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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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休んだり動いたり
前回のエントリーに拍手ありがとうございます。

今日本から送ってもらった録画のめちゃイケ新年SPをみていたらこないだダウンロードしたクロノスカルテットの「Nuevo」というCDから「Chavosuite」という曲がBGMとして使われてました。ちょっとびっくり。こんなところで出会うと思わなかったのでなんだかとても嬉しいです。
テレビ番組でBGMにどんなクラシック音楽を使ってるか、というのは結構注意して、というか興味を持って聞いています。そのcontextに合っているか(特に食事関連)、というのはもちろん(あとシャレをきかせたチョイスの場合にも注意して)、ちょっとテレビでは使われないマニアックな曲が出てくると嬉しかったり。
特に特番でやってるクイズサバイバルは曲のチョイスがクラシックの表面よりちょっと掘ったところのレパートリーが多くて、(もちろん競技サイドの強いクイズとしても好きなのですが)毎回BGMを楽しみにしています。

話は変わりますがここ数日ちょっとピアノを休むという試みをしていました。
どうもピアノに限らずなのですが欲求がぼんやりしているというか、欲求が動力になってくれるほどないというか。表現欲もそうですし、物欲もそうで。
ピアノは弾きたいような気持ちはあるんですが、どうも不健康なしがみつき方を感じるので今のうちにちょっと休んでおこう、ということに。

それで昨日は一日暖かいなかシティで買い物してました。
Haunted Bookshopではアルケミーゴシックの比較的新しい作品、Death's-Head Butterfly Chokerを買いました。調節可の留め金つきのチョーカーで、実物は見てみると写真よりは大きく感じますが、着けてみるとそこまででもなく。
見ての通り(私にとってはちと苦手な)ピンクが主な色ですが、全体的に落ち着いた色合いで、黒にも合うし自分の肌とも比較的相性の良い暗いピンクでよい感じでした。

そしてCD屋さんでは以下のCDを購入。(まだ聞いていません)
1)アデス Tevot、バイオリン協奏曲など
2)ブリテン テノール、ホルンと弦楽のためのセレナード、 イリュミナシオン、ノクターン
3)メシアン 峡谷から星達へ・・・

本当はブリテンの「我らの狩りをする先祖達」(毎回題の訳違ってたらごめんなさい)のテノール版、できたらピーター・ピアーズが歌ってる録音が欲しかったのですがそもそもこの曲が入ってるCDが無かった。
でも2)は全曲ピアーズが歌ってる録音です。そしてホルンはセレナードではデニス・ブレイン、そしてノクターンではオーストラリアが誇るバリー・タックウェルが吹いています。ノクターンではブリテン自身が指揮していて。
タックウェル氏には大学時代トリオのレッスンをしていただいたりしたりちょっと接点がですがやっぱり凄い人なんだなあ・・・

1)のTevotはこないだコンサートで聴いた曲です。バイオリン協奏曲は初耳(初めて知った、という意味で)。そして以前アデスが来豪したときのコンサートで聴いて以来の「Three Studies from Couperin」、そしてオペラ「Powder Her Face」からのダンスナンバー。このオペラがまたおもしろそうなのですが色々元の背景など調べないと。

3)はクラムのかなり大規模なオケ曲で、アメリカの自然を舞台&ベースにした曲です。大規模というのはオケの人数ももちろんですが、長さもCD2枚にまたがるほど(トゥーランガリラは1枚にフィットします)。大学の図書館では持ち出しできなかったCDなのでなじみが薄いのですが、ホルンのソロ楽章が特に(その筋では)有名なのでそれも楽しみです。

あとはクセナキスのピアノ作品の録音も欲しかったんですよね。でもMIDI打ち込みの録音しかなくて(ちなみにそういった録音としては世界初だそうです)。結構クセナキスのピアノ曲って弾くのにほぼ不可能、または実質不可能なところもあるそうで、そういう所の難しさとか乗り切り方のヒントというのも含めて人間が演奏している録音が欲しかったのです。今度ネットで見よう。

そんなこんなでマッサージ屋さんにアポなしでいったらちょうどポイントがたまっててそれでマッサージをしてもらって。それからジェラート食べて帰りました。
その反動じゃないですが今日は実になにもせず過ごしました。

ブランチも合わせておいしい物食べて、いろいろ買って、歩き回って、とはしたものの欲求が満たされたという自覚はそんなには強くなく。やっぱり鬱方向の精神的な不調の一部と思われます。
なのでそんなに簡単にリフレッシュできるとは期待してないですが、とりあえずピアノは明日明後日くらいに再開したいです。(やっぱりピアノ・仕事両方ないと一日が長いですねー・・・)


今日の一曲: ベンジャミン・ブリテン テノール、ホルンと弦楽のためのセレナード より「Elegy」と「Dirge」



こないだ借りたCD、そして今回買ったCDからの曲です。(録音は別物)
ブリテンもまた自分にとっては鬱に心が傾くと独特の魅力を帯びてくる音楽を聴く作曲家の一人です。
とてもイギリスらしく、それから交友のあったショスタコーヴィチとも似たような闇を持った音楽を書くのですが、それがなんかひっくるめて20世紀をある意味代表するようなところがあるような。

それから最近ブリテンの曲にいくつか新しく出会って思ったのですが彼の音楽は「泣く」のがほんとうまいですね。
「戦争レクイエム」のLacrymosa部分だったり( Dies Iraeシーケンスの途中)、「我らの狩りをする先祖達」の「Messalina」(特に最初の部分)だったり、そして今回紹介するこの2曲もそうです。
悲しみをまっすぐ集めて、不純物を混ぜず主にメインの楽器・歌パートに集約してまっすぐ表現する、みたいな。

この曲はタイトルから分かるようにテノール歌手とホルンが弦楽オケに伴奏される形で書かれています。テノールとホルンはダブル主演扱いで、似た音域ながらもそれぞれ違う表現の仕方を生かして、対等で独立した形で主役を演じています。

この連続する2つの楽章のタイトル、ElegyもDirgeも悲歌・哀歌を指す言葉で、どちらの楽章も悲しい・泣くような曲なのですがその性質はだいぶ違います。
ホルンがメインになるElegyは叫ぶような悲しみ。なんというか、男泣きですね、ホルンが泣くと。(色んな楽器の「泣き方」を色んな曲から比べてみると面白そう)
そしてテノールがメインになるDirgeはより弱さのある、嘆くような。特に悲しみのあるフレーズを繰り返すのにまた心がぐっと(下に)持ってかれる。(こういう盛り上げ方はラターのレクイエムのAgnus Deiでもあって、半音動きのフレーズが似てますが中身の感情はだいぶ違いますね)

ピアーズの透明ながらブリテンの音楽にふさわしい暗さがある声も素敵ですし、ブレインのホルンのまっすぐクリーンな音もかっこいい。さらにホルンに関しては他の楽章で駆け回る狩りのホルンとしてのキャラクターも。
ホルンは音も有名で曲もそこそこ知られてるのですがその真のかっこよさが身にしみる曲は案外一般にはマイナーだったり。イギリス周りの音楽でホルンが素晴らしい!となるとさらに未知の域になってしまうような印象があるのですよね。
なのでこの曲はちょっとやっぱり立ち位置ユニークなのかな。

ブリテンの曲のなかでは聞きにくいとは思われないですし、なんといってもツートップのテノール、ホルンの魅力が存分に味わえる曲です。ぜひぜひピアーズ(または他にイギリスのテノール歌手)が歌ってる録音で。(リンクしたのは買ったのとは別のCDですがピアーズが歌ってて試聴があります)

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