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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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White Night Melbourne 2014!
前回のエントリーに拍手ありがとうございます!

毎日くたくたな日々が続きますが行ってきましたメルボルンの夏の夜の祭り、White Night 2014!
夏の夜とはいえ昼の気温でさえ22℃くらい、夜はさらに肌寒かったですが外でもたくさん楽しみました。
デジカメ買って写真も色々とったのですがそれは別エントリー立てて後でアップします。とりあえず文。
White Night Melbourne 2014のイベント情報はこちら

今回は7時前にはシティに着いてフードコートで手短にご飯を済ませ(レストランに入れなかった、というか待ち時間がちょっと長かった・・・さすが混んでますな)、そして明るいうちにBirrarung Marrの方を回ってから8時にチケットをとったState Theatreゴーストツアーに。

お隣のHamer Hallは何度もオケのコンサートで裏方も色々歩き回ってるのですが劇場となるとやっぱ複雑さは桁違い。結論から言うとゴーストツアーは「フィクション」なのですが(最後にネタばらしあり)、でも演劇にまつわる数々の迷信といい、地下レベルの複雑なダンジョンのような構造といい、それに色んなところに鏡があるのといい、本番でもリハーサルでも何が起こるかわからない的な話といい、ああいうところは何かしらんの何かがいてもおかしくなさそうです。

そしてお次はWhite Nightとは別ですが連動しているMelbourne Recital Centreでの「ACO Virtual」に行ってきました。(予告ムービーがこちらにあります)おなじみの小さいホール、Salonに入るとそこにはいくつかスクリーンがついたてのようにぐるっと立ててあって、スクリーンに映った奏者たちが奏でる音・様子を真ん中に座ったり立ったりして楽しむシステム。ACO=Australian Chamber Orchestraは弦楽器主体の少なめ人数の(指揮者がいない)オケなんですが、その中の10人前後で演奏していました。各曲で奏者の位置が変わったり、ときどき奏者が弾いてるパートがスクリーンにテロップ状に流れたり。楽譜が読めなくても動きはなんとなーく分かるかな?そしてよくよく見ると結構元の楽譜に書いてあることとは違う解釈してたりするのが分かって面白かったり。

特に面白かったのがバッハのブランデンブルク協奏曲第3番の第1楽章。この曲は私もちょっと弾いたことがあるのですがこんなに面白くなるとは!そんなに変わったこととかしてないんですけど、楽譜と奏者と音の連動がものすごくわかりやすいというか、色んな方向が気になったり、どこで誰を見ようかわくわくしたり音と奏者を追っかけるのが楽しかった。
ところでACOは指揮者のいないアンサンブルなので奏者の目線も気になったのですが、一人に目線が集中することはあんまりなかった印象。みんな色んなときに色んな他の奏者を見ている。人数こそちょっと多けれど弦楽四重奏のようなタイトなアンサンブルを維持するのにミクロレベルのコミュニケーションはものすごく大事みたいですね。

そしてそこからNGVのライトアップ「Tattooed City」(人間のタトゥーを芸術として写したりコラージュした展示)を見ながらヤラ川の南側のAlexandra GardensとQueen Victoria Gardensに。映像をスクリーンで映したり、インタラクティブな展示だったり、屋外彫刻的なものが多かったです。特にPlanetoidsの奇妙な惑星のようなオブジェの異質さ、そして突然現れた感がこの街の雰囲気ががらっと変わるイベントにぴったり。

そこから今度はヤラ川を渡ってFederation Squareを横目にFlinders Street周りのライトアップ、そしてその次にある小道Flinders Laneの細い道幅とビルを活かしたライトアップを見てScots Churchに。200年前の頭蓋骨の山を表した「Forgotten」を見るついでにちょっと足を休めたり教会自体を見たり。初めて行く教会だったんですよ。

シティ内の道は全部、または一部通行止めになっていて、それでさくさく進めるところもあれば若干車と歩行者とトラムがカオスになってたりするところもあり。もちょっと考えたほうがいいんじゃないか、と思うRussell Streetを北上してこんどはメルボルン監獄周りでやっているPurple Rainに。紫のライティングの中で人工雨(霧的な)を降らせ、傘を差して歩いたり景色をみたりするアトラクション。
すっごい並びました(笑)。そして果たして並んだ時間と体験が釣り合うのかもちょっと微妙でしたが、でも面白かったです。というかこんなにたくさんのメルボルン人が傘を差している光景もなかなか見られません(笑)

そして州立図書館に入るのにまた並びました。こちらは去年コンサートをやっていたReading Roomでの「Molecular Kaleidoscope」が目当て。様々なウイルスの分子模型や情報、ゲノムやDNAの図などをReading roomの壁と天井いっぱいに映し出す、しかもその分子やDNAのうごめくこと!ウイルスの性質、そして照明に使う色と相まって禍々しさいっぱいでした(特にHIVウイルスのバージョンで基本色が赤だった時の恐ろしさよ)。そしてちょっと勉強にもなりました。

White Nightは朝7時まで続いて今年は電車も30分ごとに一晩中出る、とはいえどもこの時点でかなり疲れてたので最後はHamer Hallで〆に行きました。ホールにあるのはピアノ一台。これが実はものすごいピアノで、なんとラフマニノフがピアノロールに演奏を録音したのを再現演奏してくれるピアノなんです。なので奏者はいないけれど流れてくるのは確かにラフマニノフが演奏している音。ステレオを通して今は亡き奏者の演奏を聴くのとはちょっと違う、不思議な生演奏なんです。

そんなピアノロールでのラフマニノフの演奏は長いことCDとしても出てますし、それを持ってるのでどんな感じかというのはよく知っていたのですが生で聴くとやっぱりちょっと違いますね。演奏の仕方がそもそもよそ行きっぽくないというか、なにかそっけないところがあるながらもカジュアルにさらっと弾いてる感が(手がでかいから自分の曲もさらっと弾けちゃうラフマニノフ)あって、それがどこか人間臭くて。ラフマニノフがあたかもそこにいるような感覚、とまではいかなくとも少しばかり存在を感じる演奏でした。

今回一人で参戦で、あんまりどっか座って飲んだりとかせずほとんど動き回ってたため体力などの問題で回れなかったところもちょこちょこありましたが、でもメルボルンという街をいつもと違う色彩、雰囲気、そして楽しみかたで味わうことが出来て本当に楽しかったです。
一晩の魔法みたいな雰囲気があるのもものすごく気に入ってますし、あと去年と同じくメルボルンという街の特性(芸術、街の造りなど)をクリエイティブに活かしてイベントとしてもcleverでうまくできてると思いますし。そして気温が低くてもちゃんと人が集まりますしね。
公式も来年の開催にやる気満々のようですし、私もまた忙しい時期になると思いますがまたの参戦を楽しみにしています。

今日の一曲はお休み。次のエントリーで写真載せます。

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