでお送りされる魔法の音楽は本当に魅力的ですね。愛しいです。

リンクしたのはちょっと変わった組み合わせの曲。デュカスの「魔法使いの弟子」、サン=サーンスの「死の舞踏」とこの「風変わりな店」。先ほどのそのおとぎ話スケール云々に近いものがある組み合わせですね。
他にもレスピーギの他の作品とカップリングしたのもいくつかあるのですが、そういえばレスピーギはほぼ大学でも借り尽くしたようなところがあって最近新しい曲に出会ってない。「ブラジルの印象」とか「教会の窓」とかどっかで入手せねば・・・

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