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今日は何年かぶりに映画館で映画を見ました。
なんてったって噂に聞くシャネルとストラヴィンスキーの関係が映画の題材になったと聞けば行かないわけにはいかない人種なので(笑)
ただそれが希少な人種なのか小さい映画館には私ともう一人だけでした。ゆっくり見れてよかったです。
ということで「Coco and Igor」、邦題「シャネルとストラヴィンスキー」、感想です。
公式サイトはこちら:http://www.chanel-movie.com/
あらすじは私よりもここに任せます・・・(苦笑)
ストラヴィンスキーの音楽に心底惚れている、そして芸術史のこの時代(第一次世界大戦直前)にものすごく魅力を感じている、クラシック音楽(特に20世紀音楽)オタクである私個人にとってはものすごく楽しめた、もう何回か見れる、好きな映画でした。
たしょう盲目的なところもあるのであんまり他の人には参考になる感想ではありませんが・・・
自分にとっては最初の何十分かの、「春の祭典」の初演のシーンが本当に見たくて。
臨場感があって本当に興奮しました。
自分の知っている限りでは史実として聞く話にとっても近くて、特に振付師の天才・ニジンスキー(このとき弱冠23歳!)が客席の騒動でオケの音がきこえないであろうダンサー達にロシア語で大声で数えながら足を踏みならしているシーンは本当にあったことで、間近で見ててなんだか泣きそうになってしまいました(苦笑)ツボがまた変ですみません。
ストラヴィンスキーもこの初演のごたごたでダメージを受けましたが、年齢・性格からいってニジンスキーはかなり心が折れただろうなーと。
肝心のシャネルとストラヴィンスキーの関係ですが、まあロマンスとしてはこんなもんかなーという感じでした。
実際はストラヴィンスキーは他にも結構有名人に手出してたらしいとの噂なのでこんなにドラマチックなこともなかったのではないかと。
でも「男という生き物」、「女という生き物」が二人によってうまく描写されているな、と思いました。
芸術家として生きてるようで、何よりも最初に男であるストラヴィンスキー。そして女性の立場をファッションにより覆した、ばりばりのビジネスウーマンでありながら女性としての内面により苦しむシャネル。
男と女の心、生き様、プライド、関係、そういうものがこの二人の偉大な芸術家の関係により表されていると思います。
あとやっぱりこの時代と人物についての小ネタを知ってるのと知らないのとではちょっと楽しみが変わるかも・・・
私自身はどこまでが史実に忠実なのか、映画のなかでの設定なのかわかりませんが、それでむしろ「ここは本当にこうだったのかな?」と大いに気になりそういう意味でもなかなか楽しめました。
ストラヴィンスキーが机の上の物をぴったり並べたりする癖やなんかは「ああ、らしい!」と思いましたし。
反面、例えばディアギレフやニジンスキーに関するちょっとした小ネタを知ってるだけでにやにやできますし(なので最初の数十分はにやにやしぱなしでした。映画巻に人が少なくて良かった~)
ストラヴィンスキーの「春の祭典」「火の鳥」「ペトルーシュカ」「兵士の物語」は本当に昔から知っていて、最後の以外はもう物心つかないころからずーっと聴いてきて。
だからか彼の音楽がまるで当たり前のように普段感じるんですよ。もちろんそれがものすごく素晴らしく、ユニークなものだとは分かりますし、それをフルに感じて生きてますが、上記4つの作品以外はなかなかとっつきづらく感じてしまうんです。
本当に理解するのが難しい音楽だ、ということを改めていつも感じ・・・未だに直感・理論・感情のバランスがつかめないんですよ。ストラヴィンスキーの音楽は。
この映画を見てもっとストラヴィンスキーが知りたい!と思いました。
そして「春の祭典」なんかはもう人間が書いたとは思えないような感性とエネルギーの音楽で、本当に人間離れしてる音楽だな-と時々思うのですが、この映画でストラヴィンスキーの人間・男の部分が見れて・・・なんだかほっとしました。
あーもう一回みたいな~最初の数十分だけでも・・・
今日の一曲: イーゴリ・ストラヴィンスキー 「春の祭典」
本当に、この曲は言葉では表せないことがいーーーーっぱい!なのですが!
そして何度聞いても興奮し、さらには深く考えるだけでも興奮するのでもうめちゃくちゃですが・・・
なんとか説明させてください・・・
映画でも分かるように、この曲のバレエとしての演奏は20世紀の音楽を本当に180度変えたものだったんです。
わかりやすいメロディーもなく、粗暴でカオスな音楽。
ワーグナーなどに代表される後期ロマン派の肥大したオーバーロマンティックな音楽にピリオドを打った音楽のうちの重要な一つ。
先ほどちらと話したニジンスキーの振り付けもまた斬新な物で(ブーイングは主に視覚的に訴える振り付けに向いてたとか)。
彼の感性には大衆はついて行けなかったのです。
とにかく曲について。
オーケストラは大編成。でもハープなどの周辺楽器(と私は呼ぶ)は使わず、木管・金管の数を異常に増やしてます。
それというのも特に木管はこのロシアの原住民の住む雰囲気を表すのに一番大事な楽器群。
素朴な音、木の音で独特の世界を創ります。特に第1部の序章は木管が幅をきかせてます。
さらに打楽器も比較的原始的な(例えばスネアドラムなどはなし)太鼓類を中心にして。
音楽的にもいろいろと常識を破っちゃってくれてます。
例えばオープニングのソロ。あれはファゴットのソロで、それまではほとんど使われなかった超高音域で不安定な音を創り出します。
そして至る所の不協和音(と世間は呼ぶハーモニー)、イレギュラーなリズム、そして複雑に組み合わさるメロディーの破片やリズム。
カオス全開、爆発するような粗暴なエネルギーのすごいこと!
まるで地、地球をゆるがすような。もう間近でいいオーケストラで聴くに限ります。
日本のオケはちょーっとおとなしいのでたとえばフランスのオケとか(フランスは木管強いですからね!)・・・
でもそれでいて100%計算されている緻密さと完璧に共存しているパラドックス&相乗効果がたまりません!
はあー・・・弾いた経験もあるとはいえ長く知りすぎて曲を説明するのは難しいです。
多少(作曲家にとっては不本意だったらしい)変更のあるバージョンがディズニーの「ファンタジア」(最初の)にも収録されてますし、初演の騒動の再現はYoutubeにもありますし。(プレイリストはこちら)
なんだか敷居が高そうだとおもっても以外と身近なので私の百聞より音楽を一聴していただきたいです。
音楽を目指す若者、若くない人でもこの曲を初めて聴いた時はショックを受け、ものすごく驚くらしいです。
演奏する側としては驚くこと、ショックを受けることで世界が開くのは素晴らしいことだと思うので・・・
ぜひぜひ「春の祭典」、この春に体験あれ♪
なんてったって噂に聞くシャネルとストラヴィンスキーの関係が映画の題材になったと聞けば行かないわけにはいかない人種なので(笑)
ただそれが希少な人種なのか小さい映画館には私ともう一人だけでした。ゆっくり見れてよかったです。
ということで「Coco and Igor」、邦題「シャネルとストラヴィンスキー」、感想です。
公式サイトはこちら:http://www.chanel-movie.com/
あらすじは私よりもここに任せます・・・(苦笑)
ストラヴィンスキーの音楽に心底惚れている、そして芸術史のこの時代(第一次世界大戦直前)にものすごく魅力を感じている、クラシック音楽(特に20世紀音楽)オタクである私個人にとってはものすごく楽しめた、もう何回か見れる、好きな映画でした。
たしょう盲目的なところもあるのであんまり他の人には参考になる感想ではありませんが・・・
自分にとっては最初の何十分かの、「春の祭典」の初演のシーンが本当に見たくて。
臨場感があって本当に興奮しました。
自分の知っている限りでは史実として聞く話にとっても近くて、特に振付師の天才・ニジンスキー(このとき弱冠23歳!)が客席の騒動でオケの音がきこえないであろうダンサー達にロシア語で大声で数えながら足を踏みならしているシーンは本当にあったことで、間近で見ててなんだか泣きそうになってしまいました(苦笑)ツボがまた変ですみません。
ストラヴィンスキーもこの初演のごたごたでダメージを受けましたが、年齢・性格からいってニジンスキーはかなり心が折れただろうなーと。
肝心のシャネルとストラヴィンスキーの関係ですが、まあロマンスとしてはこんなもんかなーという感じでした。
実際はストラヴィンスキーは他にも結構有名人に手出してたらしいとの噂なのでこんなにドラマチックなこともなかったのではないかと。
でも「男という生き物」、「女という生き物」が二人によってうまく描写されているな、と思いました。
芸術家として生きてるようで、何よりも最初に男であるストラヴィンスキー。そして女性の立場をファッションにより覆した、ばりばりのビジネスウーマンでありながら女性としての内面により苦しむシャネル。
男と女の心、生き様、プライド、関係、そういうものがこの二人の偉大な芸術家の関係により表されていると思います。
あとやっぱりこの時代と人物についての小ネタを知ってるのと知らないのとではちょっと楽しみが変わるかも・・・
私自身はどこまでが史実に忠実なのか、映画のなかでの設定なのかわかりませんが、それでむしろ「ここは本当にこうだったのかな?」と大いに気になりそういう意味でもなかなか楽しめました。
ストラヴィンスキーが机の上の物をぴったり並べたりする癖やなんかは「ああ、らしい!」と思いましたし。
反面、例えばディアギレフやニジンスキーに関するちょっとした小ネタを知ってるだけでにやにやできますし(なので最初の数十分はにやにやしぱなしでした。映画巻に人が少なくて良かった~)
ストラヴィンスキーの「春の祭典」「火の鳥」「ペトルーシュカ」「兵士の物語」は本当に昔から知っていて、最後の以外はもう物心つかないころからずーっと聴いてきて。
だからか彼の音楽がまるで当たり前のように普段感じるんですよ。もちろんそれがものすごく素晴らしく、ユニークなものだとは分かりますし、それをフルに感じて生きてますが、上記4つの作品以外はなかなかとっつきづらく感じてしまうんです。
本当に理解するのが難しい音楽だ、ということを改めていつも感じ・・・未だに直感・理論・感情のバランスがつかめないんですよ。ストラヴィンスキーの音楽は。
この映画を見てもっとストラヴィンスキーが知りたい!と思いました。
そして「春の祭典」なんかはもう人間が書いたとは思えないような感性とエネルギーの音楽で、本当に人間離れしてる音楽だな-と時々思うのですが、この映画でストラヴィンスキーの人間・男の部分が見れて・・・なんだかほっとしました。
あーもう一回みたいな~最初の数十分だけでも・・・
今日の一曲: イーゴリ・ストラヴィンスキー 「春の祭典」
本当に、この曲は言葉では表せないことがいーーーーっぱい!なのですが!
そして何度聞いても興奮し、さらには深く考えるだけでも興奮するのでもうめちゃくちゃですが・・・
なんとか説明させてください・・・
映画でも分かるように、この曲のバレエとしての演奏は20世紀の音楽を本当に180度変えたものだったんです。
わかりやすいメロディーもなく、粗暴でカオスな音楽。
ワーグナーなどに代表される後期ロマン派の肥大したオーバーロマンティックな音楽にピリオドを打った音楽のうちの重要な一つ。
先ほどちらと話したニジンスキーの振り付けもまた斬新な物で(ブーイングは主に視覚的に訴える振り付けに向いてたとか)。
彼の感性には大衆はついて行けなかったのです。
とにかく曲について。
オーケストラは大編成。でもハープなどの周辺楽器(と私は呼ぶ)は使わず、木管・金管の数を異常に増やしてます。
それというのも特に木管はこのロシアの原住民の住む雰囲気を表すのに一番大事な楽器群。
素朴な音、木の音で独特の世界を創ります。特に第1部の序章は木管が幅をきかせてます。
さらに打楽器も比較的原始的な(例えばスネアドラムなどはなし)太鼓類を中心にして。
音楽的にもいろいろと常識を破っちゃってくれてます。
例えばオープニングのソロ。あれはファゴットのソロで、それまではほとんど使われなかった超高音域で不安定な音を創り出します。
そして至る所の不協和音(と世間は呼ぶハーモニー)、イレギュラーなリズム、そして複雑に組み合わさるメロディーの破片やリズム。
カオス全開、爆発するような粗暴なエネルギーのすごいこと!
まるで地、地球をゆるがすような。もう間近でいいオーケストラで聴くに限ります。
日本のオケはちょーっとおとなしいのでたとえばフランスのオケとか(フランスは木管強いですからね!)・・・
でもそれでいて100%計算されている緻密さと完璧に共存しているパラドックス&相乗効果がたまりません!
はあー・・・弾いた経験もあるとはいえ長く知りすぎて曲を説明するのは難しいです。
多少(作曲家にとっては不本意だったらしい)変更のあるバージョンがディズニーの「ファンタジア」(最初の)にも収録されてますし、初演の騒動の再現はYoutubeにもありますし。(プレイリストはこちら)
なんだか敷居が高そうだとおもっても以外と身近なので私の百聞より音楽を一聴していただきたいです。
音楽を目指す若者、若くない人でもこの曲を初めて聴いた時はショックを受け、ものすごく驚くらしいです。
演奏する側としては驚くこと、ショックを受けることで世界が開くのは素晴らしいことだと思うので・・・
ぜひぜひ「春の祭典」、この春に体験あれ♪
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