忍者ブログ
~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Again from Zero
前回のエントリーに拍手どうもです!
なんだか終わってしまったのが実感できないような不思議な感じ。
忙しさもありますが綺麗さっぱり終わってしまった感じ。
愛着のある曲々ではありましたが演奏にしてもプログラムとして形にすることに関してもしっかりやりきって悔いの少ないものだったので、むしろ良いことなんじゃないかな。

忙しいです!日本にいく準備ももちろんですが(今日一日買い物してました。まだ終わってない)、明日は朝早くバスに乗って田舎の友達を訪ねに行くので早いとこ荷造りしなければ(汗)

なのでピアノはリサイタルの後は昨日弾いただけ(&明日・明後日も弾けない)。
リサイタルが終わってこれで新しい曲が弾けるぞー!・・・とは意外とならないんですよね。
一度アイディアを出して育てて手放して白紙に戻った、つまり手持ちがゼロにリセットされた状態。
0を1にするのは大変で、今どっちの方向に行くかもまだ分からずぽかんとしています。

でも日曜日は色々弾いてみました。弾いたことのある曲ない曲いろいろ。
スクリャービンの黒ミサソナタとか、ショスタコの前奏曲とフーガ嬰ト短調とか、リゲティの練習曲第5番(虹)とか、プロコフィエフの悪魔的暗示とか、ドビュッシーの映像第1集の「水の反映」とか。
ゼロに戻ったとはいえちょこちょこアイディアの種くらいはある様子。この曲とこの曲は相性がいいな、とかそういうのはあります。例えばショスタコの前奏曲とフーガ嬰ト短調はバッハの平均律第2巻の嬰ニ短調と相性がいいですし、黒ミサソナタは悪魔的暗示と(タイトル以上に)相性がよかったり。あとシマノフスキのメトープは(まだ弾いたことないですが)クセナキスのエヴリアリと相性がよさそう。
これからどんどん初めての曲を弾き広げて古い曲を掘り起こしてそういうアイディアの種を育てていきたいです。
そのためには日本から帰ってきた後になりますが大学でまた楽譜を借りてこないと。

弾くだけじゃなくて聴く方も新しく広げたいながら色々迷ってます。
日本側では聖飢魔IIは何買うか、たまは何買うか、etc. etc.
そしてiTunes storesの方ではこないだクロノス・カルテットの中国琵琶との共演「Ghost Opera」が欲しいかなーと書きましたがこないだ2009年のCD「Floodplain」を試聴したらそっちも欲しくなりました。
Floodplainは中東周りのいろんな国の音楽をクロノスが演奏するのですがヘブライ圏、アラビア圏、スラヴ圏、アフリカ圏など色んな国(英語ですがトラックリストと国のリストはこちら)の音楽が揃っているのがものすごく面白くて魅力的で、ここ数年特にアラビアとかヘブライとかの音楽にとにかく弱くて。こっちにしちゃうかも。

それからジョン・アダムズのCDをどうするか。City Noirにするか、バイオリン協奏曲とHallelujah Junctionと入ってるのにするか。
さらにクロノス、アダムズを1枚ずつ買う場合はもう1枚何にするか。ほんとうに音楽の世界が広くて贅沢すぎる悩み!
もっともっと新しい音楽に出会って親しみたいです。

さて、荷造りをしなければ。一泊とは言え必要な物はいろいろ。
また向こうでの諸々は明後日以降に。


今日の一曲:ドミトリ・ショスタコーヴィチ 前奏曲とフーガ第12番 嬰ト短調



前パッサカリア特集をやったときにショスタコはバイオリン協奏曲の第3楽章を紹介したのですが、この前奏曲もとってもわかりやすくクラシックなパッサカリアの形式をしています。
繰り返されるベースラインはバッハのパッサカリアとフーガハ短調にも匹敵するくらい表現豊かというか、一つの世界がそれで出来てる感があって、ちょこちょこ上にのっけるハーモニーによって和音進行が変わって表情を変えることがあるのににやりとします。(弾く時はそういうさりげないとこも大事にしたいですね)

ただバッハのパッサカリアみたいな荘厳な感じはちょっとはありますが強くはなく、どこかショスタコには珍しい?感じの切ないところがある曲。迷いながら内向きにぐるぐる歩く感じで、弾いていて心が旅にでます。

そしてそんな「古い」形式で割と保守的でセンチメンタルに書かれた前奏曲とは対照的にフーガはストレートに20世紀の音楽です。
5拍子という変則的で非対称な拍子に、リズミックで尖った印象的なテーマ。そのテーマが複雑に絡み合い(4声のフーガですがそれよりも複雑に聞こえます)、まるで電気の網のように広がるのはとにかくかっこいい!

ちなみにこのフーガのテーマ、前奏曲の最後の部分ですでに演奏されるんです。かなり特徴的な形のメロディーなので気づくと思いきや、前奏曲のゆっくりなテンポと丸くて長いフレーズが続いているので言われてみなくちゃ気づかない。
このテーマは音の高さだけでなくあのテンポと鋭いスタイルがあってこそ生きるものなんだな、と改めて実感。

3つ手元にある録音(アシュケナージ、ニコラーエヴァ、キース・ジャレット)の中だとこの嬰ト短調を聴くにはアシュケナージの演奏が一番角があって好きです。MP3アルバムでも出てるみたいなのでリンク。

この曲は弾く優先度が高い曲の一つなのでまたそのうち紹介したいです。

拍手[1回]

PR
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Comment:
Pass:
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック