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前回のエントリーに拍手ありがとうございます。
今日は夏もおそらく終わりの日、ということでface to aceの「ヒグラシ」を忘れずに聞きました。
そして仕事朝の部ではクロノス・カルテットの録音をiTunes Storeで購入するべく試聴してました。
おそらく「Nuevo」(こないだ聞いた12/12が入ってる)、「Night Prayers」、それからピアソラと共演のミニアルバム・・・かな。グレツキの四重奏曲もほしいんだけど。どれもちょっと前のCDで、クラシックよりはそれ以外のジャンルが多いかな。
いろんなアーティストといろんなジャンルで共演するんでどこから攻めればいいか分からないんですよ。以前一部購入したThelonius MonkのカバーCDもそのうち。
そんな中いいなあ、と思ったのがクロノスが演奏するフィリップ・グラスというアメリカのミニマルミュージックの作曲家による四重奏曲集。(ミニマルミュージック=音楽のいろんなエレメントをそぎ落とした音楽スタイルで、繰り返しやペンタトニック=不協和音が少ないのが特徴)
クロノスの表現の正確さは繰り返されるパッセージで良く現れるとこないだから思ってるのですが、そのパッセージを繰り返すときも寸分違わず同じく弾く正確さ、そしてその正確で完全に同じ繰り返しが生み出す、単調でなく作曲家が意図した不思議な効果はグラスの音楽で特に映えるような気がします。
前も書いたと思うのですが大学の教育は20世紀以降の音楽に対して興味を持たせるようなものではなくて。そんななかちょろっと授業でいわゆるミニマル・ミュージックについてはちょこちょこっと習った中でちょこちょこっと良い曲に出会ったり。
ヨーロッパ方面はペルトが玄関口となり全体的に印象がよかったり(課題でミニマル・ミュージックを作曲したときは私はヨーロッパスタイルで書きました)。
アメリカ方面ではFitkinのピアノ曲「Cone Gatherers」が受けが良くて、それ以外はあんまりだったり。
それが卒業後数年かけてミニマル・ミュージックのレパートリーの知識も広がってきました。
自分の興味もそうなんですがコンサートで聞く機会も多くなってきましたよ。
特に印象に残ってるのがジョン・アダムスの2台のピアノのための作品「Hallelujah Junction」ですね。今アメリカのミニマルミュージックに興味がわいてきてるのもこの曲を聴いたのが大きい。
ヨーロッパのミニマルミュージックにバロック以前の宗教音楽みたいなフレーバーがあってメロディックなのに比べて、アメリカのミニマルミュージックはコンピュータ的というか、それから曲の題材も政治・歴史がらみが少なくなくてどっちかというと急進派という、そういうところがちょっと取っつきにくいのかなあ・・・
そんな中今日色々試聴してみたフィリップ・グラスの音楽は割とポップミュージックとかテクノに通じるところがあって割と聞きやすいなじゃないかな、という印象でした。
試聴してたのはこのCDなのですが、オペラからシンセサイザー(だよね)やらいろんな作品が入ってて面白いです(ただしちょーっと高いんだよなあ)。
ただグラスの作品はどうも当たり外れがあるような感じもしますね。ミニマルミュージックの特徴がうまく生きる曲もあれば平凡に聞こえてしまう曲もあり。
グラスでちょっと前から気になってるのがABCの20世紀音楽カウントダウンでランクインしたオペラ「アクエンアテン」。ツタンカーメンの父ちゃんのことはメルボルンにツタンカーメン展が来たときにちょろっと知りましたが、どんなオペラなんだろうなあ。
ラジオでカウントダウンの時に聞いたのと今日試聴したのではいい感じの音楽なんですが。
ちょこちょこ選んで購入してみるかなー・・・
アメリカのミニマルミュージック、といえば今年は8月末にジョン・アダムスがメル響で自分の作品を指揮しにくるのでそれまでにアダムスの作品をもうちょっと知っておきたいなあ、と思います。前述Hallelujah Junction(まだ録音持ってない)の他だとオペラ「Nixon in China」とか攻めてみたい。
先ほどアメリカのミニマルミュージックには政治・歴史がらみの題材が多いと書きましたが、具体的な例をよくよく考えてみると面白いですね。
ぱっと思い浮かぶだけでアダムスの「Nixon in China」、Reichの「9/11 WTC」や「Different Trains」、グラスの「Satyagraha」(今日ちょっと聞いた)とか。
題材を直接的に表現してるのが特徴っぽいですね。結構実際の人間の声や言葉を使ったり(9/11 WTCとか)、ミニマルミュージックでも歴史・政治的出来事を刻み込むリアリズムがある、みたいな。
まだまだ自分にとっては新しいエリアですが(そしてピアノのレパートリーがそんなには大きくないエリアですが)ちょっとずつ新しい音楽に出会いたいです。
とりあえずこの後クロノス・カルテットの選んだ録音をダウンロードしなければ。
今日の一曲: トマス・タリス「Spem in Alium」(クロノス・カルテット演奏)
クロノス・カルテットといえば現代音楽が中心ですが、以前から書いているように広いジャンルの演奏を手がけています。この「Spem in Alium(我、汝の他に望みなし)という曲はイギリスの古音楽(16世紀)の合唱作品で、なんと40声のために書かれているそうです。楽器を買わなくても歌は歌える、とはいえ少なくとも40人集めて一人一人違うパートを歌わせる、というのは作曲当時の音楽・宗教的背景でどれくらい実現可能だったんだろう。(修道院・・・か?答えは。)
そんな合唱曲を弦楽器で弾いたのがこのクロノス・カルテットのバージョン。
ビブラートをかけない、真ん中で膨張するスタイルは古楽器のようなのですが、その透明度とか正確さはとっても現代的。それが不思議な違和感と調和のバランスを作りだしてて面白い。
なんだかとっても・・・クロノスだなあ、と。
この曲はクロノス・カルテットがクラムの「Black Angels」を弾いているCDに入ってるのですが(Black Angelsはクロノス結成のきっかけとなった曲です)、曲の取り合わせが面白いですね。
Black Angelsと、これと、ショスタコの四重奏曲第8番と、Martaの「Doom - A Sigh」とアイヴスの「They are there!」。全部が全部戦争関連ではないのですが、20世紀の歴史を切り取ったようなフレーバーはある・・・ような。言葉で表せないけどつながりはある。
(こういうプログラム組みできたら面白いだろうなー)
この曲だけじゃなくこのCD全体を通じてクロノス・カルテットの表現が分かるようになってますし、それから電気増幅だったり40部合唱を再現してみたり、と弦楽四重奏というアンサンブルの枠をぐんと広げる演奏が聴けるようになっています。
クラムとショスタコは特におすすめですよー。
今日は夏もおそらく終わりの日、ということでface to aceの「ヒグラシ」を忘れずに聞きました。
そして仕事朝の部ではクロノス・カルテットの録音をiTunes Storeで購入するべく試聴してました。
おそらく「Nuevo」(こないだ聞いた12/12が入ってる)、「Night Prayers」、それからピアソラと共演のミニアルバム・・・かな。グレツキの四重奏曲もほしいんだけど。どれもちょっと前のCDで、クラシックよりはそれ以外のジャンルが多いかな。
いろんなアーティストといろんなジャンルで共演するんでどこから攻めればいいか分からないんですよ。以前一部購入したThelonius MonkのカバーCDもそのうち。
そんな中いいなあ、と思ったのがクロノスが演奏するフィリップ・グラスというアメリカのミニマルミュージックの作曲家による四重奏曲集。(ミニマルミュージック=音楽のいろんなエレメントをそぎ落とした音楽スタイルで、繰り返しやペンタトニック=不協和音が少ないのが特徴)
クロノスの表現の正確さは繰り返されるパッセージで良く現れるとこないだから思ってるのですが、そのパッセージを繰り返すときも寸分違わず同じく弾く正確さ、そしてその正確で完全に同じ繰り返しが生み出す、単調でなく作曲家が意図した不思議な効果はグラスの音楽で特に映えるような気がします。
前も書いたと思うのですが大学の教育は20世紀以降の音楽に対して興味を持たせるようなものではなくて。そんななかちょろっと授業でいわゆるミニマル・ミュージックについてはちょこちょこっと習った中でちょこちょこっと良い曲に出会ったり。
ヨーロッパ方面はペルトが玄関口となり全体的に印象がよかったり(課題でミニマル・ミュージックを作曲したときは私はヨーロッパスタイルで書きました)。
アメリカ方面ではFitkinのピアノ曲「Cone Gatherers」が受けが良くて、それ以外はあんまりだったり。
それが卒業後数年かけてミニマル・ミュージックのレパートリーの知識も広がってきました。
自分の興味もそうなんですがコンサートで聞く機会も多くなってきましたよ。
特に印象に残ってるのがジョン・アダムスの2台のピアノのための作品「Hallelujah Junction」ですね。今アメリカのミニマルミュージックに興味がわいてきてるのもこの曲を聴いたのが大きい。
ヨーロッパのミニマルミュージックにバロック以前の宗教音楽みたいなフレーバーがあってメロディックなのに比べて、アメリカのミニマルミュージックはコンピュータ的というか、それから曲の題材も政治・歴史がらみが少なくなくてどっちかというと急進派という、そういうところがちょっと取っつきにくいのかなあ・・・
そんな中今日色々試聴してみたフィリップ・グラスの音楽は割とポップミュージックとかテクノに通じるところがあって割と聞きやすいなじゃないかな、という印象でした。
試聴してたのはこのCDなのですが、オペラからシンセサイザー(だよね)やらいろんな作品が入ってて面白いです(ただしちょーっと高いんだよなあ)。
ただグラスの作品はどうも当たり外れがあるような感じもしますね。ミニマルミュージックの特徴がうまく生きる曲もあれば平凡に聞こえてしまう曲もあり。
グラスでちょっと前から気になってるのがABCの20世紀音楽カウントダウンでランクインしたオペラ「アクエンアテン」。ツタンカーメンの父ちゃんのことはメルボルンにツタンカーメン展が来たときにちょろっと知りましたが、どんなオペラなんだろうなあ。
ラジオでカウントダウンの時に聞いたのと今日試聴したのではいい感じの音楽なんですが。
ちょこちょこ選んで購入してみるかなー・・・
アメリカのミニマルミュージック、といえば今年は8月末にジョン・アダムスがメル響で自分の作品を指揮しにくるのでそれまでにアダムスの作品をもうちょっと知っておきたいなあ、と思います。前述Hallelujah Junction(まだ録音持ってない)の他だとオペラ「Nixon in China」とか攻めてみたい。
先ほどアメリカのミニマルミュージックには政治・歴史がらみの題材が多いと書きましたが、具体的な例をよくよく考えてみると面白いですね。
ぱっと思い浮かぶだけでアダムスの「Nixon in China」、Reichの「9/11 WTC」や「Different Trains」、グラスの「Satyagraha」(今日ちょっと聞いた)とか。
題材を直接的に表現してるのが特徴っぽいですね。結構実際の人間の声や言葉を使ったり(9/11 WTCとか)、ミニマルミュージックでも歴史・政治的出来事を刻み込むリアリズムがある、みたいな。
まだまだ自分にとっては新しいエリアですが(そしてピアノのレパートリーがそんなには大きくないエリアですが)ちょっとずつ新しい音楽に出会いたいです。
とりあえずこの後クロノス・カルテットの選んだ録音をダウンロードしなければ。
今日の一曲: トマス・タリス「Spem in Alium」(クロノス・カルテット演奏)
クロノス・カルテットといえば現代音楽が中心ですが、以前から書いているように広いジャンルの演奏を手がけています。この「Spem in Alium(我、汝の他に望みなし)という曲はイギリスの古音楽(16世紀)の合唱作品で、なんと40声のために書かれているそうです。楽器を買わなくても歌は歌える、とはいえ少なくとも40人集めて一人一人違うパートを歌わせる、というのは作曲当時の音楽・宗教的背景でどれくらい実現可能だったんだろう。(修道院・・・か?答えは。)
そんな合唱曲を弦楽器で弾いたのがこのクロノス・カルテットのバージョン。
ビブラートをかけない、真ん中で膨張するスタイルは古楽器のようなのですが、その透明度とか正確さはとっても現代的。それが不思議な違和感と調和のバランスを作りだしてて面白い。
なんだかとっても・・・クロノスだなあ、と。
この曲はクロノス・カルテットがクラムの「Black Angels」を弾いているCDに入ってるのですが(Black Angelsはクロノス結成のきっかけとなった曲です)、曲の取り合わせが面白いですね。
Black Angelsと、これと、ショスタコの四重奏曲第8番と、Martaの「Doom - A Sigh」とアイヴスの「They are there!」。全部が全部戦争関連ではないのですが、20世紀の歴史を切り取ったようなフレーバーはある・・・ような。言葉で表せないけどつながりはある。
(こういうプログラム組みできたら面白いだろうなー)
この曲だけじゃなくこのCD全体を通じてクロノス・カルテットの表現が分かるようになってますし、それから電気増幅だったり40部合唱を再現してみたり、と弦楽四重奏というアンサンブルの枠をぐんと広げる演奏が聴けるようになっています。
クラムとショスタコは特におすすめですよー。
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