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前回のエントリーに拍手ありがとうございます。
今日はイギリスのPromsのコンサートが豪ABCで流れてて、なんとホルストとルトスワフスキの組み合わせのコンサート。今ちょうど惑星を聞いているところです。
ルトスワフスキは前から何曲か曲を聴いて知って、かなり好きな作曲家。でもまだまだ知らない曲も多いです。今回聞いたSymphonic Variationもピアノ協奏曲もツボにものすごくはまったので改めて録音とかもっと手元に増やさないと、と思いました。
小学校の頃からここオーストラリアで育つとほんとイギリス音楽に触れる機会が多くなります。
ピアノではもともと(プロとして弾くような)イギリス生まれのレパートリーが少ないですが、子供として習う時にはイギリスの民謡が出てきたり。
そして弦・吹奏楽・ブラスバンド・合唱ではイギリス音楽を弾かないで過ごすのはほぼあり得ないのではないかと思います。
もちろんプロオケでもイギリス音楽はちょくちょく演奏されますし。
オーストラリアでこれですからおそらくイギリスも似たような、もっと濃いイギリス音楽の環境になるんだろうな、と今ラジオを聞いて思ったのです。
Promsなんか何日にもわたってコンサートがあって、テレビとかで見たかぎりだと結構子供達も見に行ってるようですし。威風堂々とかみんな揃って歌いますし。音楽環境としては教育そのものとは別の意味で贅沢だなーと。
でも逆にイギリス圏の外だとヴォーン=ウィリアムスの作品はあんまり知られてなかったり、イギリスの作曲家の知名度全体がぐっとさがるという話は聞きます。
それはイギリスの音楽が特別難解だというわけではなく(むしろ多くの人に響く美しさと懐かしさを持ち合わせています)、でもどこかにそういった見えない障壁?みたいなものがあるような。
それはここで何度か書いている「餅は餅屋」的な、イギリスの音楽はイギリスの奏者が弾かないとその魅力が出にくい、みたいなところも関係しているのかもしれませんが。
ただフランスもまたお国の奏者でないとうまく表現できないエスプリみたいのがあるイメージが強い中、フランスでは今あんまり自国の音楽を弾かない傾向にあるらしいという話を母からこないだ聞きました。なんでもフランス音楽は軽薄、みたいなことらしくて。(そこが良いんじゃないか!)障壁が反対側に働いているということなんですかね。フランスは20世紀の前半・後半に素晴らしいレパートリーが膨大にあるので大変勿体ない話です。
やっぱどこの国も(というのは言い過ぎかもしれませんが)自分の国の音楽を胸を張って弾くべきだと思うのです。先生も私に日本の曲を弾きなさい、と言いました。その結果が今のレパートリーなのですが(笑)
オーストラリアも歴史こそ短いけど世界に誇れるレパートリーも各方面で結構そろってて、もちろん世界に誇れる奏者もいて。
とにかくオーストラリアの人がオーストラリアの音楽を弾かないと、他の国で弾いたり聞いてもらえる望みはないですから。それはどこの国でも同じ。
もしも自分が日本で演奏することがあればメシアンはもちろんですがなんとかオーストラリアの曲を絡めたいところです。
なかなか選曲難しいんですけどね。17年住んでてちょっとは弾いてますがオーストラリアの音楽で「これ!」とぴたっと合うものがまだ見つかってなかったり。
それに聴衆にとっては(高い確率で)初めて聞くオーストラリアの音楽になるわけですから曲の質はもちろん、オーストラリアをうまく表すような曲を選びたいところ。(これは自分が弾く音楽全般に言えることで、一応ある程度意識はしています)
話はイギリス音楽に戻りますが、イギリス音楽はピアノのレパートリーが少なくて自分がその魅力を広めようとすると演奏ではちょっと無理があったり。(一応大学の図書館でヴォーン=ウィリアムスのピアノ曲を1つ見つけて楽譜をコピーしてあります。録音はないのですが。)
ヴォーン=ウィリアムスの交響曲とか、ブリテンの歌曲とか、ウォーロックの歌曲とかラッターの合唱曲とか、演奏することは敵わないけど素晴らしいよ!ということをこのブログでちまちま書いたりしています(笑)
音楽は文化交流という側面もありますからね。あらゆる文化交流の形と同じく決して簡単では無くて、色々試行錯誤だったり慎重なプランニングが必要ですが、音楽は(食と同じくらいには)効果のある交流の形だと思います。
特にオーストラリアは色んな文化を受け入れる、ということに関しては(音楽でも)得意な方だと思いますが自分の文化を内外に発信することはまだまだなのかもしれません。
最近はインターネットで世界中の音楽が演奏する様々な聴けるようになって「こんな所にまでオーストラリアの音楽(例)が知られてるんだ!」と思うこともありますが、なかなかその影響って生の演奏では現れないものなんですかね。コンサートのプログラムとか(日本のテレビなりこっちのお知らせなり)で見てるとやっぱり障壁を感じる、とまではいかなくても文化差はかなりあり。
文化も色々、隔てる障壁も色々、ですがもっと色んな音楽が聴けるように、弾かれるように、聴かれるようになって欲しいものです。
音楽自体は(クラシックに限らずですが)多様な文化を影響を受けて作られている時代ですから、より多くの人に接点ができるはずなんですよね。
障壁、というかこれは棲み分けの話になるのかもしれないのですが同じ国・文化でも演奏する楽器によって知ってる・聞くレパートリーが変わる、というまた別の文化差もあるのですがそれはもしかしたらまた別の日に。
今日の一曲: Nicholas Buc 「Sky Saga」
なんとなくオーストラリアの音楽を紹介する流れだったので最近聞き直したこの曲を。
ユースオケでチェロを弾いていた時代、いわゆるライトミュージックのコンサートで一度戦争(&そのほか戦いの)映画の音楽をテーマにしたコンサートをやりました。例えばプラトーンで使われたバーバーの「アダージョ」だったり、ベン・ハーの曲だったり、シンドラーのリストのテーマ曲だったり、はたまたスター・ウォーズのメドレーだったり。戦争映画関連だけど楽しい曲・有名な曲が多かったです。
その中で唯一オリジナル曲だったのがこの「Sky Saga」。作曲家は当時第1バイオリンを弾いていて作曲もやっていた先輩でした。彼がまたひょうきんな人なんですが、他にもテレビや映画などで絶対聞いたことのある色んな音楽をすごいユーモアのセンスでメドレーに仕立てたり(以前紹介したかな、Magic Memorabilia Medley)、あとチャンネル31のニュースのテーマを作曲したりとにかく凄い人。(あ、あと車のクラクションがラ・クカラチャなんです)
「Sky Saga」は男性ナレーターとオケのための作品。第二次世界大戦でオーストラリアを守るために戦った空軍のその行為と勇気をたたえる詩(今調べたらSir Thomas Whiteという方のでした)を音楽に乗せた作品。詩は歌としてでなくナレーションとして挿入されます。
戦争という題材はもちろん重いのですが、詩の内容もそんなに生々しく戦争を描いていないですし、曲もすっきり聴けるものです。Nickの得意としていた映画音楽を思わせるようなスタイルで描くのは戦争自体、というよりも先ほど書いたように守り戦う者の勇気に敬意を示す、という側面。
でももちろん失われた命に対する悲しみ、戦争のむなしさみたいなものも描かれています。こちらでANZAC Dayなどで戦死者の弔いにビューグル(トランペットの一種)で演奏される「The Last Post」を短調に変えて繰り返し演奏させます。
The Last Postって元は長調の和音で奏でられるのですが、その場の雰囲気もあって長調でももの悲しく聞こえるもので。それをさらに短調にすることで悲しみを強調する・・・ということでいいのかな。
あくまでも戦争の一面を扱う作品ですが、なんとなく歴史の授業で習ったオーストラリアの戦争への関わり方や、あとオーストラリアのお国柄全般に通じるものがあって「オーストラリアらしい」戦争についての音楽だな、とこないだ聞いて改めて思いました。
録音が見つからないです(汗)私もユースオケのコンサートの録音で持ってるだけで、ぐーぐるで検索したら2004年のRoyal Philharmonic ChoirとOrchestraの演奏しか出てこなくて。
この曲に限らずNickの作品他にもどっかで録音されてないのかなー・・・
今日はイギリスのPromsのコンサートが豪ABCで流れてて、なんとホルストとルトスワフスキの組み合わせのコンサート。今ちょうど惑星を聞いているところです。
ルトスワフスキは前から何曲か曲を聴いて知って、かなり好きな作曲家。でもまだまだ知らない曲も多いです。今回聞いたSymphonic Variationもピアノ協奏曲もツボにものすごくはまったので改めて録音とかもっと手元に増やさないと、と思いました。
小学校の頃からここオーストラリアで育つとほんとイギリス音楽に触れる機会が多くなります。
ピアノではもともと(プロとして弾くような)イギリス生まれのレパートリーが少ないですが、子供として習う時にはイギリスの民謡が出てきたり。
そして弦・吹奏楽・ブラスバンド・合唱ではイギリス音楽を弾かないで過ごすのはほぼあり得ないのではないかと思います。
もちろんプロオケでもイギリス音楽はちょくちょく演奏されますし。
オーストラリアでこれですからおそらくイギリスも似たような、もっと濃いイギリス音楽の環境になるんだろうな、と今ラジオを聞いて思ったのです。
Promsなんか何日にもわたってコンサートがあって、テレビとかで見たかぎりだと結構子供達も見に行ってるようですし。威風堂々とかみんな揃って歌いますし。音楽環境としては教育そのものとは別の意味で贅沢だなーと。
でも逆にイギリス圏の外だとヴォーン=ウィリアムスの作品はあんまり知られてなかったり、イギリスの作曲家の知名度全体がぐっとさがるという話は聞きます。
それはイギリスの音楽が特別難解だというわけではなく(むしろ多くの人に響く美しさと懐かしさを持ち合わせています)、でもどこかにそういった見えない障壁?みたいなものがあるような。
それはここで何度か書いている「餅は餅屋」的な、イギリスの音楽はイギリスの奏者が弾かないとその魅力が出にくい、みたいなところも関係しているのかもしれませんが。
ただフランスもまたお国の奏者でないとうまく表現できないエスプリみたいのがあるイメージが強い中、フランスでは今あんまり自国の音楽を弾かない傾向にあるらしいという話を母からこないだ聞きました。なんでもフランス音楽は軽薄、みたいなことらしくて。(そこが良いんじゃないか!)障壁が反対側に働いているということなんですかね。フランスは20世紀の前半・後半に素晴らしいレパートリーが膨大にあるので大変勿体ない話です。
やっぱどこの国も(というのは言い過ぎかもしれませんが)自分の国の音楽を胸を張って弾くべきだと思うのです。先生も私に日本の曲を弾きなさい、と言いました。その結果が今のレパートリーなのですが(笑)
オーストラリアも歴史こそ短いけど世界に誇れるレパートリーも各方面で結構そろってて、もちろん世界に誇れる奏者もいて。
とにかくオーストラリアの人がオーストラリアの音楽を弾かないと、他の国で弾いたり聞いてもらえる望みはないですから。それはどこの国でも同じ。
もしも自分が日本で演奏することがあればメシアンはもちろんですがなんとかオーストラリアの曲を絡めたいところです。
なかなか選曲難しいんですけどね。17年住んでてちょっとは弾いてますがオーストラリアの音楽で「これ!」とぴたっと合うものがまだ見つかってなかったり。
それに聴衆にとっては(高い確率で)初めて聞くオーストラリアの音楽になるわけですから曲の質はもちろん、オーストラリアをうまく表すような曲を選びたいところ。(これは自分が弾く音楽全般に言えることで、一応ある程度意識はしています)
話はイギリス音楽に戻りますが、イギリス音楽はピアノのレパートリーが少なくて自分がその魅力を広めようとすると演奏ではちょっと無理があったり。(一応大学の図書館でヴォーン=ウィリアムスのピアノ曲を1つ見つけて楽譜をコピーしてあります。録音はないのですが。)
ヴォーン=ウィリアムスの交響曲とか、ブリテンの歌曲とか、ウォーロックの歌曲とかラッターの合唱曲とか、演奏することは敵わないけど素晴らしいよ!ということをこのブログでちまちま書いたりしています(笑)
音楽は文化交流という側面もありますからね。あらゆる文化交流の形と同じく決して簡単では無くて、色々試行錯誤だったり慎重なプランニングが必要ですが、音楽は(食と同じくらいには)効果のある交流の形だと思います。
特にオーストラリアは色んな文化を受け入れる、ということに関しては(音楽でも)得意な方だと思いますが自分の文化を内外に発信することはまだまだなのかもしれません。
最近はインターネットで世界中の音楽が演奏する様々な聴けるようになって「こんな所にまでオーストラリアの音楽(例)が知られてるんだ!」と思うこともありますが、なかなかその影響って生の演奏では現れないものなんですかね。コンサートのプログラムとか(日本のテレビなりこっちのお知らせなり)で見てるとやっぱり障壁を感じる、とまではいかなくても文化差はかなりあり。
文化も色々、隔てる障壁も色々、ですがもっと色んな音楽が聴けるように、弾かれるように、聴かれるようになって欲しいものです。
音楽自体は(クラシックに限らずですが)多様な文化を影響を受けて作られている時代ですから、より多くの人に接点ができるはずなんですよね。
障壁、というかこれは棲み分けの話になるのかもしれないのですが同じ国・文化でも演奏する楽器によって知ってる・聞くレパートリーが変わる、というまた別の文化差もあるのですがそれはもしかしたらまた別の日に。
今日の一曲: Nicholas Buc 「Sky Saga」
なんとなくオーストラリアの音楽を紹介する流れだったので最近聞き直したこの曲を。
ユースオケでチェロを弾いていた時代、いわゆるライトミュージックのコンサートで一度戦争(&そのほか戦いの)映画の音楽をテーマにしたコンサートをやりました。例えばプラトーンで使われたバーバーの「アダージョ」だったり、ベン・ハーの曲だったり、シンドラーのリストのテーマ曲だったり、はたまたスター・ウォーズのメドレーだったり。戦争映画関連だけど楽しい曲・有名な曲が多かったです。
その中で唯一オリジナル曲だったのがこの「Sky Saga」。作曲家は当時第1バイオリンを弾いていて作曲もやっていた先輩でした。彼がまたひょうきんな人なんですが、他にもテレビや映画などで絶対聞いたことのある色んな音楽をすごいユーモアのセンスでメドレーに仕立てたり(以前紹介したかな、Magic Memorabilia Medley)、あとチャンネル31のニュースのテーマを作曲したりとにかく凄い人。(あ、あと車のクラクションがラ・クカラチャなんです)
「Sky Saga」は男性ナレーターとオケのための作品。第二次世界大戦でオーストラリアを守るために戦った空軍のその行為と勇気をたたえる詩(今調べたらSir Thomas Whiteという方のでした)を音楽に乗せた作品。詩は歌としてでなくナレーションとして挿入されます。
戦争という題材はもちろん重いのですが、詩の内容もそんなに生々しく戦争を描いていないですし、曲もすっきり聴けるものです。Nickの得意としていた映画音楽を思わせるようなスタイルで描くのは戦争自体、というよりも先ほど書いたように守り戦う者の勇気に敬意を示す、という側面。
でももちろん失われた命に対する悲しみ、戦争のむなしさみたいなものも描かれています。こちらでANZAC Dayなどで戦死者の弔いにビューグル(トランペットの一種)で演奏される「The Last Post」を短調に変えて繰り返し演奏させます。
The Last Postって元は長調の和音で奏でられるのですが、その場の雰囲気もあって長調でももの悲しく聞こえるもので。それをさらに短調にすることで悲しみを強調する・・・ということでいいのかな。
あくまでも戦争の一面を扱う作品ですが、なんとなく歴史の授業で習ったオーストラリアの戦争への関わり方や、あとオーストラリアのお国柄全般に通じるものがあって「オーストラリアらしい」戦争についての音楽だな、とこないだ聞いて改めて思いました。
録音が見つからないです(汗)私もユースオケのコンサートの録音で持ってるだけで、ぐーぐるで検索したら2004年のRoyal Philharmonic ChoirとOrchestraの演奏しか出てこなくて。
この曲に限らずNickの作品他にもどっかで録音されてないのかなー・・・
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