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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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メル響Sidney Myer Bowl Concertその1感想
前回のエントリーに拍手ありがとうございます~
前回のエントリー書いた夜にいつもよりも早くに急激な眠気が来てどうしたんだろうなーと思ったら仕事に新しいCDに新しい本にピアノにWhite Night下調べにカメラ調べに要するに頭に色々いっぺんに詰め込みすぎたようで。久しぶりの感覚。

昨日は行ってきましたメル響のSidney Myer Bowlでの無料野音コンサート。
大学で一緒にトリオを組んでたホルンの子と一緒に行ってきました。あの子と一緒だと大抵女の子の集まりになりますね。後ろの方の真ん中といういいスポットを場所取りしてくれて大変ありがたいです。
プログラムはこんな感じ:
レナード・バーンスタイン 「ウェスト・サイド・ストーリー」からの交響的舞曲
ジョージ・ガーシュイン パリのアメリカ人
(休憩)
Nigel Westlake & Lior 「Compassion」(歌:Lior)
(前半はBenjamin Northey指揮、後半はNigel Westlake指揮)

前半はよく知る&弾いたこともある楽しいアメリカ音楽2曲。あんまりはっちゃけないしっかりした演奏でした(というかウェスト・サイド・ストーリーに関してははっちゃけた演奏に出会いやすい傾向にあるからなあ)。
そんななかでゲスト奏者のサキソフォン(パリのアメリカ人では3人)が割とJazzyな軽妙な感じで弾いていて、例えれば平成教育学院に中野君が最初に来た時みたいな印象(必ずしも浮いているというわけではなく)。

そして今回の目玉の後半。
オーストラリアの作曲家WestlakeとシンガーソングライターLiorの共作「Compassion」。

Westlakeは映画を始めオーストラリアでは有名ですが、この大作の演奏には一昨年Sidney Myer Bowlでメル響により演奏された「Missa Solis: Requiem for Eli」の成功が背景としてあるそうで(行けなかったその年!)
これまでも様々なオーストラリアの作曲家と一緒に音楽を作ってきて、その都度共演する相手のスタイルを活かしてきたWestlake今回オーストラリアでレコードの賞をとっているLiorとどんな音楽を作るのか楽しみにしていた人は多いはず。(お客さんの入りもものすごかったです)

「Compassion」は一言で言えばアラビア、ヘブライとオーストラリアの融合。
Liorはオーストラリアの人ですがルーツは中東系でヘブライ語を堪能に話すらしく、そんな彼がヘブライとイスラムの教典から歌詞を作ろうと提案したそうです。
イスラム教とユダヤ・キリスト教は教えも似ていますし音楽のスタイルも似てて、さらにLiorによるとアラビア語・ヘブライ語で言語も似ているところがあるそう。
作品を通じてメロディーは中東のスタイルなのでおそらくLiorがメロディーを担当していて、バックのオケの部分はがっつりWestlakeの映画音楽にもあるようなスタイルなのでそういう分担の仕方だったのかな。

とにかくLiorの歌が素晴らしかった!今日ちょっと彼のアルバムを聴いてみましたが、それを聴く限りかなり歌が上手いちょっと懐かしいところのあるポップの歌い手なのですが、今回の「Compassion」ではそれを大きく超えて広い声域をフルに使い、さらに中東の歌のスタイルをネイティブに歌いこなして。それだけでなく表現の豊かさが半端なく、どんなパッセージを歌っても楽々歌ってるように聞こえる。

そしてWestlakeの音楽もよかったです。この作品は7つの楽章から成り立っててスローな楽章の美しさがまず際立つのですが、テンポが速い楽章も魅力的でした。シンバルの使い方(実際使ってるシンバルが普段と一緒かどうかは見えなかった)は中東風なのですが、リズムはものすごくオーストラリアの躍動感いっぱい。やっぱりメル響は打楽器です。
(この曲はすでにCDが出てて、そっちはシドニー交響楽団が弾いてるのですがシドニーが小さめの綺麗なそろった粒になってるのと対照的にメルボルンはダイナミックな打楽器群。Missa Solisのメル響録音も合わせて比べて見るとちょっと面白いですね。)

もう全部合わせて素晴らしい演奏でした。ほんと私中東周りの音楽大好きです。
そしてここ数年何かとそっち系統の音楽に出会う機会がちょこちょこあって嬉しい。(そしてとにかく素晴らしい音楽にすごく頻繁に出会えてほんと贅沢な日々を過ごしています)
そしてこのコンサートでもっとオーストラリアの人がオーストラリアのクラシック音楽に注目してくれるといいなあ、とも思います。Westlakeはそこんとこキーパーソンなんじゃないかな。

そしてコンサート後は大学の音楽仲間周りで聴衆組・メル響奏者組交えてArts Centreのバレリーナのスカートの下にあるCurve Barで飲みました。(あそこハウスワインがYering Stationなんですね)
大学時代から海外や別の州に行く人もいるとはいえ、5年経っても10年経ってもコンサートで集まって一緒に音楽の話や他の話(地図の図法とかトカゲの生態とか)で盛り上がれる、というのはどこか安心するし、心地いい。そしてまだまだ自分は音楽周りの人に支えられたり覚えられたりするし、この集まりにいるだけでも心地いいけどもっと音楽やりたいよなーというモチベーションが供給されて。

今メル響で裏方やってる(でもMissa Solisでは打楽器演奏した)友達が「カジュアルプレイヤーに登録してもらった方がいいよ!」って後押ししてくれたので今年Stonnington Symphonyで経験を積みながらもう一回履歴書提出させてもらおうかな・・・と考え中。今はちょっと早いかどうだろう。悩む。もっと音楽&オケしたいぜ!

そういえば私はどうやらなにかと(母を筆頭に)ホルン奏者をちょっと近くに引き寄せるような磁石的なものが埋め込まれているのかなんなのか、今回もたまたま隣に座った初めましての人がホルン奏者だった。チェロ率もビオラ率もそこそこ高いけどホルンらしい。

さて、Sidney Myer Bowlでのコンサートはまだ2つありますがまだまだ忙しくてちょっと参戦できそうにないのが残念。コンサートを聴きに行くこと自体もそうですが音楽友達とたむろする機会も今年は増やしたいです。


今日の一曲: レナード・バーンスタイン 「ウェスト・サイド・ストーリー」による交響的舞曲



CompassionはCD購入必至なのでそのときにゆっくり。(とりあえずiTunes storeで試聴できます。ついでにMissa Solisはこちら。)

オーケストラでやって必ず楽しいのがこの曲。いつでもどこでも楽しい。親しみやすさだけではなく、実際奏者にとっても弾き応えがあってかつ楽しむ余裕がある。
ちゃんとそこんところ両立してる辺りバーンスタインは凄い(さらに彼はもっとがっつり現代音楽な曲も作曲してるんです。そこもすごい)。

なんといっても一番盛り上がるのはマンボですね。オケが(というか主に弦楽器が)「マンボ!」というのも楽しいですし、とにかく派手に盛り上がれる。劇中でもマンボは二つのギャングの中立地帯でみんなが踊りまくるシーンなので本当に色んな物を忘れて踊るとこなんです。
ちなみに大学に在学してたころから「とんでもなくはっちゃけた」マンボとして有名な動画がこのベネズエラのユースオケの演奏。思わず笑っちゃうくらいです。

今回の演奏で特にかっこよかったのがCoolとその次のCool Fugueの部分。前述の通りちょっと真面目な感じの演奏でしたがそのぴしっと締まったところにあるジャズな感じのかっこよさ。
ドラムキットが淡々とリズムを刻む中どんどんソロ楽器が前にでてくる、ちょっとモデルのキャットウォークみたいな計算された登場・・・みたいな。

で、私のお気に入りはチェレスタが多く活躍するスケルツォ。前この曲紹介した(はず)とき書いたと思うのですが、この曲は主人公の1人トニーが見た「自由になる場所の夢」の音楽で、他の音楽とはちょっと曲調が違ってささやかな特別感があって。あとチェレスタ。チェレスタの音は夢の音ですよ。チェレスタソロの曲として弾きたい。

手持ちの録音はバーンスタイン自身が指揮しているやつなのですがこの録音「マンボ!」コールもスケルツォでの指パッチンも入ってないんです。不思議だなーと思いつつ日々聴いているわけですが。
なのでリンクは別にしました(チェックしたら上記どっちも入ってました)。こっちもCDの一部はバーンスタインが指揮してて、交響曲第1番という純クラシック方面作品も入ってます。バーンスタインの交響曲だと手持ちは第3番だけで、まだあんまり把握できてないのですが面白い作品なので第1番も期待高いです。

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