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前回のエントリーに拍手どうもですー
前回の更新から今日まで3日間、色々音楽イベントでいっぱいでした。
なので今回はそれぞれの感想を短くまとめようと思います。
まずは木曜日のメル響コンサート。
Mark Wigglesworthの指揮でハチャトゥリアンのバイオリン協奏曲(バイオリン:James Ehnes)とショスタコーヴィチ交響曲第10番。オールロシアというか時代からいえばソヴィエトですね。
ハチャトゥリアンはワイルドなイメージよりはクリーンな音で(バイオリンの重音があんなにきれいにでるのはへっぽこ元チェロ奏者としてはうらやましい)、ちょっとオケとソリストの方向の食い違いはあったけど良い演奏でした。
ショスタコはもう髄までショスタコでした。もう冷たい無機質なコンクリートのような精神とどこまでも人間な闇が混ざる、決してとっつきやすい曲ではないのですがこれぞショスタコ!という曲の魅力が出ていました。ファゴットのソロかっこよかったなー。ショスタコのファゴットは独特。
そしてショスタコ自身を表すDSCHのテーマのクライマックスのどこかでコントラバスがそろってピチカートを全力で「鬼はー外ー」とやってるみたいな動きで弾いてました。すごい視覚的効果!
改めてショスタコ大好きです。ほんと自分に馴染んでいる音楽。
金曜日はメルボルンの科学館ScienceworksにあるプラネタリウムでGrigoryan Brothersのコンサートがありました。
このコンサートではオーストラリアの作曲家Stuart Greenbaumの「Natural Satellite」という曲の初演もありました。私が大学に通ってるとき大学のオケが年に1回作曲科の生徒の作品を演奏する、というのがあったのですがある年にStuartが作曲科の生徒たちに「なるべくチェレスタを入れるように」と言ってくれて、結果いろんな素敵なチェレスタパートが生まれたという経緯がありまして。なので作曲家として作品が好きなだけでなくちょっと恩もあるんです。
今回初演されたギター2本のための「Natural Satellite」は太陽系の惑星の様々な衛星達を題材にしています。5つの楽章が順に土星のヒペリオンとタイタン、木星の4つのガリレオ衛星、海王星のトリトン、土星の5つの羊飼い衛星、そして地球の月を題材にしています。ちょこちょこポピュラー音楽でのギターの使い方に影響されてるようなところもあって、幅広い表現が楽しめました。
他に演奏された3曲も合わせて宇宙という壮大な世界を映像で楽しみながら、ギターというとってもintimateな音の世界も同時に存在してて不思議でした。あと不思議と言えばプラネタリウムの後ろに倒れる椅子でほぼ寝転んだ状態で音楽を聴くという体験も不思議でした。(来年は名古屋のでっかいプラネタリウムも行きたいです)
そして今日はワーグナー生誕200年記念、Melbourne Ring Festivalが開幕しました。
ワーグナーの超巨大オペラ作品「ニーベルングの指環」(各6時間とかのオペラ4つで構成されている)が完全な形で複数公演が行われるというのがメインイベントで、その指環サイクルに関する様々なコンサートやイベントがメルボルン周り色んなところで開催されるという、いつのまにか街を巻き込んだ一大祭りになっています。
今日はオープニングとしてちょっとしたパレードと屋外コンサート的イベントがFederation Squareで行われました。なんと本物の馬に乗った戦乙女ワルキューレがいましたよー!
演奏はブラスバンドによる「ワルキューレの騎行」のアレンジで、ステージの演奏から始まっていつのまにか聴衆が集まってる広場でも奏者が弾き始める、という感じの流れ。しかも広場を囲んでいるTransport Barのバルコニー、Deakin EdgeのバルコニーとChocolate Bhuddaの前にそれぞれ1人ずつトランペットのソリストがいて聴衆と奏者が入り乱れ囲まれたような演出になってました。面白かった-。
結構このオープニングイベント人が集まって賑やかでした。土曜日でFederation Squareという場所もあったんですが、やっぱり「ワルキューレの騎行」のメロディーはみんな聴いたことがあって知ってるってのもあるんだろうなあ。
それにしてもワーグナー生誕200周年、そして巨大オペラの完全公演とはいえ一オペラ作品を一般に向けてもがんがんアピールするフェスティバルにまでしてしまうとは。
この他にもオペラをあんまり知らない、親しんでいない、そして本編が長くて高くてもう売り切れてて行けない一般の人達向けのイベント(無料イベント含む)も色々用意してるみたいですし、クラシック音楽に親しめるフェスティバルになるといいな、と思ってます。
この祭りの一部としてなんと!MNOZIL Brassがコンサートという名の壮大なコントをやりに来るので速攻でチケット予約しました!あぶなかったー売り切れそうでした。おもろい金管おじさんたちがまたメルボルンに来てくれる、というのが本当に嬉しくて。コンサートは24日ですがもう楽しみ。
あとはワーグナー祭りでは指環サイクルの衣装展とかもあるようなのでちょっとのぞきにいこうかな。まだまだ寒いのですが出かける楽しみができて良いです。感想はまたその都度。
今日の一曲: アラム・ハチャトゥリアン バイオリン協奏曲 第3楽章
手短にちょっとだけ。ハチャトゥリアンのバイオリン協奏曲は長いこと知ってる曲なのですが木曜日のコンサートで見直したというか、新しく魅力を感じた曲です。
そもそもこの協奏曲は学生が弾くことも多くて第1楽章だけ演奏されることも少なくなく、第1楽章はわりと時と場所のキャラクターが強くて、で他の楽章の印象ってちょっと薄かったのですが。
やっぱ生で聴くと集中の度合いとか耳の付け所(?)とか変わってきますね。あとその場にいる臨場感からくる印象の違い。
この第3楽章はほんとにこう、遊び心があるというか、第1楽章から色々持ってきたり、民族舞踊的なところがちょっとあったり、リズムが色々楽しかったりとか。聴いてて楽しい曲です。
その反面ソリストのパートは結構大変そう。第1,2楽章とも短いとはいえないですし、その後のこの最終楽章もそれまで以上に弾きっぱなし。ずっと細かい音とか重音とか技巧がすごいパート。
それが今回のコンサートだとあのまっすぐでクリーンな音で弾かれて本来より難しく聞こえないのがすごかった。
もちろん間に挟まれた第2楽章も魅力的な曲です。ちょっとロシアの東の方行ったなーというエキゾチックな雰囲気が。なので第1楽章だけでなく他の楽章もぜひ聴いてみてください。
リンクしたのは持ってる録音。ちょっとワイルドなところがあって良い演奏。そしてなぜかカップリングがブラームスのバイオリン協奏曲。調がニ長調というところ以外共通点がないのですがそのコントラストも面白いです。
前回の更新から今日まで3日間、色々音楽イベントでいっぱいでした。
なので今回はそれぞれの感想を短くまとめようと思います。
まずは木曜日のメル響コンサート。
Mark Wigglesworthの指揮でハチャトゥリアンのバイオリン協奏曲(バイオリン:James Ehnes)とショスタコーヴィチ交響曲第10番。オールロシアというか時代からいえばソヴィエトですね。
ハチャトゥリアンはワイルドなイメージよりはクリーンな音で(バイオリンの重音があんなにきれいにでるのはへっぽこ元チェロ奏者としてはうらやましい)、ちょっとオケとソリストの方向の食い違いはあったけど良い演奏でした。
ショスタコはもう髄までショスタコでした。もう冷たい無機質なコンクリートのような精神とどこまでも人間な闇が混ざる、決してとっつきやすい曲ではないのですがこれぞショスタコ!という曲の魅力が出ていました。ファゴットのソロかっこよかったなー。ショスタコのファゴットは独特。
そしてショスタコ自身を表すDSCHのテーマのクライマックスのどこかでコントラバスがそろってピチカートを全力で「鬼はー外ー」とやってるみたいな動きで弾いてました。すごい視覚的効果!
改めてショスタコ大好きです。ほんと自分に馴染んでいる音楽。
金曜日はメルボルンの科学館ScienceworksにあるプラネタリウムでGrigoryan Brothersのコンサートがありました。
このコンサートではオーストラリアの作曲家Stuart Greenbaumの「Natural Satellite」という曲の初演もありました。私が大学に通ってるとき大学のオケが年に1回作曲科の生徒の作品を演奏する、というのがあったのですがある年にStuartが作曲科の生徒たちに「なるべくチェレスタを入れるように」と言ってくれて、結果いろんな素敵なチェレスタパートが生まれたという経緯がありまして。なので作曲家として作品が好きなだけでなくちょっと恩もあるんです。
今回初演されたギター2本のための「Natural Satellite」は太陽系の惑星の様々な衛星達を題材にしています。5つの楽章が順に土星のヒペリオンとタイタン、木星の4つのガリレオ衛星、海王星のトリトン、土星の5つの羊飼い衛星、そして地球の月を題材にしています。ちょこちょこポピュラー音楽でのギターの使い方に影響されてるようなところもあって、幅広い表現が楽しめました。
他に演奏された3曲も合わせて宇宙という壮大な世界を映像で楽しみながら、ギターというとってもintimateな音の世界も同時に存在してて不思議でした。あと不思議と言えばプラネタリウムの後ろに倒れる椅子でほぼ寝転んだ状態で音楽を聴くという体験も不思議でした。(来年は名古屋のでっかいプラネタリウムも行きたいです)
そして今日はワーグナー生誕200年記念、Melbourne Ring Festivalが開幕しました。
ワーグナーの超巨大オペラ作品「ニーベルングの指環」(各6時間とかのオペラ4つで構成されている)が完全な形で複数公演が行われるというのがメインイベントで、その指環サイクルに関する様々なコンサートやイベントがメルボルン周り色んなところで開催されるという、いつのまにか街を巻き込んだ一大祭りになっています。
今日はオープニングとしてちょっとしたパレードと屋外コンサート的イベントがFederation Squareで行われました。なんと本物の馬に乗った戦乙女ワルキューレがいましたよー!
演奏はブラスバンドによる「ワルキューレの騎行」のアレンジで、ステージの演奏から始まっていつのまにか聴衆が集まってる広場でも奏者が弾き始める、という感じの流れ。しかも広場を囲んでいるTransport Barのバルコニー、Deakin EdgeのバルコニーとChocolate Bhuddaの前にそれぞれ1人ずつトランペットのソリストがいて聴衆と奏者が入り乱れ囲まれたような演出になってました。面白かった-。
結構このオープニングイベント人が集まって賑やかでした。土曜日でFederation Squareという場所もあったんですが、やっぱり「ワルキューレの騎行」のメロディーはみんな聴いたことがあって知ってるってのもあるんだろうなあ。
それにしてもワーグナー生誕200周年、そして巨大オペラの完全公演とはいえ一オペラ作品を一般に向けてもがんがんアピールするフェスティバルにまでしてしまうとは。
この他にもオペラをあんまり知らない、親しんでいない、そして本編が長くて高くてもう売り切れてて行けない一般の人達向けのイベント(無料イベント含む)も色々用意してるみたいですし、クラシック音楽に親しめるフェスティバルになるといいな、と思ってます。
この祭りの一部としてなんと!MNOZIL Brassがコンサートという名の壮大なコントをやりに来るので速攻でチケット予約しました!あぶなかったー売り切れそうでした。おもろい金管おじさんたちがまたメルボルンに来てくれる、というのが本当に嬉しくて。コンサートは24日ですがもう楽しみ。
あとはワーグナー祭りでは指環サイクルの衣装展とかもあるようなのでちょっとのぞきにいこうかな。まだまだ寒いのですが出かける楽しみができて良いです。感想はまたその都度。
今日の一曲: アラム・ハチャトゥリアン バイオリン協奏曲 第3楽章
手短にちょっとだけ。ハチャトゥリアンのバイオリン協奏曲は長いこと知ってる曲なのですが木曜日のコンサートで見直したというか、新しく魅力を感じた曲です。
そもそもこの協奏曲は学生が弾くことも多くて第1楽章だけ演奏されることも少なくなく、第1楽章はわりと時と場所のキャラクターが強くて、で他の楽章の印象ってちょっと薄かったのですが。
やっぱ生で聴くと集中の度合いとか耳の付け所(?)とか変わってきますね。あとその場にいる臨場感からくる印象の違い。
この第3楽章はほんとにこう、遊び心があるというか、第1楽章から色々持ってきたり、民族舞踊的なところがちょっとあったり、リズムが色々楽しかったりとか。聴いてて楽しい曲です。
その反面ソリストのパートは結構大変そう。第1,2楽章とも短いとはいえないですし、その後のこの最終楽章もそれまで以上に弾きっぱなし。ずっと細かい音とか重音とか技巧がすごいパート。
それが今回のコンサートだとあのまっすぐでクリーンな音で弾かれて本来より難しく聞こえないのがすごかった。
もちろん間に挟まれた第2楽章も魅力的な曲です。ちょっとロシアの東の方行ったなーというエキゾチックな雰囲気が。なので第1楽章だけでなく他の楽章もぜひ聴いてみてください。
リンクしたのは持ってる録音。ちょっとワイルドなところがあって良い演奏。そしてなぜかカップリングがブラームスのバイオリン協奏曲。調がニ長調というところ以外共通点がないのですがそのコントラストも面白いです。
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