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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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Melbourne's Classic Music: Great and Small
前回のエントリーに拍手ありがとうございます。

昨日確認しましたが来月末にオケで弾きます!曲全体の長さに対する私のパートは過去最小と思いますが大事な大事なパート。また後日詳細はここに書きますが今から楽しみです。

今日は昨日Twitterでちょっとつぶやいてた昨日のエントリーにちょっと関連することをまとめてみたいということで。(明後日マレーシアに行く準備もしなくてはならないですがその前に)

メルボルンは芸術の街として知られていますが(知られてますよね(汗))、私がちょこちょこ関わっているクラシック音楽のジャンルもかなりアクティブな街です。
それも私が大学に入ってからと比べると演奏頻度、レパートリー、演奏場所、演奏形態などかなり広がっていて、格調の高いコンサートからもっとカジュアルなコンサートまで、古音楽から現代音楽まで、そして他のいろんなジャンルとコラボしたコンサートまで楽しめます。
世界で一流とまではいかなくてもメルボルンの観光として音楽(クラシックに限らずですが)を楽しむというのはありなんじゃないかと最近思います。

メルボルンのシティ内・周りだけでもシーズン内(3月くらい~12月中旬くらい)ならほぼ毎日なんらかの音楽演奏イベントをやっているんじゃないですかね。比較的小さい編成のコンサートなら平日でもやってるみたいです(後述)。
そんな中私が是非メルボルンで楽しんで欲しいと思うコンサートは大きく分けると大小2種類に分けられます。

まずは「大」のコンサート。
これはメルボルン最大のコンサート会場Hamer Hallが主に舞台となる大規模なコンサート。
(格調が高い、といいますが服は普通で行けます。あと主に週末ですが木曜とか月曜にやってる場合も)
ここでは特にメルボルン交響楽団の演奏がおすすめです。演奏レパートリーも定番から現代まで良い曲を弾いてますし、オケもしっかりしてる。ソリストも指揮者も国内・海外から素晴らしいゲストを迎えています。
特に19世紀以降のでっかい編成の曲(マーラーとかショスタコーヴィチとか)を聞くのが楽しいです。曲自体が聞いててエキサイティングですし、オケもパワフルで、特に私は打楽器セクションの働きが好きで。オケの「動き」を目で見るというのも楽しい体験です。

メル響は他にもMelbourne Town Hallでコンサートをやることがたまにあります。こちらはちょっと古い感じの建物が魅力的で、オケにちょっと近く座れる場合もあり。そしてここには南半球一の大きさのパイプオルガンがあるのでオルガン付きのコンサートは一聞の価値ありです(オルガンのリサイタルもやってるみたいですね)。
そしてHamer HallではAustralian Chamber Orchestraもたまに演奏してます。このアンサンブルは弦楽器だけのオケで編成は小さめですがフルオケと違った結束とサウンドが楽しめます。

そして「小」のコンサートは5年前に建てられたMelbourne Recital Centreの小さいホール、Salonでのコンサート。
前述平日でも頻繁にコンサートをやっているというのは主にここで、イベントのカレンダー表示を見るとそれがわかると思います。大きいホールElizabeth Murdoch TheatreとSalonで時間差で2つコンサートがある日もちょくちょくありますね。

Salonは公式サイトによると136人定員の小さなホールですが、ここで開催されるイベントは多岐にわたります。
ピアノのソロリサイタルもありますし、数人の奏者による室内楽のコンサート、歌曲のコンサートもあればジャズ・アンサンブル、そして世界の様々な文化の音楽の演奏まであります。
一般的にSalonでのコンサートは大体1時間ほどなので行きやすい、というのはあるかな(大は大体2時間くらいはかかる)。あとチケットも比較的お手頃な価格。

国外から奏者がやってくることもありますがメルボルンの音楽家(奏者・作曲家)を取り扱うことが多いのも特徴かな。私と同世代の若い音楽家たちもよく演奏しています。
そしてSalonでは(最近聴衆が増えてはきましたがまだまだ集客力が弱いとされている)現代音楽のコンサートが頻繁にあります。オーストラリアの作曲家をフィーチャーしたり新しい作品の初演をやったり、そういうコンサートにはおあつらえ向きの場になっている様子。
(なので上記「大」のコンサートと比べると聞けるレパートリーには好みの差が出てしまう可能性が高くなりますが、でも全く新しい音楽、オーストラリアの今の音楽に出会える素晴らしい機会でもあります。ちょっと冒険してみる価値はあると思いますよ。良い出会いあります。)

上記のリンク先を見るとちょっと写真がありますがSalonはちょっと狭めの直方体で天井が高いホールで、奏者のためのステージがなく奏者と聴衆が同じレベルでしかも近いセットアップになっています。この一見四角いホールがコンサートによりセットアップ・演出・照明で摩訶不思議な別世界になるのがこの場所の一つの魅力。
前回のエントリーにあるように蝶のカタログ(投影)やMythweaver(照明など)での空間のつくりかたも凄かったですし、以前にはクラムの「鯨の声」の青い照明がすごい効果的だったり。そういえばWhite Nightのときに行ったACO Virtualもここでしたね。
小さな空間のなかで音楽だけでなくその演出も創意工夫が凝らされた、そんなコンサートがSalonでは味わえます。

あとSalonではコンサート後に出待ちというか聴衆が奏者に挨拶することが多くて、割と気軽に奏者に声をかけられます(聴衆に身内・知り合いが多いのもそうですがそうでない場合もあるっぽい)。アンサンブルによってはCD販売やサイン会もあったりします。
私も奏者に知り合いがいる場合は大抵待ちますし、知らない人でもたまに(クラムの演奏だったときとか)残って挨拶して演奏が素晴らしかったことを伝えます。
知り合いの場合はあとでMelbourne Recital Centreにあるバー・レストランで一緒に飲んだり他の色んな音楽家に合わせてもらうことも。聴衆と奏者の距離の近さもここでのコンサートの特徴かもしれません。

かなりざっくり分けちゃいましたがこの「大」「小」どっちかだけじゃメルボルンの今のクラシック音楽は語れないと思います(この2つだけで語れるわけでもないですが)。
そしてなによりどっちもそれぞれの楽しさがある!どっちも楽しい!
ほぼ間違い無くいい曲がでっかいオケの響きで味わえるけどちょっと長めで堅めの雰囲気の「大」、どんな曲が演奏されるかわからないけど間近で創意工夫を凝らした演奏が味わえる「小」。
できたらどっちも楽しんで欲しいなあ、と私は常日頃思っています。特に「小」はまだ最近伸びてきてるばかりのものなので見過ごされやすいんじゃないかな。

さて、そろそろ準備を進めなければ。
明日はまたコンサート行きですが感想は(書けたら)マレーシアに行ってからになりそう。できたら書きます。


今日の一曲: Homayun Sakhi 「Rangin Kaman(抜粋)」(クロノス・カルテット演奏)



週末は郵便が来ないというのにこないだリリースしたA Thousand ThoughtsのCDが来ない!
とりあえずmp3アルバムは一通り2周ほど聞きました。
東アジアから北欧、アメリカから南米まで14カ国の音楽を収録したこのCD。クロノスの40年の歴史をカバーしながら(歴代チェリスト全員収録されてます)大部分はこのアルバムのために新しく収録された曲となっています。
曲のリストはこちら(Nonesuch Recordsのページ)。ゲストアーティストの数も凄いですね。

そしてこのCDを聞いても自分はやっぱり中東周りの音楽が広く好きだなと実感。最後までSim Sholom(以前コンサートで生で聞きましたね)にするかこの「Rangin Kaman」にするか悩みましたがほとんど背景情報がない状態で無謀にもこっちにしました。

とりあえず抜粋とあることでほんとはもっと長い曲であることは明らかですね。もっと聞きたい気もしますが初めましてでは5分弱のこれくらいがちょうどいいのかも。
そしてどこの音楽かもよくわからない。とりあえずクロノス・カルテットの紹介ページで見るとペルシャ=イランの音楽ってことでいいのかな。
でも終始ソロを弾いてるrubâbって弦楽器はアフガニスタン発祥で、打楽器tablaはインドから中央アジア、同じく打楽器Doyraもペルシャ含む中央アジアの楽器っぽい。さっきざっと紹介ページで「アフガニスタンは複数の文化が交差している」的なことがこの楽器の取り合わせでも垣間見れますね。

そしてメロディーがその独特な音階をはっきり示してくれてそのエキゾチックさが感じられるのがなんだか嬉しい。rubâbの音もそうですが音階にも不思議な暗さがあるんですよね。
さらにクロノス・カルテットが西洋の弦楽器で入ってきてその同じ暗いトーンを受け継ぐのがまたかっこいい。特に最初にメロディーを弾くビオラの音の相性の良さ。こういう渋い暗い感じのビオラの音が大好きなんですよ。

そして意外と西洋のハーモニーを付けちゃってもあんまり違和感がないのも面白い。そこんところ考えるにはもっとイラン・アフガニスタンの音楽の背景を知らないとなんとも言えないですが、やっぱりそう遠くはない音楽言語なのかも。

このA Thousand ThoughtsというCDでは先ほど言及しましたSim Shalomも素晴らしいですし(こんど紹介したい!)、北欧のTusen Tankarの美しさ、ピアソラの演奏も聴けるAsleep、そして最後のトラックDanny Boyの息の長さなど楽しみどころいっぱい。
先ほどリンクしましたNonesuchのページ(こちら)で試聴・購入もできますし、iTunes store、そしてリンク先のAmazonでも購入可能です(まさかの一時在庫切れですが)。
是非是非おすすめ。

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