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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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Vox Humane
音楽では特に興味と知識は広く深く、と心がけているつもりですがどうしても器楽曲に偏りがちで。
自分という人間の人生で歌を歌う人よりも楽器を弾く人の方が関わる機会が多かったのもありますし、やはり声というものは個人差によって印象に大きく開きがでるのもあり。
好き嫌い、趣味はあって当然ですが偏見はやだなあーと思ったりもしています。

例えばオペラなんかはあんまり好きじゃないんですよね。
ドイツやイタリアのオペラの歌のスタイルが苦手だったり、あとオペラ全般オケのパートがたいしたことなかったりして印象がいまいちだったり。
ストーリー的にもなんだかおもしろくなかったり(母は日本に帰ってからオペラ講座に行ったらしいですが同じことをもうちょっと強めに言ってました(笑))。
ただリヒャルト・シュトラウスの「サロメ」やモーツァルトの「魔笛」などはおもしろいですけどね。
そこら辺だったら見てもいいかな、と思いますが。

どっちかというと醤油派なんですよ、私。
ドイツやイタリアのオペラは音楽自体も、声のスタイルもがっつりこってりソース派じゃないですか。
例えば歌曲とか、イギリスオペラ(少ないですが)とかのあっさり系が好きです。
歌曲で言えばイギリスの作曲家の歌曲のうちテノールによって歌われる歌が好きです。イギリスのテノールの声はイタリアほどのリッチさはないですが純粋でシンプルな魅力にあふれ。
前々からこのブログで名前がでているピーター・ピアーズなんかもう天使の歌声だと思います。

あとシューベルトの歌曲なんかどっぷりはまってみたいと思いますね。
今のところ知っているのは「水車小屋の娘」、「菩提樹」、「An die Musik」、「魔王」くらいなんですけどなんせ彼は600曲とか書いてますからね。
ストレートで濃すぎず深みがあって、基本歌曲は器楽曲よりも時間的に短いですがそれに劣らないドラマがあります。あと伴奏する側としても良い曲ばかりです。
一応買いたいCDのなかに「冬の旅」を入れてあります。楽しみです。

合唱だと意外にロシア系がツボかもしれません。
ショスタコーヴィチとラフマニノフの合唱が意外にも(というのもなんですが)素晴らしく。
ショスタコーヴィチだったら交響曲第13番や「10 Choruses on Texts by Revolutionary Poets」、「10のロシア民謡集」とか。
ラフマニノフはもう「鐘」で決まり(笑)
二人とも歌曲も書いてるのでそちらもいつかお近づきになりたいところです。

あとまだ自分の中で全くこなれてないのがマーラーやシュトラウスの歌曲(オーケストラ伴奏)です。
シュトラウスはまあ後回しにしときたいところなんですが(好みと優先度の関係で)、マーラーはもっともっと知りたいなあ、知らなきゃなあ、と思ってます。(ちなみに交響曲も合唱付きのはあんまり詳しくなかったり・・・)
なんせマーラーの作品は曲の垣根、ジャンルの垣根を越えてつながっているので、彼の生涯のことを聞くにしても、交響曲を語るにしてもマーラーは歌曲が絡んできますからねー。
苦手なわけではなく自分の気に入った録音に出会えてないのと、あとマーラーはまじめに聞かないとなかなかきっちり入ってこないので・・・単純に勉強不足です。
でもマーラーなので悪い曲はないはずなので。はい。

話はちょっと変わりますが、こないだ日本から送ってもらった「めちゃイケ」の「歌下手王座決定戦」を見てて。
いろんな人の歌を聴きながらこの人はどういう仕組みで歌が下手なんだろう、ということを素人なりに妹と二人で分析してたんですよ。
例えば音の高さの違いは聞こえても声帯のコントロールができていないとか、音の上下はわかっているけど音程がわかっていないとか。
そうやって見てて私も声を歌に使った方がいいなあーと思い。

私は絶対音感があるので音程は聞こえ、わかるんですが(ただ絶対音感にずっと頼りすぎで相対音感があんまり発達していないという恥ずかしい有様ですが)、あまり「ちゃんと」歌う習慣がないので声のコントロールがあんまりなっていないんです。
8 年生の時まで合唱やってたのと、あと大学の授業でちょっとだけ歌わなくちゃいけないことがあったのみで。
カラオケも2回(日本で1回、こっちで1 回)行っただけ。

多少なりとも自分の声にコンプレックスもあって。
なんか下手なボーイソプラノみたいな声とでも言えばいいのでしょうか(汗)
それに加えて音域はいつのまにかアルトのパートも上の方は高すぎて歌えないほど、ほぼテノールにまで下がってしまって。
理論的に言えばテノールはソプラノの一オクターブ下なんですが、私いつもソプラノパートは一オクターブ下歌ってちょうど良いですし、理論的な音域で言えばあと音一つでちょうどテノールの音域になります(笑)

声って低域は声帯の長さ・太さなどのサイズで決まるらしいですが(この体型でこの声の低さというのもだからおかしいんですが太いんでしょうか)、高域はトレーニングで広げられるらしく、逆に使わないとどんどん下がるという話も聞くので、それも併せてなんとかしないとなーと思います。

鍛えれば少なくともちょっとはマシなボーイソプラノみたいな声にはなるのではないかと思うので(笑)
鍛えてなにが歌いたいかというとやっぱりシューベルトの歌曲とか、ブリテンがピアーズのために書いていたテノールのパートとか(音域ちょうどいいんですよ)。
カラオケとかも行きたいですしね~友達がそういうタイプではないのですが(笑)

人間の声は人間自体が楽器になっているようなもの。体一つで音楽が作れ、ついでにコミュニケーションもとれちゃう優れものなので大事にするのはもちろんある程度磨いていきたいなと思います。


今日の一曲: ドミトリ・ショスタコーヴィチ 「10のロシア民謡集」より「愛する人に」

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いつものとおりipodを完全ランダムにして聞いていてこの曲に出会い、それはもうびっくりしました。
珍しくメロディーに危うく泣かされてしまいそうになったので!
そしてこれがショスタコーヴィチの曲と聞いて2度びっくり!
でもメロディーは曲集のタイトルからもわかるとおりショスタコのものではないです。でもロシア民謡ってクラシックでの引用なんかから受ける印象だと6個くらいの音しかつかってない素朴でシンプルなものだというイメージだったので3度びっくり。

ソプラノが歌うメロディーが本当に切なくて、愛らしくて。何番かあって繰り返されると毎回それが増幅されます。もう2番くらいで歌詞もわからないのに泣きそうになったり・・・
ピアノのシンプルな伴奏が控えめで、メインの伴奏が合唱、というところもまたいろいろな切ない感情をあおるんですよねー。Muffled、というのがふさわしい形容詞でしょうか。押さえてるからこそソロの感情が引き立つみたいな。

そして音楽が純粋なんですよ。いつものショスタコの毒のあったりひねくれてたりするのではなくて素直に。
それはハーモニーにも現れています。でもロシア民謡自体もともと素朴なハーモニーですからね-。

言葉ではもう言い尽くせない何かが、ロシア語を知らなくともひしひしと伝わってくるこの曲。
この曲集にもロシア民謡全般にも興味を大変そそられることはもちろん、たまーに切なさを求めて聞いてしまいそうな曲です。

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