忍者ブログ
~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Assuming the weather is going to be good
前回のエントリーに拍手ありがとうございます。
そしてご無沙汰しています。
調子は結構いいんですが(これが健康な状態なのだなと改めて思うこと色々)とにかく書くことがない。

ちょうど今日仕事が昼美容院に行く前に終わって、ちょうどよい暑さ(30度ちょい)で良い天気のなか出かけてきました。
メルボルンの夏は晴れの日がほんと多いです。田舎の方ではその傾向がさらに強く、乾燥・山火事(ブッシュファイヤー)だけでなく水不足の問題もでるくらい。
メルボルンといえば変わりやすい天気で、クールチェンジがきたときとか雨が降ったり夕立になったり、ゲリラ豪雨が起こったりもするのですが、それ以外のときは「不穏な曇り」とかもなくきっぱりはっきり晴れることが多いです。

なので、といえばいいのかメルボルンの夏は屋外のイベントが多いです。
晴れるだろうという前提があるんだと思います。ただ雨が降ってもそのまま突き進むこともあります(去年だったか一昨年だったか、メル響のSidney Myer Ballの野音コンサートで雨が降ったはず)。
割とオージー雨平気なんでそれでも人が集まったまま、なんてことも珍しくありません。

今夏もやっと夏らしくなって(色々通り超しましたが)、良い天気のなか楽しめる&楽しみなイベントをちょっとこちらで紹介したいと思います。

1)Street Pianos 「Play me, I'm yours」 (今~1月27日)

前回も載せましたこれです。メルボルンのシティ周りの屋外にこういうカラフルに色を塗ったピアノが置いてあって、誰でも弾いていいようになっている、という企画。
あの44度が続いた日々でも炎天下の下家族連れが見ていたり、子供が弾いていたり。若いカップルと思われる2人が連弾してたりもしてました。(上記サイトに写真あり)
私がシティに出かけてたのもちょうどその日々だけで、Princes Bridge、Arts Centreの野外彫刻The Waveの傍、State Theatre前Tram Barの傍、その近くにある写真の1台、そしてNGV前と5台だけ見つけました。サイトにある地図によると自分の行動範囲内に多くあるので見つけたいです。そして一人じゃなければ弾きたいです(笑)

2)メルボルン夏祭り (2月2日)
ここ数年メルボルンで行われているイベントで、日本の祭りを模したフェスティバルを通じて日本の食、文化などを楽しむらしいです。これまでは Docklandsでやってたらしいですがことしはシティの核心、Federation Squareで開催されるそう。こないだのワーグナー祭りの人の集まりようを考えると結構集客期待できるんじゃないかな。特に日本の食べ物は人気ですし(普段もそうですし、Night Noodleのあれでも混んでました)。
屋台がでるのもわくわくですがパフォーマンスのスケジュールが面白い。和太鼓に武道に琴にブレイクダンシングに盆踊りまであります。
特に盆踊り見てみたいなーと思うのですが残念ながらその日は私は遠出でした。

3)White Night Melbourne (2月22日)
去年行ったときからこちらで何度か言及していますがやっぱり期待の高いイベントです。
アート、文化、エンターテインメントなど様々な分野から色んな出し物があり、メルボルンの街を魔法のように変える様子は今から楽しみ。
個々のイベントの情報だけでなく色んなロケーションを回れるようスケジュールをつけられる公式アプリまで出されているのですが今iPhoneの空き容量が大変厳しくて使えてません。でもそろそろ行きたい場所を絞っとかないとな・・・

4)メルボルン交響楽団 Sidney Myer Music Ballコンサートシリーズ (2月15日、19日、22日)
毎年おなじみの無料野外コンサート。今年は3つ。(前回もそうでしたがWhite Night Melbourneと同じ日のコンサートはWhite Nightの一部ともなっています)
毎回前の方の椅子席から後ろの方の芝生まで、老若男女たくさんの人が音楽を楽しみに、そしてワインとピクニックを楽しみに集まります。(ちなみにガラスの食器は持ち込み不可だったはず)
今年のプログラムの目玉は最初のコンサート、オーストラリアのNigel WestlakeがシンガーソングライターLiorとコラボレーションした新しい作品「Compassion」。ここ数週間ちょこちょこ関連情報が入ってくるので好奇心が刺激されます。Westlakeはもともとクラシック以外のジャンルでも活動してる作曲家なのですがこの新作もジャンルを超えた音楽になるはず。

メルボルンの夏はある程度までなら暑くても気持ちよく、青い空の下で日の光を浴び、心地良い空気を感じられる素晴らしい季節。外に行かないのは勿体ないです。
ただこういったイベントだったりそうじゃなかったりで外出するときは注意しなくちゃいけないことも色々。
強い紫外線を避けるためしっかり日焼け止めを塗り(数時間後の塗り直しも!)、サングラスや帽子を忘れず。汗はかくそばから蒸発しますが確実にかくことには変わらないので水分・電解質の補給をしっかり。
あと暑さで携帯電話が機能しなくなくなったり、車や古い型のトラムなどでやけどをしたりなどという目立たないトラブルもありますので注意が必要です。


今日の一曲: モーリス・ラヴェル 「鏡」より「蛾」



最近やってる日替わりラヴェル復習から。やっぱり夏はラヴェルが似合います。一番夏に涼める音楽を書いてる作曲家だと思いますね、ラヴェル。特に「鏡」はぴったり。

虫を題材にした音楽のエントリーで書きましたが、多くの言語では蝶と蛾を同じ言葉で表して区別しないようで。フランス語も「Papillon」で蝶と蛾を表しますが、それとは別に蛾のみを表す言葉で「Noctuelle」という言葉があるそうです(とくにヤガ科の蛾を指す言葉だとか)。このブログの名前でもありますね。
とにかく蛾好きとしてはラヴェルが間違い無く「蛾」を意図して音楽を書いたというそれだけでも大変嬉しいのです。

そしてこの曲がなかなかトリッキーで美しい。
半音階的なハーモニーでめまぐるしく動き回ったり、ときどき伝統的な調に落ち着いてみたり、はたはた(ばたばた)と動く羽を模した音型や気まぐれに現れる休符など正確でビビッドに蛾を描写しながら、光と色彩で美しく音楽を形作っていく。
ラヴェルの透明な色彩と人間とはちょっと別のところにある感覚が光る作品です。

今回日替わりでラヴェルを弾いてると30分という時間内でも割と音はcomfortableに弾けるようになって、ちょっと自分でもびっくりしています。(ラヴェルは独特の入り組んだ指の技巧があってどっちかというと技巧的に難しい分類に入ります)
元々自分の手がラヴェルの音楽に向いているのでなじみやすい→しばらく弾かなくても戻りやすい、というのがあるのか、それとも自分の技巧が全体的に向上しているのか。どっちにしろ嬉しいです。

で嬉しいついでにじゃないんですがこの「蛾」だけでも演奏プログラムに組めるんじゃないかなーと思い始めてたり。ちょっと合うんでですよねー、テーマ的に・・・うーん。悩む。

リンクしたのは手持ちとは別でエマールの演奏。彼はメシアンだろうがリゲティだろうが完璧に弾きこなす技巧を持ってるだけでなく、ラヴェルやリゲティなどの「理系的な」音楽に強い傾向があるのでちょっと気になる録音です。
「鏡」は有名な「道化師の朝の歌」を始め魅力的な曲ばかりなのでまとめておすすめ。というか基本ラヴェルは少数精鋭で(ピアノ曲だったらトータルでも2時間半分くらいしかない)外れがほとんどないのでラヴェル全体おすすめ。「夜のガスパール」、「クープランの墓」と「鏡」の3大ピアノ曲集(仮)から攻めるのがいいです。

拍手[1回]

PR
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Comment:
Pass:
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック