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酷暑の日々が続くメルボルンです。
全豪オープンで体調を崩す人が出たり、電車が止まったり遅れたり、停電の恐れがあったり。
やっと来た暑い夏の日はありがたく気持ちいいものですが40度を超える日が続いたり上記のような問題が起こったりするとやっぱり大変です。
今日もシティからの帰宅が大変でした。無事帰って来れてよかったです。
そんな暑い中昨日今日と出かけてきました。もう長いことお世話になっているMelbourne Youth Musicのサマーキャンプに助っ人参戦してきました。オーケストラプログラムではなく指揮者養成プログラムでコープランドの「アパラチアの春」を弾いてきました。
(前書いたときから若干誤解があったことが判明しました。「アパラチアの春」はオケ版だけではなく13人の奏者で弾くちっさいバージョンがあってそっちを今回弾きました。)
メル響でも指揮するBen Northeyの指導の下、十数人の若い指揮者たち(20代前半が主)が課題曲3曲に取り組み、今週は毎日午前中にミニオケを実際に振ってリハーサル、その様子をビデオに撮って午後にそれをみながらフィードバック分析などする、というシステムみたいでした。
指揮者の卵達のレベルは色々差がありました。なかなか実際奏者を前にしてバトンを振るという機会は少ないので今回初めての人もいたんじゃないかな。でもみんなしっかりして頭の良い、才能溢れる若い人たちでした。
アパラチアの春はいくつかのセクションに分かれててそれぞれが違う難易度であるだけでなく違ったスキルを求められるので課題曲としては素晴らしいです。
奏者として演奏したり指導を見て面白いことばかりでした。
指揮がどういう要素で成り立っているか、そして指揮をどうやって教え、学ぶか、とか。奏者として指揮者がやっていることは当たり前の様に読み取れるのですが、それを具体的にこれはこう、と説明されるのも面白い。
その諸々のプロセスをいわば丁寧に再確認するようなところがあって、それだけでもこういう場所で弾けて勉強になりました。
指揮者って一見そんなに難しいことはしてないように見えますがとっても指揮というのはとっても複雑なタスク。
基本的な要素からおおまかに順に書いてみると、まずバトンを振ってテンポは拍を示したり、音の性質や表現を示したり、手や目線で奏者にキューを送ったり、音楽全体の表現を主導したり、リハーサルを主導したり、オケを全体的にまとめたり。
今回バトンをとった若い人達はそれぞれ上記の要素の色んなステージにいましたが、私が居た2日間でもものすごい成長が見られてびっくりしました。特にコープランド2日目の今日はBenが積極的に次のステージにチャレンジするよう押してて、それでぐんとまた伸びて。指揮者に余裕がでてくるとこっちも安心します。
振ることに集中してた子がキューを与えてオケとのコミュニケーションが深まったり、基本テクニックや表現もコミュニケーションも身につけた子がリハーサルの運びをも磨いていったり。
そんな成長途中の指揮者たちに基本奏者は優しいです(笑)ちょっととちったりしてもカバーしますし、テンポが揺らいでも奏者側からテンポを示してあげたり。こういうとこで奏者の役割としては「ここ届いてないぜ」ということを示すこともあるんですが、奏者がオケで経験積んでると自然と色々カバーしようとしてしまう。
奏者にとって普段のリハーサルと違うのは短い時間のなかで複数の指揮者それぞれに順応していかなくちゃいけないところ。特に今回成長途中なので一人一人の個性や癖(悪い癖も含む)ってかなり差がでてきて、さらにまだ指揮者と奏者の間でお互い伝わりにくいこともあるのですが、でもオケで経験を積んでると前述カバーしたり、癖に補正をかけたり、そういうことがほぼ無意識にできるんですよね。
そして今回改めて指揮者と奏者の関係で面白いな、と思ったこと。指揮者と奏者は言葉を使わず、指揮者は身振り手振り(しかも通常の生活で使うものとはちょっと違う)で奏者に音楽の内容を伝え、そして奏者はそれに音楽で答える。つまり双方違う、しかもどちらもかなり曖昧というか抽象的な表現方法で。
これまで数え切れないオケの演奏を考えると最終的に成り立ってて、実際弾いてても指揮者の意図が感じられる、向こうもそれを聞いて判断すると双方向のコミュニケーションが成り立っているように思えます。
ただ、実際のところは指揮者の思惑と奏者の思惑の間、そして個々の奏者による指揮者の思惑の解釈の間に結構誤差が生じてるはずなんですよね。その誤差が積もり積もって打ち消し合ったり合わなかったりして、その全ての結果がオケの音楽なんだなと思うとものすごく興味深いです。
割と色んな方法でのコミュケーションがヘタな私ですが、オケのコミュニケーションは(上記深く考えるとあれですが)ものすごくうまくいってる気がします。
基本中心視野でも周辺視野でも指揮者をガン見していますが(笑)それだけじゃなくて、指揮者のバトンを追うだけじゃなく上手いこと答えられてるような気がするのです。
ソロピアノででないような性質の音を出したり、オケ独特の表現をしたりするんですよね。それを考えるととっても受動的なのが上手く効いてるかもしれません。
今回こうやって弾く機会があってものすごく楽しかったのですが、それだけでなく自分がオケで弾くことが得意だということを再認識しました。Benにもお褒めの言葉をいただきました。オケでもちょっと弾く機会を得るにはどうしたらいいのか聞いてみたのでもちょっと動いてみるかなと思います。完全に手前味噌ですがこのままだと勿体ない。
昨日、今日ととても楽しい、そしてとても貴重な体験をしました。
ユースオケの頃から若い指揮者たちがMelbourne Youth Music界隈で育ち、旅立っていくのを何回も見てますが、指揮者として活躍するのは厳しい道のりです。今回共演した若い指揮者たちの今後の活躍を願っています。
ちょっと遅くなったので今日の一曲はおやすみなのですがStreet Pianosといって今メルボルンのシティ&その周りの屋外にいくつかペイントされたアップライトピアノが置いてあって、写真をとったのでアップしておきます。Flinders Street駅からリハーサル場所のVCAまで実に4台もありました。暑くないときにもっと探してみよう。
全豪オープンで体調を崩す人が出たり、電車が止まったり遅れたり、停電の恐れがあったり。
やっと来た暑い夏の日はありがたく気持ちいいものですが40度を超える日が続いたり上記のような問題が起こったりするとやっぱり大変です。
今日もシティからの帰宅が大変でした。無事帰って来れてよかったです。
そんな暑い中昨日今日と出かけてきました。もう長いことお世話になっているMelbourne Youth Musicのサマーキャンプに助っ人参戦してきました。オーケストラプログラムではなく指揮者養成プログラムでコープランドの「アパラチアの春」を弾いてきました。
(前書いたときから若干誤解があったことが判明しました。「アパラチアの春」はオケ版だけではなく13人の奏者で弾くちっさいバージョンがあってそっちを今回弾きました。)
メル響でも指揮するBen Northeyの指導の下、十数人の若い指揮者たち(20代前半が主)が課題曲3曲に取り組み、今週は毎日午前中にミニオケを実際に振ってリハーサル、その様子をビデオに撮って午後にそれをみながらフィードバック分析などする、というシステムみたいでした。
指揮者の卵達のレベルは色々差がありました。なかなか実際奏者を前にしてバトンを振るという機会は少ないので今回初めての人もいたんじゃないかな。でもみんなしっかりして頭の良い、才能溢れる若い人たちでした。
アパラチアの春はいくつかのセクションに分かれててそれぞれが違う難易度であるだけでなく違ったスキルを求められるので課題曲としては素晴らしいです。
奏者として演奏したり指導を見て面白いことばかりでした。
指揮がどういう要素で成り立っているか、そして指揮をどうやって教え、学ぶか、とか。奏者として指揮者がやっていることは当たり前の様に読み取れるのですが、それを具体的にこれはこう、と説明されるのも面白い。
その諸々のプロセスをいわば丁寧に再確認するようなところがあって、それだけでもこういう場所で弾けて勉強になりました。
指揮者って一見そんなに難しいことはしてないように見えますがとっても指揮というのはとっても複雑なタスク。
基本的な要素からおおまかに順に書いてみると、まずバトンを振ってテンポは拍を示したり、音の性質や表現を示したり、手や目線で奏者にキューを送ったり、音楽全体の表現を主導したり、リハーサルを主導したり、オケを全体的にまとめたり。
今回バトンをとった若い人達はそれぞれ上記の要素の色んなステージにいましたが、私が居た2日間でもものすごい成長が見られてびっくりしました。特にコープランド2日目の今日はBenが積極的に次のステージにチャレンジするよう押してて、それでぐんとまた伸びて。指揮者に余裕がでてくるとこっちも安心します。
振ることに集中してた子がキューを与えてオケとのコミュニケーションが深まったり、基本テクニックや表現もコミュニケーションも身につけた子がリハーサルの運びをも磨いていったり。
そんな成長途中の指揮者たちに基本奏者は優しいです(笑)ちょっととちったりしてもカバーしますし、テンポが揺らいでも奏者側からテンポを示してあげたり。こういうとこで奏者の役割としては「ここ届いてないぜ」ということを示すこともあるんですが、奏者がオケで経験積んでると自然と色々カバーしようとしてしまう。
奏者にとって普段のリハーサルと違うのは短い時間のなかで複数の指揮者それぞれに順応していかなくちゃいけないところ。特に今回成長途中なので一人一人の個性や癖(悪い癖も含む)ってかなり差がでてきて、さらにまだ指揮者と奏者の間でお互い伝わりにくいこともあるのですが、でもオケで経験を積んでると前述カバーしたり、癖に補正をかけたり、そういうことがほぼ無意識にできるんですよね。
そして今回改めて指揮者と奏者の関係で面白いな、と思ったこと。指揮者と奏者は言葉を使わず、指揮者は身振り手振り(しかも通常の生活で使うものとはちょっと違う)で奏者に音楽の内容を伝え、そして奏者はそれに音楽で答える。つまり双方違う、しかもどちらもかなり曖昧というか抽象的な表現方法で。
これまで数え切れないオケの演奏を考えると最終的に成り立ってて、実際弾いてても指揮者の意図が感じられる、向こうもそれを聞いて判断すると双方向のコミュニケーションが成り立っているように思えます。
ただ、実際のところは指揮者の思惑と奏者の思惑の間、そして個々の奏者による指揮者の思惑の解釈の間に結構誤差が生じてるはずなんですよね。その誤差が積もり積もって打ち消し合ったり合わなかったりして、その全ての結果がオケの音楽なんだなと思うとものすごく興味深いです。
割と色んな方法でのコミュケーションがヘタな私ですが、オケのコミュニケーションは(上記深く考えるとあれですが)ものすごくうまくいってる気がします。
基本中心視野でも周辺視野でも指揮者をガン見していますが(笑)それだけじゃなくて、指揮者のバトンを追うだけじゃなく上手いこと答えられてるような気がするのです。
ソロピアノででないような性質の音を出したり、オケ独特の表現をしたりするんですよね。それを考えるととっても受動的なのが上手く効いてるかもしれません。
今回こうやって弾く機会があってものすごく楽しかったのですが、それだけでなく自分がオケで弾くことが得意だということを再認識しました。Benにもお褒めの言葉をいただきました。オケでもちょっと弾く機会を得るにはどうしたらいいのか聞いてみたのでもちょっと動いてみるかなと思います。完全に手前味噌ですがこのままだと勿体ない。
昨日、今日ととても楽しい、そしてとても貴重な体験をしました。
ユースオケの頃から若い指揮者たちがMelbourne Youth Music界隈で育ち、旅立っていくのを何回も見てますが、指揮者として活躍するのは厳しい道のりです。今回共演した若い指揮者たちの今後の活躍を願っています。
ちょっと遅くなったので今日の一曲はおやすみなのですがStreet Pianosといって今メルボルンのシティ&その周りの屋外にいくつかペイントされたアップライトピアノが置いてあって、写真をとったのでアップしておきます。Flinders Street駅からリハーサル場所のVCAまで実に4台もありました。暑くないときにもっと探してみよう。
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