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前回のエントリーに拍手ありがとうございます。
その前回のエントリーで豪ABC Classic FMが今年のカウントダウンやってたという話をしたのですがその話です。
特集ページとカウントダウン(ほとんどの曲にようつべ動画リンク付いてます)がこちら。ページ右側にあるListen Againで再放送が聞けます。
ちなみに101位から200位までのリストもここにあります。
今回のテーマは「バロック以前」。カウントダウン対象曲の作曲年の下限は決まってなくて、上限はヨハン・セバスチャン・バッハの没年である1750年まで。
前回や前々回と同じく投票が始まる前に曲の追加申請することができるシステムで、投票期間があって先週末6日から9日の間にトップ100の放送がありました。
結構専門外というかあんまり知らない時代の音楽でリアルタイム放送も逃してる(そのうち小分けで再放送聞きたい)なのでそんなに深く感想を書けるわけではないですが毎回恒例でちょっと楽しみにしてて、あとやっぱりラインアップを見ると思うこともあるので少しばかり。
とりあえずトップ10を見てみるとヘンデルの多さ!毎年年末にメル響が演奏する1位の「メサイア」(ハレルヤ・コーラスが有名ですね)を含め実に10曲中4曲ヘンデル作曲。
大バッハ(ヨハン・セバスチャン・バッハ)の曲の中で一番順位が高い曲で5位ですからね(マタイ受難曲)。
大バッハといえばこちらの集計(グラフ拡大はこちら)によるとカウントダウン100曲のうち33%が大バッハの楽曲だったようです。書いた曲も多ければクオリティの高い曲も多く、有名な曲も多い。関係ないですが子供も多い。ただ今回のカウントダウンで大バッハ以外のバッハの楽曲は息子CPEバッハのMagnificatが62位にランクインしたのみ。(200位までだとあと3曲くらいCPEがありますね)
そして全体的な傾向としてイギリス勢強いですね(101位~200位にも強く続いてる傾向です)。とりあえずヘンデルは音楽ジョークにあるように「ドイツとイタリアとイギリスが半分ずつ(でかなり大きい人間だった)」という音楽的バックグラウンドのためイギリス圏での人気が高いですが、他にもパーセル(最高順位は「ディドとエネアス」が7位)やタリス(最高順位は「Spem in Alium」が10位)などちょこちょこランクインしてます。ACOのTimelineでもやってたヘンリー8世の曲とかも200位までに入ってたり。これは英語圏以外だとやっぱり順位が変わってくるのかどうか気になるところです。
「バロック以前」というテーマだとどうしてもクラシック音楽最初の黄金時代でもあるバロック時代がメインになりますね。バロック時代までなら遡っても今の楽器や演奏スタイルでの演奏が通るというか(もちろん当時の楽器やスタイルでも演奏されています)、その後の時代の音楽ともなんらかのつながりがあって演奏のプログラムに一緒に組み込みやすい面があると思います。
ルネッサンスや中世の音楽だとちょっとそうはいかないみたい。
ただトップ100のラインアップを見てみるとルネッサンス・中世の音楽も食い込んできてるにはきてる。前述タリスはルネッサンス時代の作曲家ですし、30位にリュート歌曲がランクインしたダウランドもルネッサンスのイギリスの作曲家。中世だとヒルデガルト・フォン・ビンゲンが55位と58位にいます(ACOのTimelineつながりで知って気になってる作曲家)。
さて、もう一度トップ10を見てみるとさすがというか有名な曲揃い。メサイアに四季に水上の音楽にパッヘルベルのカノンに・・・と見ててふと気づいたのが3位のグレゴリオ・アレグリの「Miserere mei, Deus」。これ聞いたことないぞ!と思ってようつべで聴いてみたらどっかで聴いたことがある。ただ実はこの曲、ACOのTimelineで聴いた印象が強くてその前にどこで聴いたかが思い出せない!どこで聴いたんだろう。3位にランクインするくらいだから相当有名な曲なんだろうけど。
10位のタリス「Spem in Alium」とか11位のバッハのダブル(2台のバイオリンのための協奏曲)とか高い順位にランクインして良かったなーと思ったり、パッヘルベルのカノンが6位とかやめてくれーと思ったり(チェリストとして)、バッハのパッサカリアとフーガハ短調が90位、無伴奏チェロ組曲第5番が104位(一番好きな組曲なんだよ!)は低すぎる、とかランキングに一喜一憂するのも毎年恒例。そこまで含めてカウントダウン100ですよやっぱり。
豪ABCはカウントダウン結果を毎回CDセットとして出しているのですが(過去のもABC Shopで売ってます)、今回のバロック以前100はすでにかなり売れているようです。企画として色々うまく行っているようでなにより。
実は最近出来たABCラジオのクラシックチャンネル2号のアカウントが若干フライング気味に「来年のテーマは何かな!?」とつぶやいてましたが実際次回のテーマは気になりますね。次あたりまた国縛りじゃないかな。ドイツは今回結構出たのでロシアあたりとか?
さて、今日の一曲もバロック以前でひとつ。
今日の一曲: ヨハン・セバスチャン・バッハ 無伴奏チェロ組曲第5番より前奏曲
バロック以前のくくりだとメジャーすぎるほどメジャーですがバッハでいかせていただきます。
一時はチェロ弾いてた身としてやっぱりこの無伴奏チェロ組曲6つは外せない。
そんな6つの組曲ですが今回のランキングでは一番有名な第1番が14位、第2番が77位、第3番が68位、第4番が111位、第5番が104位、第6番が74位と全部がトップ150におさまってます。
なかなかチェロ弾きインサイダーとしてはこの順位が納得いかないというか実感が湧かないというか。とはいえ他にどういう順番だったら良かったのか、と言うのも難しい。
調で言えばニ短調の第2組曲とハ短調の第5組曲が自分にとって特別です。それにはもちろん短調ならではのバッハの音楽の深みがあるというのもそうですが、調だけに限らない魅力があって。
なかでも第5組曲はバッハの音楽世界とチェロの音楽世界を包括しているというか、6つのなかでも一つの聖域になっている。
大体バッハのチェロ組曲で有名なのは一番最初の楽章である前奏曲です(第1番でもそうですし、第3番もそう)。一番技巧的にも音楽的にも充実している楽章なんですよね。他の楽章がメヌエットやクーラントのように踊りの特徴を持っているのに対して前奏曲はそういった決まった形式・キャラクターからある意味自由な曲。なので各組曲の前奏曲同士を比べると他の楽章同士よりもバリエーションに富んでいる、といえます。
第5番の前奏曲は即興的な前半とフーガのような後半に分かれていて結構長い曲です。その性質は弦楽器独奏の曲というよりはオルガンなど鍵盤楽器の曲のようで、チェロの幅広い表現の世界をフルに活かしています。
前半と後半、曲のキャラクターは違うとはいえどちらにしても瞑想的な部分があって、かつ宗教テイストが比較的薄いというか。暗いけど絶望しない、思考も感情も深く作り上げていく世界にたまらなく惹かれます。
バッハに限らず無伴奏の曲は(ピアニストはいつでもそうですが)ステージに一人っきり。弾く側も作曲する側もその一人っきりで作り上げる世界を感じ創っている独特な場。
なのでやっぱり生でそれを味わいたいし、バッハの各組曲やブリテンの同じく無伴奏の各組曲やいろんな「一人が創る世界」を感じたいと思います(創るのはほんと難しいしおっかないですからね!一回やりましたけど!)
バッハの無伴奏チェロ組曲は全てのチェリストが必ず通る道、そして戻ってくる道。一つのバイブル的なポジションではあるかな。そんなわけで巷にはたくさん録音が出てますし、そのそれぞれがユニークな世界で。
そんなわけでどの演奏がいいよとかはっきり言うのはとても難しいのですがとりあえずAmazonであさってみたらフルニエの演奏があって試聴もあってちょろっと聴いたら良い感じだったのでリンク。
演奏を色々あさってみるのも楽しいですよ。そして無伴奏チェロ組曲はチェロ以外にもビオラやサックス、ギターなど色んな楽器の編曲があるのでさらに探すのを広げて見るとまた面白いです。
その前回のエントリーで豪ABC Classic FMが今年のカウントダウンやってたという話をしたのですがその話です。
特集ページとカウントダウン(ほとんどの曲にようつべ動画リンク付いてます)がこちら。ページ右側にあるListen Againで再放送が聞けます。
ちなみに101位から200位までのリストもここにあります。
今回のテーマは「バロック以前」。カウントダウン対象曲の作曲年の下限は決まってなくて、上限はヨハン・セバスチャン・バッハの没年である1750年まで。
前回や前々回と同じく投票が始まる前に曲の追加申請することができるシステムで、投票期間があって先週末6日から9日の間にトップ100の放送がありました。
結構専門外というかあんまり知らない時代の音楽でリアルタイム放送も逃してる(そのうち小分けで再放送聞きたい)なのでそんなに深く感想を書けるわけではないですが毎回恒例でちょっと楽しみにしてて、あとやっぱりラインアップを見ると思うこともあるので少しばかり。
とりあえずトップ10を見てみるとヘンデルの多さ!毎年年末にメル響が演奏する1位の「メサイア」(ハレルヤ・コーラスが有名ですね)を含め実に10曲中4曲ヘンデル作曲。
大バッハ(ヨハン・セバスチャン・バッハ)の曲の中で一番順位が高い曲で5位ですからね(マタイ受難曲)。
大バッハといえばこちらの集計(グラフ拡大はこちら)によるとカウントダウン100曲のうち33%が大バッハの楽曲だったようです。書いた曲も多ければクオリティの高い曲も多く、有名な曲も多い。関係ないですが子供も多い。ただ今回のカウントダウンで大バッハ以外のバッハの楽曲は息子CPEバッハのMagnificatが62位にランクインしたのみ。(200位までだとあと3曲くらいCPEがありますね)
そして全体的な傾向としてイギリス勢強いですね(101位~200位にも強く続いてる傾向です)。とりあえずヘンデルは音楽ジョークにあるように「ドイツとイタリアとイギリスが半分ずつ(でかなり大きい人間だった)」という音楽的バックグラウンドのためイギリス圏での人気が高いですが、他にもパーセル(最高順位は「ディドとエネアス」が7位)やタリス(最高順位は「Spem in Alium」が10位)などちょこちょこランクインしてます。ACOのTimelineでもやってたヘンリー8世の曲とかも200位までに入ってたり。これは英語圏以外だとやっぱり順位が変わってくるのかどうか気になるところです。
「バロック以前」というテーマだとどうしてもクラシック音楽最初の黄金時代でもあるバロック時代がメインになりますね。バロック時代までなら遡っても今の楽器や演奏スタイルでの演奏が通るというか(もちろん当時の楽器やスタイルでも演奏されています)、その後の時代の音楽ともなんらかのつながりがあって演奏のプログラムに一緒に組み込みやすい面があると思います。
ルネッサンスや中世の音楽だとちょっとそうはいかないみたい。
ただトップ100のラインアップを見てみるとルネッサンス・中世の音楽も食い込んできてるにはきてる。前述タリスはルネッサンス時代の作曲家ですし、30位にリュート歌曲がランクインしたダウランドもルネッサンスのイギリスの作曲家。中世だとヒルデガルト・フォン・ビンゲンが55位と58位にいます(ACOのTimelineつながりで知って気になってる作曲家)。
さて、もう一度トップ10を見てみるとさすがというか有名な曲揃い。メサイアに四季に水上の音楽にパッヘルベルのカノンに・・・と見ててふと気づいたのが3位のグレゴリオ・アレグリの「Miserere mei, Deus」。これ聞いたことないぞ!と思ってようつべで聴いてみたらどっかで聴いたことがある。ただ実はこの曲、ACOのTimelineで聴いた印象が強くてその前にどこで聴いたかが思い出せない!どこで聴いたんだろう。3位にランクインするくらいだから相当有名な曲なんだろうけど。
10位のタリス「Spem in Alium」とか11位のバッハのダブル(2台のバイオリンのための協奏曲)とか高い順位にランクインして良かったなーと思ったり、パッヘルベルのカノンが6位とかやめてくれーと思ったり(チェリストとして)、バッハのパッサカリアとフーガハ短調が90位、無伴奏チェロ組曲第5番が104位(一番好きな組曲なんだよ!)は低すぎる、とかランキングに一喜一憂するのも毎年恒例。そこまで含めてカウントダウン100ですよやっぱり。
豪ABCはカウントダウン結果を毎回CDセットとして出しているのですが(過去のもABC Shopで売ってます)、今回のバロック以前100はすでにかなり売れているようです。企画として色々うまく行っているようでなにより。
実は最近出来たABCラジオのクラシックチャンネル2号のアカウントが若干フライング気味に「来年のテーマは何かな!?」とつぶやいてましたが実際次回のテーマは気になりますね。次あたりまた国縛りじゃないかな。ドイツは今回結構出たのでロシアあたりとか?
さて、今日の一曲もバロック以前でひとつ。
今日の一曲: ヨハン・セバスチャン・バッハ 無伴奏チェロ組曲第5番より前奏曲
バロック以前のくくりだとメジャーすぎるほどメジャーですがバッハでいかせていただきます。
一時はチェロ弾いてた身としてやっぱりこの無伴奏チェロ組曲6つは外せない。
そんな6つの組曲ですが今回のランキングでは一番有名な第1番が14位、第2番が77位、第3番が68位、第4番が111位、第5番が104位、第6番が74位と全部がトップ150におさまってます。
なかなかチェロ弾きインサイダーとしてはこの順位が納得いかないというか実感が湧かないというか。とはいえ他にどういう順番だったら良かったのか、と言うのも難しい。
調で言えばニ短調の第2組曲とハ短調の第5組曲が自分にとって特別です。それにはもちろん短調ならではのバッハの音楽の深みがあるというのもそうですが、調だけに限らない魅力があって。
なかでも第5組曲はバッハの音楽世界とチェロの音楽世界を包括しているというか、6つのなかでも一つの聖域になっている。
大体バッハのチェロ組曲で有名なのは一番最初の楽章である前奏曲です(第1番でもそうですし、第3番もそう)。一番技巧的にも音楽的にも充実している楽章なんですよね。他の楽章がメヌエットやクーラントのように踊りの特徴を持っているのに対して前奏曲はそういった決まった形式・キャラクターからある意味自由な曲。なので各組曲の前奏曲同士を比べると他の楽章同士よりもバリエーションに富んでいる、といえます。
第5番の前奏曲は即興的な前半とフーガのような後半に分かれていて結構長い曲です。その性質は弦楽器独奏の曲というよりはオルガンなど鍵盤楽器の曲のようで、チェロの幅広い表現の世界をフルに活かしています。
前半と後半、曲のキャラクターは違うとはいえどちらにしても瞑想的な部分があって、かつ宗教テイストが比較的薄いというか。暗いけど絶望しない、思考も感情も深く作り上げていく世界にたまらなく惹かれます。
バッハに限らず無伴奏の曲は(ピアニストはいつでもそうですが)ステージに一人っきり。弾く側も作曲する側もその一人っきりで作り上げる世界を感じ創っている独特な場。
なのでやっぱり生でそれを味わいたいし、バッハの各組曲やブリテンの同じく無伴奏の各組曲やいろんな「一人が創る世界」を感じたいと思います(創るのはほんと難しいしおっかないですからね!一回やりましたけど!)
バッハの無伴奏チェロ組曲は全てのチェリストが必ず通る道、そして戻ってくる道。一つのバイブル的なポジションではあるかな。そんなわけで巷にはたくさん録音が出てますし、そのそれぞれがユニークな世界で。
そんなわけでどの演奏がいいよとかはっきり言うのはとても難しいのですがとりあえずAmazonであさってみたらフルニエの演奏があって試聴もあってちょろっと聴いたら良い感じだったのでリンク。
演奏を色々あさってみるのも楽しいですよ。そして無伴奏チェロ組曲はチェロ以外にもビオラやサックス、ギターなど色んな楽器の編曲があるのでさらに探すのを広げて見るとまた面白いです。
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