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前回のエントリーに拍手どうもです~
マレーシアの両親の家に無事到着、だらだら一日を過ごして更新中。
ここに来る途中で一昨日のコンサートのソリストの方を見ましたよ。チェロ(アコードのケース!)しょってました。楽器と一緒に旅するのは大変そう(というか身にしみて大変なことがわかってる)ですがかっこいい。オーストラリアの中でもメルボルンは特に他の外国から遠いのでほんとお疲れ様です。
そんな一昨日のコンサートの感想。現代音楽を扱うMetropolisシリーズの中メル響はフィンランドの作曲家・指揮者Olli Mustonenを迎え北欧・ロシアの現代音楽を3つのコンサートに渡って取り上げてきました。一昨日はその最後のコンサート。
プログラムは以下の通り:
メル響Metropolisコンサート「Concert Campetre」
指揮者:Olli Mustonen
Ilari Kaila チェロ協奏曲(チェロ:Marko Ylönen)
Rodion Shchedrin 弦楽、オーボエ、ホルンとチェレスタのための音楽
Joonas Kokkonen 12人の弦楽器奏者とハープシコードのための変容「...durch einen Spiegel...」
Olli Mustonen Concert Champétre(田園のコンセール)
このうちShchedrinがロシア出身で他の作曲家はフィンランド出身、Kokkonen以外は存命の作曲家です。全曲がオーストラリア初演でした。
中でも最初の曲を作曲したKailaは36歳。ピアニストとしても作曲家としても世界でばりばり活躍しているそうです。演奏後のインタビューによると彼が伝統的な「協奏曲」を作曲したのは初めてとのことですがものすごく成熟した、確立した、そして渋い曲でした。協奏曲というジャンルとチェロという(フルオケと弾かせるにはバランスとりがかなり難しいらしい)楽器を色々探ったとのことですが、それでソリストというよりはナレーターのような役割のコンチェルトになってそれがまた魅力的でした。
(あと作曲を委託されることの面白さにもちょっと話してくれてその話も面白かったです)
今回のコンサートで目当てで聴いた結果一番好きだったのがShchedrinの作品。スタイルは例えて言うならチャイコフスキーとシュニトケを合わせたような感じ。Shchedrinはバレエのジャンルと縁が深く(この曲も元はバレエだったそうで)、古風な踊りの感じが終始濃くありながら現代の感性とサウンドと鋭さがまたたまらない。
思って見れば弦・ホルン・オーボエはモーツァルトの時代のオケに近い編成でホルン・オーボエは神話時代からある楽器で、そこに比較的新しいチェレスタが入るってのはちょっと面白い。
そんなチェレスタは中ほど・最後の方に長いソロがあって存在感のある素敵なパートでした。機械のような、夢のような、自分だったらどう弾きたいかなと色々思うところあり。
3曲目のKokkonenは今回のプログラムで自分にとって一番難解な曲でした。表現してること向かってるところなかなかわかりにくいのですが曲としては結構好きでした。わからない分面白いってのはあるかも。弦楽器が弦らしく動くところもあれば(比較的テンポが速い部分)12人しかいないのにオルガンのように響くところもあり、ちょっとびっくり。そこにまた昆虫的というかcritter的なハープシコードの音が入ってきたり、前の曲のチェレスタと違うようでどこか似てるところがある異質さで。
そして最後の曲Concert Champétre。指揮者兼作曲家がいうところの「今回のコンサートのデザートにあたる曲」。古風なスタイルに則った聴きやすい曲で5つの楽章がどれも魅力的でした。聴きやすい=良い曲ではないですがちゃんとしっかりした曲でした(ただ同じく聴きやすい=良い曲ではなく今回のコンサートは他のコースの方がおいしかったです)。
前述の通り古風で田園的な曲ですがそのスタイルを基盤にしてしっかり音楽を進化させて元々のスタイルになかったものを作り上げてるのはやっぱすごい。あとピアノの存在が納得するような異様なようなちょっと不思議。
第3楽章のスケルツォが一番好きだったかな。楽しいしcraftを感じました。
ただ今回の指揮者さんは作曲家としての方が評価が高いかなあ。熱情的なんだけどちょっと読みにくいところがあった印象。ただ最後の最後で勢い余って前のめりにガタッてなったのは愛嬌です(笑)
あとコンサート全体として最後ものすごく満足だったわけじゃないのが不思議。曲それぞれも魅力的で、全く違う方向性の曲を集めた取り合わせも面白かったのですが最後聴きやすくて比較的軽い感じで終わったのがちょっと違ったのかも。20世紀以降の曲のプログラム組みってほんと難しい。こうやってシリーズにするともちろんそれ以上の難しさがあるんだろうなあ。
そんなことは言っても今回のコンサートに行って本当によかったです。これからちょっとフォローアップしてみたい曲もあり、どの曲も出会えて良かった&聴いて楽しかったですし。
だんだん現代音楽のコンサートにもお客さんが集まってきてるみたいなので来年のMetropolisがもっと盛り上がることを願っています。
そうそう、前々回日本にいく飛行機の中で読み始めた音楽と脳に関する本、ここにくる飛行機でやっと読み終わりました。最後の方でかなり自分にとってツボな話もありました。面白い本だったので感想書きます。とりあえず読み終わってよかったー。
今日の一曲はお休み。さっきの曲の並びで他の曲を紹介するのはもったいなく感じます。(録音あるかな、Shchedrinとか。改めて紹介できたらいいな)
買った音楽の紹介の間にご無沙汰になったところいろいろカバーしていきたいです。
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マレーシアの両親の家に無事到着、だらだら一日を過ごして更新中。
ここに来る途中で一昨日のコンサートのソリストの方を見ましたよ。チェロ(アコードのケース!)しょってました。楽器と一緒に旅するのは大変そう(というか身にしみて大変なことがわかってる)ですがかっこいい。オーストラリアの中でもメルボルンは特に他の外国から遠いのでほんとお疲れ様です。
そんな一昨日のコンサートの感想。現代音楽を扱うMetropolisシリーズの中メル響はフィンランドの作曲家・指揮者Olli Mustonenを迎え北欧・ロシアの現代音楽を3つのコンサートに渡って取り上げてきました。一昨日はその最後のコンサート。
プログラムは以下の通り:
メル響Metropolisコンサート「Concert Campetre」
指揮者:Olli Mustonen
Ilari Kaila チェロ協奏曲(チェロ:Marko Ylönen)
Rodion Shchedrin 弦楽、オーボエ、ホルンとチェレスタのための音楽
Joonas Kokkonen 12人の弦楽器奏者とハープシコードのための変容「...durch einen Spiegel...」
Olli Mustonen Concert Champétre(田園のコンセール)
このうちShchedrinがロシア出身で他の作曲家はフィンランド出身、Kokkonen以外は存命の作曲家です。全曲がオーストラリア初演でした。
中でも最初の曲を作曲したKailaは36歳。ピアニストとしても作曲家としても世界でばりばり活躍しているそうです。演奏後のインタビューによると彼が伝統的な「協奏曲」を作曲したのは初めてとのことですがものすごく成熟した、確立した、そして渋い曲でした。協奏曲というジャンルとチェロという(フルオケと弾かせるにはバランスとりがかなり難しいらしい)楽器を色々探ったとのことですが、それでソリストというよりはナレーターのような役割のコンチェルトになってそれがまた魅力的でした。
(あと作曲を委託されることの面白さにもちょっと話してくれてその話も面白かったです)
今回のコンサートで目当てで聴いた結果一番好きだったのがShchedrinの作品。スタイルは例えて言うならチャイコフスキーとシュニトケを合わせたような感じ。Shchedrinはバレエのジャンルと縁が深く(この曲も元はバレエだったそうで)、古風な踊りの感じが終始濃くありながら現代の感性とサウンドと鋭さがまたたまらない。
思って見れば弦・ホルン・オーボエはモーツァルトの時代のオケに近い編成でホルン・オーボエは神話時代からある楽器で、そこに比較的新しいチェレスタが入るってのはちょっと面白い。
そんなチェレスタは中ほど・最後の方に長いソロがあって存在感のある素敵なパートでした。機械のような、夢のような、自分だったらどう弾きたいかなと色々思うところあり。
3曲目のKokkonenは今回のプログラムで自分にとって一番難解な曲でした。表現してること向かってるところなかなかわかりにくいのですが曲としては結構好きでした。わからない分面白いってのはあるかも。弦楽器が弦らしく動くところもあれば(比較的テンポが速い部分)12人しかいないのにオルガンのように響くところもあり、ちょっとびっくり。そこにまた昆虫的というかcritter的なハープシコードの音が入ってきたり、前の曲のチェレスタと違うようでどこか似てるところがある異質さで。
そして最後の曲Concert Champétre。指揮者兼作曲家がいうところの「今回のコンサートのデザートにあたる曲」。古風なスタイルに則った聴きやすい曲で5つの楽章がどれも魅力的でした。聴きやすい=良い曲ではないですがちゃんとしっかりした曲でした(ただ同じく聴きやすい=良い曲ではなく今回のコンサートは他のコースの方がおいしかったです)。
前述の通り古風で田園的な曲ですがそのスタイルを基盤にしてしっかり音楽を進化させて元々のスタイルになかったものを作り上げてるのはやっぱすごい。あとピアノの存在が納得するような異様なようなちょっと不思議。
第3楽章のスケルツォが一番好きだったかな。楽しいしcraftを感じました。
ただ今回の指揮者さんは作曲家としての方が評価が高いかなあ。熱情的なんだけどちょっと読みにくいところがあった印象。ただ最後の最後で勢い余って前のめりにガタッてなったのは愛嬌です(笑)
あとコンサート全体として最後ものすごく満足だったわけじゃないのが不思議。曲それぞれも魅力的で、全く違う方向性の曲を集めた取り合わせも面白かったのですが最後聴きやすくて比較的軽い感じで終わったのがちょっと違ったのかも。20世紀以降の曲のプログラム組みってほんと難しい。こうやってシリーズにするともちろんそれ以上の難しさがあるんだろうなあ。
そんなことは言っても今回のコンサートに行って本当によかったです。これからちょっとフォローアップしてみたい曲もあり、どの曲も出会えて良かった&聴いて楽しかったですし。
だんだん現代音楽のコンサートにもお客さんが集まってきてるみたいなので来年のMetropolisがもっと盛り上がることを願っています。
そうそう、前々回日本にいく飛行機の中で読み始めた音楽と脳に関する本、ここにくる飛行機でやっと読み終わりました。最後の方でかなり自分にとってツボな話もありました。面白い本だったので感想書きます。とりあえず読み終わってよかったー。
今日の一曲はお休み。さっきの曲の並びで他の曲を紹介するのはもったいなく感じます。(録音あるかな、Shchedrinとか。改めて紹介できたらいいな)
買った音楽の紹介の間にご無沙汰になったところいろいろカバーしていきたいです。