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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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白黒つけたい鳥
前回のエントリーに拍手ありがとうございます♪
あの後母と電話で話したのですが、紹介したブリテン(テノール、ホルンと弦楽のためのセレナード)について、そして(同じCDの別の曲を演奏している)バリー・タックウェルについての話で盛り上がりました。タックウェル氏は上記ブリテン自身と共演したり長年ものすごいホルン奏者で、ホルンを吹いてた母にとっては若い頃レコードを買ったりした存在だったそうですが、いつしか家族でオーストラリアに来て、私が残って音楽を志してタックウェル氏に(ホルン友達を介して)トリオの演奏を見てもらったりなんだりで少し接点ができてなんだか身近な存在になったのは不思議な縁だな、と母が言ってました。

さて、今日はちょっと音楽とは別の話。
オーストラリアにはMagpieと呼ばれる鳥がいます。Magpieというのはヨーロッパやアメリカなどでは日本でいう「カササギ」を指す言葉ですが、オーストラリアでは別の鳥を指す言葉です(なので翻訳の際は注意!)
「カササギ」がスズメ目カラス科の、学名Pica Picaという黒・白・紺色をした鳥ではなく、日本名「カササギフエガラス」(学名Gymnorhina tibicen)というカラスを白黒にしたような鳥。亜種も含めてオーストラリアの多くの地域で普通に見られる鳥です。

昔は、というかメルボルンに来た頃は住宅地にはほとんどカラスがいなくて、マグパイが日本でいうハシボソガラスとかそれくらいのポジションにいたのですが(ちなみに大きさはカラスより一回り小さいです)、最近はカラスもけっこう増えました。ただマグパイたちの様子はあんまり変わってない様子。

マグパイに関して一番有名なのは人を襲うこともある、ということ。
マグパイは春に巣作りをするのですが、その時期は巣と卵を守るためオスが攻撃的になり、巣の近くに他の鳥や動物などが近づくと執拗に攻撃するのです。住宅地にもマグパイは普通に巣を作るので、人間が知らずに近くを歩いて・自転車で通ると人間が襲われ怪我をしたりする、というのが毎年起こります。

でも春以外の季節なら人間が攻撃されることはまずありません。とがった嘴、赤い目がちと怖くも見えますがそこら辺を歩いていて出会っても心配することはないです。
こっちに来たときからこのマグパイという鳥が私は大好きで。ふっくらしている体型だったり、小さな鳥とはまた違うしぐさだったり。

なんといっても声が良い。鳥の声は単旋律ではない、ということはメシアンの作曲では分かるのですが実際の鳥の声に和音を聞き取るのは難しい・・・のですが、マグパイの声は明らかに和音でできています。体は白黒ですが歌声は虹色。声自体だけでなく歌のレパートリーも結構あるみたい。
こちらの動画でその一部が聴けます。
身近にいる鳥ですし、一日を通して聞く機会がありますが一番美しいと思うのは朝のマグパイの歌声。特にマグパイの歌を聴きながら目覚めるというのがベスト。住宅地でも良いですが特に田舎やbushの中でユーカリの匂いを感じながら、というのもさらに良い。

それからなんかまぬけな感があるんですよね、動きに。
カラス特有のちょっと賢そうな振る舞いもあるんですが、走るときがなんだか笑えます。
マグパイが走るときって一歩毎に体重移動をしてひょこっひょこっと走るんですよね。加速してもそのスタイル。ただ本気で走るときは身を沈めてささっとまっすぐ走ります。(ただ人間が近くを通った、くらいなら本気では走りません。本気走りはあんまり見れないかも)
ひょこひょこ走りはこちらの動画でちょっとみられます。

マグパイで面白いな、と思うのが家族での行動。
マグパイってそこら辺で見るときは一羽でいるときよりもつがい、そして家族で一緒にいることの方が多いです。
羽根がはっきり白黒に分かれてるのが大人のオス、白い部分が灰色っぽいのが大人のメス、そして黒が薄いのが若鳥。子供が大きくなっても同じテリトリーで、割とお互い近いところで餌をとっている姿がみられます。
そんな大きな子供がしょっちゅう親に餌をねだるんですよね、それで。オーストラリアで「にえ~にえ~」と声が聞こえたらそれはマグパイの子供が親に餌をねだっている声です。大抵「自分で探しなさい」と言われて子供がしぶしぶ地面をつつく→何もみつからない→「にえ~にえ~」(リピート)という流れになります。
マグパイは本当に身近な鳥で、そういった家族のいとなみなんかも近くで見られて、それがまた面白い。

本当にいつ独り立ちするかわからない、という位にマグパイって親子で長いこといるんですよね。うちの周りでも5~6羽の家族がいるテリトリーがいくつかあるのが分かってますし。(その内の家族が以前うちの庭をテリトリーにしてたmynaのスパムをリンチしたんですが)
そういえば数年前Mulwalaに行ったとき、自然公園みたいなところでマグパイの子供(雛と若鳥の間くらい)が3羽留守番していたのを見つけました。住宅地で見る「子供」はそれより大きくて独りで動けるくらい。うーん。

さて、今回はここらへんで。今日の一曲はお休みです。(まだ買ったCD聴いてないんです)


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