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今日は日本もオーストラリアも母の日。
(父の日はオーストラリアでは9月です)
ということで母に感謝の気持ちを込めて(すでにグリーティングカードを送り、後でテレビ電話で話します♪)母のことをちょろっと書こうと思います。
もはやいつだったか思い出せませんが、「母は40過ぎてから自分が理系の思考パターンだと気づいた」と言った・・・はずです。
大学では文学を専攻、それで国語を教えていたこともあります。
フランス語もやっていたらしく、在学中にフランス語に似てるからということでポルトガル語もちょっとやったとか。
音楽、絵画など芸術に造詣が深く、それとあと歴史もそうですが日本のものよりも世界、特にヨーロッパのものに詳しく。
こないだも日本史にはあんまり興味がない、世界史の方がおもしろいという話で母と私は盛り上がりました。
遺伝的には私は母の遺伝子をより多く受け継いでいて、さらに環境的な影響も母の方が強いような気がします。
外見や性格は母似ですし、音楽やなんかの好みも歳を重ねるごとに似てきてます。
フランス音楽好きなところとか、理系っぽい音楽が好きなところとか。
遺伝的な話をすれば私のうつも母方のほうの遺伝子からきたもので。母も私のうつの経験が引き金となって渡しほど重症ではありませんでしたがうつ気味だった時期も過去にあります。
その時期は母娘仲があんまりよくなかったんですよね。お互いの心の不調もあり。
当時の精神医に「日本では違うかもしれないけど、オーストラリアでは親子がもっとお互いを知り、友達のように仲良くすることが普通で、それがもしかしたらいろいろ変えるかもしれないから努力するべきだ」という風に言ったことをきっかけに改善し。その間にティーンを抜けたのもあったと思いますし、病状自体も二人とも良くなったのですが、まあとにかく今では先ほどいったように芸術や歴史やなんやかんやでいろいろ盛り上がる仲です。
母は私の知っている人の中で一番の「インテリ」だと思います。
芸術への造詣、文学の知識、そして幅広い芸術、歴史などへの興味など。
感情派なようで結構理論も強く。
母としても100点満点ですし、さらに手芸やペインティングなどのクラフト系の趣味にも長けていて。
出張が多い父の不在(赴任を含む)中も家族を支えていて、私たちだけでメルボルンに残るに当たってもいろいろ生活に準備やサポートを与えてくれて。
父・母・子供達とばらばらに住んでいる今も生活に便利な物、日本の番組のDVDやその他日本で買った物などいろいろ送ってくれたりして。
もうこんなに大きくなった私たちを育て続けてくれて、日本人として生活させてくれて、そして世界中に(縦に)ちらばる家族をまとめてくれて。
本当にお母さん、ありがとう。
今日の一曲: エクトール・ベルリオーズ 「幻想交響曲」 第5楽章 「ワルプルギスの夜の夢」
母の好きな曲の一つを今日はチョイスしました。(ちなみに父はこの4楽章が好きです。私はといえばどっちも捨てがたい!と思います(笑))
まず「幻想交響曲」のあらすじを。
ある男は失恋の苦しみからアヘンを飲んで自殺しようとする。ただ、服用した量は致死量に至らず、彼は一連の不思議な幻覚と夢を見始める。
その中では彼は現世で恋い焦がれた女性と出会い、恋に落ち、恋ゆえに彼女を殺害し、そして断頭台にて処刑され、そして死んだ彼は魔女達のサバトの騒ぎの中で彼女に再会する・・・というもの。
ベルリオーズ自身の経験を元にしているとかいないとか。
この交響曲を通じて「愛しい人のテーマ」というメロディーが使われています。
それは第2楽章の幻覚のなかに様々な形で現れたり、第2楽章の円舞のシーンで踊る彼女を表し、第4楽章で主人公が首を落とされる直前の彼の思いとして現れ・・・
そしてこの5楽章では、魔女や化け物、幽霊の集まりのなかでそのテーマは幽霊となった「愛しい人」を表すためにどこかひねくれた、不気味に陽気なクラリネットのソロで表されます。
そして中間部で真夜中の鐘と共に現れるのはグレゴリオ聖歌の「怒りの日」。
このセクションでのステージ裏の鐘の音が好きです。断然チューブラーベル(筒状の)ではなくすり鉢状のやつで。すり鉢状のほうが倍音がいっぱい入ってくるので音程がわかりにくくて風情があります。
そして鐘は結構個体差が多いので(教会の鐘もそうですが)、演奏ごとにどんな音が聞けるかというのも密かな楽しみです。
これは交響曲全体にもいえることなんですがものすごく緻密に書かれてるんですよね。
性格と私生活は支離滅裂だったベルリオーズですが、指揮者、作曲者、そしてなんといっても楽器使いの元祖革命児です。そしてなんといっても楽器使いがうまい。
たとえば愛しい人の幽霊を奏でるEs管クラリネット、そしてチューバの元の形のOphicleidなど、従来のオケにはなかった特殊な楽器(テューバは今ではスタンダードメンバーですが)を使い、音の幅を広げました。
そして今でも「乾いた骨の音」を表すのに使われるCol legno(弦楽器の弓を上下ひっくりかえして木の部分で弦を打つ奏法)も、ここで初めてメジャーに使われ。
こういった工夫も彼の奇っ怪な想像の世界を表現するには不可欠だったんでしょうね。
本当に見事な曲なんですよ。なにより自分の言葉が不足だったのですが見事さをプッシュしたい(笑)
初聞きはエキサイティングで不思議で不気味で陽気な曲ですが、もう1ステップ、曲を知ってからもっとcloseに聞いて、その音楽がどんなに素晴らしく構築されているか、というのにも耳を向けて欲しいです。
オープニングで不気味さを表す弦楽器、先ほどのクラリネット、鐘の音、「怒りの日」を奏でる金管楽器・・・
楽器使い、特殊な音、リズム、和音。
母がこの曲を愛するのもその完成度の高さも大きいのではないかと思います。
ハロウィーンの夜に特におすすめな、エキサイティングで楽しい、そして噛めば噛むほど奥深い曲です。
(父の日はオーストラリアでは9月です)
ということで母に感謝の気持ちを込めて(すでにグリーティングカードを送り、後でテレビ電話で話します♪)母のことをちょろっと書こうと思います。
もはやいつだったか思い出せませんが、「母は40過ぎてから自分が理系の思考パターンだと気づいた」と言った・・・はずです。
大学では文学を専攻、それで国語を教えていたこともあります。
フランス語もやっていたらしく、在学中にフランス語に似てるからということでポルトガル語もちょっとやったとか。
音楽、絵画など芸術に造詣が深く、それとあと歴史もそうですが日本のものよりも世界、特にヨーロッパのものに詳しく。
こないだも日本史にはあんまり興味がない、世界史の方がおもしろいという話で母と私は盛り上がりました。
遺伝的には私は母の遺伝子をより多く受け継いでいて、さらに環境的な影響も母の方が強いような気がします。
外見や性格は母似ですし、音楽やなんかの好みも歳を重ねるごとに似てきてます。
フランス音楽好きなところとか、理系っぽい音楽が好きなところとか。
遺伝的な話をすれば私のうつも母方のほうの遺伝子からきたもので。母も私のうつの経験が引き金となって渡しほど重症ではありませんでしたがうつ気味だった時期も過去にあります。
その時期は母娘仲があんまりよくなかったんですよね。お互いの心の不調もあり。
当時の精神医に「日本では違うかもしれないけど、オーストラリアでは親子がもっとお互いを知り、友達のように仲良くすることが普通で、それがもしかしたらいろいろ変えるかもしれないから努力するべきだ」という風に言ったことをきっかけに改善し。その間にティーンを抜けたのもあったと思いますし、病状自体も二人とも良くなったのですが、まあとにかく今では先ほどいったように芸術や歴史やなんやかんやでいろいろ盛り上がる仲です。
母は私の知っている人の中で一番の「インテリ」だと思います。
芸術への造詣、文学の知識、そして幅広い芸術、歴史などへの興味など。
感情派なようで結構理論も強く。
母としても100点満点ですし、さらに手芸やペインティングなどのクラフト系の趣味にも長けていて。
出張が多い父の不在(赴任を含む)中も家族を支えていて、私たちだけでメルボルンに残るに当たってもいろいろ生活に準備やサポートを与えてくれて。
父・母・子供達とばらばらに住んでいる今も生活に便利な物、日本の番組のDVDやその他日本で買った物などいろいろ送ってくれたりして。
もうこんなに大きくなった私たちを育て続けてくれて、日本人として生活させてくれて、そして世界中に(縦に)ちらばる家族をまとめてくれて。
本当にお母さん、ありがとう。
今日の一曲: エクトール・ベルリオーズ 「幻想交響曲」 第5楽章 「ワルプルギスの夜の夢」
母の好きな曲の一つを今日はチョイスしました。(ちなみに父はこの4楽章が好きです。私はといえばどっちも捨てがたい!と思います(笑))
まず「幻想交響曲」のあらすじを。
ある男は失恋の苦しみからアヘンを飲んで自殺しようとする。ただ、服用した量は致死量に至らず、彼は一連の不思議な幻覚と夢を見始める。
その中では彼は現世で恋い焦がれた女性と出会い、恋に落ち、恋ゆえに彼女を殺害し、そして断頭台にて処刑され、そして死んだ彼は魔女達のサバトの騒ぎの中で彼女に再会する・・・というもの。
ベルリオーズ自身の経験を元にしているとかいないとか。
この交響曲を通じて「愛しい人のテーマ」というメロディーが使われています。
それは第2楽章の幻覚のなかに様々な形で現れたり、第2楽章の円舞のシーンで踊る彼女を表し、第4楽章で主人公が首を落とされる直前の彼の思いとして現れ・・・
そしてこの5楽章では、魔女や化け物、幽霊の集まりのなかでそのテーマは幽霊となった「愛しい人」を表すためにどこかひねくれた、不気味に陽気なクラリネットのソロで表されます。
そして中間部で真夜中の鐘と共に現れるのはグレゴリオ聖歌の「怒りの日」。
このセクションでのステージ裏の鐘の音が好きです。断然チューブラーベル(筒状の)ではなくすり鉢状のやつで。すり鉢状のほうが倍音がいっぱい入ってくるので音程がわかりにくくて風情があります。
そして鐘は結構個体差が多いので(教会の鐘もそうですが)、演奏ごとにどんな音が聞けるかというのも密かな楽しみです。
これは交響曲全体にもいえることなんですがものすごく緻密に書かれてるんですよね。
性格と私生活は支離滅裂だったベルリオーズですが、指揮者、作曲者、そしてなんといっても楽器使いの元祖革命児です。そしてなんといっても楽器使いがうまい。
たとえば愛しい人の幽霊を奏でるEs管クラリネット、そしてチューバの元の形のOphicleidなど、従来のオケにはなかった特殊な楽器(テューバは今ではスタンダードメンバーですが)を使い、音の幅を広げました。
そして今でも「乾いた骨の音」を表すのに使われるCol legno(弦楽器の弓を上下ひっくりかえして木の部分で弦を打つ奏法)も、ここで初めてメジャーに使われ。
こういった工夫も彼の奇っ怪な想像の世界を表現するには不可欠だったんでしょうね。
本当に見事な曲なんですよ。なにより自分の言葉が不足だったのですが見事さをプッシュしたい(笑)
初聞きはエキサイティングで不思議で不気味で陽気な曲ですが、もう1ステップ、曲を知ってからもっとcloseに聞いて、その音楽がどんなに素晴らしく構築されているか、というのにも耳を向けて欲しいです。
オープニングで不気味さを表す弦楽器、先ほどのクラリネット、鐘の音、「怒りの日」を奏でる金管楽器・・・
楽器使い、特殊な音、リズム、和音。
母がこの曲を愛するのもその完成度の高さも大きいのではないかと思います。
ハロウィーンの夜に特におすすめな、エキサイティングで楽しい、そして噛めば噛むほど奥深い曲です。
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