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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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Mandragora 感想
今日はちょっぴり手抜きです。
なぜならこれまでに何百回もおそらく読んだであろう本の感想を、これからまた読むに当たって書くので(苦笑)

David McRobbie作 「Mandragora」



この本は私が学生時代、8年生・・・だったかな?の英語の教材にもなった本で、少なくともクラスではなかなか人気がありました。

主なあらすじを紹介します。
ヴィクトリア州のシップレックコースト周辺の(架空の)町に住む高校生アダムは思いを寄せる同級生、カトリーナが流木を探しに散歩するのにごく自然を装ってご一緒しようと思っている。そこに悪友リチャードとマイクが姿を現し、偶然にも彼らは砂に埋もれた洞窟を見つける。
その町には昔近くであった船の難破で生き残った船乗りが残した物がどこかの洞窟に埋まっているという言い伝えがあることからカトリーナとアダムはその洞窟をわくわくして掘り起こす。その洞窟の中に4人が入ってみるとなにやら小さな棺が5つ。中には木のようなものでできた人形が一つずつ入っていた。
アダムはその中の一つを持ち帰り知り合いの博物館の学芸員というかなんかに見せることにするが、その日から町で不思議な事件が起こり始め、アダムの周りにも危険が及ぶようになってくる。
この一連の事件とその船の難破、そして人形達はどう関係しているのだろうか・・・?

至ってシンプルなヤングアダルト文学で、ストーリーは多少平凡ですが、「現在」のストーリー進行の部分と「過去」のストーリーの対比が良いです。
難破した船での出来事の話も、人形達に関わる部分も、どちらもイギリス・スコットランドの文化がものすごくシンプルながら鮮やかに描かれ、本を読む人が本当にその難破した船の記録・記憶をひもといているような気持ちがしてきます。

所々にちりばめられた古風英語もまたその雰囲気をつくる重要な小道具であり、英語とはまたかなり違った言語だからこそ読めるようで読み解けないのがちょうど良い具合にミステリーを添加します。
例を書き出してみますね:
「Dae ye no ken thy man is curset?」
英語ににているようでちょっと違う。こんな感じで長文になるとミステリーです。
インパクトもまたあるんですよね。呪文のような。途中でこういうフレーズが繰り返されると。そのインパクトもまたほんの魅力です。

この本を読む前にまうクラスで2人ずつに分かれてオーストラリア周辺の船の難破について調査するプロジェクトをやりました。
特にヴィクトリア州のグレート・オーシャン・ロード、12使徒のあるあたりのシップレックコースト(難破海岸)と呼ばれるあたりは海岸の形状と見渡しの関係で難破が多いそうです。
その中で一番有名なのが(記録が多く残っていることもあるらしいです)ロック・アード号の難破で、この本もその難破の話をモデルにしているらしいです。

そしてもう一つ有名なのがマホガニーシップの話。
クック船長がオーストラリアに上陸する前、16世紀ごろポルトガルの船がシップレックコーストで難破し、その残骸が海岸のどこかに埋まっていて、何年かごとに姿を現したりするという伝説です。
事実かどうかはわかりませんが、もともとスペイン海域だったあのあたりは本当はポルトガルの船は入っちゃいけないのではっきりした記録がないんだとか。
ただ見つかるとオーストラリア初上陸ということになるといわれ歴史的にも著明な発見となるらしいです。

本を読んでロマンに思いをはせるのも良いですが、実際に行ってその地で思いをはせるのも乙ですね♪

8年生の図書なので英語も結構簡単で、ストーリーもわかりやすいです。
David McRobbieは他にも「This Book is Haunted」「Haunted」の2冊の短編集が優れています。
この2冊は言えば「世にも奇妙な物語」みたいな感じです。ちょっとわかりにくい物もありますが、どれもひやっとしたり、感動したり、ちょっぴり笑ったり。
こちらもまたおすすめです。


今日の一曲はちょっと力尽きているのでお休みです。
何でしょうね、この疲れは。明日はなるべくパスしないでいいといいな。

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