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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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ビオラパーティーという名のコンサート感想
前回のエントリーに拍手ありがとうございます。

こないだAge of Wonders 3でランダムマップをやろうと思って思い切って難易度・地図の大きさを1段階上げてプレイヤー数を8人にして始めたらしばらくしてものすごく切羽詰まってきてわたわたしております(全部上げるんじゃなかった・・・)。
さらにプレイヤー数を増やすと勢力のシンボルカラー(主色)がかぶってランダムで他の色に変えられてしまい、せっかくつくったカスタムキャラが出会ってみたら変な色になってて微妙にショックだったりしました。仕方がないですけどねえ・・・

さて、昨日は国立アカデミーに通うビオラ弾き友達のリサイタルに行ってきました。
リサイタルといっても毎回試験のリサイタルでは室内楽レパートリーも交えてビオラのソロでの魅力だけでなく他の人とアンサンブルで弾くことの魅力まで味わえちゃうそうで。
今回は卒業前最後のリサイタルだったみたいで、こんなプログラムでした。

国立音楽アカデミー ソロリサイタル
ビオラ:Katie Yap
ミェチスワフ・ヴァインベルク 無伴奏ビオラソナタ第2番
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364

前者はタイトル通りビオラ1人の作品で、後者はバイオリンソリスト、ビオラソリストとオーケストラ(モーツァルトなので小さめですが)のための作品。書かれた時代も曲調も含めてほぼ正反対の2曲でした。

ヴァインベルクは始めて聞く作曲家でした。ポーランド出身のユダヤ系の作曲家で、ホロコーストの際にソヴィエトに亡命してスターリンから圧力を受けたり(時代の影響もろ受けてますね)、ショスタコーヴィチとも親交があり比較対象にもなったりした作曲家だそうです。ピアニストだったそうですがこのビオラソナタを聴く限り弦楽器ネイティブと言われても納得しちゃうような書き方で(そこからヒンデミットの無伴奏ビオラソナタにも通じるところがあると思います)。ボロディン・カルテットと親交が深かったにしても見事。要チェックの作曲家です。

今回の演奏ではビオラ1台でものすごく幅広い表現をする弓使いが凄かったですね。弦楽器の音楽性って右手がものすごく大事なんですよ。(楽器によっても変わってきますが右:左=7:3くらいじゃないかな)この曲の魅力を作る細やかな表現は弓のコントロールと使い分けがしっかりして始めて成り立つこと。曲にもわくわくでしたが弾き方にも終始わくわくでした。

ビオラの音の特徴として他の楽器(弦楽器に限らず)と溶け合いやすい、というのがあります。なのでモーツァルトみたいに他のソリスト・バックのオケと一緒に弾く部分が出てくるとどうしても隠れてしまうんですよね。
ただソリストとして前に出るところはバイオリンのソリストにひけをとらない存在感できっちり前に出て、バイオリンとビオラ2人の世界が聴き応えありました。

ビオラはやっぱりいいですねー。レパートリーがそんなに多くないということはよく言われるのですが、ここ数年で行ったビオラのコンサートでは自分が知らない曲(ソロ、アンサンブル含め)色々初めて出会ってて、まだまだいっぱい良い曲が巷にはある感が満載で。
素敵な曲に出会うだけでなく、それらの曲を通じてビオラの魅力を何度も再発見できるのも本当に楽しいです。
あと自分はやっぱり楽器としてビオラが好きなんだと実感。音も役割もレパートリーも、なんか性に合う。ビオラを弾かないながらも人生の要所要所で縁ができてうれしい。

さて、次聴きに行くコンサートは日曜日。ギターデュオGrigoryan Brothersがうちの比較的近くでコンサートをやるそうなので聴きに行くことにしました。
日本に行って帰ってきてからも結構色々行きたいコンサートがあるのでちょっと考え始めないと。なんだか考えることがたくさんで慌ただしい・・・


今日の一曲: ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364 第1楽章



多分この曲前も紹介してるけどこの機に再度。(ほんとモーツァルト多かったなあ最近)
モーツァルトはピアノやバイオリンを演奏するイメージが強いと思いますが(マダム・タッソーの蝋人形はバイオリン弾いてました)、ビオラを弾くことも多かったそうですよ。
モーツァルトの作品でビオラがソリストに入ってたり室内楽の一員だったりする曲ではビオラパートは自分が弾くのを想定して書いているらしいです。もちろんこの曲もそう。なのでビオラもバイオリンに負けず前にでて技巧的に活躍するようになってます。

(ちなみに有名な作曲家でビオラ弾きって意外といます。モーツァルト、ドヴォルザーク、レスピーギ、ヒンデミット、Brett Dean・・・と思って調べたらこんなにいた!すごいリストだ!そしてちょっと面白いサイトですね)

バイオリンとビオラが対等に扱われてるこの曲、第1楽章では特にそれぞれのパートが対称的に書かれています(=バイオリンのソロが曲の前半で弾いたソロはビオラが曲の後半で弾いてる)。
でもバイオリンとビオラのソロが競い合うというよりは互いに会話するように、キャッチボールするよう。よくよく聞いてみるとフレーズの終わりであたかも片方がもう片方にパスを出すような音型がたびたび出てきたり、バトンを渡すようにしばし音が重なり合ったり、うまいこと書かれててにやりとします。

もちろんこの曲は録音も多く出ています。どんなバイオリニストがどんなビオリストとコンビを組んで弾いてるかってのも見所ですね。録音を選ぶ際にビオラ弾く人知らないなーという場合でもバイオリニストで選んでそこからビオリストを知っていくルートができるのも良い。
リンクしたのは持ってなくて試聴はないのですが、五嶋みどり&今井信子の日本人コンビの録音もあるんですよーということで紹介。他にも色々ありますよー。

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