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前回の記事に拍手ありがとうございます。
メルボルンは今日祝日(Queen's Birthday)で連休だったのですがその間に豪ABC Classic FMのクラシックカウントダウン100、テーマ「バロック以前」が放送されました。外出が多いなかちょこちょこTwitterで追ったりラジオちょこちょこっと聞いていましたが印象はまばら。なので改めてリスト(ここに出ているようです)を読んだりしてさらっと感想書ければなと思います。恒例なので。
さてコンサートラッシュ終わりの昨日、コンサート2つの感想を短めに。
まずは昼の部、4月に聴きに行った友達のトリオ「Plexus」のコンサート。
メルボルンにある音楽愛好会?Lyrebird Music Society主催のコンサートで、聴衆は主に会員(年間の会費で主催コンサート行き放題)で、平均年齢かなり高め。Plexusは作曲家に新しい音楽を書いてもらう=現代音楽中心のレパートリーでうけるかなーと思ってたのですが良い感じだったようです。今回レパートリーの工夫の一部としてソロ・デュオの曲を交えたのもよかった。
Plexus
Stefan Cassomenos(ピアノ)、Monica Curro(バイオリン)、Philip Arkinstall(クラリネット)
Richard Grantham 「The Lyrebird in my Piano」(2014)
オリヴィエ・メシアン バイオリンとピアノのためのテーマと変奏曲(1932)
ルートヴィッヒ・ファン・ベートーヴェン バガテル op.33より第1,2,7番(1823~24)
ジェラルド・フィンジ クラリネットとピアノのための5つのバガテル
チャールズ・アイヴス クラリネット、バイオリンとピアノのためのラルゴ(1934)
Charles Hoag SweetMelancholy(lostyourdolly)SlowDragRag(1990)
今回Lyrebird Societyの委託で作曲されたのが最初の曲。もしもモノマネ名人のコトドリが自分のピアノのなかに住んでいたらどんな音楽を真似した音楽を紡ぐのか、というテーマで書かれた曲そうです。3つの楽章それぞれが2人の20世紀の作曲家のミックス(タイトルも)になっていて、その合わさり具合がものすごく分かる、でも全く新しい音楽になっている。モノマネというコンセプトがうまく生きている印象でした。壮大な音楽ではないですが美しく、かつ面白くてうまくできてる。
他の曲だとフィンジのバガテルはほんとに魅力的な曲でした。これまでフィンジは歌曲をちょろっと聞いただけですが(でも好きな曲が多い)、歌曲と似たような世界観とスタイルで。フィンジは調の変化がうまいですねー。ちょっとこれはつながるのか?というキーチェンジもちょっとクサくないか?というキーチェンジも上手にこなす。その色彩が良い。
そして最後の曲・・・については今日の一曲で。聞いててとっても楽しかったです。
そして夜はHamer HallでMelbourne International Jazz Festivalのトリのコンサート、Chick CoreaとGary Burtonのデュエットを聴きに行きました。
ジャズのコンサートは初めてですが場所がいつものHamer Hallなので気持ちは楽でした。
去年父の持ってるCDから聞き始めて・・・というかその1枚しかCD持ってないもんでコンサートでは知らない曲ばっかりでした。どの曲でもビブラフォーンがびっくりするほど荒ぶってました!(笑)技巧的にも「こんなに音弾く!?」というパートばっかりなのですが音楽的表現の幅も「こんな音も出るんだ!?」という驚き。弾くときの動きはそんなに変わらないのに強弱やタッチや色々多彩で多彩で。
もちろんピアノもすごいですよ。自在に動く音、絶妙なリズムの柔軟さ。で、よく見ると&聴くとペダルもあんまり使ってなくてペダルを多用する(まあレパートリーの関係もありますが)ピアノ弾きとしてはちょっと耳が痛いというか頭が下がったまま上がらないというか。
で、リズムの柔軟さに関して面白いのはGary Burtonのリズムがものすごく精密であんまり崩さないというか(強弱とかタッチで崩してるんですよね)、リズムの表現のしかたに2人違いがあるけどそれでもアンサンブルは噛み合う。それも43年一緒に弾いてるらしいですからね。
それで曲の紹介で2人が交互にちょこっとしゃべってたのですがCorea氏のトークのゆるさ(笑)昔の話がかなりおおざっぱだったりステージで聴衆やGaryの写メとったりとか、それがまた演奏の自由さとなんか繋がるようなところがあってちょっと納得でした。
そんな感じでゆるい話を挟みながらずっと進んで、演奏もクラシックと違って似たような長さの曲がずっと続くので(あと初めてのジャズコンサートだったので)コンサート終わりでもっと聴きたい気持ちでいっぱいでした。
それにしても刺激受けましたね。ピアノはあれですがチェレスタでならジャズやりたいかも、とか思ってしまう。ジャズに直に触れてからしばらく急性的に刺激を受けた状態になってしまって。でも時間が経つとまた距離ができちゃう。他の諸々もそうですががっつり取り組むには定期的に浴びて刺激を維持しなきゃいけないんだろうなあ・・・
次の機会がいつになるかわかりませんがもちょっとジャズと触れあうようにしたいです。
今日の一曲: Charles Hoag SweetMelancholy(lostyourdolly)SlowDragRag
長ーいタイトル。表記がいくつかあるみたいですがスペース無しがどうも正式っぽい。
上記友達のトリオPlexusはバイオリン奏者Monicaの先生のトリオ(The Verdehr Trioという同じピアノ・バイオリン・クラリネットの編成)が作曲家に作曲を依頼してそれらを世に出すというフォーマットをとっていたのをモデルにしているというか受け継いでいるらしいです。以前はこの楽器編成のためには8つほどしか曲がなかったのがそのthe Verdehr Trioの活動によってレパートリーが200曲以上にふくれあがったそうです。
今回のこのslowdragragもそんなVerdehr Trioの委託で作曲された曲の一つ。短いけれど魅力的な曲です。
そもそもラグというシンコペーション(ずれるリズム)が特徴的な舞曲は20世紀初頭からあるスタイルで、この曲も1990年作曲とはちょっと思えない古風な雰囲気があります。
そのテイストは古風であるだけでなくちょっとベタというかちょっとシリアスに捉えられない部分があって。
ただこの曲はそのベタなのを出し過ぎない、でもものすごく堂々としてて大胆さがあって、そこにちょっと色気があるような。そして古いスタイルのなかにちょこちょこ新しいハーモニーを入れてくさりげなさ。
そしてなによりクラリネットが格好いい。クラリネットが堂々と歌い上げる様子が1920年とか古い型のフォーマルウェアをさらっと着こなしてる風でちょっと惚れ惚れするような。
それならバイオリンはこれまた古いスタイルのドレスを着こなしている感じかな。ピアノもまた一歩後ろでサポートに徹している部分が多いながらまたあなどれないおしゃれさ。
まあ比較的新しい曲で依頼されて作曲された曲ってのもありで録音は少ないみたいです。ようつべでも見つからなかった。あとタイトルの区切りで検索しにくいのもあるのだろうか。リンク先には試聴がないですが、ここ(iTunes store)は試聴があります。あとAmazonで楽譜も売ってるみたい。メインディッシュな音楽ではないですがもっと演奏されてもいいんだけどなー。
メルボルンは今日祝日(Queen's Birthday)で連休だったのですがその間に豪ABC Classic FMのクラシックカウントダウン100、テーマ「バロック以前」が放送されました。外出が多いなかちょこちょこTwitterで追ったりラジオちょこちょこっと聞いていましたが印象はまばら。なので改めてリスト(ここに出ているようです)を読んだりしてさらっと感想書ければなと思います。恒例なので。
さてコンサートラッシュ終わりの昨日、コンサート2つの感想を短めに。
まずは昼の部、4月に聴きに行った友達のトリオ「Plexus」のコンサート。
メルボルンにある音楽愛好会?Lyrebird Music Society主催のコンサートで、聴衆は主に会員(年間の会費で主催コンサート行き放題)で、平均年齢かなり高め。Plexusは作曲家に新しい音楽を書いてもらう=現代音楽中心のレパートリーでうけるかなーと思ってたのですが良い感じだったようです。今回レパートリーの工夫の一部としてソロ・デュオの曲を交えたのもよかった。
Plexus
Stefan Cassomenos(ピアノ)、Monica Curro(バイオリン)、Philip Arkinstall(クラリネット)
Richard Grantham 「The Lyrebird in my Piano」(2014)
オリヴィエ・メシアン バイオリンとピアノのためのテーマと変奏曲(1932)
ルートヴィッヒ・ファン・ベートーヴェン バガテル op.33より第1,2,7番(1823~24)
ジェラルド・フィンジ クラリネットとピアノのための5つのバガテル
チャールズ・アイヴス クラリネット、バイオリンとピアノのためのラルゴ(1934)
Charles Hoag SweetMelancholy(lostyourdolly)SlowDragRag(1990)
今回Lyrebird Societyの委託で作曲されたのが最初の曲。もしもモノマネ名人のコトドリが自分のピアノのなかに住んでいたらどんな音楽を真似した音楽を紡ぐのか、というテーマで書かれた曲そうです。3つの楽章それぞれが2人の20世紀の作曲家のミックス(タイトルも)になっていて、その合わさり具合がものすごく分かる、でも全く新しい音楽になっている。モノマネというコンセプトがうまく生きている印象でした。壮大な音楽ではないですが美しく、かつ面白くてうまくできてる。
他の曲だとフィンジのバガテルはほんとに魅力的な曲でした。これまでフィンジは歌曲をちょろっと聞いただけですが(でも好きな曲が多い)、歌曲と似たような世界観とスタイルで。フィンジは調の変化がうまいですねー。ちょっとこれはつながるのか?というキーチェンジもちょっとクサくないか?というキーチェンジも上手にこなす。その色彩が良い。
そして最後の曲・・・については今日の一曲で。聞いててとっても楽しかったです。
そして夜はHamer HallでMelbourne International Jazz Festivalのトリのコンサート、Chick CoreaとGary Burtonのデュエットを聴きに行きました。
ジャズのコンサートは初めてですが場所がいつものHamer Hallなので気持ちは楽でした。
去年父の持ってるCDから聞き始めて・・・というかその1枚しかCD持ってないもんでコンサートでは知らない曲ばっかりでした。どの曲でもビブラフォーンがびっくりするほど荒ぶってました!(笑)技巧的にも「こんなに音弾く!?」というパートばっかりなのですが音楽的表現の幅も「こんな音も出るんだ!?」という驚き。弾くときの動きはそんなに変わらないのに強弱やタッチや色々多彩で多彩で。
もちろんピアノもすごいですよ。自在に動く音、絶妙なリズムの柔軟さ。で、よく見ると&聴くとペダルもあんまり使ってなくてペダルを多用する(まあレパートリーの関係もありますが)ピアノ弾きとしてはちょっと耳が痛いというか頭が下がったまま上がらないというか。
で、リズムの柔軟さに関して面白いのはGary Burtonのリズムがものすごく精密であんまり崩さないというか(強弱とかタッチで崩してるんですよね)、リズムの表現のしかたに2人違いがあるけどそれでもアンサンブルは噛み合う。それも43年一緒に弾いてるらしいですからね。
それで曲の紹介で2人が交互にちょこっとしゃべってたのですがCorea氏のトークのゆるさ(笑)昔の話がかなりおおざっぱだったりステージで聴衆やGaryの写メとったりとか、それがまた演奏の自由さとなんか繋がるようなところがあってちょっと納得でした。
そんな感じでゆるい話を挟みながらずっと進んで、演奏もクラシックと違って似たような長さの曲がずっと続くので(あと初めてのジャズコンサートだったので)コンサート終わりでもっと聴きたい気持ちでいっぱいでした。
それにしても刺激受けましたね。ピアノはあれですがチェレスタでならジャズやりたいかも、とか思ってしまう。ジャズに直に触れてからしばらく急性的に刺激を受けた状態になってしまって。でも時間が経つとまた距離ができちゃう。他の諸々もそうですががっつり取り組むには定期的に浴びて刺激を維持しなきゃいけないんだろうなあ・・・
次の機会がいつになるかわかりませんがもちょっとジャズと触れあうようにしたいです。
今日の一曲: Charles Hoag SweetMelancholy(lostyourdolly)SlowDragRag
長ーいタイトル。表記がいくつかあるみたいですがスペース無しがどうも正式っぽい。
上記友達のトリオPlexusはバイオリン奏者Monicaの先生のトリオ(The Verdehr Trioという同じピアノ・バイオリン・クラリネットの編成)が作曲家に作曲を依頼してそれらを世に出すというフォーマットをとっていたのをモデルにしているというか受け継いでいるらしいです。以前はこの楽器編成のためには8つほどしか曲がなかったのがそのthe Verdehr Trioの活動によってレパートリーが200曲以上にふくれあがったそうです。
今回のこのslowdragragもそんなVerdehr Trioの委託で作曲された曲の一つ。短いけれど魅力的な曲です。
そもそもラグというシンコペーション(ずれるリズム)が特徴的な舞曲は20世紀初頭からあるスタイルで、この曲も1990年作曲とはちょっと思えない古風な雰囲気があります。
そのテイストは古風であるだけでなくちょっとベタというかちょっとシリアスに捉えられない部分があって。
ただこの曲はそのベタなのを出し過ぎない、でもものすごく堂々としてて大胆さがあって、そこにちょっと色気があるような。そして古いスタイルのなかにちょこちょこ新しいハーモニーを入れてくさりげなさ。
そしてなによりクラリネットが格好いい。クラリネットが堂々と歌い上げる様子が1920年とか古い型のフォーマルウェアをさらっと着こなしてる風でちょっと惚れ惚れするような。
それならバイオリンはこれまた古いスタイルのドレスを着こなしている感じかな。ピアノもまた一歩後ろでサポートに徹している部分が多いながらまたあなどれないおしゃれさ。
まあ比較的新しい曲で依頼されて作曲された曲ってのもありで録音は少ないみたいです。ようつべでも見つからなかった。あとタイトルの区切りで検索しにくいのもあるのだろうか。リンク先には試聴がないですが、ここ(iTunes store)は試聴があります。あとAmazonで楽譜も売ってるみたい。メインディッシュな音楽ではないですがもっと演奏されてもいいんだけどなー。
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